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STAR TREK--YAMATOコミュの「 #070 長寿惑星ギデオンの苦悩 」

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           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #070 長寿惑星ギデオンの苦悩 」


  『恒星日誌 宇宙暦0404.6072』
  『 惑星ギデオンの周回軌道に入る。
  この星とは、連盟加入の交渉中であるが、
  ギデオン側は終始一貫、代表の受け入れを拒否し、
  船からの探査をも拒んできた。しかし終に、
  エンタープライズの船長一名に限るという条件で、
  受け入れを認めた。そのため、私は単身、ギデオンに赴く事になった。 』


  船内の通路を歩き、転送ルームに向かうカークとスポック。
  転送ルームに入り、転送台に載るカーク。
  コンソールに着き、操作を始めるスポック。
  カーク 『 スポック!君も、同行できなくて残念だ。
連盟に提出した報告書に依れば、精神文明の発達した星らしい。 』
  スポック『 船長の訪問の結果を期待してます。 』
  カーク 『 今に、ハッキリするさ! 』
  通信スイッチを入れるスポック。
  スポック『 ウーラ中尉。 』
  ウーラ 『 はい、ウーラです。 』
  スポック『 ギデオンから転送、許可は下りたか? 』
  ウーラ 『 はい!たった今、転送地点の座標も指示してきました。 』
  スポック『 言ってくれたまえ! 』
  ウーラ 『 875・ 』
  スポック『 875、 』 復唱するスポック。
  ウーラ 『 020、 』
  スポック『 020、 』
  ウーラ 『 079、以上です。 』
  スポック『 079。 』 875・020・079
  カーク 『 よーし!用意はいいぞ! 』
  スポック『 転送開始! 』 作動バーを引き上げるスポック。
  カークの転送が、開始された。分子化され、消えていく。

  次の瞬間、転送室で、再物質化されるカーク。
  同じ場所に立て、前を見るとコンソールには、誰もいなかった。
  カーク 『 スポック!? 』
  転送台から降りて、コンソールに住み、通信スイッチを入れるカーク。
  カーク 『 スポック!まだ、転送されていないぞ。
何故、確認しないで、持ち場を離れたんだ!?
-------スポック!? 』
  コンソール・スイッチのチャンネルを入れ替えて呼びかける。
  カーク 『 スポック! 』 応答がないと解ると、スイッチを切り、
  転送室を足早に、出るカーク。ブリッジに入ると誰もいなかった。
  船長席のスイッチを入れ、船内放送通信を試みる。
  カーク 『 機関室、チャーリー!居るか?チャーリー!!
  --------ウーラ中尉!今すぐ、部署に戻れ!
  ブリッジ勤務要員は、直ちに出頭せよ!
  こちら船長だ!乗組員は、誰も居ないのか?!
  -----医療室、ドクター!ドクター、ドクター!居ないのか?! 』
  各部所に、呼びかけてみるが、返事はなく。
  ビュー・スクリーンを見ると、そこには星の上1/3が、映っていた。
  カーク 『 周回軌道が、維持されている。 』
  乗組員が、居ない状況では、周回軌道を維持できないのが、普通なのだ。
  絶えず操舵手が、チェックしていなければ、軌道を外れるものだ。
  
  
  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0404.6072』
  『 エンタープライズに、一人取り残された私は、
  船の各区域を調べてみたが、乗組員については、
  その形跡さえ発見できなかった。
  一つ、気が付いた事は私の腕に、かすり傷があり、
  それがいつ出来たのか、全く記憶がないことだった。 』

  慎重に船内を見回って、通路を警戒しながら歩くカーク。
  
  エンタープライズ、ブリッジ。
  スポックが船長席に着き、チェコフが記録パッドを持って、左横に立っている。
  ウーラ 『 ギデオンから連絡が入りました。 』
  スポック『 スクリーンに出してくれ! 』
  ウーラ 『 はい! 』 
  ビュー・スクリーンに、6名のギデオン人が、映し出される。
  オデイン大使『 カーク船長!こちら、代表のオデイン大使。
評機会では、船長の到着をお待ちしている。 』
  スポック『 こちら副長のスポックです。
  船長は既に、そちらに転送しました。2.6分前です。 』
  オデイン大使『 それは、おかしい? 』
  スポック『 私自身が立ち会いました! 』
  オデイン大使『 まだ、到着しとらん! 』
  スポック『 その会議場へ、直接転送しました。
  スイマセンが、座標の確認を! 』
  隣の評議員らしき人物が、オデイン大使に、耳打ちしている。
  オデイン大使『 875・020・079だ! 』
  パッドを確認し、報告するチェコフ。
  チェコフ『 座標に、間違いありません。 』
  オデイン大使『 我々は、この部屋に船長が来るのを要請し、
     座標も正確に提示している。 』
  スポック『 それを否定している訳ではありません。 』
  ナビ・ステーションの右側に移動し、計器をチェックするスポック。
  オデイン大使『 もし、ここへ来ないのなら、
その責任は、君たちにあると思われるが、
我々の側ではない。 』
  スポック『 それは、よく解っております。
あなた方の責任を追及している訳ではありません。 』
  チェコフが席に戻り、着席する。
  オデイン大使『 それを聞いて安心した。
兎も角、これは由々しき問題だ!
この旨、詳しく記録をしてもらいたい。 』
  操舵ステーションに移動するMr,スポック。
  スポック『 オデイン大使、我々の使用している機械類は、
安定度の高い物ですが、故障する可能性もあります。
転送を誤って、カーク船長は、ギデオンの他の場所で、
実体化している可能性もあります。 』
  オデイン大使『 それが、海でない事を祈る。 』
  スポック『 オデイン大使。 』 後ろを振り向くスポック。
  ブリッジの扉が開いて、ドクター・マッコイが、入ってくる。
  スポック『 この際、率直にお願いします。
船長、捜索のため私が、
そちらに行くのを許可していただけませんか? 』
  オデイン大使『 許可は出来ん!前から繰り返し言ってる事だが、
我々は、他の星系との接触を好まない。
この星の住民の精神構造は、暴力や戦闘などの
思想とは、相容れんのだ! 』
  操舵席の後ろに立つドクター。
  スポック『 それは誤解です。
現在、我々の同盟国内では、戦闘はありませんし、
暴力の思想もありません。もし、許可して頂ければ、 』
  オデイン大使『 船長の捜索は、我々に任せて欲しい。
その間、君は、船の装置を点検する事をお勧めする。 』
  映像通信が、一方的に切られた。
  スポック『 ンんー、外交の第一歩は、
相手との正面切っての対決を避ける事だなぁ。 』
  マッコイ『 オイ、何を躊躇っているんだ!
  我々は、外交官じゃない! 』
  スポック『 しかし、今は連邦の代表として、来ているんです。 』
  マッコイ『 だからって、子供の使いじゃあるまいし、
  相手の勝手な言い分を黙って聞いてろって、言うのか? 』
  スポック『 残念ながら、目下それ以外に、方法は無いと思われます。
ギデオンは、探知妨害スクリーンを張り、捜索を拒否しています。
転送するのに、座標を決定できません。
   向こうで提示しない限り、無理なんです! 』
  チェコフ『 一方的な制限に、同意したのが間違いですよ! 』
  スポック『 同意したのは、我々じゃない!惑星連盟だ。 』
  オプス・操舵のコンソールの周りを歩き回りながら、話し続けるスポック。
  スポック『 ウーラ中尉。 』
  ウーラ 『 はい。 』
  スポック『 艦隊司令部へ連絡を頼む!
事情を説明して、カーク船長の行方を突き止めるため、
行動の自由を認めるように要請してくれ! 』
  ウーラ 『 承知しました。 』
  チェコフ『 Mr,スポック!船長は現在、何処にいると思いますか? 』
  スポック『 解らん!?可能性は無限だ! 』
  マッコイ『 じゃあ、何処から手を付けるつもりだ? 』
  質問をするチェコフに、そう答え、コンソールの前を通り、
  スポック『 探知装置フルパワーだ。
  360度を一度刻みに、捜索する。 』 Mr,スールーに、命じる。
  マッコイ『 全宇宙を調べるつもりか?! 』
  スールー『 それには、何年もかかります。 』
  スポック『 だからこそ、早い方がいいんだ!始めてくれ。 』
  スールー『 解りました。 』


  カークは、船内の捜索を続けていた。
  一人の女性が、船内の通路で踊っていた。
  女性に近付き、話をするカーク。
  彼女の名を聞くと『オドーナ』と名乗った。
  自己紹介をするが、何も知らない様子の彼女。
  ここが、何処であるかも解っていない様子だ。

  彼女を連れて、ブリッジに来るカーク。
  ギデオンに転送されてから、9分間の空白の時間が、
  経過している事を、船の計器から判断するカーク。
  ギデオンの言葉を出しても、彼女に記憶はない。
  スクリーンのスイッチを入れると、
  宇宙を航行している時の星が流れている映像が映っている。
  カークの言葉に、怯えるオドーナ。

  惑星の周回軌道を回るエンタープライズ、ブリッジ。
  オデイン大使からの映像通信が入る。
  カーク船長は、ギデオンに来ていないと言う結果だった。
  スポックは、あくまでも惑星への転送捜索を要請する。
  転送機、他の計器類には、異常は無かった。
  オデイン大使の言葉に、憤慨するチャーリー。
  彼らギデオン側の代表者を船に、転送収容する事になる。
  座標は、875・020・709である。
  代表は、失敗する事無く、転送される。
  これでもオデイン大使は、地上への転送を許可しない。
  通信をまたしても、一方的に切られてしまう。

  もう一つのエンタープライズ船内で、彼女に質問するカーク。
  彼女は、ギデオンという星を知らないと、否定し続ける。
  本当か、嘘かの判別が付けられないカーク。
  オドーナの星では、人口過密で、山も待ちも海辺も人でいっぱいになり、
  人が、一人になれる空間が無いらしい。
  広い船の中が、とても幸せな空間だと思っているようだ。
  カークとオドーナが、キスをすると、
  ビュー・スクリーンに映るいくつもの人の顔が現れる。

  まるで、幽霊のように浮かび上がった、その顔を見る事無く、ブリッジを出て
  手首に出来たかすり傷を治療する為、救急箱を探すカーク。
  彼女の星には、病気という者がなく、病気に掛かった事が無いらしい。

  通路を歩いてと、不気味な壁を叩くような音がして、
  オドーナを連れて、機関室のモニター・スクリーンを点けるカーク。
  何人もの人物が、こちらを見てたたずんでいた。
  咄嗟に、彼女を抱きしめ、庇うカーク。
  次の瞬間、宇宙の映像に変わる。
  何も知らないと、否定を続ける彼女だが、カークの詰問に怯えを見せた後、
  急に気分が悪くなり、倒れて気絶する。
  オドーナを抱きかかえ、医療室を探すカーク。

  この様子の一部始終を見ていたギデオンのオデイン大使たちが、
  席を立って、部屋を出て行く。
  その際、窓の外には、立っていることしか出来ないほどの山のような
  人々が、窓の外を彷徨っている。
  大使が、船の通路に現れ、オドーナを抱えているカークの前に現れる。
  この行為が、実験だと言うオデイン大使。
  傍には、2名の護衛を連れていた。
  彼女の治療を要請するカークに、「その必要は無い」と、言う大使。
  オドーナをカークから受け取り、別の部屋に入っていく。
  理解できない行動に、戸惑いと怒りを憶えるカーク。


