●第四日目:デレク・ジャーマン 監督 ロンドン大学キングス・カレッジで美術などを学んだ後、映画監督ケン・ラッセルのもとで美術スタッフを勤める。その後、スーパー8ミリで撮影した作品 "In the Shadow of the Sun" で映画監督としてデビュー。特異な映像作品が先端的であるとして若者の間でも徐々に評判を呼び、80年代以降はロックミュージックのミュージッククリップなど映像制作でも活躍した(ザ・スミス、ペット・ショップ・ボーイズなど)。また、Coilやサイモン・フィッシャー・ターナーなどといった、まだ当時は無名のミュージシャンを自らの映画音楽の担当として起用し、彼らの才能を発掘した。主に、同性愛や荒廃した近未来イメージ、耽美性などをテーマにした作品が多い。また、ルネサンスの画家カラヴァッジオや哲学者ウィトゲンシュタインといった歴史上の人物を映画の題材にした。生前、自らがゲイであることを公表し、1986年にHIVへの感染が判明。1994年にエイズにより亡くなった。死の前年に制作された『BLUE ブルー』は、自らを蝕んだ病エイズをテーマにした作品である。