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短歌点コミュの短歌点1002 △お題「におい」

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おこげさんの「パインアメ」からバトンを頂きました、ひでと申します。

  お題は、「におい」とさせて頂きます。

このことばが入っていれば、表記は問いません。
「匂い」「臭い」「ニオイ」など表記は自由です。
コロナ禍で疎遠になった「におい」。
皆さんのご参加をお待ちしております。

あけがたの黄なるダリヤを盗らんとてそらにさびしき匂ひをかんず
                  宮沢賢治

ルール

1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。
  50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:トピック本文に「前回の出題者名」「前回のお題ワード」を明記してください
 (例:●●さんの「▲▲」というお題からバトンを受け取りました)。
4:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
5:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選
び、その選出理由を書きこみます。
6:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
 (新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
7:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。
ーーー

※2012年4月17日一部改定
(基本ルールに「特定の単語・文字列を指定してください。」を加筆。管理人:ツトム)
※2022年3月9日一部改定
( ルールの3番として以下加筆。「トピック本文に『前回の出題者名』『前回のお題ワード』を明記してください(例:●●さんの『▲▲』というお題からバトンを受け取りました)」。

コメント(60)

ふわふわの犬の子抱けばクッキーの匂いがふわっと私を包む
皆さん、今晩は。
朝夕めっきり涼しくなって、急に秋が深まりましたね。
さて、このトピック「におい」の締め切りは、お知らせしたとおり、10月7日(金)いっぱいとさせていただきます。
引き続きのご投稿お待ちしております。
また推敲、差し替えもお気兼ねなくなさってください。
よろしくお願いします。
「におい」のトピックは、これで締切りです。
皆さん、たくさんご投稿いただいてありがとうございました。
選歌までしばらくお時間をください。
皆様、「におい」のお題にたくさんのご投稿、本当にありがとうございました。
それでは皆様から投稿頂いたお歌の感想を、お伝えしていきます。
今回も皆様の短歌の世界を自由に空想旅行していきますので、たくさんの読み間違いもあると思います。
そんな時は、是非皆様からご指摘を頂ければ幸いです。
>>[5]
鱗粉をふりまく街が濡れ羽色の夜のにおいにふちどられていく

五感に訴えかけてくる歌です。夜の色を「濡れ羽色」と表現しました。とても艶めき、奥行きを感じる言葉です。また同時に濡れ羽色と表現したことによって、あとの「におい」にも色が滲んできます。
その夜の街は、鱗粉を振りまく街です。「鱗粉を振りまく街」という表現もどこか艶かしく街を覆います。結句「ふちどられていく」で、この歌に現れた全ての「感覚」が収められていきます。
この歌は、全ての言葉が連関し合いながら、全体の空気を醸し出しているように感じました。
>>[7]
またこすりコアラにおいてはマーキング 縁の樹々は匂いぬるかな

だいたい木にしがみついている印象のコアラ。そんなコアラがまたこすりをするのは、自分の縄張りを示すためのマーキング。そんなコアラのマーキングで、緑の木々の匂いの中にもマーキングの匂いがしっとりと匂ってきそうです。
お題は、「匂い」の他にも「コアラ(におい)ては」。こんなところにもお題が擬態のように隠れていました。
他にも
マーキング→匂いぬる(塗る)かな
まだまだ隠れているかもしれません。本当にワクワクする不思議の森のようなお歌です。
>>[9]
焼きたてのパンの匂いに目覚めたし、しあわせを口移しされたし

焼きたてのパンの匂いで目覚めたい。まさに眩しく幸せな朝の象徴のようです。本当にいちから焼いた焼きたてパンか、それともトースターで焼いた食パンか。どちらにしてもこんがりとしたパンの香りが漂う中で目覚めたい。下句、幸せを口移しされたいと言います。幸せの口移し。様々なイメージが広がります。けれどそのどちらも願いです。そんな幸せな朝の空気を、具体的な幸せをイメージして、心深く願っている。上句の後の読点が作中主体の気持ちを映しているようです。
>>[10]
おぶわれた祖母の背中の匂いぬくもり僕を忘れた今も変わらず

