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短歌点コミュの短歌点1104 △お題「空」

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美結さんの「トマト」のお題からバトンを頂きました、ひでと申します。
 お題は、「空」とさせて頂きます。音は「くう」や「から」ではなく「そら」でお願いいたします。
平仮名で「そら」でも、濁って「ぞら」でも漢字でも平仮名でも結構です。
もうすぐ あの夏の空が広がりますね。
皆さんのご投稿をお待ちしております。

霜腐れ
青きトマトの実を裂けば
さびしきにほひ
空に行きたり
         宮沢賢治

ルール

1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。
  50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:トピック本文に「前回の出題者名」「前回のお題ワード」を明記してください
 (例:●●さんの「▲▲」というお題からバトンを受け取りました)。
4:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
5:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選
び、その選出理由を書きこみます。
6:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
 (新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
7:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。
ーーー

※2012年4月17日一部改定
(基本ルールに「特定の単語・文字列を指定してください。」を加筆。管理人:ツトム)
※2022年3月9日一部改定
( ルールの3番として以下加筆。「トピック本文に『前回の出題者名』『前回のお題ワード』を明記してください(例:●●さんの『▲▲』というお題からバトンを受け取りました)」。

コメント(64)

傷ごとに労り方がありまして 空のジンベイザメに寝そべる
折れかけの翼は義姉となる人の呉れたものなり群青の空
泣き空の喪失の日から一年後「生きたね」白樺すっくりと立つ
この空をあなたもきっとみたでしょう僕は今日もうどんを打ちます
青空が結局元気にしてくれる綺麗なものを今日は食べよう
本当が空っぽだったと知った日の空に真白き昼の三日月
たくさんのご 投稿、ありがとうございます。
こちらのお題は8月15日(火)いっぱいで締め切りとさせていただきます。
引き続き皆様からのご投稿、差し替えをお待ちしております。

東京の空にぎんいろ飛行船  十七歳の夏が近づく
           小島なお
たくさんご投稿頂きありがとうございます。
こちらのお題は本日、8月15日(火)いっぱいで締め切りとさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
こちらのトピック「空」は締め切りとさせて頂きます。
たくさんのご投稿、本当にありがとうございました。 選歌までしばらくお時間をください。
時間がかかってしまって申し訳ありません。
それでは少しずつ皆さんの投稿歌を空想旅行していきたいと思います。自由気ままな旅のため、たくさんの 読み違いがあると思いますが、是非ご指摘いただければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
>>[1]
古傷がうずく(達者でやってるか?)鉄格子ごしの空に叢雲

古傷のうずきが記憶の中の人の声となって呼びかけてきます。パーレンの中 での(達者でやってるか?)の呼びかけが歌に深みを与えています。
「鉄格子ごしの空」とあるので、作中 主体は囚人と受け取りました。空に見えるのは「叢雲」。歌 全体の印象を象徴するような言葉が結句となることでさらに重く深い印象を強めます。
獄中歌人の郷隼人を連想させるようなお歌です。
>>[5]

点眼のさざなみ越えて夏空へもう還らない夢があります

目薬をさした時の視界をさざなみと表現したところが、主観的にも客観的にもイメージが湧き上がります。秀逸なメタファーだと感じました。その視界を超えて広がる夏空。下句は上句に呼応した空気が感じられます。
「帰らない」ではなく「還らない」。
根源的な場所に夢を捉え、もう手の届かないものとして夏空に還元されていきます。
>>[7]

まだ残る雨しずくなど指で払いジャングルジムの空へと登る

情景がリアルに目に浮かびます。上句の動きは下句の躍動感へと飛翔します。
「指で払い」の具体的な動き、「ジャングルジムの空」というみずみずしい 捉え方。ジャングルジムとその上に広がる空を前にした子供の、その心象世界を見事に写し取った短歌です。
>>[13]

