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TOY KITCHEN!コミュのリレー小説 「あっぱれ秀吉くん」

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私のラブコールに応えてくれたティンゴくんと、
リレー小説なるものを、この場を借りて
発表させてもらうことになりました。

すぐ頓挫するかも知れませんが、
温かい目でお願いします。

コメント(170)

浜っち「靴をなめろ」

秀吉「はいっ!」


ペロペロペロ


浜っち「よし、そのくらいでいいだろう」

秀吉「はいっ!」


浜っち「ところで秀吉」

秀吉「はいっ!」

浜っち「何か忘れてはいないか?」

秀吉はドキリとした。



しまった!忘れていた。
小6の時に交わした男同士の秘密の約束。
あの丘の上のりんごの木にのぼって交わした男同士の秘密の約束。
木登りの得意な浜っちの半ズボンからはみ出していた何かをじっと見つめながら交わした男同士の秘密の約束。

そう、誰にも言えない…

男と男の、淡い、ピンク色をした、甘くて、少し…にが〜い…

や・く・そ・くるんるん
その約束は次のようなものであった。

1つ〜秀吉は生涯浜っちに忠誠を誓うこと。

2つ〜秀吉のものは浜っちのもの、浜っちのものは浜っちのもの。


「…で、秀吉くん最近彼女ができたらしいじゃないか?」

「おまえのものはおれのもの。忘れてはいまいな?」

秀吉は浜っちの云っていることを理解した。

「いえ、彼女っつうか…友達以上恋人未満っていうのかな」


「今日の放課後校舎裏に連れて来い」

浜っちはそう云い残すと立ち去った。

放課後。



秀吉はいやがる松子の腕をつかみ命令どおり校舎裏に現れた。

が、しかし、浜っちの姿が見当たらない。それどころか地域で1、2を争うヤンキーの頭を張るタイゾーくんが子分達とたむろしていた。

「おぅ、秀吉じゃね〜かよ。珍しいな、なんか用でもあんのかぁ?あいん?」


鑑別あがりのタイゾーくんだが、以外にも秀吉に一目置いていた。というのも…
(まぁ、話が長くなるので後日ゆっくり♪)


秀吉は事の経緯を説明したところ…



タイゾーくんは激怒した。


「よぅ秀吉ぃその浜なんとかってやつなぁ、オレがシメてやんよ。」



何も知らない浜っちはニヤついたアホ面さげて校舎裏に向かっていた。
「タイゾ〜パ〜ンチ!!」

ゲフッ!!

浜っちは血を吐いて倒れた。
ただの一発だ。

「タイゾ〜キ〜ック!!」

ボゴッ!!

秀吉は校舎の壁に頭を打ち付けて、そのまま動かなくなった。

「タイゾ〜スクリュ〜!!」

ポロリッ!!

松子は手ごめにされた。

わんわん。



負け犬たちの遠吠え。



秀吉は全てを失った。
あの後意識を取り戻したのは3日後。総合病院のベッド、記憶喪失の彼に母親の問い掛けは悲しいかな無意味。

「秀吉、かあさんだよ」



「かあ…さん?」



秀吉は内心こう思っていた。

(やっべーおならだと思ったら実じゃんかよ)




秀吉17才の冬。

次回、「あっぱれ秀吉くん・0からの再出発・オレ以外カニ喰うな!」
お楽しみに。
まさにゼロからの出発だった。リハビリは過酷を極めた。
まず自分の力だけで歩くこと。
それすらもできず、秀吉は我が身を呪った。
「くそっ、こんな義足!」