幼い頃、何度もおぶってもらった祖母の背中。そんな祖母の背中の匂いは、作中主体の記憶の奥底に今もしっかりと残っています。そんな大好きな祖母。でも今は作中主体のことがわかりません。僕を認識できなくなった祖母。しかし作中主体は、祖母の匂いをしっかりと覚えています。
三句、字余りは五感を伴う溢れる記憶を現しているように感じました。下句で祖母と作中主体の現在が的確に表現されています。
>>[11]
もう夢はいいや僕には朝がある 君のにおいを追ってキッチン

夢と今の暮らしを秤にかけて、えいっと今の暮らしを選びました。今の暮らしを象徴するのがキッチンと君のにおい。朝キッチンにいる君を感じる。やっぱり僕には君がいる。君がいるキッチンを感じて、君のそばに行く。
二句、「いいや」とさらりと言い切りました。なぜなら僕には朝があるから。「いいや」と言い切って、朝の君のキッチンに場面転換したところに、この歌の小気味よい味わいを感じました。下句「君のにおいを追ってキッチン」の表現が明るさ、動きを感じて、とても惹きつけられます。
>>[13]
卵焼きのにおいが似合うわたしにはなれないけれど 愛しています

ひたすら愛おしく真っ直ぐな相聞歌です。作中主体は自分のことを卵焼きの匂いが似合うとは言いません。そんな自分にはなれない。四句までを読んだらそのあと、願望がきそうな気がしますが、そうではありません。私の思いです。
「愛しています」。この結句は潔い。
卵焼きのにおいが似合う女性にはなれないけれど、そんなこととは関係ない。私はただあなたが好きだ。
ここに決然とした作中主体の思いが吐露されます。四句までに対して、結句できっぱりと言い切るところが、この歌の清々しさです。
四句までの流れを、一本背負いのようにひっくり返す結句は、ふわっと空中転換するようで、やっはり気持ちがいいのです。
>>[15]
靴音に目覚めよ都市の駅舎には踏みしだかれて朝餉の匂い

朝の駅はたくさんの人がそれぞれの人生を抱えながら、それぞれの目的地に向かってそれぞれの足を動かす。そんな駅には沢山の人生が、一点で交差する交響楽のようにも思えます。「目覚めよ」という言葉がこの歌にくっきりとした輪郭を付けます。
「踏みしだかれて」が、朝の駅の雑踏をうまく表現しています。この歌では注目すべき言葉だと受け止めました。戦場のような都市の駅には、せわしない動きの音が目まぐるしく満ちている。
そして結句「朝餉の匂い」。この「朝餉の匂い」をどう読むか。一読したときにイメージしたのは、駅そばでした。が、この光景そのものに「朝餉の匂い」がイメージされるようにも受け取りました。
>>[16]
コーヒーの匂いにつられ君を見るマグの子猫を見てるふりして

顔を上げたきっかけは、コーヒーの香りなんですが、君の顔を見た瞬間、自意識に基づく演技が始まります。君を見てるのに、見たいのに、マグカップの子猫を見ているふりをしてしまう。
この歌には二つの小道具が出てきます。
一つは「コーヒーの匂い」。一つは「マグカップの子猫」。
最初のコーヒーの匂いは作為じゃないけれど、次のマグカップの子猫は作為。きっと誰でも経験したことのある、大好きな人を直視できずにごまかして、違うところを見ているふりをしてしまう。
そんな恋する気持ちが、この歌には溢れています。
>>[17]
雨音とメトロノームが混ざり合う息継ぎに音楽室の匂い
〈選歌対象外〉

