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とりあえず怖い話。コミュのでびノートν(29話目)

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





ガラガラガラ!

窓を開ける。


「早く出てくるんだ!馬上まさお!!!」


エロは相変わらず、冷たい目でオレを見ている。



「…なあ、エロ。

…クックック。

オレ、本当に自首しようと思ったんだぜ?


…オマエを友達だと思ったから…


オマエがオレの心を救ってくれると…思ったから…」


「ああ。

全ては僕の計算通りだったさ」


「…そうなんだよな…。

…全ては…エロの計算通りで、

…エロの計算できない部分を…オレはマヌケに語ってしまったという構図になったんだよな…」


「…ああ。

君がバカで助かったよ」


「…バカ…か。

…結局…エロはオレをそんなふうにしか思っていないんだな…」


エロが完全に、オレを騙していたと確信したオレは、

部屋の奥に行き引き出しに手をかけた。


そして呟くように言う。


「…なぁ、エロ。

…オマエは、凄いよ。


やっぱり…アタマがいい。

それに…騙された。

オレは…エロの事を親友のように思っていたのに、お前にはその気持ちはまったくなかった…。

…オマエはいつも、オレの一回りも二回りも先まで計算する…。


…さすがだよ…。



…でもな、


でも…エロ。


オマエが…


…オマエが計算できない部分も…あるよな」



オレはゆっくりと引き出しを開けた。








そして確認する。









【自分の居場所】に戻ってきている、でびノートを…。



引き出しの中のでびノートを手に取り、またオレは窓際に行く。




「…馬上まさお!


いいから早く出て来い!


でないと、家を破壊して突入するぞ!」


 エロは意気揚々と言い放った。



「…なあ、エロ。


これな〜んだ」



オレはゆっくりと、ノートをエロに見えるように掲げた。



「な!!!!?」


エロの顔が真っ青になっていくのがここからでも解った。



「せ、瀬内!!!


金庫を開けろ!!

中を確認するんだ!!!」

「は、はい坊ちゃん!」



慌てて、瀬内さんが金庫を開けている。



「あ…ありません!!!

な…なんで??



たしかに私めがしっかりと仕舞いましたのに!!!」




「…く…

い…いったいどうやったんだ馬上まさお!!!」




「…ハッハッハ。

知りたいかエロ?」



「ぐ…」



「教えてやろう。

それはな、このノートの持ち主が、オレだからだよ!





…残念だよ、エロ。

オレは真剣に、警察に捕まる気で居たのに…。


 …エロ、なんで裏切るんだよ…。


…これで…これでオレは…



 このノートに、オマエの名前を書かなきゃいけなくなった」



「!!!!?


ま、待て!馬上まさお…

いや、馬上君!!!」



「…今さら【馬上君】ってか。

もう遅いよ…。

全部…見えてしまった後でそんな事いわれても…」



「…く…。

おい!機動隊!!!

突入だ!!

いますぐ家に突入して、アイツをひっとらえろ!!!」


「はっ!!!!」


ドン!!

ドガン!!!



機動隊が、内の壁を壊そうとしてる。




オレはノートにゆっくりと記入する。


【名前】吉 来三





ガン!!

ガンッ!!!



 家が揺れている。


…でも、まだ壁は壊されていないようだ。



「エロ!!!

今、オマエの名前を書いた。


…さて、どうやってオマエを殺してやるとするかな!」



「な…ぐ…。

オイ機動隊!!

何をしている!!!

はやく壊せ!!!」



「は、はっ!

し、しかしながら、この壁はけっこういい壁でして…」



「イイワケは良い!!

早くやれ!」


「はっ!」



エロはオレの方を向く。



「ま、馬上君!!


オレを殺すんだな?

そのノートで…オレを殺すつもりなんだな?


…フフ。良いだろう。

殺したければ、殺せばいい!


…だがな、一つ言える事は、

僕を殺したところで…もうオマエは終わりだ!


ここに居る300の兵と、100人近いヤジウマは、オマエの行動をしっかりと目に焼き付けている!!


僕を殺したところで…オマエが犯罪者になる事に変わりは無い!!



…だが、もし、もしだ。


もし、僕をそのノートに書くのをキャンセルしてくれたなら…君を死刑にする事は阻止してやろうじゃないか!


良い弁護士をつける!!

どうだ!


どちらが得か、よく考えてみろ馬上君!!!」




「…もういいよエロ。


…オレは…もう君を信じられない」




ドン!!

ドンッ!!!


…どうせ、エロは機動隊が壁を壊すまでの時間稼ぎをしているんだろう…。





…さて、死因はどうしようかな…。


ペンを握りなおす。




【出来事】 DQNに殺される
【結果】死亡




…うん。

こんな感じでいいだろう。


…場所は…オレの家の前じゃあ、なんかいやだな…。



「オイ!馬上君!!

オイ!!聞いているか!!!」


エロのうるさい声が聞えるので、窓から外を覗く。



「執行猶予もつけよう!!

どうだ?


実質、自由に人生を送れる!!!

君の望んだとおり、また1からやり直せるように手配しようじゃないか!!!

だから…考え直せ!な!

僕をここで殺しても…君が罪人であることは変わらないぞ!!

法の裁きは、君を死に至らしめるだろう!!!


だから…な!」




なんだよエロ…。


それ…なんだよ…。


…あ、そうだ。


今のエロなら、すぐに言いそうな気がするから聞いてみるか。



「…なあ、エロ」


「な、なんだ?」



「…これだけの機動隊員、いつ集めた?

オレに黙ってこれだけ配置してた事…すごく遺憾だよ」


「そ、それはすまないと思っている!!!

ほんとうにすまない!!」



ドン!ドン!!!!


ドガン!!!



壁が崩れた音がした。




「エロ!!!

すぐにでも時間を書いて殺してやろうか!!」

「ひ…ひいい!

や、やめてくれ!

やめてくれ!!!」



「じゃあちょっとだけ待ってやる代わりに教えろ!

この機動隊の配置とか、いつ考えて指示を出したんだ?」



「き、昨日の夜だ!」



「…そうか。ありがとう」




ペンをまた握りなおす。



…上手く行くかな…。

…ま、上手くいかなかったらしょうがない。

…その時は…その時だな。


場所を書き込む。


【名前】吉 来三
【時刻】
【場所】警視庁本部
【出来事】 DQNに殺される
【結果】死亡




…さて、あとは時間だ。




ドガン!!!


「よし!
突入だ!!」

とうとう部屋のドアまで破られ、機動隊がオレに飛び掛ってきた。


時計を見る。


時計は9時56分を表示していた。



…9時56分か。


襲い掛かってくる機動隊を無視するかのように、


オレはペンを握り、ノートに時間を書き込み、

さっきもらった青い羽をノートに挟んだ。

(つづく)

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