秀吉は失った右足にはめた義足を投げつけた。

「くそっ、こんな義眼!」

秀吉は失った両目にはめた義眼を投げつけた。

秀吉には見えるはずもなく、病室の窓からは満開の桜が見えました。


5年後。


病室、リハビリセンター、どこを探しても彼の姿は見当たらない。
あの事件から5年、松子は片時も彼のことを忘れた事はなかった。



松子の秀吉捜しの旅が始まる。
そしてまた5年後


秀吉は市ヶ谷の釣り堀で働いていた。

毎朝5時には起き出して、ねり餌を作る。こねる。
店を開け、常連の客と挨拶をかわす。
竿を磨く。並べる。
貧しいけれど充実した生活だった。
一度結婚もしたが、今は1人で6畳一間の安アパートで暮らしている。


猫が友達だ。


そんな秀吉が目をつくたのはハトだった。
こんなに食料があるのに使わない手はない。
夜、焼き鳥の屋台を始めた。酔っぱらったサラリーマンたちに肉の味など分かりはしない。
店はちょっとずつ軌道にのりはじめた。

秀吉は充実した生活を送っていた。



的屋の親分に目を付けられるまでは。秀吉は無許可で営業していたわけだから当然行政的にも見逃す訳にはいかない。ましてハトだし。

そんなわけで秀吉の屋台‐ハトキッチン‐は半年と保たずに閉店に追い込まれた。秀吉28才の冬である。
寒い。
秀吉は真っ暗な道をもう3時間も歩き続けていた。
雪がつもった道。吐く息が白い。
秀吉は青森にいた。

ここまで言えば読者諸君にはピンときただろう。
そう、秀吉は恐山にいたのだ。
秀吉の今の両親が本当の両親ではないと知ったのはつい1ヶ月前である。
そして、秀吉の本当の両親はすでに組織に殺されたという。
本当の親に会いたい。
その一心で秀吉がたどり着いたのが、ここ恐山であり、
死者の魂をこの世に呼び出すというイタコの口寄せであったのだ。


どのイタコに聞こ〜かな♪




ん?


あのイタコ…



ま!松子っ!

秀吉がイタコ松子に声を掛けようとしたその時、
左ほほにするどいピンタ!

松子イタコぴんた。


「あたい…ずっとずっと探してたんだよ。秀吉くんのこと、探してたんだよっ!ばかぁっ!!」


秀吉は何も言わずに松子イタコを抱き締めた。

(松子、おまえって奴は…おれは自分のことばかり、自分のことばかりを考えていたんだ、なんてこった、松子、大事な事を思い出したよ。おれに必要なのは親でも、イタコの狂言でもない!松子っ!おまえだったんだぁっ!)

秀吉は松子の細い肩を優しく抱きながら、愛を知った。

松子は秀吉の胸のなかでほくそ笑んでいた。
組織のなかでもズバ抜けて優秀な松子には幹部連中も一目置いている。
この先に明かされるであろう松子の正体には、筆者でさえ
びっくらこいちゃう。
「秀吉さん、とりあえずお茶でも飲んで落ち着きなさいよ」
松子は秀吉から身を離すと言った。

「う、うん」

秀吉は松子が差し出したお茶を飲んだ。
「やあうまい。やっぱり松子さんのいれたお茶が一番だよ」
「あら、やだ。秀吉さんったら」

松子は秀吉をつねった。

「そういえば私ね最近ずっと誰かに見られてる気がしてるの……貴方ちょっと窓の外を見てくださらないかしら?」

「任せてよ」

秀吉は膝を打って立ち上がった。


(なんだっ!松子の事をつけますなんてぇぇっ)



秀吉は窓の隙間からそんなクソ野郎ーを!そんなクソ野郎ーを!