雨音は不規則なリズム。メトロノームは規則的なリズム。
不規則なリズムと規則的なリズムが絡み合い、音楽室を満たします。そんな音の世界に時々挟み込まれる感覚が、音楽室の匂い。それを四句から結句への句跨りで巧みに表現しています。
音楽室には匂いがあります。独特なにおいが。
その匂いは雨によって湿度を加え、さらに室内に充たされるのでしょう。
雨音とメトロノームの音は、息苦しいような湿り気を帯びた音楽室の空間にずっと聴こえている。
この歌を読んで、音と匂いと空間のそれぞれに染み渡った湿度を持った感覚が広がりました。
>>[19]
街角につかのまベーカリーの匂いして世界でいちばん愛のつかのま
(選歌対象外)

なぜだろう。ベーカリーの匂いって、とても惹きつけられるし、とても落ち着いた気持ちになります。私たちの記憶の奥底で、ベーカリーの匂いは感性にシンクロしていることが多いのかもしれません。
上句、あくまでベーカリーの匂いはふっと、街に流れてきただけの一瞬でした。けれどその香りは、世界で一番の愛の香りの瞬間でした。この歌は「つかのま」が二つ使われています。
最初の「つかのま」は、ベーカリーの匂い、結句の「つかのま」は、普遍的な愛の「つかのま」。
ベーカリーの香りに、瞬間つつまれる幸福感。
街にベーカリーの香りが漂ってきたこの一瞬に、平和な街の「今この瞬間」を感じました。
>>[21]
ふわふわの犬の子抱けばクッキーの匂いがふわっと私を包む

子犬を抱いた時って、本当にふわふわで柔らかくて、何とも言えずいとおしくかわいいですね。そんな感覚が読むものをそのまま「ふわり」と包んでくれるお歌です。
「クッキーの匂い」そうなんです。子犬って独特の匂いがします。言われてみれば、確かに、クッキーのようなやわらなか甘い匂いですね。
「子犬を抱けば」と言わずに「犬の子抱けば」としたことで母犬から生まれた大切な「命」を感じさせてくれます。
「ふわふわの」子犬の姿、柔らかさ。「ふわっと」匂いが包む。見た目や肌触りの「ふわ」とかおりの「ふわ」が相乗効果でさらに柔らかく優しい気持ちに包んでくれます。
読むものを幸せな気持ちにしてくれるお歌です。
以上12首、皆さん、たくさんの素晴らしい短歌を投稿してくださり、本当にありがとうございました。どの歌も素晴らしく、お気に入りを選ぶのがとても難しかったです。

それではまず、私のお気に入りの五首を選びました。


[5] むらしんさん
鱗粉をふりまく街が濡れ羽色の夜のにおいにふちどられていく

[13] 蜜柑さん
卵焼きのにおいが似合うわたしにはなれないけれど 愛しています

[17]クンタ・キンテさん
雨音とメトロノームが混ざり合う息継ぎに音楽室の匂い
(選歌対象外)

[19]@貴さん
街角につかのまベーカリーの匂いして世界でいちばん愛のつかのま
(選歌対象外)

[21]ラッコさん
ふわふわの犬の子抱けばクッキーの匂いがふわっと私を包む
次点と最優秀は次の方の短歌を選びました。

まず次点。です。

[21]ラッコさん
ふわふわの犬の子抱けばクッキーの匂いがふわっと私を包む

ふわふわの犬の子供の姿と質感、そして柔らか匂いに包み込まれる、読む者を幸せにする短歌です。



そして最優秀は、

[5] むらしんさん
鱗粉をふりまく街が濡れ羽色の夜のにおいにふちどられていく

すべての言葉(表現)が読むものの五感を透過しながら関係し合うことで、作中主体の佇む夜の街の、色とにおいに包まれました。
素晴らしい短歌をありがとうございました。


むらしんさん、バトンを受け取ってください。



皆様、私のトピックにたくさんの素晴らしい短歌を投稿していただき、本当にありがとうございました。投稿があるたびに喜んでいました。
後は皆様で「わいわい」で盛り上がっていただければ幸いです。