  彼女をベッドに寝かせて、病気の症状や痛みを聞くオデイン大使。
  微瑕性脈絡髄膜炎(びかせい・みゃくらく・ずいまくえん)
  24時間以内に、処置しなければ、オドーナは死んでしまうだろう。
  この病気に感染しているカークを連邦の代表に選び、
  空白の9分間に、手に引っかき傷をつけて、間接的に、彼女に感染させ、
  病気や死という者を体験させていたのだ。
  オデイン大使の娘のオドーナを利用してのこの行為を許せないカークは、
  2名の護衛との格闘戦に入るが、暫く後に取り押さえられる。
  カークの暴力に怯えながら、非常事態だというオデイン大使。


  本当のエンタープライズ船内でスポックは、
  連邦が承認しない作戦に出ようとしていた。
  カーク救出の準備を始める。転送座標に、違いが有ることに気付く。
  最初の転送座標は、875・020・079
  二度目の座標は、 875・020・709と、別の場所を示している。
  着いて行くと言うマッコイに、スポックは、一人で行くと決断する。
  一抹の不安を覚えるチャーリーたち。
  転送室からの転送を行い、もう一つの転送室へ転送されるスポック。
  カークと同じ様に、転送コンソールから通信を試みるスポック。

  最初に、大使たちが居た部屋で、怒りを伴いながら、
  オデイン大使の話を聞くカーク。
  この惑星には、ビールスも最近も存在せず、人は病気にかからず、
  死が訪れる事も無い。連邦に、提出されていた報告書類は、
  10年前の物で、それまでは何の問題もなかった。
  奇麗事を並べる反面、自分の娘を殺そうとしている。
  長い目で見れば、許される事もしようとしない、
  愚か者が考えるような言葉を並べている。
  彼らは、病気の感染を求めているらしい。
  カークに、ここへ留まってくれるように頼んでくる。
  そんな必要は無く、オドーナも死ぬ必要が無いと、
  説くカークの言葉を聞こうともしない。
  その間にも、オドーナの熱が上がってきている。

  もう一つの船のブリッジに入るスポック。
  同じ構造に驚くスポック。だが、機械類は使用できない。
  つまり模型なのだ。携帯通信機を取り出し、エンタープライズに連絡する。
  スポック『 スポックよりエンタープライズ。 』
  チャーリー『 はい!チャーリーです。 』
  スポック『 私の現在位置は、エンタープライズのブリッジだ。 』
  ドクターと顔を見合わせる船長席のチャーリー。
  チャーリー『 何処ですって?! 』
  スポック『 エンタープライズのブリッジだ! 』
  チャーリー『 しかし、さっきの座標どおり、転送したんですよ! 』
  スポック『 それに間違いはない。私が乗り込んだ船は、
  エンタープライズの模型なのだ。 』
  マッコイ『 エンタープライズの模型だって!? 』

  この船は浮いていて、ギデオンの周回軌道を周っている事が、
  推測されると言うスポック。
  船長を示す生命反応を、キャッチするスポック。


  『恒星日誌 宇宙暦0404.6072』
  『 副長 スポック記録。
  ギデオン人が、カーク船長をエンタープライズの模型に
  転送させたことは、明らかになった。
  何らかの意図を持ち、精神的に混乱させようとしている事に間違いない。
  早急に船長の所在を突き止め、彼らが、目的を果たす前に、
  警告をしなければならない。その意図が何であれ、
  船長の生命が危険な事だけは、論理的必然である。 』


  模型のブリッジを出るスポック。
  オドーナの様子を見に来ているカーク。
  熱に魘される彼女を心配そうに見ている。
  人口問題解決のために、病気と死の概念を惑星の住民に、
  納得させるのが、目的だと言うオデイン大使。
  彼女自らが、志願した結果だと言う。
  目覚めた彼女が、死が訪れる時間を気にする。
  カークの傍に居られないのが、心残りだと言って気絶する。

  模型の通路を静かに歩み、護衛2名の後ろに立って、
  ネック・パンチで一人を倒し、もう一人を力いっぱい投げ飛ばした。
  部屋に入って来たスポックに、ドクターの治療を依頼するカーク。
  チャーリーに通信連絡し、オドーナを攫って、転送で逃げるカーク。

  医療室で、元気に回復するオドーナ。
  彼女の顔を見て、満面の笑顔を浮かべるカークに、
  最初に騙した事を詫びるオドーナ。
  そんな、些細な事に拘らないカーク。
  医療室を出て、通路を歩き、前の船と違うというオドーナ。
  全く同じだと言うカーク。違うのは航行するところ。
  それに、人が混み過ぎているとも言った。
  ギデオンで、永住して欲しかったと云う彼女。
  壁の通信装置を使い、転送室に、転送準備を命じるカーク。
  カークの事は、忘れないと言うオドーナ。
  船長は、船を永久に降りるなどと言う事は考えられない。
  悲しい別れに、見つめ合う二人。

    
         宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ

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           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #071 消滅惑星ゼータの攻撃 」


  『恒星日誌 宇宙暦0404.6072』
  『 我々は、小惑星メモリー・アルファに向かっていた。
  そこは、惑星連盟の記録保存所で、
  加盟している全ての惑星の歴史および、
  科学資料が、保存されている。
  任務は、そこに新しい装置類を届ける事で、
  その技術装備係として、ミラ・ロメイン中尉も同行していた。 』


  機関室で、作業中のチャーリーとロメイン中尉。
  チャーリー『 ぃやー、君は、全く凄い!
   今まで、この船に乗った内で最高の技術者だ。 』
  ミラ・ロメイン『 技術者だけ? 』 笑顔で反す彼女。
  チャーリー『 女性としてもさ!
    これ以上、上手くいえないけどね。 』
  満面の笑みで、囁くように話し、彼女を褒め称えるチャーリー。


  『恒星日誌 補足 』
  『 技術主任のチャーリーは、彼女の魅力に完全にマイッテしまった。
  今まで愛好してきたエンジンや機械には、急に興味を失ったらしく
  専ら、中尉の面倒を見るのに熱心で、実に甲斐甲斐しく侍っていた。 』

  エンタープライズ、ブリッジ。船長席に着いているカーク。
  チェコフ『 Mr,チャーリーが、科学者好みとは、以外だったよな!? 』
  小声で、操舵席のスールーに、話し掛ける。
  スールー『 この際、化学なんて関係ないと思うよ。 』
  カーク 『 チャーリー! 』 半分呆れて、彼を呼ぶ船長。
  カーク 『 おい、チャーリー! 』
  チャーリー『 ん? 』 カークの方を向くチャーリーとニナ。
  カーク 『 ぁっ、メモリー・アルファが、スクリーン探知距離内に入ったら、
ロメイン中尉と一緒に、非常マニュアル・モニターの処に、行ってくれ!
保存所へ装置類を転送する準備をするんだ。 』
  チャーリー『 解りました。 』
  ミラ・ロメイン『 準備は、出来てます。 』
  スポック『 ロメイン中尉!君の初めての任務が、成功するように、
  我々も出来るだけ協力するつもりでいる。 』
  カーク 『 そう、成功を祈る! 』
  ミラ・ロメイン『 ありがとう御座います。 』
  再び、チャーリーと見つめ合うミラ。

  操舵コンソールのアラームが鳴る。
  スールー『 強度の感知反応が、表れました。 』
  カーク 『 メモリー・アルファか? 』
  スールー『 違います! 』
  ビュー・スクリーンに、何か立方体のような物を捉えている。
  技術ステーションに座っているクルーが、チャーリーの腕に触れ、
  機器の操作確認を依頼する。
  チャーリー『 ああ、ちょっと失礼。 』
  ミラ・ロメイン中尉に、声をかけて作業に入るチャーリー。

  ビュー・スクリーンを厳しい表情で、見つめるカーク。
  カーク 『 倍率拡大! 』
  スクリーンに、大きくなった謎の物体が映る。
  カーク 『 あれは何だ?! 』
  スポック『 反応から見ると、一種の磁気嵐です。
しかし、これほどの強度と構造を持つものは、
今までに例がありません。 』
  一歩前に踏み出し、スクリーンを見るミラ・ロメイン。
  少しずつ近付いてくる磁気嵐。赤と紫の光を放っている。
  スポック『 規模、計器類は、すべて最大限を記録しています。 』
  スールー『 速度は、現在ワープ2以上で、更に加速中です。 』
  カーク 『 ワープ2!? 高速以上の速さを、持つ嵐なんて無いだろう! 』
  スポック『 しかし、現実にその速度で動いています。
  したがって、普通の天然現象ではないと、思われます。 』
  更に2.3歩前に出て、操舵席の左側に来るミラ中尉。
  
  磁気嵐が、間近に接近している。船長席を素早く立って、命じるカーク。
  カーク 『 電磁スクリーン用意!戦闘準備。 』
  ウーラ 『 解りました。 』
  スールー『 電磁スクリーン、張りました! 』
  磁気嵐に船が包まれ、途端に激しく眩しい光が、ブリッジ・クルーの視界を襲う。
  カークは立ったままで、首を抑え、声も出ないようだ。
  科学ステーションのスポックは、片手を前に突き出し、光を避けている。
  ミラ・ロメイン中尉の目の中に映る、時期嵐の眩しい光。



  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』


  磁気嵐に突入していくエンタープライズ。
  立っていられず、船長席に座り、両手で顔を覆うカーク。
  次の瞬間、嵐が、遠ざかっていく。
  カーク 『 カトー!船を脱出させるんだ!
エンジンや計器類を、徹底的にチェックしろ!
ウーラ中尉!全船の被害報告。 』
  気が遠くなって、その場に倒れるミラ・ロメイン中尉。
  鈍い音に、気が付くチャーリー。
  チャーリー『 ミラ! 』 
  持っていたパッドを技術部員に渡し、彼女に歩み寄るチャーリー。
  カーク 『 ドクター!大至急、ブリッジへ。 』
  通信で、マッコイを呼ぶカーク。
  チャーリー『 ミラ!ミラ! 』
  彼が支え起こすと、眼を開いたままの放心状態で、
  何やら うめく様に、口を開いているが、言葉にはなっていない。
  二ナの眼は、通り過ぎたビュー・スクリーンを見つめている。
  カークも船長席を立って、彼女の側に寄り、膝ま着く。
  チャーリー『 ミラ!その声は、どうしたんだ?! 』
  猛獣が、咽喉を鳴らすように、何かを伝えようとしているミラ・ロメイン。
  カークが少し、左に移動すると、ブリッジにドクターが、駆けつける。
  すぐに膝ま付き、診察を始めるドクター。
  マッコイ『 今の動揺で、頭でも打ったのかな? 』
  カーク 『 解らん!見ていたか? 』
  チャーリー『 倒れたのは、船の動揺が、鎮まってからですよ! 』
  ハイポ・スプレーに薬液を詰め、何かを注射したドクター。
  一瞬、気を失ったようになり、意識を回復させて、正常になる彼女。
  チャーリー『 じっとしてるんだよ。どこか、打ってないでしょうね。 』
  深い溜め息を一つ吐き、答えるニナ。
  ミラ・ロメイン『 もう、大丈夫よ。 』
  チャーリーに腕を支えらて、立ち上がるミラ・ロメイン。
  カークとマッコイも、同時に立ち上がる。
  マッコイ『 大事を摂った方がいい!医療室まで、歩いて行けるかね? 』
  ミラ・ロメイン『 本当に、もう何ともありません!
     みんな、大丈夫でした。 』
  チャーリー『 ああ、大丈夫だ!ドクターの言う通りにした方がいいよ。 』
  ミラ・ロメイン『 どうして! 』
  カーク 『 医療室に行きたまえ! 』
  ミラ・ロメイン『 でも・・・・・・ 』
  カーク 『 命令だ! 』 船長席の前に戻るカーク。
  ドクターに連れられて、ブリッジを出る彼女。
  カークの側に立って、チャーリーが言った。
  チャーリー『 船長!念のため、私も付いて行きましょう。 』
  カーク 『 いや暫く、部署を離れんでくれ! 』
  チャーリー『 しかし、船長! 』
  彼の言葉に耳を貸さず、次の行動に移るカーク。
  カーク 『 ウーラ中尉! 』 
  ウーラ 『 はい。 』 船長席の右横に立つカーク。
  カーク 『 被害報告を! 』
  ウーラ 『 各部門、共に機能障害なし。 』
  そこから左前方に、一歩踏み出し、手摺りを挟んでスポックの前に、
  カーク 『 スポック。 』
  スポック『 計器類は一時的に、不能となりました。
  探知装置も使えませんでした。 』
  カーク 『 エンジンに、損害は? 』
  スポック『 ありません。 』
  カーク 『 よし!これが磁気嵐だとすれば、
  脱出するのに、最大の出力が必要だ! 』
  スポック『 船長!あれは、磁気嵐ではありません。 』
  船長が、何かを言いかけた時、ウーラが声をかける。
  ウーラ 『 船長。あの動揺の最中に、
  メモリー・アルファから呼び出しがありました。
  応答しようとしたんですが、
  どうしても、手が動かせませんでした。 』
  通信士ウーラの方向に少し、歩み寄るカーク。
  チェコフ『 船長! 』 振り向いて踏み出し、チェコフの後ろに立つカーク。
  チェコフ『 動かせなかったのは、手ではなくて眼ですよ。 』
  作業にかかるスポックが、彼らの方を驚いたように振り向く。
  チェコフ『 コースを変更しようとしましたが、計器盤が見られなかったんです。 』
  スールー『 イヤー、違います!麻痺したのは、口です。
   どうしても、ものが言えなかった! 』
  一応に、それぞれの言う事が違う。
  その場を移動して、手摺り前のスポックの元へ。
  カーク 『 スポック!説明してくれ。 』
  スポック『 原因は不明ですが、結果だけは、
  各自、脳のある部分に影響を受けたんですね。
  ある種の圧力によって、随意筋が、麻痺したと思われます。 』
  カーク 『 攻撃じゃないのか?! 』
  スポック『 そうです。明確には、そう呼んでも、差し支えないと思います。 』
  カーク 『 中でも一番、影響を受けたのが、ロメイン中尉という訳か! 』
  副長から視線を逸らし、何かを考えるカーク。