窓が無い。

つづく
「松子はん、窓がないで?」

「あら、そこにあるじゃない」

松子が指差した先を見ると、でかい壷が置いてあった。

「ムム…」

秀吉はシャツを脱ぐとなんとか頭を壷の中に入れた。

「どう?秀吉さん」

「いや、もうちょっとダス…もうちょっとで」

壺の中に広がる世界に圧倒されて頭を出す事が出来ない秀吉の背後で松子はゆっくりとゴム手袋をはめている。



「さよなら、秀吉くん。私だってこんな手荒な事したくないのよ」



「ああ、分かってるよ松子。早いとこ済ませてくれよ」



「ごめんね秀吉くんっ!」


松子は泣き叫びながら秀吉の肛門に腕をつっこんだ。


そして秀吉から、輝くしりこたまがひっこ抜き取られた。



ノーしりこたま秀吉inジャパン

秀吉の瞳には甲子園球場で見た黒人達の青春は映らない。
そう…



駆が現れるまでは。
「なんや呼びましたかいな、秀吉はん」

懐かしい声がした。
駆が入ってきた。


「うわっ、えげつな―。松子はんの手に持っとるの、それ秀吉はんの尻こ玉やありまへんか?」


「だったらどうなのよ」


松子はすましたものだ。


「貴方それ取ってくださらない?」


松子が指差した先を見ると、そこには……
そこには栗のウオッカ漬けのびんがあった。
駆はそっとビンを渡した。
松子は器用に片手でビンをあけた。
部屋中に甘い匂いが広がった。
「甘い…」
松子は一つ口に運ぶと静かにそうつぶやいた。
「そりゃそうさ、砂糖を沢山使っているからね。」
と秀吉が言うと、
「これお前が漬けたのかい?」
そう言いながら駆もそっと口にいれた。
「うん、確かに甘い」

その甘さは懐かしい、トテも心地の良い甘さだった。

松子はそっとテーブルに秀吉しりこだまを置くと、栗を手に秀吉に近づいていった。

その行動の行き先をさとった駆は「えっそれをっ」


こうして秀吉はしりこ玉はなくなったが、栗がお尻に入っている人になったわけである。

駆曰く…



「しりこだまーを栗に変えちゃうとこれマジヤバいか。」



栗in秀吉ジャパン
もはや語るまでもない。




今の秀吉に迷いなどない














いやある。
秀吉が迷い悩んでたのは、年々薄くなっていく自分の髪の毛のことであった。


しりこだまが栗にすりかわった秀吉だが
家族への愛情は変わったりしない。

「そーいや来週かぁちゃんの誕生日だよなぁ、プレゼントなんかあげたら驚くだろーなぁ…
ここは一丁奮発して…って先立つ金がねえんじやなぁ



日雇いで凌ぐか。」



翌日
秀吉は郊外の新築マンションで内装工事の手伝いをしていた。偶然にもそこの現場には『徳さん』も見習いとして汗を流していた。

こりゃ驚いた!
気付いた秀吉はすぐさま駆け寄り

「徳さん!徳さん!」



徳さん「おぉ!秀吉くんじゃないかぁ!今手が話せないんだよ、あとで『まっくさん』で一杯やりながら、なっ!」

と、再会に心踊る二人は残りの作業を手際よく仕上げ、馴染みの居酒屋まっくさんにて互いの近況をはなしあった。


秀吉「ええっ!それじゃあ徳さん結婚を!?」
「そうダス」

徳さんはカルアミルクを一気飲みすると、大きくうなずいた。

「あ、マスター同じのおかわりね☆」

秀吉は徳さんのごつい左手の薬指にリングがキラッと光っているのに
気がついた。

「ほ、ホントなんすね…一体どこで知り合ったんですか?」

「まあな、話すと長いことになる。秀吉…聞いてくれるか?」

結婚したというのに、
あれほど結婚したいと常日頃口にしていたのに、
徳さんの口は重かった。

「そう、あれは…」

「ちょうど一年前かな
古い友人に頼まれてさ、小学三年生の息子さんを上野動物園に連れていったんだけどね、その子ひどく怯えるんで猿山に飛び込んでお猿さんを抱っこしたりしていたんだよ、ほら、全然恐くないでしょ?ってかんじで、したら一匹の猿がやけに艶めかしい目で、いやまいったなぁ〜ボクのことを見つめてくるんだよ。