おこけさん、この度は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
>>ひでさん
お疲れ様でした。
素敵な評と次点をいただきとても嬉しいです。
ありがとうございました^^💕
>>むらしんさん
最優秀おめでとうございます。
丁寧に構築された計算された秀歌だとお見受けしました。全ての言葉が過不足なく互いを引き立てて深く静かに迫ってきます。素敵ですね。
>>[39]

選歌と講評ありがとうございました。
そして、自分の歌を最優秀にお選びいただき、誠にありがとうございます。久々にきらびやかな歌を目指して作ったのを過分にご評価くださり、大変嬉しく思っています。

バトン、お預かりします。お題考えますので、ぜひご参加ください。

取り急ぎ御礼まで。お気に入りなどはまた改めて。
>>[41]

さっそくのお祝いありがとうございます。
内容的には「繁華街に夜が来た」ってだけの歌なのですが、選んだ言葉がハマってくれました。
次のお題、一両日中には出そうと思います。ぜひともご参加くださいませ。

ラッコさんの歌も素晴らしかったです。「子犬を」ではなく「犬の子」としたところに確かな言葉のセンスを感じました。
>>[1]

申し訳ありません。
ナカノフスキさん のお歌への感想が操作ミスで空白のままとなっておりました。
ナカノフスキさん 、申し訳ありませんでした。

ただ趣味のためのドラクエこれ以上雨の匂いを嗅いだなら泣く

作中主体にとってドラクエは趣味。ただ好きだから今ドラクエをやっていると受け取りました。
でも一方でこれ以上、雨の匂いを嗅いだら泣いてしまうとも言う。一首として読むと、雨の匂いが泣くほどの悲しみを引き出す、そんな状態の中でドラクエをやっている。雨によって引き出される哀しみを忘れるためにドラクエをしているようにも感じました。
ただ私はドラクエを知らないので、もしドラクエというゲームと雨に関係性があるとすれば、また、違った読みがあるのかもしれません。
すみません。
ラッコから玉依にハンドル変更しました。
ややこしくてごめんなさいお願い
改めて、ひでさん選評ありがとうございました。

講評を読ませていただいて、ひでさんも「自由な空想旅行」という形で、ご自身独自の「文体」と言いますか、オリジナルな書き方の枠組みを手に入れられたのだな、と感じました。一つひとつの歌の言葉に寄り添いながら、そこから発想を広げていく、一つの型が確立しているように見受けられ、とても好ましく思いました。これからもバンバン最優秀取っちゃってジャンジャン講評書いちゃってくださいませ。
それぞれの歌は、美味しそうなにおいの漂う歌が多かったですね。良いお題でした。


お気に入りはナカノフスキさんの

ただ趣味のためのドラクエこれ以上雨の匂いを嗅いだなら泣く

でした。次トピへの練習として、200字で感想を。

「ただ趣味のためのドラクエ」という言い回しに心惹かれました。「生活のためのドラクエ」とか「競技のためのドラクエ」ってあるのかな、いやでも「Youtubeのためのドラクエ」とか「付き合いのためのドラクエ」はありそうだな、と色々空想が広がり、ドラクエ好きとしては嬉しい時間でした。後半は幾つか読み方が出来そうですけど、個人的には実は前半が大嘘で「逃避のためのドラクエ」なのでは、というひでさんの読みに一票です。

こんな感じでしょうか。「泣く」理由をあれこれ詮索することもできそうですけど、それはまた別の話で。
>>[38]
講評と選歌、お疲れ様でした!
むらしんさんも触れておられましたが、いよいよ「ひでさんらしい講評」という雰囲気がいい意味でにほい立つような講評で、ひでさんの短歌はもとより、ひでさんの講評も個人的に楽しみになってきています。

私の短歌を五首選に入れていただきありがとうございます。
読みはひでさんの講評通りでした。
特に「一本背負いのような」と表現してくださったくだりが嬉しく、翻るようなあたりを拾って頂けてよかったです。

