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短歌点コミュの短歌点606お題「家」

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お題「切」でバトンをお預かりしましたりりる♪です。

「家」を詠み込んでください。

*
「家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」
有間皇子

この歌を詠んだ時有間皇子は自分はこの旅から生きては帰れないだろうとわかっていたといいます。

*

映画「未来世紀ブラジル」(テリー・ギリアム監督)の主人公サムは身体と精神の破壊を前に魂のもたらすカオスなエネルギーで何とか愛するジルと一緒に「家」に帰ろうとします。
*

「憶良らは今は罷らむ子泣くらむその彼の母も吾を待つらむぞ」 山上憶良 宴会を辞する時の歌

貧困と老いを歌にした山上憶良は人間は生かされているだけではなく「尊厳」あることが大事なのだと その人生で目覚め葛藤しました。最後まで人間らしくあるために「家」はとても大切なものでした。

(ルール)
1:出題者がお題を出します。
2:お題は何でもありで面白そうなもの。50題以前に出されたものであれば既出のお題でもO・Kです。
3:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(一人一首)
4:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選び、その選出理由を書き込みます。
5:次のお題は最優秀短歌をつくった人が出すことになります。(新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
6:その後はみんなでワイワイ感想をかわします。

コメント(58)

二人だと余計に孤独を感じる。隣家の電話ずっと鳴りおり
宿を取り一泊二日ほんとうに君の家出は家出になるの?
全館終日禁煙君の家 ライターをひとり手に弄ぶ
意地を張り家出し夜の公園で頬打つ母の涙に負ける
ショベルカーがわが家に穴をあけてゆくさまを見ている小雨のなかで
投稿ありがとうございました。
歌評にはいりますが みなさんと違って 教養も感性もとぼしく 「歌は詠むより読むほうが難しいby河野裕子」を地でいっております。
それでも精一杯やります。よろしくお願いします。
わたしはいまだにガラケーで変換できない漢字があります。どうかお許し下さい。
「yes言え」えっ?「嫌っ!」言やあ、「yes,sure!」胃炎癒んよ、yah,yet家ぇ」


『音に溺れよ』
「歌は意味から作るのではなく言葉から作るのです」河野裕子。
映画「フランク」にこんな場面がありました。カリスマ性の強いリーダーのいるバンドに入った主人公が何とかオリジナルを創ろうと四苦八苦しています。そこへ仲間がやってきて「まったく自分の才能のなさにはいやんなるよな」と言いながら 即興でものすごく美しい歌を歌うのです。
歌詞はありきたり。でも音が魂をゆるがす美しさ。

…これらのことを思いだしました。泣きながら笑いながらくちづさむ、そういう歌だと思いました。
隣町住んでた家は他所の家愛してくれているかあの家


『愛するとは哀しみを知ると言うこと(「哀しみは小倉に聞け」著中西進)』
昔住んでいた隣町の家には今は知らないひとが暮らしている。私たちが毎日精一杯生きてたくさん愛しあったようにその見知らぬ誰かもあの家で泣いたり笑ったり愛しあったりしてあの家を愛でいっぱいにしてくれているかしら。
きっと 愛されていると思います。
バブルCome
♪地上げたTokyo住まい無い
無言の内に♪家無いのよォ

『へいへいo(^o^)o家イエイ♪』
誰かの言葉に病気は〜、失恋は〜、そして貧困ではひとは笑う、とありました。(〜を忘れてしまった)ひとを笑わせる力、て凄いですよね。日本史は貧困の歴史でもありますがいにしえから人々は笑わせることで大事なひとを一生懸命愛したのではないでしょうか。
愛そのものの一首♪
母を待つ祖母の家での幼き日西日の窓が原風景である


『人生詠』
「灯ともれる家にはわたしが待つことを必ず忘るな雨の桜桃」河野裕子。
家は帰る場所そして待つ場所でもあります。自分の人生を積極的に受け入れ前を向いて歩いていく歌は人生詠と呼ばれますね。
家猫や家犬いると豊かだねペットなくても愛妻豊満


『友人(独創的な歌人でとても心の優しい)の歌評がとてもよかったのでそのまま紹介します』
この人は動物が好きで好きでたまらなくてでも飼えなくてそれが寂しいんだけどそんなのが些細なことに思えるほど奥さんの温もりに心酔しているんじゃないかな。
熱湯をくぐりぬけたるのちの菜のあおさ秋陽は家のうちそと


一読して、ざあっとざるに開けた青菜の美しい色が目にしみて、香りがたちのぼってきます。「家のうちそと」がまたいいですね。いい歌です…しみじみ。
二等兵のように私は吉野家で立ち上がりたり飯を食みつつ


