『日本の歴史と最後の審判』��-０
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��373／p��373〜p��459)
【１】応神天皇陵建設の悲劇 *p373
【２】武内宿祢と子孫 *p391
【３】仁徳天皇と土木事業 *p405
【４】仁徳天皇の后妃と皇子皇女 *p408
【５】仁徳天皇の治績と出来事 *p437~p459
「この論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。安原 修」
✡ 論文執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）
證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��373／p��373〜p��459)
【１】応神天皇陵建設の悲劇 *p373
【２】武内宿祢と子孫 *p391
【３】仁徳天皇と土木事業 *p405
【４】仁徳天皇の后妃と皇子皇女 *p408
【５】仁徳天皇の治績と出来事 *p437~p459
「この論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。安原 修」
✡ 論文執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）證 明(しょう めい)|
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『日本の歴史と最後の審判』��-１-1
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��373／p��373〜p��459)
一の一、応神天皇陵建設の悲劇
(p��373／p��373〜p��390)
>p373-1行~
一、応神天皇陵建設の悲劇
古事記は応神天皇陵は川内(かわち)の恵賀裳伏岡陵(えがのもふしのおかのみさざき)であることをは
っきりと書いている。ところが日本書紀では応神紀には天皇
が明宮(あきらのみや)で死去したことは書いてあるが陵墓がどこにあるかと
言うことは書いてないのであり、仁徳紀にも天皇が死去した
と言うこと丈書いてあって、天皇をどこの陵墓に葬ったと言
うことが全く書かれていないのである。日本書紀が応神天皇
陵のことを全く書いてないことは極めて異例なことであり、
書きたくない重大な理由があったのである。その理由は応神
紀の中にはなく、仁徳紀の中に隠されているのである。
応神紀では天皇は菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)を皇太子に立て、大山守(おほやまもり)
命(のみこと)には山川林野(やまかははやしの)を掌(つかさど)らせ、大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)には皇太子の補佐をさ
せることにしたことになっている。そして仁徳紀では応神天
皇が死去した後、皇太子の菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)は皇位を兄の大鷦(おほさ)
>p374
鷯皇子(ざきのみこ)譲って即位せず、大鷦鷯皇子は父の応神天皇が菟道稚
郎子皇子を皇太子に立てたことを尊重して皇位に就こうとせ
ず、お互いに皇位を譲り合ったために三年間も天皇が居らず
空位(くうい)の狀態が続いて国民が困ったと言う様なことが書いてあ
る。しかしこの話は全くの大嘘なのである。
応神天皇が菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)を皇太子に立てることはあり得
なかったのである。応神天皇は始めから皇后仲媛命の生んだ
皇子である大鷦鷯皇子を皇太子に立てたのである。応神天皇
の長子は吉備の兄媛の生んだ大山守命(おほやまもりのみこと)である。しかし皇子と
しての器量は兄媛の妹仲媛の生んだ大鷦鷯皇子の方が勝って
いたのである。だから応神天皇は始めから大鷦鷯皇子を皇太
子に立てたのであり、菟道稚郎子皇子はもとから皇太子の対
象にはなっていなかったのである。
菟道稚郎子皇子は菟道即ち現在の京都府の宇治に住んでい
たのであり、応神天皇が死去した頃には都には住んでいなか
>p375
ったのである。そのことは庶民的な言い方をすれば菟道稚郎
子皇子は応神天皇から宇治地方に領地を与えられて分家をし