>むらしんさん
最優秀おめでとうございます!
むらしんさんの短歌、むらしんさんらしさが際立っていて、濡れ羽色や鱗粉が、夜の街のネオンやあの独特の雰囲気やにおいを表現するに足りすぎていて、なぜか微かに気持ちがざわついて、不穏と呼ぶには大袈裟くらいの何か落ち着かないものに捕まれたような心地がしました。
こういうのが詠む力なのでしょうね。
お気に入りは、むらしんさんとナカノフスキさん、@貴さんでした。

ナカノフスキさんの結句は、上句のただごとを、ただごとではない心情の裏返しとして置くことで、その押し込めた悲しみがなお際立つという、さすがの技量だと感じました。

@貴さんの短歌、パンの香りしてきました。笑
つかのまこそが幸せと呼ぶにふさわしいのかもしれません。
束の間だから、手放しに愛や幸せを全身に感じる、みたいな。
ひでさん
ご講評と選歌、お疲れさまでした。

皆さん仰るように、ひでさん独自の歌評スタイルというものが確立されてきて、安定感と、ハッとしたり「成程」と思ったりする視点が、読みをより豊かにされている印象です。
自分もうかうかしていられないなと、拙文を読み返しつつ、勉強させていただいている次第です(^^ゞ

「におい」という兼題も、色々と物語のイマジネーションが湧く良いワードでしたよね。
和歌の時代から詠まれ続けている、人間の原初的な感覚器官としての嗅覚って、永遠のテーマなのかもしれません。

拙歌への評、ならびに選に挙げていただき、ありがとうございます。
お気に入りに挙げていただいた蜜柑さんも、ありがとうございます。
下句が若干消化不良でしたが、通りがかりにふわっと漂う甘く香ばしいパンの匂いを、一瞬の詩に凝縮させたかったので、嬉しいです。


むらしんさん
最優秀おめでとうございます。


■鱗粉をふりまく街が濡れ羽色の夜のにおいにふちどられていく

しっとり艶のある質感を伴う夜、大人のムードをこれ以上ないという程に演出することに成功した一首だと思いました。

このお歌からは、仕事帰りのサラリーマンや飲み歩く若者たちなど、雑多に交差する人並みの喧噪は感じられず、ただただ静謐が支配する上質な夜が思われます。
情緒あふれるネオン街の煌めきのもと、鱗粉をふりまくように香水の匂いとその美貌で周囲を魅せる夜の蝶が、ヒールの音高らかに「濡れ羽色の夜」を颯爽と闊歩してゆく情景、と読みました。

いわゆる「お水」の世界を題材とした漫画は読んだことがありませんが、そのような雰囲気・世界観を醸し出す言葉のちからというか、ただ綺麗な言葉を並べただけでは成り得ない表現の美しさが、このお歌にはあります。

「鱗粉」「濡れ羽」という縁語がしっかりと歌の輪郭を整えてくれている効力もあって、そこから夜の街という情景へのイメージのリンクも、とても自然に為されたように思いました。