まぁそこから先はご想像にお任せするよ♪

彼はというとね…
立派な4年2組になったよ。」


「てことは、徳さんその猿山の猿と結婚を?」


照れ隠しに頭を掻きながら徳さん

「ま、まあね」


秀吉は急に恐ろしくなってきた、長い間一人暮らしをしてきた徳さん。完璧にほうけている。目付きも何だかおかしいし、醤油の使い方もイカれてる。


秀吉は飲みかけのビールをそっと置き、

「徳さん…明日仕事休んでボクに付き合ってくれない?大事な用があるんだ」


「ん?なんだい秀吉くん私でよければいくらでも助太刀するよ」



秀吉は大切な友達をどうしても助けたかった。
「ヒー、フー、まだ着かないのかい秀吉君?」

秀吉はそれには答えない。
黙々と徳さんの前を歩く。
二人が歩いているのは秀吉んちの裏山だった。

「やれやれ、こんな歩くなら昨日の晩たつ子とあんなに
 励むんじゃなかったワイ。腰がもたん」

徳さんはそれでもニヤニヤしている。
秀吉の額に青筋がたつ。

(待っててください徳さん。もうすぐ畜生道から救ってみせますから…)

登り続けること2時間。



二人は巨大な白い建物の前につっ立っていた。
入り口には
「ゲリオマ精神病院」との簡素な看板。

なんのこっちゃ訳が分からん徳さんの手を引きずんずん中へ入っていく秀吉。








「次の方どうぞ♪」

ガチャリ…
「ああ、これはダメだ」
ドクターはすぐにそう言った。
「服を脱いでこっちへ来なさい」

秀吉は徳さんを見た。
徳さんはハナをほじってあらぬ方角を見ていた。

「ほら、キミだよ」

秀吉はグイとドクターに腕をつかまれ、診察台に倒された。
素早く拘束具がはめられる。

「ド、ドクター、悪いのは私ではなくこの…」
「いや、キミだよ。全部キミが悪い」

ドクターの片手には注射器が握られている。
秀吉は観念した。

(またか…)

目覚めたのは五日後のこと
真っ白な小部屋
依然拘束具を付けられているので身体中が変な感じ♪
あのやぶ医者のせいでこの有様だ。
とそこへ看護士のキャロラインがクスリを飲ませにやって来た
「ひでーようしさん、お薬の時間だメーン」
秀吉は大量の錠剤を飲まされ、また意識がくにゃくにゃになってしまう。
そんな中徳さんはというと、キャロラインの胸元をほうけきった眼でこれまたくにゃくにゃになっていた。
この時はまだキャロラインがガンマニアだという事実を知る物は誰一人いない。


あの
恐ろしい事件が起こるまでは…
徳さんは思った。

(この金髪美女と仲良くなりたいダス…)

徳さんのカンピューターが猛烈な勢いで計算を弾き出す!

「徳さん、何をニヤニヤしてるんですか?」
秀吉はそう言ったが徳さんの顔は人を殺しそうな不気味な笑顔であった。
キャロラインは秀吉の点滴を取り替えている。

「なぁ秀吉くん、人として正しくあるということに意味はあると思うかい?
人は人である以上色んなものに縛られていると思わないかい?
だったら…おれは人間をやめるぞ秀吉ィィィィ〜!!」

徳さんはキャロラインの点滴を奪い取るやいなや針先を自らの肛門に突き刺した。

「はぁうぅぃぃっ!」


目が、
血走っている。

徳さんは一人の時間が多過ぎたせいなのかコミュニケイション能力が著しく乏しくなっていたようで、愛情さえうまく伝えることができない。拘束具により身動きのとれない秀吉には怯えるキャロラインを助けることができず、身体を揺すってガチャガチャともがくのが限界。