何が起きたのでしょうか。唐突に、頬をはたかれたような体験を覚えました。「一椀には幾粒の飯があるのだらうつぶりつぶりと噛みながら泣く」河野裕子。
生きることの悲哀を
一瞬にして読者を引き込み体験させる凄い歌だと思いました。

肩口のおやすみ閉じて帰る家コーヒーミルを半周まわす


『安らぎ』
「肩口のおやすみ閉じて帰る家」ちいさい子が眠ってしまったのでそっと起こさないように何か肩に羽織らせて大事に抱いて帰りなさい、「コーヒーミルを半周まわす」あなたも疲れたでしょう、香りのいいコーヒーを今淹れますね。

「肩口を閉じる」「コーヒーミルをまわす」動作がふたつ。どちらも安らぎがあります。愛唱性の高い優れた歌です。
軒に蜂内には嫁が寝てをる家にてどうぞ何方もおしづかに


『美しさ』
ちいさなひとを寝かしつけるうちに自分もぐっすり眠ってしまったのでしょうか。家事や畑仕事(パートかも)子育てに毎日一生懸命生きているお嫁さんへの慈愛が感じられ そこにくすりとさせられるユーモアがあります。気品がありますね。美しい生き方なんだと思います。
心臓の奥に住み着く家があり君の出入りで血を巡らせる


『大好きなひとが住まう家』
実際には心臓は自ら動いているのだけれどまるで大事な誰かが司っていてわたしを生かしも殺しもするの…「全身を耳にして待つコツコツと訪ひ来る君の小さき靴音」黒田青磁。
隠れ家のやうでもあって繭玉のやうでもあって荒ぶれません


こんな絵本があります。「切っても刺しても血がでません。いつもあなたのそばにいます」直接の回答はなく縄跳びをする少女たちとその影法師がモダンなタッチで描かれています。この絵本にさりげなく混ぜたい、詩情あふれる歌だと思いました。答えは 何でしょうか。どんな絵が添えられるでしょうか。
野良の猫一匹息を潜めたる朝餉が香る北向の家


いい歌です。ぴりりと冷たい冬の朝の空気間が見事に表現されています。命にとって過酷な季節は 実はそのなかで必死に生きようとしている命が もっとも美しく輝く季節でもあります。真摯に生きようする美しさが光る歌。
二人だと余計に孤独を感じる。隣家の電話ずっと鳴りおり


古語と現代語が混じっているのは何故かしら。散文調がとーってもよい味わいを生んでいるので
「二人だと余計に孤独を感じる。隣家の電話がずっと鳴ってる」じゃだめかな…。「二人の孤独」を自分たちでは取ることのできない隣家の電話(応える者の居ない呼び掛け)、その音で表したんですね。ベルの音が美しいですね。
宿を取り一泊二日ほんとうに君の家出は家出になるの?


軽やかでキャッチーな魅力に心を惹かれました。わがままで可愛い女の子(人妻?)のちょっとした逃避行をふりまわされる男の目線で歌ったのでしょうか。
「まみの話をきいているの?不思議だわ、まみの話をきくひとがいる」穂村弘。
全館終日禁煙君の家 ライターをひとり手に弄ぶ


漢文もどきな上句と下句のしょざいなさげなぼやきのバランスが見事ですね。ついにあの子を手にいれたぞ。でもまいったな彼女はなかなかに厳しい。何か俺居心地悪いな。あぁ嫌われたくない…。

「Kは、すぐに自室にあがっていき、ベッドに横になった。フリーダは、ベッドのそばの床の上に寝床をしつらえた。助手たちも、いっしょに部屋にはいりこんできたが、追いだされると、こんどは窓からはいりこんできた。」カフカ「城」
カフカは人間の疎外をユーモアに昇華しくすくす笑いがたえない文学を生みました。通じるものがあります。
山里に家族六人ねしずまる獅子座流星群極大の夜


端正で優れた歌の見本になる歌です。
「わが家に帰り着きたる安心を昨日も今日も庭にわが言ふ」佐藤佐太郎
「気負いつつもの言う人の眼を見れば言葉はかなし言葉は恐ろし」橋本喜典
「十二人家族のつくる納豆の大ドンブリのねばりを思え」笹公人
意地を張り家出し夜の公園で頬打つ母の涙に負ける


『抱きしめたり叩いたり』
「頬を打ち尻を打ちかき抱き眠る夜夜われが火種の二人子太る」河野裕子。
一読して子供時代に引き戻されました。母と子の葛藤のエピソードがわかりやすく誰もが自らの生々しい体験を思い起こすのではないでしょうか。(母がいなくてもかわる大人との間での。)「涙に負ける」が成功しています。普遍性を持てる歌を創れるってすごい感性と力量があるんでしょうね。
ショベルカーがわが家に穴をあけてゆくさまを見ている小雨のなかで


