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ブックトークオフ――読書会コミュの★オフ会レポート第0回ブックトークオフ 2009.8.22

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時:2009年8月22日(土)
場所:土風炉・神田店
参加者:5人


(1)待ち合わせの時間に


 待ち合わせの場所は、本屋さんであった。

 「書店」と表現するのと、「本屋さん」とでは微妙な違いがあるだろう。「ブックストア」なんて言い方をしたならば、もっと違う。しかし、この日は「本屋さん」と言いたい気分だった。

 さてさて。この文教堂書店の店員さんのどのくらいが本好きなのだろうか。そして、どのくらいがmixiに入っているのだろうか。どのくらいがこのオフの存在を知っているのだろうか……。

 土曜日の夜のJR神田駅周辺は、やや寂しい。平日の夜であれば、寂しいサラリーマンが立ち飲みをしている。寂しい、と言ったら失礼だろう。僕はこの神田という場所の立ち飲みが好きな人間だ。言葉にならない哀愁のようなものがある。

 こうした場所での待ち合わせというのは実に楽しい。参加者のメンバーと書棚を見ながら語り合う。少しずつ、カニさんのように横歩きしていく。とある雑誌のコーナーで立ち止まったときだった。メンバーのひとりが、とある雑誌を手にとって話をした。
「この雑誌、うちの奥さんが創っているのですよ……」
 その声には、やや恥ずかしそうだけれど、幸せそうな表情もあった。

 確かに、編集者の名前には、同じ苗字の女性の名前が印刷されている。
 暖かな家庭の雑誌である。幸せそうな家族の写真、食卓の写真なんかもある。
 僕はちょっと質問してみた。
「こんな風な、幸せな夕食の時間を過ごしているのですか?」

 どんな答えが返ってきたのか……。ある意味でその答えにこそ、人生というものの奥深いものがあるのかもしれない。
 本屋さんには、無言の会話というものが、よく似合う。

 海外翻訳本のコーナーに移動し、新版『夏への扉』を、さりげなく手にとり見ていた。


 1名が遅れてきた。本屋さんでの待ち合わせは、沖縄時間となる。ゆるりと行くのも楽しい。僕はウコンの力を読み、これからの飲みにそなえる。もうひとりのメンバーはすでに飲み終わっていた。あまり若くはない集いだったのかもしれない。

この日のお店は、「土風炉」である。土曜日のJR神田駅周辺は多くの店が閉まっている。しかし、こうしたチェーン店は、正しく営業している。個室があり、それなりに安く飲めること、玉子焼きが美味しいことなどが、オフ会という名に適した場所だ。

 5人が席に着く。なんと、偶然というか、運命というか、日頃の行いというか、5人は全て男性だった。統計的に言えば、男女の割合は5:5である。次のオフ会は、3:7くらいで女性が多くなるのかも、と密かに思う。

 まずは、ぐるなびの1杯サービス読み物で、生ビール乾杯を行う。仕事帰りの僕として、悲しいくらいに美味い。軽く自己紹介を行い、この集いの成り立ち、その他の話をする。人生は複雑である。その複雑という名の山をいくつか乗り越え、神田という場所に行き着いたりする。この神田という場所は、それはそれは、由緒正しい場所だったりする。



(2)最初の本の紹介


 ブックトークオフでは、ひとりひとりから1冊の本が紹介される。この1冊の選択に夜も眠れずに悩むことがあるかもしれない。その悩む時間もまた楽しい。本を出すそのときには、少しのドキドキ感がある。鞄からそっと取り出し、カバーを外す。カバーを外さなくても、その本が何かがわかってしまうこともあるけれど。


<<紹介された本たち>>

・naokiさん  :日下三蔵編『日本SF全集 1 1957〜1971』(出版芸術社)
・JACK さん:ブラッドリー C エドワーズ著, フィリップ レーガン著『宇宙旅行はエレベーターで』(ランダムハウス講談社)
・いまむら  :橋本治著『大不況には本を読む』(中公新書ラクレ)
・アンドウさん:上橋菜穂子著『獣の奏者〈1〉闘蛇編』(講談社文庫)
・いっしー さん:中島敦著『李陵・山月記』(新潮文庫)


 管理人のnaokiさんから本の紹介がはじまった。『日本SF全集 1 1957〜1971』の表紙はかっこいい。彼はSFが好きなのだ。この全集に載っている、星新一、小松左京、光瀬龍、眉村卓、筒井康隆という作家の名前をしみじみと語り出す。こうした作家の本には、もう絶版になり手に入らないものも多くある。こうした全集で復活したものもあるのだ。

 JACKさん紹介の『宇宙旅行はエレベーターで』の紹介には、参加者のみんな、テーブルの隣の水槽で泳いでいる魚までもが聞き入った。最近のニュースでは、宇宙ステーションが話題となっている。しかし、それには膨大な費用がかかる。ロケットでなく、エレベーターで宇宙に行く、というノンフィクションの話である。SF小説では宇宙エレベーターというのはあった。けれど、この本では、その実現について書かれているのだという。技術的にはそんなに大きな問題ではないようなのだ。それよりも、その場所、テロに対しての対応、費用など、かなり具体的なことが問題だったりしている。つまり、目の前の話なのだ。