背負いきし十字架おろし見上げたる先に広がる水色の空

荘厳な世界です。背負ってきたものの重さ、苦しさは背負ってきた人間にしか分かりません。それは誰に代わってもらうこともできない。 それゆえ「十字架」と表現しています。そんな十字架を降ろし見上げた先に広がる水色の空は、苦しみの後に初めて見える色だったのでしょうか。深い味わいのあるお歌です。
>>[15]

東京駅丸の内駅前広場四月一日  啓蟄の空

こういうお歌があるから、やはり短歌って魅力的でいろんな可能性がありますね。
初句一字あまりですが二句以降は句跨りをはらみながら七五七七です。二句から三句に架けた句跨りが場所を一気に表現しているようで小気味いいです。
四句で二字空け。空を見上げた時の、そして見入った時の間のような印象を受けます。
「場所 」「日付 」そして 「啓蟄の空」という表現が情景をくっきりと見せてくれます。
>>[16]

青空を雲が包んで眠ってる君のまぶたにちょうど優しい

曇り空を「青空を雲が包んで」と表現したところがとてもいい 表現だなと思いました。この表現が次に来る「眠ってる君のまぶた」に呼応しているようで、全体を柔らかく優しい空気が包んでいます。
公園で仰向けに寝ている君にとっては、晴れているとまぶしすぎます。そう、青空を雲が包んでいるぐらいが、ちょうど心地よいのです。
>>[19]

酒に酔い
涙にも似た
雨粒は

別れを惜しむ空の二人の

酒に酔って外に出てみれば雨が降っている。上を向いたら、ちょうど涙のように雨が顔を伝っていきます。そんな雨粒は別れを惜しんでいるようです。
結句「空の二人の」をどう読むか。
もうこの世にいない二人のことか、七夕なのか。
下の句は倒置法で
「空の二人の別れを惜しむ」
と受け取りました。
「雨粒は別れを惜しむ」としたところが、味わい深いと感じました。
>>[20]
「バカだな」と抱きしめられた肩越しの青空と雲 改札口に

まるで映画のワンシーンのようで情景がリアルに浮かびます。
初句セリフから入り、その後、情景が定型の中で深く表現されています。
「肩越しの青空と雲」と肩越しに見える風景。きっと 感情に 彩色された空でしょう。結句「改札口で」てはなく「改札口に」としたことで、「青空と雲」の景に「肩越し」と「改札口」が重なって、よりリアルにイメージされます。
>>[21]
飛行機が切り裂く空よクレヨンは青と白しか使っていない

突き抜ける青空を切り裂く飛行機雲。二句までの景が三句以降の「クレヨンは青と白しか使っていない」によって、歌の世界が画用紙とクレヨンの世界に溶け込んでいきます。
一切余分な言葉を使わずに歌は広がり、伝えたい世界が歌の中に充ちています。何度読んでも心象風景が広がります。
>>[22]
巻き戻しボタンを押した雨粒が空へと帰る
この嘘が好き

雨のシーンを巻き戻したら、雨粒が空へと帰ります。雨は空から降ってくるもの。決して地上から空に帰りはしません。明らかに嘘ですが美しい。雨粒が「降る」ではなく「空へと帰る」。
雨の逆回転を「空へと帰る」と表現したところが視覚世界の見事な演出だと感じました。
>>[23]
強いとか弱いと名付けず生きることあなたはあなたの空を誇って

なんだろう、良質な映画の励ましのセリフのような。それでいて説教くさくない。
この歌のテーマはとても難しい 、そのギリギリの細い線の上をたどりながら成功しています。少しでも偏ってしまうと チープに落ち込んでしまう危険。
上句の強さ、下句の想い、願い。ある意味、お題の「空」が最もフォーカスされています。
「あなたの空を誇って」そう、私の空を見つめよう。
>>[24]
いらぬもの捨てれば翼は目を覚ます 空へと真っ直ぐ駆け上がる 飛べ!