この異様な光景を不気味な眼でじっとりと眺めている人物がいた。
いまさっき隔離病棟からようやく脱走に成功した…



そう、
田中だ。
賢明な読者諸君なら覚えていることだろう。
秀吉がかつて渡ったアメリカの研究所で
博士の助手をしていた、あの田中である。

(こいつ覚醒したようだな…)

徳さんを見て田中は思った。

事実徳さんはさきほどの苦悶の表情から快感の表情に変わっている。

(でるぞっ)

徳さんの後ろにウサギが現れた。

「徳さん、それはまさか!?」

「そう、わしのスタンドだす。スタンド名は『徳さんとってもいい気分』
名づけて『TTEK』!!」


TTEK


そう、このスタンドは荒川の河川敷によく見受けられるごく一般的なうさぎさんである。
主にビンや缶などを集めて売るのが得意だ。


ほら、もう袋に入らないくらい集めたよ。
「ありがとうウサギさん」

秀吉は袋を受け取った。

「次はジュース買ってきてくれるかな?」

徳さん
「ワシは午後ティー」

田中
「私はカルピス」

キャロライン
「カルピスって田中さんなんかやらしー」

秀吉
「おれコーラで」


うさぎ
「あの…お金…」

缶集めて、必死に集めて、でなに?缶ジュース買ってこいだぁ?


ん!まてよ。その買ってきた缶を集めればっ!
よし、こいつはいける!


ぶつぶつ呟いているうさぎはじょじょに影が薄くなりとうとう消えてしまった。


1年後…
この病院は閉鎖された。
その後
秀吉と徳さん、そして田中の3人は何処へ消えてしまったのか、知る者は誰一人いなかった。



あの事件が起こるまでは。
夕方事件は起こりました。

旅館「姥貝荘」の松の間にてお客様の財布がなくなったのです。
泊まっていたのは若い夫婦で新婚旅行だということでした。

女将である私は従業員を集めて、全員でお客様の財布を探すようにめいじました。

旅館姥貝荘は創業八十年の歴史を誇る老舗です。
盗難などけしてあってはならない事件なのです。

従業員たちは、旅館をくまなく探しましたが財布を見付けることは、できませんでした。
警察沙汰にだけは…と従業員一同土下座をし、示談金百万円をはらいなんとか、許してもらうことができました。

しかし、従業員の一人が土下座をした後、頭を上げながら夫婦の夫の方にカンチョウをしたのです。。
第二関節まではいりました。
従業員はカンチョウをしたまま私の方をみてニコリと会釈をしました。
しかし夫婦の夫は「あ゛」と言いましたが全く気付いていない様子でした。。

そしてこの夫婦も従業員も気付いていませんでした。
女将である私の着物の帯の中に財布があることに。







最初は…





最初は違うの…










わたしだってこんなこと


こんなことは悪い事だって分かってるの!


悪い事だって分かってるのっ!



















秀吉さんに逢うまでは…



だって秀吉さん言ったもん!







「ほぇ?ぬすむっしょフツー」(秀吉)





次回、「女将の半生」
おたのしみに!
…女将の半生…

私は貧しい漁村で生まれた。
両親は漁に使う網を作って生計を立てていた。
私も学校にも行かずに、物心付いた時から仕事を手伝っていた。
働けど、働けど、生活は楽にならず、労働と金に追われる毎日だった。