  医務室のニナ・ロメイン中尉のベッド。
  奥の壁に設置されているパネルを操作して、ドクターに報告するMiss,チャペル。
  ベッドの右側に立つDr,マッコイが、移動してクリスティンの元へ。
  マッコイ『 何か、変わった反応は見られないか? 』
  チャペル『 今のところ、正常です。 』
  マッコイ『 ご苦労。 』 
  健康チェック用の寝台に載せてある物を取りに行くマッコイ。
  扉が開いて、チャーリーが入ってくる。
  ドクターが、小型の医療トリコーダーを持って、彼女を診察する。
  ミラ・ロメイン『 今度は、何をするんです? 』
  チャペル『 検査の結果を、コンピューターに記憶させるんです。 』
  大人しく寝ていた彼女が、腕を支えにして、少し身を起こす。
  ミラ・ロメイン『 どうして?別に、何も異常なかったんでしょう! 』
  マッコイ『 中尉、止めないか?! 』
  ミラ・ロメイン『 でも、何故なんです! 』
  マッコイ『 この船には、430人の人間が乗っている。
その中で、気絶したのは君だけだ!その原因を知りたい。 』
  ミラ・ロメイン『 それは、私も同じです!
ドクターならご存知でしょう?!
私にとっては、初めての経験なんです! 』
  マッコイ『 さっきの動揺は、皆にとっても初めてなんだ。 』
  ミラ・ロメイン『 新しい経験するのは、皆さんにとっても、
     仕事の一部なんじゃありません?!
     はっ、あたしは違います。 』
  ベッドに、身体をあずける彼女。興奮し、怒っている。
  チャーリー『 彼女の言い分も、最もですよ!
何しろ、初めての超空間旅行だ。多少、おかしくもなりますよ。 』
  マッコイ『 それを確認するためにも、綿密な検査が必要なんだ。
---------ところで中尉!気絶する前に、どんな感じがしたかね? 』
  退屈な検査が、怒りに変わり、ボッーと空を見つめている中尉。
  ミラ・ロメイン『 感じません! 』
  マッコイ『 感じない? 』
  再び、ベッドから少し身を起こし、続けるミラ・ロメイン。
  ミラ・ロメイン『 全く、何にも感じません! 』
  マッコイ『 中尉。 』
  ミラ・ロメイン『 申し訳ありませんけど、
     これ以上、質問には答えられません!! 』
  マッコイ『 じゃあ、君は我々に、協力するつもりは無いのか?!! 』
  ミラ・ロメイン『 その事も、記録すると仰るんですか?!! 』
  マッコイ『 必要な事実は全て、記録するんだ! 』
  更に再び、ベッドに身をあずけた。
  チャーリー『 どうしたんだ?ミラ。別に、面倒な事はないだろ。
    ありのままを言えば、いいんだ! 』
  マッコイ『 説明してやって欲しいな! 宇宙艦隊に勤務する以上、
  規律と協調は、欠くべからざる要素だってな! 』
  そう言って、ベッドから離れるドクター。
  チャーリー『 それは中尉だって、心得てますよ。
   今、ちょっと動転してるだけだ!
   そうだろ、ミラ?! 』
  通り過ぎるドクターに、そう言ったチャーリーだが、返事は無かった。
  ミラにしても、チャーリーの言葉には、何も答えず眼は怒りに燃えている。
  ドクターが、医療室の部屋を出て行く。
  チャペル『 転職を間違えたんじゃないかしら、看護師、顔負けよ! 』
  キツイ一言を言って、部屋を出て行くMiss,チャペル。
  ベッド脇に寄るチャーリー。彼女も身を、少し起こす。
  ミラ・ロメイン『 司令部に記録を送られて、私は送還ね。 』
  チャーリー『 そんな、事は無いさ!馬鹿な事を言うんじゃない。
  この宇宙飛行ってヤツは、慣れるまで、ちょっと罹るんだよ!
  皆、始めはまいるモンさ。 』
  ミラ・ロメイン『 あなたも、そう? 』
  チャーリー『 いゃ、俺の場合はね!
   飛ぶタメに、生まれた様なモンだからね。 』
  ミラ・ロメイン『 帰るのは、嫌よ。 』
  チャーリー『 大丈夫さ!
   艦隊の予備テストにパスしたんだし、身体的欠陥も無い。
   今度の事は、宇宙に馴染むまでの船酔いの一種さ! 』
  彼女は、ベッドに横たわる。
  ミラ・ロメイン『 なら、いいんだけど。 』
  
  磁気嵐が、メモリー・アルファを襲っていた。
  惑星の周回軌道に入るエンタープライズ。
  保存所との通信は、途絶したままだ。
  カークは、直接上陸して、メモリー・アルファの無事を確かめる事にする。
  船長はブリッジから、機関室のチャーリーを呼ぶが、返答は無かった。
  ウーラに、転送室に準備するよう命令を出して、
  席を離れようとした時、チャーリーから連絡が入る。
  ドクターは、機関室か?と聞いて、
  通信に出たドクターとチャーリーを、転送ルームに呼ぶ。
  ベッドで寝ているミラの眼には、死体が映っている。

  『恒星日誌 補足 』
  『 正体不明の異常現象は、メモリー・アルファを襲い、
  再び、猛スピードで遠ざかって行った。
  船からの呼びかけに対し、何の応答も無いので、
  我々は、小惑星上の記録保管所に向かった。 』

  上陸したカーク、スポック、マッコイ、チャーリー。
  トリコーダーで、調査を始めるスポック。
  暗い中へ転送されたので、チャーリーに、明るくするように頼む。
  施設の中は壊滅状態で、チャーリーが、職員達の死体を発見し、船長を呼ぶ。
  カーク達が、奥の部屋に入って行くと、そこには数名の死体があった。
  ミラ・ロメイン中尉が、見ていた死体も、そこにあった。

  別の部屋で、倒れていた女性は、まだ意識があり、
  ロメイン中尉と同じ様な苦しみ方をしていた。
  この女性の生命反応は薄く、助けようも無く、死亡した。
  その亡くなり方は壮絶で、顔色が七色に変わり、
  全神経組織の破壊による強度の脳出血、自律神経の崩壊。
  カークは、ロメイン中尉を通信で呼び寄せた。
  チャーリーが、その場を離れて、他の部屋に行くと、
  ミラ・ロメイン中尉が、転送されて来た。
  職員の志望を教えられて、あの正体不明の物体が、
  ここへ戻ってくると警告するミラ。

  エンタープライズでは、接近する物体をセンサーに捉えていた。
  船からの連絡を受け、転送で引き返すカーク達。
  しかし、ミラ中尉だけが、転送ロックされず、帰ってこなかった。
  チャーリー自ら、コンソールを操作し、彼女を収容する。
  ブリッジに戻るカーク達。チャーリーは、ミラを伴い、転送室を出る。

  カトーに命じて、周回軌道から離脱する。
  船を追って、後を付いてくる異常物体。
  電磁スクリーンを張り、コースを変更するが、回避行動を取りつつも、
  間を空けて着いて来る。スポックは、生命体だと推測し、
  それに、幾つかの生命の集まりだと言う。
  あれと遭遇し接近されると、脳波を攻撃され、命の危険に晒される。
  カークは、通信チャンネルを使い、スクリーンから直接、生命体に呼びかけた。
  『敵意はない!これ以上、接近しないで欲しい』と要請するカーク。
  後ろにいた生命体が、右舷を通過して、前方へ回り込んだ。


  速度が変わり、接近してくる生命体。
  機関室ではミラが、恐怖に震えていた。
  戦闘準備、フェイザーの用意を命じるカーク。
  脅しのため、生命体のコース前方を外して撃った。
  生命体の前を素通りして行く、フェイザー・ビーム。
  敵に怯む様子はなく、直接攻撃に転じるカーク。
  フェイザーを生命体に、命中させると、機関室でお腹を抑えて、
  その場に倒れ気絶するミラ・ロメイン中尉。
  更に攻撃をカークが命じた時、機関室のチャーリーから連絡があり、
  攻撃を中断し、医療室にロメイン中尉を、運ぶように指示をする。
  敵生命体への攻撃と、ミラ中尉の生命体からの隔離を実行しなければ、
  我々は、共倒れになってしまう。早急な手を打つことが、必要となっている。
  通信で、ドクターに会議室召集を伝え、ミラ、チャーリー、ドクター、
  カーク、スポックで対応策を考える事にするカーク。

  会議室での情報分析で、ミラ・ロメイン中尉の乗船当時の脳波パターンと
  生命体に襲われてからの脳波パターンが、変化して同一ではなかった。
  脳波パターンは、指紋のような物で、同じでなければならない。
  敵・生命体の脳波パターンになっている事を、指摘するスポック。
  チャーリーの話で、生命体とミラが、繋がっている事が判明する。
  敵から逃れるために、ブリッジを離れても、
  Mr,カトーが、回避作戦を続行していた。
  生命体と繋がっていたロメイン中尉は、未来を見ていた。
  チャーリーが、死ぬのも見えいたようだ。
  彼女を庇うように抱きしめ、励ますチャーリー。
  カークは、接近してくる敵から逃げるため、
  ワープ8で航行するように、ブリッジに命じた。
  実験室に連絡し、重力室の準備を命じるカーク。