とても元気になるお歌です。上句でスパッと言い切ります。それがとても心地よい。
私たちはいらないものを持ちすぎているのかもしれません。物だけではなく、全く無駄な思考や勝手な思い込みなども。そんないらないものを捨てれば、自身の眠っていた翼は目を覚まします。
上の句で一字空けしたところが、まるで助走のように感じます。そして「空へと真っ直ぐ駆け上がる」ときて、もう一度 一字空けて「飛べ!」。
元気を出したい時に暗誦したくなるようなお歌です。
>>[25]
空梅雨のそら空ろなり空調のファンのうねりの空を空けたり

からつゆのそらうつろなりくうちょうのふぁんのうねりのうろをあけたり

「空」を
から、うつろ、くう、うろ、あけ
と5つの読み方で歌の中に詠み込んでいます。 そして お題については ひらがなで「そら」。
アンニュイな空気がお歌全体に漂っています。
空梅雨のそらの空ろな感じを空調のファンのうねりの様子に捉えています。この捉え方がとても新鮮です。私もよく空調のファンの規則的な音に空虚さを感じます。空を様々に歌の中に沈ませながら統一感のある空気を感じることができます。
>>[27]
傷ごとに労り方がありまして 空のジンベイザメに寝そべる

最初に読んだときは空のジンベイザメはジンベイザメのような形の雲かなと受け取りました。
その時の傷の内容、質によって労り方は変わってくる。今の私の傷を労わるのはジンベイザメの形をした、あの雲に寝そべること。そんな風に受け止めました。
が、気になって空のジンベイザメをネットで調べたら、JTA特別塗装機「ジンベエジェット」が沖縄で飛んだというのが見つかりました。その特別ジェット機に乗って自分を労るということか。
海遊館という大きな水族館ではジンベイザメが上空をゆらゆら泳いでいます。それを見ていたらまるで空をゆったりと泳いでいるような・・・。
色んな読みが広がりました。が、私はやっぱり、最初の読みの「ジンベイザメのような雲に寝そべる」と受け取ったほうが、傷を労わることになるかなと思いました。
>>[28]
折れかけの翼は義姉となる人の呉れたものなり群青の空

翼は空を飛ぶためのもの。きっとこの人生を進んでいく上での、あるいは夢を追いかけるための翼を義理の姉になる人がくれたのだと受け取りました。そんな義姉からもらった翼も折れかけている。結句「群青の空」は義姉がくれた折れかけの翼をじっと感じながら見上げた空だと受け止めました。
「義姉となる人の呉れたものなり」とあるので、まだ、主体の兄弟と結婚する前。この義姉と作中主体の関係に自然とフォーカスしていきます。
>>[30]

泣き空の喪失の日から一年後「生きたね」白樺すっくりと立つ

「泣き空」は雨が降り出しそうな、あるいは、すでに降っている空と受け取りました。そんな泣き空の下、作中主体が喪失してから1年後。
「生きたね」と言ったのは白樺と受け取りました。あの日から1年生きてきた主体のことをゆったりと受け止めるように、白樺はすっくりと立っています。主体と樹木の白樺が人生の一時期を交感しているような、なんとも言えない深い味わいを感じました。
>>[31]さん

この空をあなたもきっとみたでしょう僕は今日もうどんを打ちます

この空、特別な空だったのでしょうか。特別な朝焼 け、特別な青空…
「あなた」はきっと空が好きな人なのでしょう。 だからあなたならこの空をきっと見たと思える。
「あなた」もきっと見ている「この空」を作中主体も見ることで、とても近くに感じることができます。そして「あなた」に主体の変わらない、大切な毎日を報告します。
「僕は今日もうどんを打ちます」
空を通じて誰かと対話する。星空でも青空でも茜空でも。そんな人間の大切な行為が短歌に優しく切り取られています。
>>[32]

青空が結局元気にしてくれる綺麗なものを今日は食べよう

共感しきりのお歌です。私も空を見るのが大好きなので結局いつも青空に元気をもらっています。
「結局」という言葉がこの歌全体の要になっているように感じました。
下句「綺麗なものを今日は食べよう 」は一読、宮沢賢治の「注文の多い料理店」の序の空気を感じました。この「綺麗なもの」は食べ物だけではなく青空や風も含めて自身に浸透していくもののように感じました。
>>[33]