お気に入りは後ほど。
>>[46]
ねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
自分の立てたトピ(お題)に皆さんが投稿してくださるのが本当にうれしく、一方で投稿歌への感想は自信がないのですが、「開き直って自分なりの感想を書いて、あとは皆さんからのご指摘を待つ!(下駄を預けるともいいます)」の姿勢で書かせていただいています。ですので、「投稿された短歌の世界に入り込んでさまよいたい」の気持ちで「空想旅行」などと照れ隠しを言っております。
「バンバン最優秀」と「ジャンジャン講評」はご無理なお話ですが(笑)、出来るだけすべてのトピに参加して皆様から学ばせていただきます。
むらしんさんの次のお題、「秋」喜んで参加させていただきます。
>>[47]
ねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
皆さんの投稿歌への感想をそんな風に言っていただき、本当にありがとうございます。感想は本当に自信がないのですが、書く限りはそれぞれの投稿歌の世界に浸りながら楽しんで書くようにしています。そんな風に言っていただけて、とてもうれしく、救われます。
蜜柑さんの今回の短歌も、自身を見定めるような、そんな凛としたものを感じます。四句の後の一字空けが一呼吸置くような、結句の言い切りを際立たせるように感じました。
本当に、人を元気にしてくれる短歌ですね。
>>[49]
ねぎらいのお言葉ありがとうございます。
つたない感想をそんな風に言ってもらえて、なんだか、とても励みになります。@貴さんの講評は、投稿歌をさらに深く読み解き味わうための、この上ない学びとさせていただいております。私だけではないと思いますが、@貴さんの歌評は気が付けば心待ちにしております。
今回の@貴さんの短歌はおそらく誰でも経験したことのある、感じたことのあるやさしい日常の瞬間を「つかのま」という言葉で見事に短歌の世界に表現されたことに感嘆しました。とても素晴らしい短歌を投稿していただき、本当にありがとうございました。
>>[40]
玉依さん、早々にねぎらいのお言葉、ありがとうございました。
玉依さんの今回の投稿歌は書かせていただいたように、犬の子の可愛さと、それを慈しむ作中主体の気持ちが溢れていました。
一昨年亡くなったうちのコロ(ミニチュアダックス)の小さい頃を想いだしました。
素晴らしいお歌をありがとうございました。
>>[53]
うちにもミニチュアダックスがいます。
いちご ♀ 16歳です。
なので、ひでさんにとても親近感がわきました。
ありがとうございました。
>>[54]
そうなんですか。
うちも2006年5月生まれの♀で、一昨日12月、14歳で他界しました。生きてたら16歳です。
同じ年の生まれで犬種も、性別も同じとは!
本当にビックリですね。
>>[55]
わぁ、すごい!
うちも5月生まれですよ。
こんな偶然あるんですね、びっくり&嬉しい💕
>>[56]
えっ!
上に同じく、びっくり&嬉しいです!
>>[52]
拙文と拙歌をそのように評価していただき、恐縮の限りです(^^ゞ
読んでいただく方に親しみを覚えてもらえるような歌や文章を書けるように、精進して参ります。
大変遅ればせながら、以下お気に入りです。


■ただ趣味のためのドラクエこれ以上雨の匂いを嗅いだなら泣く(ナカノフスキさん)

言わずと知れた「ドラゴンクエスト(略して「ドラクエ」)」は、今や日本のロールプレイングゲーム界の二大巨頭(異論は認める)として、世界でも人気の作品ですね。
シリーズもので、ナンバリング(本編)作品から派生作品まで、幅広い物語がこれまで世に出ています。

特別な力を持つ「勇者」を主人公として、世界を脅かす悪の根源たる「魔王」を征伐する、“貴種流離譚”調の冒険ファンタジー。
(もちろん、シリーズによってシナリオが異なったり、主人公サイドや悪役サイドの肩書が違ったりしますが、ベースは同じ)

主人公の哀しい生い立ちや、巡り会う仲間たちとの旅路、世界の町や村を訪れるなかでの出逢いと別れ、人間同士の争い、魔物に襲われ大切な人を失った誰かの哀しみ。
そうした数々のドラマが、何度となくプレイヤーである我々の胸を打つ、そういうゲームです。

作中主体は、「ただ趣味のため」と言いながら、一方で、「雨の匂いを嗅いだなら泣く」とも言います。
泣きたくなるような、雨に連なる記憶が何かあって、ゲーム中の雨のシーンが来ると気持がリンクし、感情がこみ上げてしまう。そう読みました。

ドラクエの世界では、(特に)哀しいシーンで雨の演出が効果的に使われることがよくあります。
作中主体も含め、プレイしたことのあるひとならば、きっと各々の思い浮かべる特定の雨のシーンがあることでしょう。

そうしたプレイヤー心理に訴えかける詩の力を感じますし、「これ以上」という箇所に涙の臨界点が凝縮されているようで、ドラクエ愛のなかに切々とした思いの伝わる歌だと思いました。