  Mr,カトーの危険を知らせる放送が、船内に響き、
  クルーが、船室へ避難する中を、実験室に向かうカーク達。
  カークたちが、実験室に入るとすぐ、敵生命体が、ミラ中尉に憑依した。
  彼女に触れれば、命の危険がある。
  ロメイン中尉に、近付こうとするチャーリーを制止するカーク。
  生命反応をトリコーダーで、モニターするDr,マッコイ。
  敵・生命体と体内で、戦うロメイン中尉を励ますチャーリーとカーク。
  憑依した生命体が、ミラと同化して話し始め、これを好機と捉えた
  スポックの提言により、カークは、生命体との交渉に入る。

  既に消滅し、宇宙を漂っていた最後のゼータ人の
  精神力の集まりだったのである。
  彼らは死の運命を認めず、憑依する肉体を求めていた。
  カークを制止して、重力室に彼女を入れるために、抱き上げたチャーリー。
  重力室に入れた途端、電撃のように跳ね飛ばされて、打撃を受けるが、
  ショックだけで済んで、気絶はしなかった。
  ミラが抵抗し、攻撃を和らげてくれたのだろう。
  重力室のドアを閉め、気圧を上げていく。
  ミラの体に、死の危険が訪れるほどの気圧上昇をかけると、
  敵・生命体が、彼女の体から離れていき、生命体は掻き消えた。
  通信で、助かった事を知らせるチャーリー。
  20分かけて、ミラ・ロメイン中尉の減圧をしていく。


  医務室にて、カーク、マッコイ、スポックが話し始める。
  カークは、ミラ・ロメイン中尉の後遺症を心配し、
  ドクターの意見を聞いた。
  彼女の精神力に、太鼓判を押すドクター。同意するスポック。
  スポックが、今回の件での自我意識の強化になったと推測するスポック。
  カークは、チャーリーの愛情の支援を忘れていないかと、二人に聞く。
  愛情という薬について、過大評価し過ぎだと言うスポックに対し、
  ドクターが、反対意見を述べるが、二人とも最後の意見は一致した。
  ミラ・ロメイン中尉を宇宙基地には戻さず、機関室でリハビリさせる事。
  通信で、チャーリーに容態を確かめ、承認するカーク。
  Mr,カトーに追加連絡し、メモリー・アルファに向かうように指示する。

  カーク 『 さって、今日はエンタープライズの歴史的な日だ!
  ドクター、スポック、そしてチャーリーが、
  一つの問題について、意見が一致した。
  これは、正に記念すべき日だよ!フフフフッッ・・・ 』

  ミラの事について、意見が一致したと言う事だ。
   
         宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #072 惑星アーダナーのジーナイト作戦 」


  『恒星日誌 宇宙暦0404.6073』
  『 エンタープライズが現在、パトロールしている宇宙区域の一惑星に、
  植物の伝染病が発生し、絶滅の危機に瀕した。
  その病気に唯一、有効な物質はジーナイトで、
  現在、知られている地域は、アーダナのみである。
  我々は直ちに、そこに向かった。 』

  ブリッジで、個性製日誌をつけ、記録したトリコーダーを
  記録係の女性クルーに、渡すカーク。
  ウーラ 『 船長、惑星アーダナーから入国許可が下りました。
  ストラートの方へ来るようにと。 』
  カーク 『 そうか!有名な雲の上の土地だなぁ、スポック?! 』
  頷いて、言葉を反すスポック。
  スポック『 ええ、そうです。 』
  カーク 『 何か、問題が有るらしいな?
  鉱山の方の座標は、提示して来ないのか?! 』
  スポック『 いえ、それは転送係の方に提示してきました。
  同時に、会議場の座標も提示してきています。 』
  船長席の通信スイッチを入れるカーク。
  カーク 『 カークより、転送ルーム! 』
  チャーリー『 転送準備!OKです。 』
  カーク 『 チャーリー!どっちにロックしてある!?
  鉱山の方か?ストラートの方か? 』
  チャーリー『 鉱山の方です。船長の命令でしょ?! 』
  カーク 『 よし! 』 通信を切ると同時に、席を立ち、
  次の命令を発するカーク。
  カーク 『 中尉!アーダナーの民政官に連絡してくれ。
ぁぁ、折角だが、緊急の場合なので、我々はこのまま、
鉱山へ直行し、ジーナイトを運びたい!
ストラートへの招待は、日を改めてお受けする。
その旨直ちに、伝えてくれ! 』
  ウーラ 『 はい。 』
  右舷側の手摺りに、移動して命じるカーク。
  カーク 『 行こう、スポック! 』
  階段を2.3段上って、リフトに向かうが、立ち止まって振り返り、
  カーク 『 ああ、そうだ!
  折角の招待を断わるんだから、言葉には十分、
  気を付けてくれたまえよ。 』
  ウーラ 『 解りました。 』 リフトに乗り込むカークとスポック。

  惑星アーダナーの周回軌道に乗るエンタープライズ。
  鉱山の入り口付近の丸い台に、転送されてくるカークとスポック。
  その丸い台から下りて、天空を見つめる二人。
  スポック『 あれが、ストラートです。あれこそ、正に雲の上の世界ですね。 』
  雲の高さに浮ぶ、天空の神殿のような建物が見える。
  カーク 『 空に浮ぶ、夢の国か! 』
  スポック『 ええ!兎に角、銀河系におけるユニークな存在です。
  以前、来たことがあるんでしょう? 』
  カーク 『 ああ!一度、それも短時間だった。 』
  スポック『 私は、まだですが、都市の構造は素晴らしい物だそうですね? 』
  カーク 『 ああ、住民は美術や学問を楽しんでいる。 』
  スポック『 完成された知的社会と、言う訳ですね。
    如何なる暴力も、存在しない社会。 』
  指を指し示すカーク。辺りには、大きな岩が転がっている。
  カーク 『 あれが、鉱山の入り口だな!
  ジーナイトが用意してあるはずだが、 』
  入り口の方向に、歩いていくカークとスポック。
  カーク 『 おかしいな!ちゃんと連絡してきたんだ。
鉱山労働者トログライトが、入り口で引き渡すと、 』
  入り口の前で、立ち止まり、話を続けるカーク。
  スポック『 別の入り口じゃありませんか? 』
  カーク 『 かも知れん! 』
  3.4歩前に出て、再び立ち止まり、
  スポック『 どうやら、そのトログライトの気が変わったようですね。 』
  副長が、そう述べた途端、二人の身体に投げ縄が巻きついた。
  縄を持ち驚きと共に、振り返るカークとスポック。
  縄を架けた2名が、後ろに立ち。残り2名が、ナイフを持っている。
  縄を持っている内の一人は、女性のようだ。
  この4名は、何者なのか?


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  トログライト 1 『 どうして、ここへ来た。 』
  バーナ『 侵略者が、どう言う扱いを受けるか?解ってるわね! 』
  カーク 『 我々は、民政官の許可を受けてきたんだ!
  侵略者ではない!! 』
  バーナ『 黙ってくればいいのよ!さァ!! 』
  カークが、男の一人に蹴りを入れ、格闘戦の開始となる。
  スポックは、襲い掛かってくる人間を軽々と投げ、振り払い応戦している。
  カークと女性が、掴み合いになり、転げ回っている時、
  丸い台の場所に、赤い色のビームで、3人の男性が、転送されてくる。
  丸い台から下りて、真ん中の男性が、命じるように発言した。
  プラーサス『 止めろ!トログライト。 』
  彼の言葉を聞き、慌てて逃げ出す4人の男女。
  プラーサス『 よし!銃で追い払え! 』
  一人の男に当たり、その場に倒れるトログライト。
  倒れたのを確認し、命令した男性を先頭に、カークとスポックの元へやってくる。
  立ち上がるカーク。スポックが、カークの側に立つため、移動してくる。
  プラーサス『 二人とも、お怪我は無かったかな? 』
  カーク 『 ええ、息が切れただけです。 』
  プラーサス『 ワシは、アーダナーの民政官プラーサスだ。 』
  カーク 『 エンタープライズの船長、カークです。副長のスポック。 』
  スポック『 初めて、お目にかかります。 』
  プラーサス『 このような、不愉快な出迎えで、誠に失礼した。 』
  カーク 『 驚きました。 』
  プラーサス『 遺憾ながら暴力は、トログライトどもの特性でしてな!
しかし必ず、この度の関係者は、全員処罰する。 』
  カーク 『 いやぁ、それより心配なのは、ジーナイトの件です。
  約束の場所に見当たりませんが? 』
  プラーサス『 破壊主義者の仕業だ!それが心配なので、来てみたんだ。 』
  スポック『 破壊主義者?何者ですか。 』
  プラーサス『 労働者の中の不平分子だ!
少数のグループだが、トログライト全体を牛耳っている。
彼らの先導で、暫く前からジーナイトの採掘は中止されている。 』
  カーク 『 しかし、我々に引き渡す事を同意したんでしょ? 』
  プラーサス『 そうだ!それも目的あっての事だ。
    人質を取るつもりだったのだ! 』
  カーク 『 人質!一体、何のために? 』
  プラーサス『 民政府に、要求を飲ませる為だ! 』
  付いて来ていた衛兵に命ずるプラーサス。
  プラーサス『 すぐ捜査班を作り、ジーナイトの所在を突き止めろ! 』
  準備の為に、その場を去る2名の衛兵。
  プラーサス『 暫くかかるだろう。その間、お二人には客人として、
    ストラートの方で、寛いで頂こう。 』
  カーク 『 ありがとう。
しかし、積荷の方は、出来るだけ早く、見つけて欲しいものです。 』
  プラーサス『 勿論!出来る限りの手は打つ。
    では、こちらへ! 』
  二人を導き、歩き出すプラーサス。

  天空のストラートに、転送されてくるカーク、スポック、プラーサス。
  転送出現位置は、小さく丸いテラス・ベランダになっている。
  スポック『 素晴らしい。----------
これまで見た内で、最も完璧な反重力浮揚装置ですね。 』
  地上の景色を見下ろすスポックたち。
  茶色い土地と川が血管のように流れている。
  転送位置から15段の階段を下りて、階下に立つカーク達。
  階下の部屋の奥から一人の女性が、出迎えに現れる。
  オーシャン・ブルーのドレスが、眩しい美しさを放っている。
  ドロクシーヌ『 衛兵からお客様がみえたと、聞きました。
それで、一言ご挨拶を、 』
  プラーサス『 おお、中々!気が付くな。
紹介しよう!この惑星が生んだ、傑作の一つだ!
娘のドロクシーヌ、こちらカーク船長。 』
  カーク 『 初めまして。 』 頭を軽く下げて、挨拶をするカーク。
  ドロクシーヌ『 ようこそ!アーダナーへ 』
  プラーサス『 こちらは、Mr,スポックだ! 』
  声は出さず、頭を下げるスポック。
  ドロクシーヌ『 バルカン星の方に、お会いするのは初めてです。 』
  スポック『 生憎、傑作とは申せませんが、 』
  プラーサス『 まあ、こちらへ!諸君も興味あるだろう。
ここが会議場の画廊だ!市民一般に公開されている。
これまで、この星が産んだ美術品の傑作は、
全てここに展示してある。
こうした雰囲気の中で、瞑想し・・・・・・・・ 』
  壁の彫刻やステンドグラスが壊され、破壊工作が頻繁に行われているようだ。
  驚きと怒りを隠せないプラーサス。
  プラーサス『 また、賊が入ってたぞ! 』
  ドロクシーヌ『 恐ろしいわ!町を全部、壊そうと言うの? 』
  スポック『 街を壊す?!何のためにです。 』
  プラーサス『市民を混乱に巻き込むためだ。
それで民政府に、要求を認めさせるためつもりなだ。 』
  カーク 『 どんな要求です?! 』
  プラーサス『 全く話にもならん事だ!
    客人を煩わせる事でもない。 』
  カーク 『 そのために、シーナイトが手に入らないとなると、
  気にせざるを得ませんね! 』
  スポック『 民政官!メラク2の植物は今、全滅の危機に瀕しています。
植物は、惑星唯一の酸素供給源で、
これは住民の危機を意味します。 』
  プラーサス『 その点は心配なく! ジーナイトは必ずお渡しする。
さっきの乱闘で、お二人とも疲れたと思う。
少し休まれては、どうかな? 』
  スポック『 それは、こちらも願ってもないことです。 』
  プラーサス『 部屋は、もう用意させてある!今すぐ、案内させよう。 』
  民政官が手を一つ叩くと、衛兵が二人を先導して、部屋を去るカークとスポック。
  この二人の親子は、腕を組んで、転送出現位置の階段を上っていく。
  ドロクシーヌ『 初めてのお客様なのに、スッカリ嫌な思いをさせてしまって! 』
  プラーサス『 しかし、怪我が無かったのが、せめてもの幸いだ。 』
  ドロクシーヌ『 ええ、本当に良かったわ。 』
  プラーサス『 怪我をしていたら、我々の立場も非常に拙くなる。
    同盟関係に、皹も入りかねん。 』
  ドロクシーヌ『 でも、どう言うつもりなのかしら?
     あの礼儀正しいお客様を襲うなんて! 』
  プラーサス『 連中の暴走は、益々酷くなるばかりだ!
    今度は、惑星外にまで、手を広げようと言うんだろう。 』
  ドロクシーヌ『 ネェ、お父様。カーク船長とあの魅力的なMr,スポックは、
この事件で、私たちの責任を追及すると思います? 』
  笑い飛ばして、娘をからかう父親。
  プラーサス『 ハハハッッ!
何だ心配していたのは、外交問題じゃないのか?! 』
  スポックに、男性としての魅力を感じているドロクシーヌ。
  