ていたと言うことを意味すらのである。だから菟道稚郎子皇
子と言う名自体がおかしいのであり、古事記、日本書紀を書
く時に皇太子らしい名に変えられたものであり、もとは菟道(うぢの)
別皇子(わけのみこ)だったものと思うのである。
応神天皇が治世二十年、享年六十才で死去した３７１年に
大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)は三十六才だったのである。菟道稚郎子皇子は二
才年下であったとして三十四才になっていたことになるので
ある。もっとも菟道稚郎子皇子がもっと若かった可能性はあ
るかも知れない。菟道稚郎子皇子の妃や子女のことが全く書
かれていないことはまだ若くて独身であったことを示すもの
かも知れない。しかし菟道稚郎子皇子はすでに宇治に領地を
与えられて分家をしていたのであるから皇太子だったと言うの
は古事記と日本書紀がでっちあげた大嘘である。
《日本の歴史と最後の審判��-１-1 第二十章 仁徳天皇 一の一、応神天皇陵建設の悲劇 p��373-1行〜p��375-15行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��373／p��373〜p��459)
一の一、応神天皇陵建設の悲劇
(p��373／p��373〜p��390)
>p373-1行~
一、応神天皇陵建設の悲劇
古事記は応神天皇陵は川内(かわち)の恵賀裳伏岡陵(えがのもふしのおかのみさざき)であることをは
っきりと書いている。ところが日本書紀では応神紀には天皇
が明宮(あきらのみや)で死去したことは書いてあるが陵墓がどこにあるかと
言うことは書いてないのであり、仁徳紀にも天皇が死去した
と言うこと丈書いてあって、天皇をどこの陵墓に葬ったと言
うことが全く書かれていないのである。日本書紀が応神天皇
陵のことを全く書いてないことは極めて異例なことであり、
書きたくない重大な理由があったのである。その理由は応神
紀の中にはなく、仁徳紀の中に隠されているのである。
応神紀では天皇は菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)を皇太子に立て、大山守(おほやまもり)
命(のみこと)には山川林野(やまかははやしの)を掌(つかさど)らせ、大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)には皇太子の補佐をさ
せることにしたことになっている。そして仁徳紀では応神天
皇が死去した後、皇太子の菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)は皇位を兄の大鷦(おほさ)
>p374
鷯皇子(ざきのみこ)譲って即位せず、大鷦鷯皇子は父の応神天皇が菟道稚
郎子皇子を皇太子に立てたことを尊重して皇位に就こうとせ
ず、お互いに皇位を譲り合ったために三年間も天皇が居らず
空位(くうい)の狀態が続いて国民が困ったと言う様なことが書いてあ
る。しかしこの話は全くの大嘘なのである。
応神天皇が菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)を皇太子に立てることはあり得
なかったのである。応神天皇は始めから皇后仲媛命の生んだ
皇子である大鷦鷯皇子を皇太子に立てたのである。応神天皇
の長子は吉備の兄媛の生んだ大山守命(おほやまもりのみこと)である。しかし皇子と
しての器量は兄媛の妹仲媛の生んだ大鷦鷯皇子の方が勝って
いたのである。だから応神天皇は始めから大鷦鷯皇子を皇太
子に立てたのであり、菟道稚郎子皇子はもとから皇太子の対
象にはなっていなかったのである。
菟道稚郎子皇子は菟道即ち現在の京都府の宇治に住んでい
たのであり、応神天皇が死去した頃には都には住んでいなか
>p375
ったのである。そのことは庶民的な言い方をすれば菟道稚郎
子皇子は応神天皇から宇治地方に領地を与えられて分家をし
ていたと言うことを意味すらのである。だから菟道稚郎子皇
子と言う名自体がおかしいのであり、古事記、日本書紀を書
く時に皇太子らしい名に変えられたものであり、もとは菟道(うぢの)
別皇子(わけのみこ)だったものと思うのである。
応神天皇が治世二十年、享年六十才で死去した３７１年に
大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)は三十六才だったのである。菟道稚郎子皇子は二
才年下であったとして三十四才になっていたことになるので