■鱗粉をふりまく街が濡れ羽色の夜のにおいにふちどられていく(むらしんさん)

感想は前述のとおり。

都会の大人な夜の情景に「濡れ羽色」という色をチョイスされ、そこに「鱗粉」という比喩を取合わせる言語センス。
上質な雰囲気のみをキュッと真空パックしたような、永続的な詩のエッセンスを感じました。

濡れ羽色。
女性の髪の色彩を形容する言葉として、「濡烏(ぬれがらす)」という別表現もありますが、漆黒の夜にまぎれる女性の色艶ある黒髪がイメージされて、そのグラデーションの美しさにため息が出そうです。


文字数の関係で、コメントを分けます。次コメントへ続きます。
以下、お気に入りの続きです。


■コーヒーの匂いにつられ君を見るマグの子猫を見てるふりして(ゆー@毎日酔っ払いさん)

読み下したときの淀みない韻律が、作中主体の視線の流れや、どことなくスタイリッシュな日常風景とマッチしていて、一読、良いなあと思いました。

「君」が淹れたコーヒーの匂いにつられるという、何気ないけれどこの上ない幸せが上句にまずあって、「君」に気取られないよう視線を誤魔化す作中主体の、何だろう、可愛らしい大人の強がりとでも言うのか、そういう微笑ましい駆け引きみたいな下句で着地する。
この空間がもう、あたたかい雰囲気に包まれていて、尊い。

実は「君」は作中主体の視線に気づいていて、面白いからしばらく泳がせて様子を見て楽しんでいるのかもしれないし、作中主体はそのことに全く気づいていなくて完璧に視線を誤魔化せている、と思い込んでいるのかもしれません。
あるいはその逆で、「君」は全く視線に気づいていなくて、作中主体がまんまと視線を誤魔化せている、と読んでも良いし、お互いに分かりきっていてじゃれ合っている、と読んでもそれはそれで微笑ましいです。

歌に描かれる情景から、上記のようなふたりの関係性や、作中主体のどことなく不器用そうな性格までもあれこれ想像して読み取れそうで、そうした平和な世界観に「マグの子猫」が良いアクセントとして効いて、好きな読後感の歌でした。

■雨音とメトロノームが混ざり合う息継ぎに音楽室の匂い(クンタ・キンテさん)

ひとが「黄金比」を無意識下に美しく思うのと同じように、規則性の中に不規則性が調和する、いわゆる「1/fゆらぎ」(えふぶんのいちゆらぎ)というものに、ひとは何故かしら心地好さを感じるそうです。

具体的には、ろうそくの炎のゆれや川のせせらぎ、小鳥のさえずり、木目、そして雨音など。
眼球の動きや、心拍、呼吸、脳波のα波の周波数なども。

一見すると規則正しく見える(聞える)物事の中に、不規則的な「ゆらぎ」が生じることで、副交感神経が優位となり、ヒーリング効果が得られる、とか。

外は雨。
屋根や地面を打つ雨音の「1/fゆらぎ」が、一定に規則的なメトロノームのリズムと「混ざり合う」。
それは、自然と人工のセッションであり、作中主体はたちまち音楽にダイブする。

「音楽室の匂い」の独特さは言葉では何となく理解できるものの、実際にどうだったかなと遠い過去の学生時代を顧みても覚えておらず、イメージが湧くには至れませんでした。
しかし、多様な楽器や掲額された音楽家の肖像、教壇近くのグランドピアノ、譜面、五線譜付きの黒板など、音楽室独特のあの情景が、「息継ぎ」で蘇ってきました。

実際には、雨宿りや歌唱の小休止なんでしょうが、「息継ぎ」という字面のマジックか、あたかも音楽室が水中にあるかのような錯覚を起こして、幻想世界にいざなわれました。
規則も不規則も綯い交ぜとなった音楽室の水面で深く息を吸う作中主体の、心の整え方に静かな心地好さを感じて、好きなお歌です。

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