スケッチ力を感じる歌です。まるで自分もその場にいて雨に濡れているような、映画のワン・シーンのなかに入り込んだような気持ちになりました。
「伝言板のこの寂しさはどんな奴「千年タツタラドコカデ逢おう」萩原裕幸。
ひとの心を打つドラマチックな歌!
幸運を使ひ果たしてゆくやうだ銀杏並木のかがやく家路(選歌対象外)

すばらしーい!銀杏並木の怖いくらいな美しさをよく歌に昇華しています。
「滾る湯に菠薐草を放ちたりわつと噴きくるヨモツヒラサカ」河野裕子。
生命や幸福のピークにひとはなぜ死の影がよぎるのでしょう。失いたくない、と思ってしまうからでしょうか、けれど生きとし生けるものは みな 変わってゆきますね。魂揺さぶる美の歌!
選歌にはいりますが正直どの歌が選ばれてもおかしくないと思います。
それでなにで選ぶかを考えました。
短歌には様々な可能性や魅力がありますが そのひとつに窪田空穂はこんなことを言っています。
「短歌にすれば後々まで残るがそうでなければ忘れてしまうような暮らしの一瞬一瞬。感動よりももっとささやかな心の動き。そうした領域を詠うこと」三枝是之。
なので 他の芸術表現では汲み取れない何かを歌っている歌をとることにしました。
映像、絵画、詩、小説、音楽、演劇、写真、漫画、それらの表現ではけっして表せないだろうという何かを表現しえた作品を選びました。



熱湯をくぐりぬけたるのちの菜のあおさ秋陽は家のうちそと

nero.さん


軒に蜂内には嫁が寝てをる家にてどうぞ何方もおしづかに

きくさん


二首に絞りました。
悩んでいても仕方がない。決めます。バトンをお渡しする歌は


軒に蜂内には嫁が寝てをる家にてどうぞ何方もおしづかに

きくさん


おめでとうございます。どうぞよろしくお願いします。


皆さん投稿ありがとうございました。

わたしは参加できませんがどうぞわいがやで思いやりのある あたたかい交流をお楽しみください。
りりる♪さん

いくつもの引用とともにお疲れ様でした。
たくさんの本を読ませてもらったような、豊かさを感じています。


きくさん

破調を生かした独特の面白さを感じました。
りりる♪さん

ご講評ご選歌まことにおつかれさまでした。

心(感性)技(知識筆力集中力)一体。
見事な評文です。

そして、最優秀に選らんで下さって、身が縮こまっております。

蜂は我が家の庇の垂木のあちこちに、数えると十数個も開けている直径二センチ弱の巣に棲息している熊バチ「嫁」は「妻、女房」。

目は覚めていても起きたくなくて嘘寝を決め込んでる朝。内にその嫁が寝ている熊バチの巣がある家の軒下を仕事に出る家長の図を詠んだ歌。

正直に明かしますと、美しくもなんともない光景なのです。

この家の生活丸ごと支えてくれている、謂わば夫賛歌のつもりでございました。

あらためて最優秀下さってありがとうございました。

はしるさん、真魚さん、ユッコさん、ありがとうございます。

お気に入りは

野良の猫一匹息を潜めたる朝餉が香る北向の家(エリーさん)


幸運を使ひ果たしてゆくやうだ銀杏並木のかがやく家路(選歌対象外山椒さん)


どちらのお歌もりりる♪さんの評文に異論なく。

ことに山椒さんのお歌へのは、近頃の私が感じている怖れの実態を知らしめてくれて。いたく染み入るお歌と評文でした。


りりる♪さん、講評と選歌お疲れ様でした。いろいろと勉強されているなぁと感心致しました。
きくさん、最優秀おめでとうございます!家長という言葉の重み…大切にしたいと思います。

拙歌…最後まで残して頂きありがとうございました♪はしるさん、石AYAさん、お気に入りありがとうございます!

今回、良いと思いました歌は、きゃろさんと山椒さんの歌でした☆
>>[51]

詩のような評釈、楽しめました。お疲れ様です。
個人的にはお二方のが印象に残りました!

《軒に蜂内には嫁が寝てをる家にてどうぞ何方もおしづかに (きくさん)》
@ちょっとコミカルいい感じ。

《心臓の奥に住み着く家があり君の出入りで血を巡らせる(よもぎさん)》
@音が好き!

ありがとうございました。

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