本当が空っぽだったと知った日の空に真白き昼の三日月

上句「本当が空っぽだったと知った日の」の意味するところを訪ねて、何度も読み返しました。人間関係から悟りの実感までいろんな解釈が浮かびました。
今までずっと信じ続けていたものが一度にひっくり返り、何一つ 本当のものなどなかったと気づいた日、「空に真白き昼の三日月 」が見えた。下句の景が作中 主体のその時の心情を表しているように感じました。
>>[35]

冬空がきれい心肺蘇生器のすゑつけてあるコンコース

冬空の美しさに魅了されたのは、心肺蘇生器の据え付けてあるコンコース 。冬空とコンコース、そして心配蘇生器。冬空を綺麗だと感じているこの感覚が私の「生」を証明します。大勢の人間が行き交うコンコースの中、据え付けられた心肺蘇生器は「生死」を感じさせます。主観世界である冬空が生死をはらんだ景の中で、澄みきって浮かび上がります。
以上 20首、本当にたくさんの皆様から投稿をいただき、ありがとうございました。どのお歌も本当に味わい深くて、歌の世界に浸ることが出来ました。
それだけに今回、選歌するのがとても困難でした。お気に入りばかりの歌の中からなんとか選びました。

それではお気に入りを五首、選びます。

[7] りりる♪さん
まだ残る雨しずくなど指で払いジャングルジムの空へと登る

[16] りなさん
青空を雲が包んで眠ってる君のまぶたにちょうど優しい

[21] 美郷さん
飛行機が切り裂く空よクレヨンは青と白しか使っていない

[24] 奈央
いらぬもの捨てれば翼は目を覚ます 空へと真っ直ぐ駆け上がる 飛べ!

[32] ぼんぼりさん
青空が結局元気にしてくれる綺麗なものを今日は食べよう
それでは次点と最優秀をお伝えします。これもとても悩みました。

まず次点です。
[21] 美郷さん
飛行機が切り裂く空よクレヨンは青と白しか使っていない

一読、魅了されました。この歌の胸をすくような爽やかさ、スッキリとして無駄のない表現。
二句までと三句以降が絶妙なバランスで緊張感を保っています。この透明感のある世界を純度の高い表現によって成功されています。
「クレヨンは青と白しか使っていない」
たまらない表現です。


そして、最優秀です。
[7] りりる♪さん
まだ残る雨しずくなど指で払いジャングルジムの空へと登る

上の句、ジャングルジムの鉄の棒に残った雨のしずく、それを指で払ったときの感覚などありありと感覚が伝わります。「指で払い」の字余りも、ここでは動作にシンクロしているようです。
そして 下句。「ジャングルジムの空」という表現がたまりません。子供の頃、ジャングルジムを登る時てっぺんの鉄の棒の、その向こうに広がる空を見ていた。ジャングルジムのてっぺんを目指しながら、同時に空も目指していた。そんな記憶が鮮やかに蘇りました。

りりる♪さん、謹んで バトンをお渡しします。
是非お受け取りください。

このトピック「空」にたくさんの皆様からご投稿頂き、とても嬉しかったです。本当にありがとうございました。
また、今回、このような機会を与えてくださった美結さんに感謝いたします。

あとはワイワイガヤガヤで感想交流をしていただけたら嬉しいです。
皆様、ありがとうございました。

ひでさん、たくさんの歌評、選歌、ありがとうございました。ひでさんの評はわかりやすくて、丁寧でむずかしいことなんか言わなくても短歌の本質的なところを教えてくれる。
歌も評も下手な自分ですが、バトン確かに受け取りました。こんなへたっぴでも短歌が好きで続けています。続けていて、良かった。( ;∀;)
>>[61]

バトン受け取っていただき、ありがとうございました。
ジャングルジムのてっぺんって高かったですよね。下を見たらちょっと怖くなるほど。
その高い所って、やっぱり空の近所でしたね。
素敵な歌を投稿していただき、ありがとうございました。

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