  この時、2名の衛兵に引きずられ、抵抗しながら階段の下に連行される
  一人の赤い服のトログライト。
  シールドと呼ばれるサングラスを取られて、眩しいそうに目を覆う男。
  この男は、通行証や許可証、そして仕事の道具さえ持っていなかった。
  ここの入り口の修理に来たと、言う男を破壊工作の犯人と断定して、
  拘禁室へ入れようとした時、衛兵の拘束を振り払い、
  男は階段を一気に駆け上がり、テラスから飛び降り、
  遥か下の地上へ自殺を図った。
  落ちていく男と地上を見て、全く拙い事をしたと言うプラーサス。

  カークが、ベッドで寝ている。
  『 スポック、心の声 』
  『 この惑星は、全てに於いて極端に対照的だ。
  生産を担う者とそれを享受する者には、文字通り、雲泥の差が有る。
  理想的な政治形態ではない。このストラートの生活は、全て快適だ。
  民政官が自慢したように、その典型が、あのドロクシーヌだ。
  美しく、デリケートで、洗練されている。
  しかしながら、地上で他の者が、どの様に生活しているか、
  彼女は、それを知らないのか、いや、知っていて疑問も感じないのだろうか。
  あの鉱山での過酷な労働、そこで働く者の憎しみの声、
  我々を攻撃した者の先頭に立っていた、あの若い女性。
  彼らは、絶望感から暴力へ走ったのだ。あの無邪気そうな、ドロクシーヌは、
  その事実を知っているのだろうか。彼女の反応を知りたいものだ。 』

  スポックの耳が、物音を捉え、飲み物を入れているドロクシーヌの元へ
  話をしに行く。彼女は、バルカン星人を讃え、スポックは、ストラートを誉める。
  寝ているカークの部屋に、ナイフを持った女性が忍び寄る。

  咽喉元にナイフが来たとき、カークは、女性をベッドに押さえ込み、
  ベッドの端に腕ごと当て、ナイフを落とさせる。
  気配を感じて起き、寝ている振りをしていたカーク。
  彼女に、もう襲わない事と、質問に答える事を条件に、開放するカーク。
  部屋にスポックを呼ぶと、ドロクシーヌも入ってくる。
  
  彼女の名は、バーナといい、過去にドロクシーヌの家で仕えていたようだ。
  トログライト達は、カーク達が、彼らを圧迫に来たと勘違いし、
  メラク2の事を話しても、信じようとしない。
  衛兵を呼ぶ、ドロクシーヌ。
  トログライトは、雲の上のストラートで暮らす事を望んで、
  奴隷生活からの開放を願っている。
  彼らの眼と知能程度の低さを持ち出し、嗜めるドロクシーヌだったが、
  彼女は、彼らの存在は、そういうものだと信じ込んでいるようだ。
  衛兵に連行されるバーナ。
  彼らを知能の劣った劣等種族と見ているドロクシーヌ。
  ストラートが、暴力に支配されるのを恐れている。
  当然の権利が保障されていない事を、
  不自然に思うカークとスポックの言葉は、宙を浮く。

  何らかの機械で、拷問に架けられているバーナ。
  プラーサスとドロクシーヌが、立ち会っている。
  カークは、スポックからトログライトの語源を聞いていた。
  『トログライト』とは、『洞窟の住民』と言う意味で、地球に由来する。
  この話をしている時、バーナの悲鳴が聞こえ、二人が駆けつける。
  ジーナイト捜索の為にやっていると言うので、
  人道に反することを止めるように言うカーク。
  知能が無いと信じているプラーサスに対し、彼女を開放させるため、
  内政干渉ギリギリの交渉をするカーク。
  彼女は、特別に教育を受け、知能が有ると感じているカーク。
  拘禁室に戻されるバーナ。
  ジーナイト捜索の邪魔になると言い、エンタープライズへの帰還を強制される。
  脅しとも取れるプラーサスの言葉に、渋々船に連絡をし、
  彼を睨みつつ、転送による帰還をするカーク。


  『恒星日誌 宇宙暦0404.6073』
  『 ジーナイトの積荷を待つこと8時間、その後の連絡は、まだ無い。
  メラク2からは、植物の病気は更に広がり、
  12時間以内にジーナイトが、到着しない場合。
  惑星上の生命は、全滅するとの報が入った。 』

  ウーラ中尉に命じて、艦隊に連絡させ、まだ手に入れていない事を連絡した。
  トログライトとの直接交渉を決断するカーク。
  ドクターが、知能の無さを提示するが、カークには確信に近いものがあった。
  スポックに寄れば、同じ種族であり、ドクターは、彼らの知能が低いのは、
  地下鉱山で精製していないジーナイトに、長い間触れていて、
  知能の低下を招くジーナイト・ガスの犠牲になっていると言う。
  ガスの影響は、エンタープライズで用意できるマスク・プロテクターで、
  完全に消す事が出来る。トログライトの知能は、回復するのだ。
  彼らが、怒りや暴力に突き動かされるのは、知能中枢が、
  ガスの影響で、脳活動が20%低下する為に起こっている。

  通信で、プラーサスにマスクの件を報告するが、聞く耳を持たない。
  偏見のある人物に何を言っても、暖簾に腕押しだ。
  残り時間は、10時間48分になった。
  カークは、自らバーナを説得に赴く事にするが、
  一人で行く事に反対するスポックとマッコイを説得して、転送台に載る。

  バーナの居る拘禁室に、転送されるカーク。
  バーナにジーナイト・ガスとマスクの事を説明し、
  彼女の信用を得ようとするカーク。
  必死の説得をするカークを信用するバーナ。
  食事を持ってきた衛兵をフェイザーの麻痺光線で倒し、
  衛兵の通行生を盗んで、脱走したカークとバーナ。

  鉱山に入ったカークは、彼女の裏切りに会い、
  マイドロ、エンカと呼ばれた二人のトログライトに捕まる。
  彼女は、ガスの事も信用していなければ、メラク2の話も理解していなかった。
  装備品にマスクまで取上げられ、鉱石を掘るように強制される。

 
  『恒星日誌 補足 』
  『 副長 スポック 記録。
  船長からの連絡を待って、我々は周回軌道を維持している。 』
  
  フェイザーを構えて、脅すバーナを押し倒し、フェイザーガンを奪って
  鉱山の入り口を破壊して塞ぐ、通信機を拾い上げ、船に連絡をする。
  ガスの事は、信じられないで、
  目に見えない空気の存在を信じているのか、と聞くカーク。
  スポックに、この洞窟内へプラーサスを、無断で転送しろと命じるカーク。
  ガスの影響を、その身をもって体験させるのが、目的のカーク。

  スポックとチャーリーが協力して、プラーサスを転送する準備に入る。

  ストラートのテラスに立つドロクシーヌとプラーサス。
  考え方を変えつつあるドロクシーヌに対し、
  プラーサスは、頑なな考えを娘に、嗜めている。

  二人同時の転送は出来ないので、チャンスを待つスポック。

  スポックを恋しく思っているドロクシーヌに、
  二度と彼らのことを考えるな、と言う父親。
  衛兵が、バーナの脱走を伝える。その時、カークの助けが有った事も。
  スポックやカークを弁護するドロクシーヌを、部屋に下がらせて、
  一人になったプラーサス。転送チャンスの到来。

  洞窟に転送されたプラーサス。
  行動の中に入ってから、2時間が経過し、冷静だったカークの感情に
  変化が起こっていた。怒りに燃えるカーク。
  フェイザーを手に、バーナとプラーサスを脅し、岩を掘らせているカーク。
  酸欠状態も手伝って、プラーサスにも影響が出ている。
  プラーサスの挑発に乗り、フェイザーを投げ捨て、
  ナイフを手にしたプラーサスとの格闘をするカーク。
  首の締め合いになった時、バーナが船に、連絡して助けを求める。
  
  3人を纏めて転送収容し、カークを止めるスポック。
  プラーサスを引き剥がしても、まだ襲ってきた。
  殴り気絶させるカーク。ガスの影響は証明された。
  スポックとの別れを惜しむドロクシーヌ。
  青い服の作業着を着たトログライト数名が、
  ジーナイトを階段上のテラスに運んでいく。
  今もって、トログライトの独立を認めないプラーサス。
  お互いの意見をぶつけ合って、平行線の議論を始めるカークとプラーサスの
  言い合いに、仲裁に入るバーナ。
  笑って彼女の成長を理解したカーク。お互いの行動を水に流す事にする。
  民政官も、渋々同意する。残り時間2時間59分。
  カークは、3時間と言ったが、スポックが訂正する。
  階段を上り、ジーナイトの入った筒と共に、転送収容されるカーク&スポック。

  カーク 『 カークよりエンタープライズ!
  カークよりエンタープライズ!チャーリー!
  転送を頼む! 』
  
  テラスから見える、空を見つめ、スポックを思うドロクシーヌ。
 
     
         宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #073 自由の惑星エデンを求めて 」



  一台のシャトルを追跡して、航行しているエンタープライズ
  ブリッジのスポックが、センサーを覗き込んで、カークに報告する。
  スポック『 あれは間違いなく、メスマータ・クルーザー。
  オーロラ号です。乗っているのは、6人ですね。 』
  カーク 『 よし!チャンネル、オープン! 』
  手摺りの前で聞いていたカークが、船長席・右横に移動する。
  カーク 『 オーロラ号!こちら宇宙艦隊エンタープライズのカーク船長だ!
  ---応答せよ!----エンタープライズよりオーロラへ!
  聞こえるか? 』
  パーマー『 受信はしてます。 』 と女性仕官。
  スポック『 故障も探知されません。 』
  船長席の前、ナビと操舵の間に立つカーク。
  カーク 『 繰り返す!艦隊より拿捕せよと、命令を受けた。
  停戦を命ずる。 』 対象の船は、逃げに出た。
  ビュー・スクリーンからその姿が消える。
  カーク 『 コース変更!追跡して拿捕する。 』
  チェコフ『 ハイ、解りました。 』
  カーク 『 追跡ビーム、用意! 』
  スールー『 準備完了です。 』
  チェコフ『 現在のコースを取れば、ロミュランの空域に入ります。 』
  カーク 『 ビーム作動! 』
  スールー『 作動しました。 』
  カーク 『 引き戻せ! 』
  スールー『 出力を落としません!あくまで逃げる気です。 』
  スポック『 向こうのエンジンは、既にオーバーヒートしてます。 』
  船長席に座るカーク。通信を送るカーク。
  カーク 『 オーロラ!出力を落とせ!
  エンジンが、オーバーヒートしてるぞ! 』
  スポック『 危険な状態になりました。このままでは、爆発します。 』
  カーク 『 追跡ビーム、出力強化! 』
  船内の照明が、少し暗くなる。
  スポック『 オーバーヒート、限界を超えました。まもなく、爆発します。 』
  カーク 『 転送距離内に入っているか? 』
  チェコフ『 まだです。 』 クルーザーが赤く光り、高熱を発している。
  通信スイッチを入れ、命令するカーク。
  カーク 『 オーロラの乗員に告ぐ、転送準備せよ! 』
  転送室に命じるカーク。
  カーク 『 よし、転送! 』

  転送ルームのチャーリーが、コンソールを操作している。
  オーロラ号が、跡形無く、塵となって爆発する。
  カーク 『 間に合ったか? 』
  コンソールの作動バーを押し上げるチャーリー。
  カーク 『 チャーリー!転送は済んだのか? 』
  チャーリー『 ハァ?済みました! 』
  不思議そうな顔で、コンソールを回りこんで前に出るチャーリー。


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0404.7020』
  『 盗まれたクルーザー・オーロラ号には、
  カトゥーラ星の大使の息子が乗っていた。
  惑星カトゥーラとは、連盟加盟の交渉中で目下、
  微妙な段階にあるため、その扱いには気を配るよう、司令を受けていた。 』

  
  転送された彼らは、転送台から降り、転送室の床に座り込んだ。
  服こそ、着ている物の彼らは全員、裸足である。
  カーク 『 チャーリー!全員を会議室へ。 』
  通信で命じたカーク。
  イリーナ『 そんな者じゃないわよ!ハーバート。 』
  チェコフ『 イリーナ?! 』
  その場に座り込んでいる、全員が騒ぎ出す。
  『 嫌だ!嫌よ!嫌よ!嫌だ! 』
  チャーリー『 オイ!みんな! 』
  カーク 『 一体、何の騒ぎだ? 』
  チャーリー『 行くのを拒否してます。 』
  カーク 『 何故だ!? 』
  チャーリー『 それが皆、床に座り込んで、囃し立てているんです。
   そっちにも聞こえるでしょう。保安係を呼びましょうか? 』
  カーク 『 いや、今そっちへ行く。行こう、スポック! 』
  船長席を立って、ターボ・リフトに向かうカーク。スポックが、後に続く。

  船長が、転送室に入ってくる。
  カーク 『 コンゴーラ・ラドウ君はいるか? 』
  船長の声で、騒ぎが収まる。
  隅に座っていた一人の青年が立ち上がる。
  カーク 『 父親が大使で良かったな!さもなきゃ逮捕されているところだ。
  海賊法および、航行法違反だ!
  船を盗んだばかりではなく、敵国の空域に侵入し、
  他人および自らの命を危険に晒した。 』
  コンゴーラ『 泣きの涙だね。 』
  カーク 『 それだけじゃない!恒星間の緊張を高め、
  目下、交渉中の君の母星と連盟の関係を危うくするという
  結果を招いた。 』
  『 さすが、お堅いね!ハーバート。 』
  カーク 『 それで、君の言い分を聞こう。どう言う事なのかね? 』
  一度、後ろを見て、向き直り座り込む大使の息子。
  船長は、彼らの前から2歩下がり、入り口の脇で待機しているスポックに話し掛けた。
  カーク 『 スポック、一度、医療室へ連れて行ってチェックを!
  爆発の際、放射能を浴びているかも知れん。 』
  スポック『 船長、話しても宜しいでしょうか? 』
  カーク 『 ああ、頼むよ! 』
  彼らの前に歩み出るスポック。両手で、三角形の形を作り、
  スポック『 一つ、 』 と言った。
  セブリン『 我らは、一つ。 』 リーダーらしき、男が答えた。
  スポック『 一つは、全ての始め。 』
  『 へぇー!あんたもかい?ハーバート。 』
  スポック『 私は、ハーバートじゃない。 』
  『 聞いたかい、みんな?通じるぜ! 』
  スポック『 君たちの目的および意図を話せば、
  お互いに理解し合えると思うんだが、 』
  セブリン『 もし、一つの世界が解るのなら、その目的も判るはずだ。 』
  スポック『 それは、君の口から聞きたい。 』
  セブリン『 我々は、カオスに背を向け、神聖の道を求めている。 』
  スポック『 それで、最終目的地は? 』
  セブリン『 惑星エデンだ! 』
  壁に、背を預けていたカークが、前に出て言う。
  カーク 『 そんな物は、伝説に過ぎん! 』
  セブリン『 我々は、不意に攻撃され、進路を妨害され、
意思に反して、ここに拉致された。
その事に対し、断固抗議する。 』
  『 そうだ!兄弟。 』
  セブリン『 我々は惑星連盟、或いは宇宙艦隊の如何なる規則も
敵の存在も認めてはいない。
我々の内にある信念以外に、如何なる権威にも従う意志はない。 』
  カーク 『 認めようと、認めまいと規則には、従ってもらう。
  君たちを無事に、基地へ送り届けよ!と言う命令だ。
  そこから、それぞれの母星に送還される。
  よって命令どおり、捕虜としてではなく、客として扱う。
  そのつもりで、振舞ってくれ! 』
  『 ハーバート!さすが!凄いぜ! 』
  睨み付けるカークだが、何も言わなかった。
  カーク 『 スポック!この連中の扱いは、君に任せる。 』
  セブリン『 これから、我々をエデンへ送るよう要求する! 』
  カーク 『 医療室でのチェックが終わったら、一堂を適当な船室へ案内し、
  必要な処置を執れ!便宜を図ってくれ! 』
  スポック『 解りました。 』
  セブリン『 聞いているのか?!!
我々を惑星エデンへ送るように、要求しているんだ!! 』
  カーク 『 んん、しかし、司令部の命令には叛けん!
  これは、客船とは違う。 』
  『 ハーバート!ハーバート!ハーバート!ハーバート!
ハーバート!ハーバート!ハーバート!ハーバート! 』
  既に、ウンザリしているカークは、何も言わず、その場を後にする。

  ブリッジに戻ってきたカークは、通信ステーションで立ち止まり、
  通信士官に命令する。
  カーク 『 パーマー中尉!
司令部に、オーロラを盗んだ6名を捉えた事を報告してくれ。
残念ながら、クルーザーは破壊された旨をな! 』
  パーマー『 はい。 』 船長席の横に立つカーク。
  カーク 『 カトゥーラ大使に、子息が無事な事も。 』
  チェコフ『 船長! 』 カークを呼び止めるチェコフ。
  カーク 『 どうした?チェコフ。 』 彼の横に、踏み出すカーク。
  チェコフ『 あのー、6名の中の一人ですが、
  さっき、声を聞いて思い当たる事があるんです。
      確かあれは、イリーナ・ガリューリン!
  艦隊仕官学校で、一緒でした。 』
  カーク 『 じゃあ、あの中に士官学校出が居るのか? 』
  チェコフ『 そうです!ただ、中途退学を、ぁっ・・・・つまり・・・ 』
  カーク 『 会いたいのか? 』 チェコフの腕を軽く掴んで、聞くカーク。
  カーク 『 よし!面会を許可する。 』
  チェコフ『 ありがとう御座います。 』
  ナビゲーターのチェコフと入れ替わりに、スポックが戻ってくる。
  カーク 『 今、医療室かな? 』 ユックリ、移動するカーク。
  スポック『 そうです。 』 科学ステーションに着くスポック。
  カーク 『 スポック!連中は、本気でエデンの存在を信じてるのか? 』
  スポック『 神話にはたいてい、根拠があります。
  彼らは、それほど無知ではありません。
  リーダーのセブリン博士にしろ・・・・・・ 』
  カーク 『 セブリン博士って、科学者か? 』
  スポック『 ええ、テイプロン星人で、音響学、通信および電子工学分野でも、
  名の知られた学者です。しかし、この運動のために、
  重要なポストを追われています。
  あのラドウも、父親の大使同様、
  宇宙学の専門家で相当、詳しいようです。 』
  カーク 『 アハッ、ハハッ、なるほど!
  つまり、彼らは皆、科学者か?!
  それなのに、この科学技術を拒否し、原始生活を求める。 』
  スポック『 科学の生み出したものに、他にも不安を感じる者はいます。
  本能的な拒否反応ですね。全て管理され、
  合理的にプログラムされた人間の社会。
  それに対する生物としての本能的な嫌悪です。
      それで再び、原始に返り、楽園を求める。 』
  カーク 『 それは、そうだ!人類本来の欲望だろうな。 』
  スポック『 そうです。これは皆、持っています。 』
  カーク 『 しかし、そのために船を盗み、
  無謀な事をしていい、理由にはならん!
  君は、同情しているようだねー。 』
  スポック『 厳密に言えば、同情ではなく、興味と言うべきだと思います。
  彼らの心裏を知りたい!自分を産んだ社会の中で、
  自分を異質だと感じる、その状態は、
  私が経験してきたものと多少似ています。 』
  厳格な顔つきで、頷くカーク。2.3歩、ウロウロしてから、
  カーク 『 スポック!ハーバート!とは、どう言う意味だ? 』
  スポック『 それは、--余りその--いい意味では、使われていません!
  小役人の代名詞で、規則一点張りの愚かな、
  視野の狭い人間を指します。 』
  カーク 『 なるほど!以後、視野を広めるよう努めよう。 』


  部屋で、エレキ・ギターを弾いている若者。
  彼ら6名が、その部屋に入っている。
  そこに、チェコフが入ってくる。
  イリーナに会いに来たが、診察中だったので、待っていると、
  出てきた彼女と部屋の外に出て、歩きながら話すチェコフ。
  一つの部屋へ入って、話をするが、二人の気持ちは、
  過去、付き合っていた頃と変わらず、平行線だった。
  部屋を出て行く彼女と残るチェコフ。
  暫くすると、通路から騒いでいる声が聞こえ、駆けつけると、
  保安係と彼ら若者との押し合いを演じていた。
  保安係の方に入って、彼らを制止するチェコフ。

  シントロコーカス・ノヴァイという恐ろしい病気の保菌者である
  セブリン博士は、自分には免疫が出来ていて、保菌者となり他人に感染させる。
  脅威の菌を体内に持っている。これを知っていて、検査を嫌がり、
  それに協調して、外の若者達が騒いでいたのだ。
  惑星エデンが、存在しているとして、そこに原住民がいれば、
  これに感染し、全滅する可能性も有り、隔離しなくてはならないほどだ。
  ドクターが、血清を再注射して、クルー全員と若者6名に、
  増強注射をしない限り、船の中も安心とは言えない状況になっている。
  セブリン博士の隔離を命じるカーク。

  隔離されているセブリンに、面会するスポック。
  博士を慕っている若者達を説得すれば、エデンを探し、
  その惑星に、移住する事を連邦に提案し、便宜を図ると言うスポック。
  ここでも博士は、弁舌を奮い、エデンへの夢を語るが、
  その言葉の流れに、精神の異常を感じるスポック。
  副長の申し出を受け入れ、船の規約を守らせるように、
  若者達を説得すると、約束するセブリン博士。

