![[PBMixi]Bookmark Traveler](https://img.mixi.net/img/basic/common/noimage_comm180.gif)
・図書館内
ふぅ、と小さなため息が一つ漏れた。
可愛らしいため息を、しかし憂鬱げに漏らした女性のその前には、何冊もの本が積まれている。一見それらには共通の項目がなく、実にバラバラなジャンルの本が重ねられているように見える。
それらをもうしばらく眺め、そしてまた彼女はため息をついた。
「困ったなぁ…」
ぼんやりとぼやく。確かに、彼女のまゆは寄せられている。
「ていうか、どうなってるのかなぁ…空白書なんて、入荷した覚えもチェック漏れした覚えもないけど。
でも昔からあった本だ、と言われたら解らないし…第一、以前借りた人がいる本が急に白くなるとかどういう事よ」
また一つため息をついて、どんどんと幸せを逃がしていく彼女。
視線を、少しだけ上げて、本ではなくその向こう側に広がる世界を見渡す。
図書館という小さな世界ではあるが、いくつもの小さな世界を内包した広い世界だ。
そんな世界に触れながら仕事ができるという事に希望を覚えていたのはいつの頃か。
今はただ、その無数の世界にため息をつくのみだ。
「……他の人、こんな時に限ってお休みだし…どうしよ」
どうせその時いたんだから、とかの理由で自分がこの件の担当になる事は目に見えている。
何せ、自分はこの図書館の司書なのだから。
ふぅ、と小さなため息が一つ漏れた。
可愛らしいため息を、しかし憂鬱げに漏らした女性のその前には、何冊もの本が積まれている。一見それらには共通の項目がなく、実にバラバラなジャンルの本が重ねられているように見える。
それらをもうしばらく眺め、そしてまた彼女はため息をついた。
「困ったなぁ…」
ぼんやりとぼやく。確かに、彼女のまゆは寄せられている。
「ていうか、どうなってるのかなぁ…空白書なんて、入荷した覚えもチェック漏れした覚えもないけど。
でも昔からあった本だ、と言われたら解らないし…第一、以前借りた人がいる本が急に白くなるとかどういう事よ」
また一つため息をついて、どんどんと幸せを逃がしていく彼女。
視線を、少しだけ上げて、本ではなくその向こう側に広がる世界を見渡す。
図書館という小さな世界ではあるが、いくつもの小さな世界を内包した広い世界だ。
そんな世界に触れながら仕事ができるという事に希望を覚えていたのはいつの頃か。
今はただ、その無数の世界にため息をつくのみだ。
「……他の人、こんな時に限ってお休みだし…どうしよ」
どうせその時いたんだから、とかの理由で自分がこの件の担当になる事は目に見えている。
何せ、自分はこの図書館の司書なのだから。
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