システムアーキテクト自習室コミュのソフトウェアの品質

ソフトウェアの品質と言えば、バグが無く（それなりのレビュー数、障害摘出実績があり、品質目標を達成していることが前提だが）、性能が良く、使い易いといった感じで漠然ととらえていますが、学問的（？）には以下のように定義づけられています。

ISO/IEC9126(JISX0129)
ソフトウェア品質特性（Quality Characteristics)
以下の［］内は副特性を示す。

【１】機能性（Functionality）
［合目的性、正確性、相互運用性、標準適合性、セキュリティ］
　機能性とは、ユーザ要件を満たすために必要な機能が備わっているか、ということ。
　機能性を向上させるためには、システム分析・要求定義の工程で、ユーザ要件を的確に捉え、「ユーザがシステムに求めていることは何か」を十分に理解し、外部設計に反映することが必要。

【２】信頼性（Reliability）
［成熟性、障害許容性、回復性］
　信頼性とは、実装している機能があらゆる条件の下で所定の性能を維持し、正常動作を続けることができるか、ということである。

【３】使用性（Usability）
［理解性、習得性、運用性］
　使用性とは、端的に言えば「使い勝手の良さ」ということである。具体的には、操作性の良さ、分かりやすさ、習得のしやすさ、運用管理の容易さなどを基準に評価する。
　これらの実現のために上流工程での十分な設計検討と同時に、分かりやすいドキュメントを作成することも重要である。

【４】効率性（Efficiency）
［時間効率性、資源効率性］
　効率性には、応答時間やスループットなどの時間効率性と、主記憶や二次記憶、回線などの資源効率性の二つがある。
　応答時間を短縮するため新規テーブルを作成すると資源効率性が悪化すると言った具合に、二つの効率性は相反することが多いので注意が必要。

【５】保守性（Maintainability）
［解析性、変更性、安定性、試験性］
　保守性とは、保守（ソフトウェアの改修）の容易さのことである。
　ソフトウェアを長期にわたって使用していく場合、仮にバグが全くなかったとしても、業務の変更、関連法規の変更、組織の変更などによって、保守の必要が生じる。従って、システムの開発時から保守性を考慮したシステム設計・開発を行わなければならない。

【６】移植性（Portability）
［環境適応性、設置性、規格適合性、置換性］
　移植性とは、ソフトウェアの別環境への移植のしやすさのことである。