北朝鮮強制収容所コミュの終戦記念日と靖国問題

昨日九州の親戚から電話が有りました。　鹿○さんと言う９１歳の老人です。　「わしも長くは無いのであんたの顔を見たい」と言う事でした。　彼は頭脳明晰で矍鑠たる元気な老人です。

昨年の８月１５日は鹿○さんのお宅にお邪魔をしていました。　夕食の時に私が海で釣った魚を刺身にして、奥さんや息子さん達とビールを頂きました。　老人は太平洋戦争の激戦地ビルマ戦線の生き残りでした。　いわゆる１９万人以上の日本兵が死んだインパール作戦の帰還兵だったのです。　部隊は砲兵隊、速射砲連隊だったようです。　

昭和１６年１２月、台湾を船で出発した日本陸軍は海軍航空隊が爆撃し制空権を取ったフィリピンに上陸します。　若き日の老人はこの中に居たのです。　米軍を追い出した日本軍はフィリピンを制圧します。　その後彼の部隊はボルネオを占領し、更にインドネシアで海軍陸戦隊と共にオランダン軍を撃破します。　昭和１７年１月日本軍はマレーシアに上陸し、シンガポールに向けて進撃します。　同時に海軍航空隊はマレー沖海戦でイギリス東洋艦隊を全滅させます。

日本軍の破竹の進撃の中で彼の部隊はタイからビルマ（現ミヤンマー）に向います。　海軍機動部隊はスリランカ（旧制セイロン）を爆撃し、英空母ハーミズ、重巡洋艦トドデシアー、コーンウオールを撃沈します。　陸軍９９式爆撃機と隼戦闘機はインドの英軍を爆撃します。　老人の部隊はシンガポールを陥落させた後に接収したイギリスの車両１０００台でビルマへ・・。　しかし日本軍の優勢はミッドウエイー海戦の大敗北により逆転されます。

昭和１９年陸軍最精鋭と言われた２式戦闘機の部隊は、空襲の激しくなった本土防衛の為に引き返します。　空の守りを失った老人の部隊は米英軍の空爆により苦戦します。　発動された無謀なインパール作戦の中で、ある日老人は陸軍上等兵として４人の戦友とトーチかを守っていました。

その時イギリス軍の迫撃砲弾が降り注ぎます。　無情にも戦友４人は瞬時に戦死し、彼は破片を受けて重傷を負います。

　意識をなくした彼は、気が付けばタイの野戦病院にいました。　忍び寄る死神と戦い、奇跡的に生き残った彼は、昭和２１年３月に復員します。　復員の船から遠く内地沖縄が見えた時、彼は涙が止まらなかったと言います・・。

お盆のこの時、老人は懸命に当時の思い出を私に語りました。彼は何時もは午後８時に休むそうですが、この日は私相手に１１時まで語り続けました。　部隊は全滅し、彼には戦友も居なかったのです。　奥さんは「お父さんは話をしても理解してくれる人が居なかったのです」「私や息子達も解らないのです」　「息子等より若い貴方がビルマの戦争に詳しく、解ってくれるのがお父さんは嬉しいのです！」と、言ってくれました。　老人のお盆の仏壇には、全滅した戦友達の写真が飾って有りました。 食べる物も無く、白骨累々のインパール！！

私が仏壇にお線香を供え手を合わせた時に、彼の目からは大粒の涙が滴り落ちていました。　地獄のインパール作戦、戦後６０年の時を隔てて彼の胸に去来する物は、昨日の出来事で有ったに違い有りません。　彼の慟哭に目頭の熱くなった私は、この夜涙と共に眠れぬ夜を送りました。

日本軍はビルマ（ミヤンマー）では決して乱暴はしていませんでした。　しかし食料補給も無い無謀な作戦を発令した、東条子飼の牟田口中将は『わしは手柄を立てて陸軍大将になるまで内地には帰らんぞ』とマスコミに述べていました。　また彼は現地の女性を愛人に連夜の酒宴を行なっていました。

愚かな将軍の功名の為に１９万人の日本の若者が犬死にしました。　それは多くが飢餓とマラリア・赤痢による死亡でした。

この牟田口中将の様な国賊が、無名兵士と共に靖国神社に祭られて良い訳が有りません！　私は断じて許さない！