クンタ・キンテさんの「擬音」よりバトンをつながせていただきます。
むらしんと申します。よろしくお願いいたします。
新宿の劇場でクラスターが発生したというニュースは、芝居好きの自分にとって衝撃でした。演劇・ライブシーンに与える影響はどれほどのものか。witthコロナの新しい生活とライブエンタメを観る楽しみは両立するのでしょうか。
日本の舞台ガンバレの思いを込めて、お題は「舞」です。
必ず漢字で詠み込んでください。熟語でも、もちろん構いません。
脱ぐための衣装纏いて桜色の嘘の舞うなか花道を征く（むらしん）
ルール
1：出題者が、お題を出します。
2：お題は、何でもありで面白そうなもの。50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3：出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます（一人一首のみ）
4：一週間以後、出題者が（独断で）もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選び、その選出理由を書き込みます。
5：次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
（新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号＋5」）
6：その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。
※2012年4月17日一部改定（基本ルールに「特定の単語文字列を指定して下さい」を加筆）
むらしんと申します。よろしくお願いいたします。
新宿の劇場でクラスターが発生したというニュースは、芝居好きの自分にとって衝撃でした。演劇・ライブシーンに与える影響はどれほどのものか。witthコロナの新しい生活とライブエンタメを観る楽しみは両立するのでしょうか。
日本の舞台ガンバレの思いを込めて、お題は「舞」です。
必ず漢字で詠み込んでください。熟語でも、もちろん構いません。
脱ぐための衣装纏いて桜色の嘘の舞うなか花道を征く（むらしん）
ルール
1：出題者が、お題を出します。
2：お題は、何でもありで面白そうなもの。50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3：出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます（一人一首のみ）
4：一週間以後、出題者が（独断で）もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選び、その選出理由を書き込みます。
5：次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
（新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号＋5」）
6：その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。
※2012年4月17日一部改定（基本ルールに「特定の単語文字列を指定して下さい」を加筆）
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コメント(52)
それでは、選歌に入ります。お気に入りは全部です。
最優秀は、とみいえひろこさんの
その国のスコールは舞うように降る ほんとうに？ ほんとうに。しずかに。
です。
この歌の圧倒的な説得力にやられました。スコールが舞うように降るわけないのに。静かに降るスコールとか、ありえないのに。上の句だけなら、どこの嘘つきのホラ話かと笑ってすませるところなのに。下の句だって、全然きちんと説明してないのに。これが定型の破壊力。定型と言っても十二分に崩してはいます。でも三十一音。ここ重要。
「ほんとうに」のリフレインや句読点が目を引きますが、この歌の下の句のキモは「しずかに」ではないでしょうか。ここが音数ピッタリ、且つ、内容的にもピッタリの語を配置したこと、これがすごい。フィギュアで言えば、４回転ジャンプの着氷がパーフェクトに決まった感じ。こんなにテクニカルなことしてたら変な力みとか入っちゃいそうですが、そこをスッと。定型のリズムに乗せて、スッと。
「舞」というお題からこの主題を出してきたのも驚きです。「舞」の入った熟語を考えるか「舞う」もののイメージをつないでいくのが正攻法だと思うのですが、まさかのスコール。「舞うように」って、そこに疑問持たれたら投了ですから。でも、それも読ませてしまうんですね。感想にも書きましたが、「その国の」というさらっとした書き出しが威力を発揮しています。ここも定型を外さない。だから上の句が流れを持つ。
もちろん、二回目の「ほんとうに」が断定してることとか、その断定に句読点が大いにかかわっていることとか、それがひらがな表記であることとか、説得力の由来を挙げだしていけばきりがないのですが。でも、一番の要素はこれが短歌の音数で書かれたことであると自分は思いました。虚構を真実にしてしまう力、それがこの歌の最優秀の理由です。
また、次点は、ともざさんの
夜空より零れ落ちたと囁いて舞妓の袖に金平糖を
とします。
こちらは描かれている情景の美しさに惹かれました。金平糖を星に見立て、それを舞妓に渡してしまうセンスの良さ。自分には全く無いものだけに、強くあこがれるものがありました。漢字の多さを言いましたが、どの漢字をひらがなにひらくかは悩ましいところ。元歌の全部漢字バージョンが正解ということも、大いにありえます。
以上となります。とみいえさんには、「マスク」のお題も締め切ったばかりのところで恐縮ですが、何卒バトンをよろしくお願いいたします。
今回は読み切れない歌も多く、非常に力不足でした。そして、流れや空気を読まず忖度抜きで選歌してしまったこと、気にしていないと言えば嘘になります。どうか、この結果がうまいこといきますように。ありがとうございました。
最優秀は、とみいえひろこさんの
その国のスコールは舞うように降る ほんとうに？ ほんとうに。しずかに。
です。
