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とりあえず怖い話。コミュのでびノート2(第23話)

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「…505…505…あった、ここか」


病室を探りながら歩く父さんに着いてオレも歩く。


少し戸惑いながらも、父さんは無事母さんの病室を探し当てたようだ。




ガチャッ…。



「…あっ、しげるさん!」


母さんの病室のドアを開けると、中から親戚のおばさんがこちらに駆け寄ってきた。


ちなみに【しげる】とは父さんの名前だ。



「京子義姉さん、ご無沙汰しています…」

父さんは母さんの姉である京子おばさんに頭を下げた。


「そんな挨拶は後よ。

さ、美香に声をかけてあげて」


おばさんは母さんが横たわるベッドを指さした。




「…母さん…」



ベッドに横たわり、酸素マスクらしきものをつけている母さんの姿を目の当たりにし、オレは父さんを差し置いてヨロヨロと母さんの側に行った。




「…母さん…母さん…大丈夫?」



「…」



手を握り、オレは母さんに声をかけた。


でも、母さんからの返事は無かった。



母さんから聞えてくるのは、シューシューと鳴る酸素マスクらしき器械の音だけだった。



「…まさお君…、しばらく見ないうちに大きくなったわねぇ」


京子おばさんは、母さんの手を握るオレに優しく言った。



「…今ね、美香、半分眠ってるような状態らしいの。

…でも大丈夫。

峠は越えたって、さっき先生が言ってたから。

…リアクションこそとれないけれど、

まさお君たちがかけた言葉は、ちゃんと届いてるはずよ」


「そ…そうなんですか…


…そ、それで…普通に話したり出来る状態には戻れるんですか?」


「…うん。

先生はそう言ってたけど…」


「…そ、そうですか…」





 その後、

父さんも母さんの手を握り、一言二言声をかけた。


そこでオレは思ったんだ。



【やっぱり夫婦って、特別なものなのかな】…って。



理由は、オレやおばさんが話しかけても何もリアクションしなかった母さんが、


父さんが話しかけた時だけ、一滴だけど涙を流したんだ。



オレが生まれる前、

オレの知らない所で、


きっと父さんと母さんは色んなところに行って、


色んな思い出があったんだろう。



なんだか自分の知らない父さんと母さんの深い絆を、少しだけど感じる事が出来た気がした。









「…それじゃあお義姉さん、今日はこの辺で…また明日来ますので

…すいませんね…美香の世話を任せきりにしてしまって…」



「いいのよ。しげるさんはよくやってくれてるわ。

私は旦那にも早く先立たれて暇だから、気にしないでね」


「…すいません…」



病院にやってきてから一時間ほど経っただろうか。


オレと父さんはオバサンが近くにとってくれたビジネスホテルに泊まる事となった。





 ホテルに到着し、小汚いツインの部屋に入る。




「…チッ、小汚い部屋だな…京子義姉さん、チョロまかしてるんじゃないだろうなぁ…。

本当にここ、一人8000円のホテルかよ…ぶつぶつ…」




ぶつぶつ小言を言いながら荷物を整理している父さん。



「あ、と、父さん、風呂、どうする?先に入る?」

小言なんて聞えて居ないような素振りでオレは聞いた。


「…ん?あぁ。まさおが先に入っていいぞ。父さんもう少し荷物の整理するから。

それに、会社にも電話しとかないといけないしな」


「そ、そう。じゃあお先に」


オレはパンツと肌着とタオルを持って、風呂とトイレが一緒になってるところに入った。


パチリ。

電気を付ける。


…ここも…小汚い…。


洗面所には数匹の虫が飛んでいる。




キュッ、キュッ、


シャワワ〜〜。


服を脱ぎ、お湯のほうの蛇口をひねる。


シャワーからは温いお湯が出てきた。



オレは手でチョンチョンってやって温度を確かめる。


「…よし。良い感じ」


最初はぬるかった温度も、けっこう良い感じになってきたので、シャワーの取っ手を上のほうに差込み、


オレは頭からお湯をぶっかぶった。


「ふぅ…なんか今日は疲れたな…」


呟きながら、お湯を全身に浴びる。


頭…

顔…

胸…

背中…

おちんちん。




小汚い浴室だったが、シャワーはとても気持ちが良い。







 シャワーを浴び終わり、トイレが一緒にあるのでついでにうんこをし、


尻を拭いてもういっかいケツだけ洗い、


オレは浴室を出た。



「…ごめん、父さんお待た…」


父さんに声をかけかけたが、やめた。


父さんはベッドの掛け布団の上で眠っていたからだ。



…父さん、色々心配して、安堵して、きっと疲れたんだろう。


オレはそっと、父さんが乗っかってる掛け布団で挟み込むようにして父さんを包んだ。



「…おやすみ、とうさん」


そしてボソっと父さんにおやすみを言った後、父さんのカバンに手を伸ばす…。








 

 「…あった」


カバンから父さんの携帯を取り出し、オレはタクシー運転手の【はずかしい写真】を消去した。






父さんに、これ以上罪を背負って欲しくないからね…。





 写真を消去した後、部屋の電気を消し、オレも床に就いた。



窓からは、ホテルの街灯が照らす雪がチラチラと見えた。



普段の生活ではなかなか見れない、自然の景色を見つめながら、


オレは自然に夢の世界へと誘われた。

















…夢の中で、オレは【八木さん】とイヤラシイ行為をしていた。


…なぜ、そんな夢を見たのか…謎だ…。




(つづく)

コメント(1)

なんだ、イヤラシイ写真、消去しちゃったんだ。

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