アナログ時代は2枚組だったアメリカ独自のドキュメンタリー作品。日本では、来日公演直後の1966年8月に完全対訳つきのボックスセットという形態でリリースされています。内容は、関係者やファンへのインタビューを中心に、ビートルズの生い立ちから成功に至る歴史をナレーションとともに辿るというもの。驚くのはこの「純粋な音楽作品とは言えない内容」のアルバムが、全米7位にランクしたという事実で、これは当時のビートルズ旋風がいかに凄かったかを物語るチャートアクションといえます。 楽曲としては『ア・ハード・デイズ・ナイト』までの時期に発表された曲のなかから15曲が断片的に収録されていますが、細かい部分を挙げると、本作に収録されている「ツイスト・アンド・シャウト」は1964年8月23日のハリウッド・ボウル公演のオープニングを飾った楽曲で、1977年にLPでリリースされた公式ライヴ作『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!(The Beatles at the Hollywood Bowl) 』 に収録された8月30日の演奏のものとは異なっており、一応オフィシャル・アルバム収録曲としては本作でしか聴けない音源となっています。 本作は2004年リリースの『ザ・ビートルズ '64 BOX (The Capitol Albums Vol.1)』には含まれておらず、今回が初CD化。とはいえ内容的な部分からか本作の単品発売は見送られた様子で、コンプリートを目指すファンにとっては今回のボックス購入が必須となりました。