この歌の圧倒的な説得力にやられました。スコールが舞うように降るわけないのに。静かに降るスコールとか、ありえないのに。上の句だけなら、どこの嘘つきのホラ話かと笑ってすませるところなのに。下の句だって、全然きちんと説明してないのに。これが定型の破壊力。定型と言っても十二分に崩してはいます。でも三十一音。ここ重要。
「ほんとうに」のリフレインや句読点が目を引きますが、この歌の下の句のキモは「しずかに」ではないでしょうか。ここが音数ピッタリ、且つ、内容的にもピッタリの語を配置したこと、これがすごい。フィギュアで言えば、４回転ジャンプの着氷がパーフェクトに決まった感じ。こんなにテクニカルなことしてたら変な力みとか入っちゃいそうですが、そこをスッと。定型のリズムに乗せて、スッと。
「舞」というお題からこの主題を出してきたのも驚きです。「舞」の入った熟語を考えるか「舞う」もののイメージをつないでいくのが正攻法だと思うのですが、まさかのスコール。「舞うように」って、そこに疑問持たれたら投了ですから。でも、それも読ませてしまうんですね。感想にも書きましたが、「その国の」というさらっとした書き出しが威力を発揮しています。ここも定型を外さない。だから上の句が流れを持つ。
もちろん、二回目の「ほんとうに」が断定してることとか、その断定に句読点が大いにかかわっていることとか、それがひらがな表記であることとか、説得力の由来を挙げだしていけばきりがないのですが。でも、一番の要素はこれが短歌の音数で書かれたことであると自分は思いました。虚構を真実にしてしまう力、それがこの歌の最優秀の理由です。
また、次点は、ともざさんの
夜空より零れ落ちたと囁いて舞妓の袖に金平糖を
とします。
こちらは描かれている情景の美しさに惹かれました。金平糖を星に見立て、それを舞妓に渡してしまうセンスの良さ。自分には全く無いものだけに、強くあこがれるものがありました。漢字の多さを言いましたが、どの漢字をひらがなにひらくかは悩ましいところ。元歌の全部漢字バージョンが正解ということも、大いにありえます。
以上となります。とみいえさんには、「マスク」のお題も締め切ったばかりのところで恐縮ですが、何卒バトンをよろしくお願いいたします。
今回は読み切れない歌も多く、非常に力不足でした。そして、流れや空気を読まず忖度抜きで選歌してしまったこと、気にしていないと言えば嘘になります。どうか、この結果がうまいこといきますように。ありがとうございました。
>>[43]
ありがとうございます！バトン受け取りました。
「随想」と書かれていましたが、歌の世界に身体ごと入れながら理知的でもあって、ほうほうとうなずきつつ読みました。
わたしも、好きな歌がたくさんありました。
あえばあうほどにあいたくなっていく舞った桜の終わりのピンク （りなさん）
肥後の国コロナさ去なば行きなっせ赤身の馬刺し舞うごつ旨か（氏ネ氏ネ団団長さん）
来年の冬まで生きているのかな白いセーター箪笥に仕舞う（きじまっちさん）
舞姫が嘘つきの客に投げるよな無垢を差し出す古参のヤモリ（ジョジさん）
くるくるり巻いても残る舞茸のかわす仕草よパスタは楽し（ごじょうさん）
舞台にはシナリオどおりの紅色がしきつめられて朝日にかわる（はしるさん）
（「これでこの歌全部が比喩だったら」という転換にはっとしました。）
うまいこといきますようにがんばります。
ありがとうございます！バトン受け取りました。
「随想」と書かれていましたが、歌の世界に身体ごと入れながら理知的でもあって、ほうほうとうなずきつつ読みました。
わたしも、好きな歌がたくさんありました。
あえばあうほどにあいたくなっていく舞った桜の終わりのピンク （りなさん）
肥後の国コロナさ去なば行きなっせ赤身の馬刺し舞うごつ旨か（氏ネ氏ネ団団長さん）
来年の冬まで生きているのかな白いセーター箪笥に仕舞う（きじまっちさん）
舞姫が嘘つきの客に投げるよな無垢を差し出す古参のヤモリ（ジョジさん）
くるくるり巻いても残る舞茸のかわす仕草よパスタは楽し（ごじょうさん）
舞台にはシナリオどおりの紅色がしきつめられて朝日にかわる（はしるさん）
（「これでこの歌全部が比喩だったら」という転換にはっとしました。）
うまいこといきますようにがんばります。
>>[031]
コメントをどうしても書きたいと思いながら、すっかり遅くなってしまってごめんなさい。
むらしんさん、ありがとうございました！
字余りに賛同していただけたこと、ここは絶対に譲りたくない字余りだったのでガッツポーズでした(笑)
むくままに、は、心のおもむくままに、が一番近いかと思いますが、さらけるという意味で「剥く」にもかかるようにひらがなにしました。
いい感じに見透かしていただいて嬉しい
ありがとうございました！
＞とみいえさん
遅くなりましたが、最優秀おめでとうございます！
一読、私もいちばん惹かれた短歌でした。
余韻しかないような全体の匂いがたまらなく好きでした。
とみいえさん以外のお気に入りは、ジョジさんとはしるさんでした。
ジョジさんの短歌は梨木香歩さんの書かれる物語のようで、繰り返し読むほどに味わいが深まるように感じました。
はしるさんの短歌はどうしてこうもドラマチックなんでしょう？
紅。
ため息が出ました。
コメントをどうしても書きたいと思いながら、すっかり遅くなってしまってごめんなさい。
むらしんさん、ありがとうございました！
字余りに賛同していただけたこと、ここは絶対に譲りたくない字余りだったのでガッツポーズでした(笑)
むくままに、は、心のおもむくままに、が一番近いかと思いますが、さらけるという意味で「剥く」にもかかるようにひらがなにしました。
いい感じに見透かしていただいて嬉しい
ありがとうございました！
＞とみいえさん
遅くなりましたが、最優秀おめでとうございます！
一読、私もいちばん惹かれた短歌でした。
余韻しかないような全体の匂いがたまらなく好きでした。
とみいえさん以外のお気に入りは、ジョジさんとはしるさんでした。
ジョジさんの短歌は梨木香歩さんの書かれる物語のようで、繰り返し読むほどに味わいが深まるように感じました。
はしるさんの短歌はどうしてこうもドラマチックなんでしょう？
紅。
ため息が出ました。
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