ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

とりあえず怖い話。コミュのでびノート2(第33話)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
まとめトピ】はこちら↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=46176184&comm_id=4419734


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「…え〜、で〜あるからして〜…」



かきかき…。



社会教師、近藤が書く黒板の文字を、オレはひたすらノートに写す。


「…ぶつぶつ…ぶつぶつぶつ…」


…エロは、後ろの席でなにやらぶつぶつ言っている…。

きっと、まだ筒井に対してイライラしているんだろう。


…エロは、意外と心の弱点があるのかもしれない…。


一度オレがキレて殴りかかった時も、ハンパないくらい取り乱してたし…。


(まあ、その後ものすごい仕返しをされたけど…)



つんつん。


「…ん?」

と、その時後ろのエロがオレをツンツンした。



「…何だ?」


オレは体を横に向け、エロの方を見る。



「…馬上君、いや、ノートを一生懸命描いてるみたいだけどね、


無駄な事だから辞めるのをオススメしようと思ってね」


…何?どういう意味だ…。



「ど、どういう意味だよエロ…」



「…フフ」


エロは不敵に笑い、自分のノートをオレに見せてきた。


「こ…これは…」



なんという事だろう。

エロのノートには、今先生が黒板に書いている部分はおろか、これから今日書くであろう内容までビッシリと書かれていた。




「ど…どういうことだエロ?このノートは…悪魔が作ったノートか何かか?」




「クック…。笑わせないでくれよ馬上君。


違うよ。これは【マスターノート】さ」



「マ…マスターノート?


…何だそれ?」




「フフ。

実はね、あの社会教師は既に僕が買収してあるんだ」


「ば、買収!?」


「ああ。

チョロいもんだったよ。

あの教師は歴史オタクでね、旅行好きなんだ。

調べたところ、旅費で結構な借金まで作ってる。


…そこにつけこんだんだ。


借金のある人間というのは実に扱いやすいよ。


何せ、金で動きやすいからね。



…まあ、馬上君が知らなくて良いお金の使い方で、


このノートをアイツに作らせたってワケさ」



「エ…エロ…そんなことまで…」



「…フ。

世の中、要領次第さ。

何もまともにやるだけが道じゃない。


ゴールに行く方法なんていくらでもある。


…ま、このノートを手に入れた方法はどうでもいい。


…君には借りができた。


さっき、僕が感情的になりかけたとき、止めてくれたからね。


…だからそのお詫びに、

この【マスターノート】をコピーさせてあげるよ」



「こ、コピー?


…う〜ん…でもやっぱいいよ。


コピーしたところで、結局それをまたノートに写さなきゃいけないだろ?


…だったら、今ノートに直接黒板を写しても一緒じゃないか」



「チッチッチッ」


エロは人差し指を立て、それを口の前で左右に振った。


「実は僕の家にはね、


ノートからノートにコピー出来る機械があるんだ。




しかもエンピツやシャーペンで描いたように印刷されるね。


もちろん、描いた文字はケシゴムで消える」


「ま…マジで?すごいじゃないかエロ…。


それなら、ノートをとらなくても、マスターノートのノートへのコピーさえあれば何も問題は無い。


テスト前はそれを見ればそこそこ点もとれそうだし…



…あっ、でも、エロは単純な事を忘れてるぞ?


それだと結果的に、ノート提出の時に、筆跡で先生にバレちゃうだろう…?」




「…フッ。


君はまだまだ甘いな。


家のコピー機には、【筆跡記録システム】があるんだよ。


始めに50音の文字と、数種類の漢字の部首を記憶させれば、

あとは機械がうまいこと本人が書いたみたいコピってくれるんだよ」



「…マジで…すごい機械があるんだな…」


「…フッ。


僕の家は金持ちなんだ。


そして僕は天才児。

君たちの常識で理解しきれない事も、僕にとっては常識なんだよ」


「そうかぁ、なるほど…。


でも、ノートのコピーは助かるな。


オレ、字が汚ったないからな。

ハハハ」




「…フ。

まあ、筆跡を記憶させる時は、せいぜい丁寧に書きたまえ」







「コラ!そこ!私語をつつしみなさい!」


オレとエロが色々談義していると、近藤先生がオレ達を指さした。





キッ!


エロは鋭い眼光で先生を睨んだ。


「…う…


し…私語もほどほどにね…」


カキカキ…。




…なんという事だろう…。


先生はエロが睨みつけると、まるで飼い主に怒られるネコのように引き下がった。




「エ…エロ…。

これも買収の効果か?」


オレはエロの耳元に口を近づけて言った。



「…フ。


まあ、ほとんどの教師は既に僕の支配下だ。


馬上君も、ちょくちょく僕の恩恵に授かればいいよ」



「マ、マジで…ありがとう」




…素直に、


オレはエロを凄いと思った。



絶対に逆らえないはずの存在【教師】を、


エロは金の力を使い、自分の手の内に納めているのだ。



…最初はすごく嫌な奴だったけど、味方になると心強いぜ…エロ…。









  ―放課後―



「…じゃ、これで今日は全部だね?馬上君」


「う、うん…でも、本当に良いのか?…手間とらせて悪いな…」



「…フ。気にするなよ。


どうせお手伝いにコピーさせるから、僕には大した手間じゃぁ無い」



 エロから【マスターノート】と【ノートからノートへのコピー機】の存在を聞かされたオレは、

エロの親切に甘え、今日持ってきているノートを全部預ける事にした。

…なにやら、今日の授業分のマスターノートは全て揃っているらしく、(つまり、今日ある授業の教師は全てエロに買収されているという事か…)

それらをパパっとコピーして明日持ってきてくれるそうだ。


 …そして明日は、残りの教科のノートを持ってきて、それもコピーしてくれるそうだ。


…つまり、オレは二日で今学年全てのノート内容を手に入れれる事となる…。



「…社会…数学…理科…


…ン?馬上君、何だこのノートは?」


「…え?」



オレが預けたノートを一冊ずつチェックするエロは、突然訝しげな顔をして一冊のノートを手に取った。



「で…び…ノート?

…何なんだいこれは?

君、もしかしてこれに同人誌でも書いてるの?」



…!!!????


で、でびノート!????



オレは慌ててエロの手元を見た。


エロの手元には、でびノートが握られている!!!


「あ、ま、待って、それは!!!」


慌ててエロの手元に手を伸ばす。



…もし…あんなものを見られたら…。



あの中に書いているものを見られたら…。



…エロが呪いを信じるかどうかはわからないが、

ますますオレが怪しまれる事は100パーセント!!!!!


絶対に、アレの中身をエロに見られるワケにはいかない!!!




 オレはエロの手元からでびノートを奪い取ろうとした。


…しかし…





ヒョイッ。



エロはとっさにそれをかわした。




「…ん?オイオイ?どうしたんだ馬上君?


…よほど…恥ずかしいものなんだねこれは。


…スマンね。


性格上、僕はそういうものほど見なきゃ気がすまないんだ」



エロはでびノートの間に親指を入れ、


そしてペラリとページをめくる…。


「や…やめろ!やめてくれええええ!!!!」




オレは叫んだ、


…というか、勝手に声が出た。



…おわりだ…アレを見られたら…オレの全ては…。



…しかし、祈りも虚しく、エロ手の中ででびノートは開かれた。



(つづく)









コメント(2)

おもしろいです、エロと親しくなれてよかったねわーい(嬉しい顔)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

とりあえず怖い話。 更新情報

とりあえず怖い話。のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング