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怪談百物語コミュの第四十六話 新木場

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 新木場の公園は、ホモの発展場としても有名であるが、施設の整った
温水プールが在る事でも知られている。当時水泳部に在籍して居た
僕は、あちこちの温水プールに行くのが好きでした。特に東京体育館と
新木場プールは設備が良いので、よく利用していました。

 大抵の公営プールは、時間制か入れ替え制を採っており、この日は
最終回の9時クローズの時間帯で泳いでいました。5キロ程泳いだ所で
時間が来たので、そのまま帰り支度を済ませてプールを後にしました。

 このプールは新木場公園の敷地内に在り、プールの周辺は庭園になって
います。季節は丁度初夏だったので、庭園には様々な花々が咲き誇って
いました。それはもう美しい景観で、僕は折角来たのだから見学して
帰ろうと思いました。

 大きな藤棚、クチナシの茂みやタチアオイの垣根等、見ごたえの有る
庭園でした。昼間に今度は来よう、そう思いました。

 


 丁度タチアオイの垣根に沿って、迷路の様になっている小道を歩いて
居た時の話です。ふとタチオアイの垣根の天辺辺りに、何か白っぽい
靄の様な物が掛かっているのに気が付きました。

 

 何だろう???



 どうやらそれは段々と人の形に固まって行き、上から僕を見下ろして
いるようなのです、、、、、。僕は恐ろしくなって、急いで垣根の外に
出て行きました。

 そして駅に続く道を目指して高台に登った時に振り向くと、、、、、。
タチアオイの垣根の上空に所々白い靄が漂っており、上から公園の様子を
見ている様なのです!

 小道の交差する上空にも、例の白い靄が浮いています。よく目を凝らし
て視ると、、、、、この公園に居るわ居るわ、、、、。開放景観で見渡し
の利く広場なので、カップルの座るベンチの上にも例の靄が漂っている
のが視えます。

 人々は気付かないのでしょうか?何か悪影響は無いのでしょうか?
心底僕はゾッとしました。変な物を連れて来たら嫌なので、僕は踵を
返して広場を去りました。

 一刻も早く帰りたかったので、ショーットカットをする為に、奥の
公園を突っ切って行く事にしました。これが又いけなかった。丁度
菖蒲園の前を通りかかった時の事です。


 こういう所は大抵東屋が在るのですが、遠目でも東屋の所に白い靄が
漂っているのです。2〜3体集まって立ち話をしているような霊体も
居れば、東屋のベンチにポツンと座っている霊体も居ます。

 と言うより、、、、、この菖蒲園自体がおかしいのです。空気その
ものに障気が含まれている上に、何か異世界への入り口の様な印象を
感じました。若いアベックが2〜3組居ましたが、あんな所で気味が
悪く無いのだろうか?何も感じないのでしょうか、、、。

 空間が歪んでる、とでも表現すれば良いのでしょうか。兎に角空気から
して淀んでいるのです、、、、。僕は全身の毛穴から汗が吹き出して
来るのを感じました。


 

 菖蒲園を横目で見ながら、早足で駅に向かって歩いて行きました。
あいつら、僕が視ている事に気が付いている。こっちへ視線を投げかけて
いるのを感じます。

 面白い事に、彼等は自分達が視られて居る事を察知します。大抵の
霊体はそうなんですが、近付いて来るか消えるかするんですね。

 付いて来られたら堪ったものでは有りません。僕はジットリTシャツが
汗で背中に張り付くのを感じながら、心の中で唱えました。

 「祓い給え、浄め給え、救い給え!」

 手で自分の背中を擦りながら小走りしました。



 地下鉄の入り口でもう一度まじないを唱えて、自分の背中をはたいて
から電車に乗り込みました。




 デートスポットとしても、発展場としても、有名な所ですが、ああいう
所で深夜にほっつき歩くなんて自殺行為だと思います。何が憑り付いても
おかしく無いもの。


 帰宅後、マンションに入って直ぐに粗塩で浄めてまじないを唱えた。
これで一安心。幸い何も持って来なかったようです。




 あそこは運河に面している事で知られていますが、毎年何人か入水
自殺した人の遺体が流れ着く事で知られています。殺人も何件か有った
様ですし、悪い気が溜まるんでしょう。当然自縛霊も居るのでしょうね。


 この事件以来、僕は新木場のプールは昼間行くようになり、菖蒲園や
プールのフロントに広がる広場を迂回して歩くようになりました。


 彼等は夜な夜なあそこで何をして居るのでしょう?幸せそうなカップル
や、ハッテンに勤しむオカマ達を毎晩見に来て居るのでしょうか?
それとも生きているもの達に羨望の眼差し、あるいは嫉妬にまみれた
悪意を投げかけているのでしょうか?

コメント(6)

明>やっぱ、あそこはヤバいよ。碌でも無い輩が沢山居るわ。余り
  関わりたく無いわ。塩蒔くと効くよねえ、、、。やっぱ塩でしょ。
  そう言う時は。

  御持ち帰りは堪らないわね。家族とかに迄被害が出たら洒落に
  ならないわ。気を付けないとね。
新木場も東京湾も
空襲で焼け野原だし
地震の時も やけどした人が
折り重なって なだれ込んだ場所ですもん・・・
思いがつまってますわ・・・

祖母は 船に乗って 逃げ切ったそうですが
それはそれは 地獄絵図だったそうですよ・・・。
ゆーり>そうですよね、、、、。何が出てもおかしくないよね。

    お祖母さん、幸運な人だったんですね。海上も火の手が伸びて
    大変な事になっていたらしいから、、、、。将に地獄絵図
    だったんでしょうね。戦争って嫌ですね、、、、。
祖母ね・・幸運っていうか 本人は不運と言ってました。

九州博多生まれで育ち。
関東大震災に会わないですむ筈が
行儀見習いだかで東京へ来ていて
被災したんですよ。
商家のお嬢様だったのです。

預かった家の人(親戚)が必死に
家族を船で沖に連れ出したんですって。
木の船で・・。
それこそ 木場の船着場あたりから
親戚の船で 移動したのだそうだから
今みたいに 救命ボートじゃあないんですよ。
屋形船でもないわけ。

船に次から次へと やけどでタダレタ人たちが
すがりつくんですって
でもね ひっくり返るでしょ?
船頭さんが 棒で 突き落とすんですって
つかんだ手を 指をはがすんですって・・・

沈んでゆく人たちを 後に
沖に出て 東京が焼けるのを見たそうです。


そして 再び九州へ戻り
嫁として 東京へ引越し
大空襲にあったんです。
でも 焼夷弾が雨あられと降って
両隣が焼けても
家は焼けなかったんです。
井戸水を必死に 皆で(寮をやっていたので寮生が)
屋根にぶっかけて
燃えなかったそうです。

東京に来て ろくな目に合ってないと
嘆いていました。
 壮絶な人生ですね、、、、、。

 でもね、命に関わらずに無事で居たのは、ある意味幸運なんですよ。
運が強いの、彼女は。

 自分も、乗ってる飛行機が爆発しても、海で漂流しても死ななかった。
運が悪いのでは無くて、強運の持ち主なんですよ。w 

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