 次はこのレポートを書いている僕の本の紹介。タイトルがどうにも気になって買った本だ。もともと出版というのは、不況とは関係なかったのだという。しかし、最近は出版不況と言われてる。世の中の経済状況と、本を読むということが関係している。本という存在自体が変わってきたのかもしれない……。とにかく、本を読もう、語ろう、そんな本だ。

 アンドウさん紹介の『獣の奏者』は、知る人は知る本とのこと。テレビアニメにもなっている。子どもに人気で、その親たちにも人気みたいなのだ。作者の上橋菜穂子は文化人類学者でもある。なんだか深い世界があるようだ。

 いっしーさんの紹介は、中島敦である。注釈の多い『李陵・山月記』である。渋い。おおお、何だか嬉しい。中島敦の本が紹介されるというのは、ベテラン選手の代打逆転ホームランみたいなものかもしれない。この日のブックトークに、深い香りが加わったといっていいだろう。



(3)たくさんの食べ物たち

 土曜日の神田は、それなりに空いている。「土風炉・神田店」はとてもゆっくりと話のできる場所だった。だいぶいろいろなものを食べた気がする。料理が運ばれると、メンバーが携帯を取り出し、写真を撮る。まあ、よくある光景だろうか。本を出したところで、みんなで写真を撮るのは、あまり見かけない光景かもしれないが。

 いろいろ食べ、いろいろ飲んだ中で、「まぐろの刺身」が一番美味しかったのではないだろうか。トロリとして、これはけっこう感動ものだった。あとは、「おまかせ炙り焼き盛り合せ」「やきそば」なども好評だったようだ。

 ちなみに、このときの会計は、ひとり3,000円。正確な合計額は、15,000円と数百円。この数百円は管理人さんに出していただきました。管理人さん、かっこいい!!

 土風炉の名物と言える、お寿司も蕎麦も食べずにこの値段。これだけ飲んで食べて、このお値段というのは安いのだろう。



(4)B面で恋をしよう

 CDの前のレコードの時代には、B面というものがあった。以外とこのB面というものが良かったりする。今回の本の紹介にしても、発表の直前まで決めることができずに2冊の本を鞄に入れていたり、なんてこともある。また、今読んでいる本というのは、他の人にとっては、さりげない出会いだったりする。人と人との出会いも、そんなものだ。力を入れた出会いよりも、ちょっとのすれ違いが大きな存在に発展したりする。

 ということで、その人によってそれぞれのB面の本を紹介してもらうこととなった。


<<紹介された本たち・B面>>

・naokiさん  :高田郁著『出世花』(祥伝社文庫)
・JACKさん:貴志祐介著『新世界より』(講談社ノベルズ)
        :上橋菜穂子著『獣の奏者(3)探求編』(講談社)
        :高千穂遙著『ヒルクライマー』(小学館)
・いまむら  :垣根涼介著『ワイルド・ソウル〈上・下〉』(幻冬舎文庫)
・アンドウさん:村上春樹著『1Q84 BOOK 1』(新潮社)
・いっしー さん:畠中恵著『ころころろ』(新潮社)


 どれもこれも、気になるものばかり。特に、JACKさん紹介の貴志祐介著『新世界より』は注目だった。ちなみに、上下巻の単行本ではなく、講談社ノベルズの方。もの凄い分厚さ(笑)。なんというか、京極夏彦の本とは違った、独特な厚さなのだ。JACKさんの鞄は、厚い本でいっぱいになっている。凄い。

 そしてこの日、熱く語り合ったのは、村上春樹の『1Q84』についてだ。ちなみに、アンドウさんがBOOK1を、naokiさんがBOOK2を持ってきてくれる。ダブらないところに、このブックトークオフの運命的なところがある。
 僕も含めて3人ほどは、村上春樹の大ファン。とても面白く読んだ。しかし、この本の売れ行きなどについてはやや違和感があった。ついつい印税の計算をしたりしまったりするのだが。



(5)これからのブックトークオフ


 このブックトークオフという存在をどのように行っていくか。熱く、3分くらいで素早く、話し合いが行われた。mixiにコミュニティを作ろうというもの。ブックトークオフという目的に絞ったシンプルな、プレーンなもので、新しい出会いを広げていこうというものだ。
 ちなみに今回の集まった5人というのは、男ばかりで、平均年齢もmixiの標準から言えば、かなりお高め。できるだけ、いろいろな年齢層の人に参加してもらうには、どうしたらいいかなど、アイデアを出し合う。

 本の紹介というのは、自分に近い感覚があったなら、それはそれで楽しい。しかし、それだけになってしまったならば狭くなっていく。新しい紹介、出会いがあることで、新しい本の世界に飛び込むことができ、酒も料理も、より美味しくなる。

 読書というのは、ひとりで行うものだ。そのひとりが集まってのブックトークオフには、特別な楽しさがある。




(レポート:いまむら)

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