  ブリッジのカークとスポック。
  スポックが、博士の精神に異常がある事を報告する。
  しかしながら、彼らに夢を諦めさせる事は、困難なので、
  約束を果たす為に、エデン探索の許可を得るスポック。
  カークの了承を得て、チェコフに手伝ってもらい、探知を開始するスポック。
  カークは、船内通信で、ドクターに連絡する。

  『恒星日誌 補足 』
  『 セブリン博士の精神状態を調べるため、
  ドクターに、彼の病歴の記録をチェックするように、指示をした。
  しかし、凶器にしろ、正気にしろ、
  その弟子達に対する影響力は絶大で、
  規律を守ると言う約束は、実行された。 』

  スポックの副長室で、エデンの探索を続けている。
  6名の若者の一人が、尋ねてくる。
  バルカンの竪琴のような楽器に目をつけ、スポックが弾くと、
  その音に感動し、合奏の提案をする若者。
  カーク船長に、寄与かを貰えるかどうか、図ってみると約束するスポック。
  彼は、両手を三角形の形にし、喜びながら部屋を出て行く。

  エデンの探索を続けているチェコフ。
  補助制御室のチェコフの元に、イリーナが尋ねてくる。
  エデンを探している事を彼女に話し、
  過去の話をするのは、止めようと言うチェコフ。
  補助制御やコンピューターの事を聞いてくるイリーナ。
  次第に、接近する距離が近くなり、キスをする二人。
  スポックから報告を求める通信が入り、
  愛の確認作業を中断して、仕事に戻るチェコフ。

  客室に戻ってきたラドウが、若者の一人に報告している。
  Mr,スールーが、武器のスペシャリストで、園芸が趣味であり、
  趣味を通じて、取り入る事が可能だと言う。
  スポックは、既に我々の同類だ、と言う若者。
  キャビンへ戻ってきたイリーナが、
  補助制御室で、船の操作が可能である事を伝える。
  彼ら一人一人が、船内の人間と友達になり、船の機能を知ろうとしているようだ。
  だが、話の内容から、乗っ取りを計画しているのが、垣間見える。
  隔離されているセブリン博士が、彼らを操っているのは、明白な事実だ。

  娯楽室での若者達の合奏が始まっていた。
  船内全てに、放送されているようで、隔離されている博士も、
  笑顔で聞いているが、その笑顔は、別の意味を持っている。
  スポックが、竪琴を持って座り、若者の一人である女性と、セッションを始める。

  拘禁されているセブリンの元に、ラドウが忍び込み、
  保安係の両耳のツボを抑えて気絶させると、
  拘禁ルームのフィールドを解除して、セブリンを外に出した。

  ブリッジのチャーリーが、耳障りな音と彼らの行動に呆れている。
  人に迷惑をかける行為に、愚痴を零すチャーリーに、
  カーク 『 若い頃は、君もそうだったろ? 』、と聞き返す。
  心当たりが、あるような顔で、ギョッと見返すチャーリー。

  スポックの演奏が鳴り響く中、補助制御室に侵入して、
  担当クルーを気絶させ、椅子から引きずり出す。
  娯楽室での演奏が終わり、部屋を出て行くスポック。

  制御室で、コンソールの前に座り、操作を始めるセブリンとラドウ。
  ブリッジでの操作が不能となり、コースを外れていくエンタープライズ。
  セブリンからの船内通信で、船が乗っ取られた事を知るカーク。
  博士が、エデンに到着するまで、指揮を返す気はなく、
  無茶をすれば、船を破壊すると宣告してくる。
  中立ゾーンを抜け、ロミュランの空域に入っていくエンタープライズ。
  このままでは、攻撃され撃沈するか、拿捕されるのは明らかであり、
  船の針路を戻すように要請するカークだが、聞く耳を持たない。
  恒星間条約の厳しさを、理解していない狂信者の恐ろしさが、ここにある。
  アダムに対し、スポックがセブリン博士の病歴や精神鑑定の結果、
  彼とアダムの考えの違いを指摘するが、
  これに対しても、聞く耳を持っていなかった。
  スポックが調べたエデンへのコースを執っていて、到着まで3時間だが、
  それまでに妨害されないように、壁の回線盤に、破壊工作をするセブリン博士。
  その横で、歌いながら恍惚に浸る若者達。

  惑星エデンに接近するエンタープライズ。
  船を奪還するための行動に、移るカーク達。
  補助制御室を脱走して、壁の破壊工作が超音波を発生させる仕掛けをしていた。
  シャトルを盗んで、船を下船する気のようだ。
  補助制御室のロックされている扉をフェイザーで、
  焼き切ろうとしているチャーリー。その傍に立つカークとスポック。
  補助制御室には、届かないように、制御されている超音波が、船内に流れる。
  耳に聞こえない音は、厄介な物で、
  音に敏感なスポックが苦しみ出し、最初に倒れる。
  続いて、カークとチャーリーが倒れ、船内の全員が気絶した。
  セブリン博士と、6名の若者が、船を脱出する。

  気絶から頭を抱えて、起き上がるカーク達。
  超音波は、今も鳴り響いているようだ。
  必死に立ち上がり、補助制御室に入って、音波の根源を停止するカーク。
  ブリッジからの制御は未だ利かず、シャトル盗難の報告が入る。
  コンソールを操作するスポックから、惑星に着陸したシャトルを探知したと
  知らされるカーク。惑星には、シャトルに乗っているもの以外、生命反応はない。
  惑星への上陸を決断するカーク。通信で、ドクターとチェコフを呼び、
  チャーリーに指揮を任せ、ロミュランが来たら、事情を説明しろと命じる。
  転送ルームに向かったカークとスポック。

  惑星に転送降下する4名。トリコーダー調査をするスポック。
  散開して調査に当たる上陸班。
  花に触れて悲鳴を上げ、手に火傷を負うチェコフ。
  この星の植物は、どれも酸性であり、毒性の果物を食べて死亡しているアダム。
  このエデンは、死の楽園であった。
  シャトルを発見すると衰弱して、苦しんでいる若者達がいた。
  セブリン博士の足が、火傷による水ぶくれを発症していて、
  エンタープライズに戻って、治療する判断を下すドクター。
  船に、転送準備を連絡するスポック。
  セブリン博士は、船への帰還を嫌がり、制止を振り切って
  木に登り、果物を口にして死亡する。
  
  エンタープライズ、ブリッジ。
  船に帰還したカーク達は、司令部に生存者4名と報告する。
  宇宙基地に、彼ら4人を送り届けたエンタープライズ。
  カークに対し、今回の事件の責任を感じているチェコフ。
  補助制御室の機能を、彼女に教えた行動を
  カークに謝罪し、彼女に別れを告げることを許可して貰う。
  ブリッジを出ようとした時、イリーナの方から別れの挨拶に来た。
  彼女からのキスを受け、別れを惜しむチェコフ。
  スポックの励ましの言葉に、礼を述べてブリッジを出るイリーナ。
  カークは、チェコフを責める気など無く、彼を許している。

  カーク 『 これで、私もハーバート!などと呼ばれまい。 』
  
  宇宙基地のある惑星軌道を離脱する、エンタープライズ。
     
         宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #074 6200才の恋 」


  『恒星日誌 宇宙暦0404.7076』
  『 エンタープライズに、恐るべき伝染病が発生した。
  既に、乗組員3名が死亡し、23名が発病していた。
  このリゲル性熱病の治療には、ライタリンが大量に必要である。
  オメガ星系の一惑星に、それが有ることが探知されたので、
  我々は、早速その惑星に赴いた。 』

  転送降下したカーク、スポック、マッコイの3人。
  トリコーダーの調査に掛かるマッコイとスポック。
  カーク 『 探知報告! 』
  マッコイ『 ライタリンの大きな鉱床がある。4キロほど先だ!
  4時間以内には、精製したいな!
  熱病の蔓延を防ぐ、ギリギリの限界だ!
  さもなければ、エンタープライズは全滅する。 』
  スポック『 船長。近くに生命反応が、探知されました。
  明らかに人類です。船の探知装置には、
  この星は無人と出ていたんですが。 』
  カーク 『 それより、まずライタリンだ! 』
  スポックやマッコイの報告を聞きながら、
  辺りを警戒していたカークが、足早に歩き出す。
  後に続くスポックとマッコイだが、5,6歩進んだ所で、
  異様な音に気付き、後ろを振り返ると、謎の物体が、接近してくる。
  カーク達から2,3メートルはなれた空間で、浮んだまま停止した。
  それは、ボール状の頭に、三角形のボディを持ち、
  頭頂部とボディの下に、アンテナのような棒状の物が突起している。
  カーク達の足元に向けて、青い光のビームを威嚇射撃してきた。
  地面に直撃したそれは、小さな炎と白煙を上げ、爆発する。
  右側の岩へ逃げるカーク達。岩の前で、フェイザーを構えるカーク達。
  フェイザーを発射しようとしたが、
  カーク 『 利かない! 』 強度調節とスイッチを確認するが、無力だった。
  2発目の威嚇射撃が、左側に当たる。更に右側に、逃げるカーク達。
  その謎の物体が、更に接近してくる。絶体絶命のカーク達。その時、
  フリント『 殺しては、いかん! 』 男性の声が響く。
  謎の警備装置が、1m広報に下がると、一人の白髪の男性が歩いて来た。
  カーク 『 私は、エンタープライズの・・・・・ 』
  フリント『 それぐらいは、解っている!
この星系に入ったときから、船の動きは探知していた。 』
  一歩前に出て、自己紹介しようとするカークの言葉を遮る男性。
  カーク 『 では、何のために来たか、それもご存知ですね?! 』
  フェイザーを依然、前に構えたまま、質問を続けるカーク。
  カーク 『 貴方は? 』
  フリント『 フリント。
  すぐ、私の星から、出て行ってもらいたい。 』
  スポック『 貴方の星?そう仰いましたね。 』 再確認するスポック。
  フリント『 地球での不快な生活に嫌気が差し、ここに退いた。
  訪問者は、歓迎できん! 』
  カーク 『 しかし、乗組員の生命が危ないんです!
  これから別の惑星を探すのは、無理だ!
  ライタリンを提供してくれませんか?お願いします。 』
  フェイザーを腰のベルトに戻すカーク。
  彼の目の前に歩み寄り、一身に要請するカーク。
  フリント『 君達は、不法侵入をしている! 』
  カーク 『 緊急なんです!代償なら、何でも希望通り提供します。 』
  フリント『 ほしい物は、何も無い。 』
  カーク 『 しかし、我々はライタリンが、欲しいんです!
     この際、力ずくでも戴きますよ。 』
  フリント『 どうしても退去しないと言うなら、
     こちらも実力行使するしかないな!
  今、ここで殺す事も出来るのだ。 』
  

  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  睨み合いを続けるカークが、携帯通信機を取り出し、船に連絡を執った。
  カーク 『 カークより、エンタープライズ。
  現在の座標に、フェイザー砲、ロック! 』
  チャーリー『 はい!フェイザー、ロック完了。 』
  コミュニケーターを閉じたカーク。
  カーク 『 覚悟したまえ!もし、ここで事が起これば、死ぬのは4人だ。
  いずれにしろ!ライタリンは、必ず我々の物になる。 』
  フリント『 面白い!力比べか?
  君たちの武器と私の力、どちらが勝つかな? 』
  スポック『 Mr,フリント。
  結果が、確実でない限り、武力の実験をするのは、
  無意味かつ無益な行為と、思われますが、 』
  カーク 『 数時間、ここに居るだけだ! 』
  マッコイ『 リゲル性熱病を見たことが無いのか?
  罹れば一日で死ぬんだ!
     ちょうど、ペストと同じ様なモンなんだ。 』
  彼は、深く目を閉じて考えていた。
  フリント『 コンスタンチノーブル、1334年の夏。
  ペストは、疾風のように、街を襲った!
  後に、累々たる死体を残し、ヨーロッパの半分を飲み尽くした。
  鼠が、それをバラ撒き、見る見るうちに人を倒していく。
  悪夢だ!! 』
  スポック『 歴史に、精通しておられるようですね。 』
  フリント『 そうだ!病気とあれば、病もうえん!
  2時間だけ許可する。1分も遅れず、退去してくれ! 』
  カーク 『 わかりました。ご厚意に感謝します! 』
  フリント『 必要なライタリンをM-4に、採取させよう。 』
  そう言って、彼の後ろに待機している謎の装置を指差した。
  すぐに装置は、それを聞き取り、何処かに行ってしまう。
  高性能のロボットなのだろうか。
  彼は、カークの左横に移動して、こう言った。
  フリント『 それまで、もっと快適な場所で、待つがいい。 』
  腰の中りまであるマントを翻し、左前方を指し示す。
  そして、先導を始め、カーク達も彼に、続き歩き出した。