そんなある日、作業場に行くと血だらけの男が倒れていた。
目は開かれていたが、全く動かなかった。
男に近付くと手を突き出した。

手には血だらけのお札が二枚握られていた。
私はソレを受けとると、男を倉庫にに入れてかくまった。
お札の一枚は男の食料に、一枚は自分でもっていた。

男の傷が治った時「着いて来れば金がもっと手に入る」と言われた。

私は男についていった、貧困から逃れるために、自由と誇りを手に入れるために。
血の付いたお札を両親の枕元に置いて、家を出た。


男はある組織の組員だった。
男から盗みや殺しのテクニックを教わった。
15になる頃には一人前の悪党になっていた。

毎日盗みを働き、毎月決ったノルマを組織に納めた。
ノルマと盗みの毎日だった。

ある日仲間の一人が血の染みの付いたお札をもっていた。
殺して奪ったと言った「ぬすむっしょふつ〜」と言って笑った。

私はその男を殺し、口にそのお札を詰めて組織から逃げた。


組織に追われながら、流れ流れて旅館のなかいさんとして身を隠した。
十年近くたったころ、旅館の息子と結婚し、しばらくして女将になった。組織の記憶は大分薄れていた。

そんなある日旅館に若い夫婦が来た。
お金を払う時一瞬、財布の中が見えた。
ソコに血の染みの付いたお札が確かにあった。

私は確かめたかった。
夫婦の財布を盗んだ。
腕は錆びてはいなかった。
確かにあのお札だった。

「あいつは生きている。秀吉はいきている」

私は組織の記憶が甦り少し意識が遠退き、オナラがでた。
「プスリ」すかしっぺであった。
「ブッ」と出た時は音の分匂いが少ないのである。
次回、秀吉登場。お楽しみに。。


事件から1週間。



私の頭にこびりついている過去の記憶。


貧しかった幼少期
くたびれた両親
血まみれの男
組織の掟
血染めの万券



忘れられないの…


私は変わったつもりでいたのに、全てを捨てて私はここで生きて、これからも、これからもずっとここで生きていくって決めていたはずなのに。



こびりついて消えない記憶。




秀吉さんは確かに…
生きている!



私を極貧から解放してくれた…
秀吉。
私を組織の駒に育て上げて捨てた…
秀吉。


私の身体に刻み込まれた秀吉の体温は、私にとって、最初で最後のオトコ。






その頃とある組織のアジト。

岡本
「秀吉の兄貴ぃ、あの女、堅気面しくさって旅館の女将しちょるゆうウワサ、聞いちょりますけのう?」





秀吉
「なんだと?
まゆみかぁ…



おいっ!岡本ぉー!
車出せっ!」



次回
10年後の再会。そんな2人をなぜか直視出来ない岡本。
おたのしみに!
ティンゴくんに尻をたたかれて再開しました。

【第3部 家族】

秀吉:主人公。酒が好き。
卍美(まんじみ):秀吉の妻。情が深い。
太郎:秀吉の息子。長男。小学5年。ひつこい。
次郎:秀吉の息子。次男。小学3年。なんでも信じる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

秀吉は結婚して一家の主になっていた。
過去のことはみな忘れて練馬区のとある街で
バーを営みながら暮らしていた。

バーは夜に開けるのでそれまで秀吉は
こたつに入ってテレビを見るのがいつもの
習慣であった。

(フム、今日のはデカイ)
秀吉はほじった鼻くそを見てニヤリと笑った。

「父ちゃん!」

「お、どうした太郎」

もう学校から走って帰ってきたのか、ぜーぜー息をしている
息子の太郎がこたつに入ってきた。
秀吉は自然な風を装って息子からうまく鼻くそを隠した。

「スーファミ買って」

この長男は最近いつもこれである。
秀吉は太郎の顔を見た。
どうみても黒人の血が混じっている。
しかしながら秀吉は傷つくのが嫌だったし、
あまり深く考えないようにしていた。

「今度な」

「それこの前も言った」

「そうだっけ? まあもう少し待っとけ。待つのは大事じゃぞ、
 かつて徳川家康も、」

「そんなんいいから買って。ゲーム持っとらんと学校で仲間はずれに
 なる。それで隣のクラス1人死んでるし。父ちゃん僕が死んでもいいん?」

秀吉も人の子。さすがに息子が死ぬのは困る。

「わかったわかった。明日買ってきてやるから涙をふけ息子よ」

とたんに泣き顔からにっこり満面の笑みに変わる太郎であった。
第三部(完)



次回待望の第四部!(展開の早さがアレ)

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