  中世ヨーロッパの城の様相と、マハラジャの宮殿のような塔がある、
  全体が金色に、建築された外観の建物が、そこにあった。
  建物の中は、ヨーロッパ風の部屋になっている。
  フリント『 まずは中へ。 』 スポックが、先頭で入ってきたカーク達。
  スポック『 船の装置では、貴方が、
  この惑星に居る事を探知できなかったんですが? 』
  フリント『 惑星全体に、防御スクリーンを張り、無人に見せかけてある。
  招かれざる客をここに、寄せ付けない為に。 』
  ドクターは、部屋の壁際にある飾り棚を見ている。
  スポック『 では、ここに貴方、お一人で? 』
  フリント『 M-4を除けばな!家政婦 兼、執事 兼、庭師だ。
  護衛も兼ねている。 』
  カーク 『 いや、しかし、素晴らしいお住まいですね。
  見事な調度だ! 』.
  マッコイ『 ああ、シェークスピアの初版本に、グーテンベルクの聖書。
  ケンタウリ7の神話の石版まである。
  古書マニアの間でも、奇行本として知られた物ばかりだよ。 』
  この様子を別室で、見ている女性がいた。
  女王様のように、立派な椅子に腰掛け、端末機からの映像を見守っている。
  フリント『 まっ、寛いでくれたまえ!----------
  そこに、ブランデーもある。 』 指で指し示すフリント。
  廊下を通って、部屋の奥に消えていくフリント。


  ソリア産ブランデーを手に取り、歓喜の口笛を吹くドクター。
  3人分のグラスに、注ぐマッコイ。
  壁の絵をトリコーダーで調べるスポックに、
  ブランデーを飲むか、飲まないかで、からかうドクター。
  グラスを片手に、本物の酒に乾杯する。
  スポック自身が言うには、ブランデーを飲んで酔うとすれば、
  この家にある美術品の多くが、羨望に値するからだと言う。
  絵の筆使いや素材などに、ダビンチの作った物と見れる痕跡があるのに、
  絵の具やキャンバスは、現代の物が使われている。
  この家自体に、謎が沸き起こり、全てが本物かどうか、判らなくなってきた。
  彼に何らかの不思議な力が、有るのではないかと考えるドクター。
  見た目どおりの人間か、確かめるために、
  フリントのトリコーダー調査をスポックに命じるカーク。
  船に連絡し、コンピューターで、彼の素性の検索を命じるカーク。

  M-4が、テーブルにビニール袋に入れたライタリンの結晶物質を持ってくる。
  無造作に机に落とし、帰って行く。
  ドクターが、船に戻って精製すると決断した時、
  フリントが現れて、ここの実験室なら、船に帰るよりも早く精製できると言う。
  そして、先程の無礼を詫び、一人の娘を紹介する。
  レイナと紹介された、その娘を見て、先程まで感じていたカークの
  フリントに対する、心象の悪さは消えた。
  一人暮らしと嘘をついたのは、他人は居ないという意味だった。
  血は繋がっていないが、娘として教育したと言うフリント。
  彼女は、15の分野で、学位を取れるほどの知識がある。
  スポックに対しては、中立ゾーンとその密度における議論をしたいと言い、
  頭脳明晰である事を証明する。
  M-4に案内され、研究室に、向かうDr,マッコイ。

  研究室のドクターは、することが無かった。
  全ての作業は、M-4が担当し、彼は待っているだけだ。
  机の上に並べられている薬液をチェックしているDr,マッコイ。

  フリントの進めに従い、リラックスして、レイナとの一時を楽しむカーク。
  ビリヤードをレイナに、教えて貰いながら
  フリントとの武器を所持している事への議論。
  そして、動物としての本能の話から、レイナとのダンス。
  スポックの弾くピアノ・ワルツに乗って、軽快に踊るカークとレイナ。
  M-4が、通常の半分の時間で、
  ライタリン薬液を完成させ、瓶詰めにして持ってくる。

  ドクターが、カーク達の元にやって来て、
  あのライタリン薬液の中に、イリリウムが含まれていて、
  治療に使う薬液としては、不適合だと言う。
  もう一度、作り直す時間は在るが、マッコイの手が関わっていれば、
  こんな間違いは無いというカーク。
  スポックが弾いていたワルツは、ブラームス作曲で、
  そこにあった楽譜は、手書きの物であり、存在が認められていない。
  また一つ、歴史に逸脱している事例を発見するスポック。
  カークは、実験室に向かい、楽譜の事は後回しになる。

  実験室で、イリリウムの抗毒素を調べるために来たカーク。
  部屋の片隅に移動したとき、レイナが入ってくる。
  ひとつの入り口の前で、次の部屋に入れないで居るレイナ。
  フリントに、入室を止められている部屋へ入ろうとして、
  迷いと罪悪感の中で、怯えていたレイナ。
  彼女に触れ、話をする内に抱きしめ、慰めるカーク。
  彼女に優しくキスをする、この行動をM-4が、攻撃と勘違いし、カークを襲う。
  スポックが、横からフェイザーを放ち、M-4を消滅させる。
  
  M-4の行為をフリントに、抗議するがカークとの意見は、平行線となる。
  すぐに、2台目のM-4が現れ、
  Dr,マッコイの居る研究室へ向かうM-4とフリント。
  スポックからレイナに関わる危険を指摘されるカーク。
  フリントの感情は、娘に対するものでは、
  無いのではないかと、推察するスポック。
  更に、トリコーダー調査の結果、肉体的に、人間との相違は無いものの、
  年齢に関しては、6000年以上を生きている事が、記録されている。
  船に連絡し、病気の進行状況を聞き、感染が広がっている事を知る。
  コンピューターに、フリントに関する情報は無く。
  レイナについても、調べるように。命じるカーク。

  スポックとカークは、実験室に向かう事にする。
  スポックが、先に実験室に向かう。
  しかし、別れを告げに来たレイナを振り切る事は出来ず、
  愛情を確認するキスに溺れるカーク。
  この一部始終を別の部屋の椅子に座り、見守っているフリント。
  途中でスイッチを切り、カークの役目は終わったと言う。
  カークは、レイナに恋の告白をし、一緒に来てくれと頼む。
  怯えて逃げ出すレイナ。

  今まで、そこに有った薬液が消え、実験室の謎の扉に入っていくカーク達。
  部屋の置くには、薬液が置いてあり、それを発見した時、
  同時に、更なる奥の部屋で、何体ものレイナの死体を発見する。
  レイナはアンドロイドであり、フリントの創造物だったのだ。
  彼は、紀元前345年に生まれ、以来、不死身の体を隠すため、
  名を変え、職を変え、時には死亡したと見せかけて、
  生活してきた。その中で名乗った偽名が、ブラームスであり、
  ダ・ビンチだったのである。そして、何百回もの結婚を経験し、
  完全なる女性を求め、レイナを作った。
  しかし、愛を経験させるのは、困難だったようで、
  カークにその代役をさせたのだろう。

  秘密を守る為に、カーク達を返す気は無く。
  船に連絡しようと、カークが通信機を手にすると、
  船を一瞬にして周回軌道から消し、ミニチュアサイズに縮小して、
  テーブルの上に出現させ、船内の時間を止めた。
  異変を察知して、この部屋に入って来た
  レイナの純粋な感情に逆らえず、恨まれる事を恐れて、
  エンタープライズを元の状態に戻すフリント。
  船は、周回軌道に戻った。

  しかし、レイナを巡っての男の戦いは、決着が付かず、
  カークとフリントは、格闘で、どちらが伴侶になるか、決着をつけようとする。
  激しい感情への対処が出来ず、自分が原因で争いが起きていると、
  感じたレイナ。カークとフリントは、動きを止める。
  カークは、彼女は人間になったと言い、
  どちらを選んでも彼女の自由だと述べ、選択をレイナに託す。
  どちらをも傷つけたくないレイナは、制御を失い倒れ、死亡する。
  愛により感情が芽生え、愛に死んだレイナ。
  彼女の市に、言葉が出ないカーク。嘆くフリント。

  エンタープライズに戻ったカークは、憔悴し落ち込んで、元気が無かった。
  カークの船長室に、スポックが報告にやってくる。
  執務用のデスクに、腰掛けているカーク。
  入り口から2,3歩のところで、立ち止るスポック。
  カーク 『 スポック。 』
  スポック『 病気は治まりました。もう、広がらないでしょう。
  司令どおり、513マーク7に、コースを執りました。 』
  カーク 『 夢を砕かれた-----孤独な老人。苦しんで死んだ若い娘。
  私も酷い醜態をさらしたな。この苦しみが消えれば、、、、、、、、 』
  そのまま、机に突っ伏し、眠ってしまうカーク。
  マッコイ『 カーク。 』 ドクターが、部屋に入ってくると、スポックが制止する。
  マッコイ『 ァァ、良かった!やっと眠ったか。 』
  スポックの左横に、立ち止まるドクター。
  スポック『 それで、分析の結果は? 』
  マッコイ『 ぁんー、そうそう、
  トライコーダーの結果をコンピューターに掛けてみた。
  フリントは、もう不死身じゃない!
  地球を出た際、彼の肉体を形成していた、
  複雑な要素が分解され、普通の人間に戻ったんだ。
  これから然るべき期間生きて、やがて死ぬ。 』
  スポック『 しかし、惜しいモンですね。本人は、それを? 』
  マッコイ『 ああ、話してやったよ!
  残りの人生を人類の為に、役立てたいと言ってた。
  あの惑星に埋もれるには、惜しい才能さ。
  それが、本人にとっても一番いいんだ。 』
  スポック『 そうですね。 』
  マッコイ『 これで、問題は片付いた!カークは、また後で、君に頼もう。
  ライバルが、不死身となれば、三角関係も永久に続く。
  君には、理解できんだろうな、スポック。
  しかし、カークよりも寧ろ、君に同情するよ!
  君には、愛や情熱の力が、永久に解るまい。
     その喜びも、その苦しみも、規則を踏みにじり、理性をも失い、
  ただ、それに賭ける気持ち!その瞬間にだけ生きる。
  それは絶対、君には出来ない事だ!
  まっ、ある意味では、幸せなのかも知れん。
  ------------お休み、スポック。 』
  スポック『 お休みなさい。 』
  マッコイ『 ------------出来たら、忘れさせてくれ! 』
  最後は言葉に詰り、カークの方を見て、スポックに頼み事をして、
  部屋を出て行くDr,マッコイ。
  寝ているカークに歩み寄り、中腰の姿勢になって、
  右手で、カークの顔に触れると、
  スポック『 忘れなさい。 』 バルカン心霊術を施した。
  副長の精神融合により、カークは立ち直り、新たな任務に向かう事だろう。
  
     
         宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ

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