ある。もっとも菟道稚郎子皇子がもっと若かった可能性はあ
るかも知れない。菟道稚郎子皇子の妃や子女のことが全く書
かれていないことはまだ若くて独身であったことを示すもの
かも知れない。しかし菟道稚郎子皇子はすでに宇治に領地を
与えられて分家をしていたのであるから皇太子だったと言うの
は古事記と日本書紀がでっちあげた大嘘である。
《日本の歴史と最後の審判��-１-1 第二十章 仁徳天皇 一の一、応神天皇陵建設の悲劇 p��373-1行〜p��375-15行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-１-2
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��376／p��373〜p��459)
一の二、応神天皇陵建設の悲劇
(p��376／p��373〜p��390)
>p376-1行~
菟道稚郎子皇子の母は和珥臣の娘 宮主宅媛(みやぬしやかひめ)であるから天孫
系の名門の女性であることは確かである。しかし、応神天皇
皇后仲媛命は神武天皇の直系に当る第六代吉備津彦功狭別命
の娘であるから家柄血統は和珥臣よりずっと上である。それ
に功狭別命は応神天皇を立てた大恩人でもあったのであるか
ら応神天皇が皇后仲媛命の生んだ大鷦鷯皇子を無視して和珥
氏の娘 宮主宅媛(みやぬしやかひめ)の生んだ菟道稚郎子皇子を皇太子に立てるこ
とは絶対にあり得なかったのである。そして応神天皇が死去
した時に菟道稚郎子皇子は都へ住んで居らず、都から遠く
離れた菟道に住んでいたと言うことが、皇太子ではなかった
ことをはっきりと証明しているのである。
仁徳紀によれば菟道稚郎子皇子は応神天皇が死去して三年
後に大鷦鷯皇子を即位させるために自殺したことになってい
る。そしてその翌年正月に大鷦鷯皇子は即位したことになっ
ているのである。更に四年の春二月に大鷦鷯皇子即ち仁徳天
>p377
皇は高殿に登って四方の景色を眺めたところ村や町の民家か
ら煙が立っていないのを見て国民が貧しいことを知り、それ
より三年間税や労役を免除したと言う。仁徳天皇と言う諡(おくりな)は
そこから起こっていると言われているのである。しかし仁徳
天皇が即位して四年後に何故国民が貧しくなったのか、何故
三年間税や労役を免除しなければならなかったのかと言う本
当の理由を知る人はいないのである。
応神天皇の死後菟道稚郎子皇子と大鷦鷯皇子とがお互いに
皇位を譲り合ったために三年間空位が続き、菟道稚郎子皇子
が自殺したために大鷦鷯皇子が即位したと言うのは全くの大
嘘である。応神天皇が死去したのは３７１年春二月である。
そして仁徳天皇は３７２年春正月に即位したのである。その
年に百済の肖古王は仁徳天皇の即位を祝って七枝刀一口、七
子鏡一面、其他多くの重宝を献上したのである。肖古王は３
７５年に死去したのでありそれより三年前の３７２年に七枝
>p378
刀などを献上したのである。神功紀五十二年に百済の肖古王
が七枝刀其他を献上したと言うのは大嘘であり、本当は神功
天皇の治世のことではなく、仁徳天皇の即位の年だったの
である。
そして仁徳天皇の三年、３７４年に菟道稚郎子皇子が自殺
し、四年の３７５年に仁徳天皇は高殿に登って四方の景色を
眺め、民のかまどから火を焚(た)く煙が立ち登っていないのを見
て三年間税や労役を免ずると言う勅令を出したと言う。菟
道稚郎子皇子は何故自殺したのか、仁徳天皇は四年に何故三
年間税や労役を免ずる勅令を出したのか、その本当の理由が
判れば日本書紀がひたすら隠し通して来た恐るべき歴史の真
実が判るのである。
菟道稚郎子皇子は｢自分が死んだら墓を造らずに骨を山野
に蒔き散らして欲しい｣と言う意味の遺言をして死んだと言
うことが伝えられている。それは何故であろうか。応神天皇
>p379
が死去した後、天皇のために巨大な陵墓を建設しようと計画
したのは他ならね仁徳天皇であると断言出来るのである。し
かし仁徳天皇は自分が天皇であるから応神天皇陵の建設の指図や監督を自分が直接することは出来なかった訳である。そ
れで仁徳天皇は異母弟の菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)を応神天皇陵建設の
現場の総監督に任命したのだと思うのである。菟道稚郎子皇
子は性格が温厚で学者肌の貴公子と言ったタイプの皇子だっ
たのだと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-2 第二十章 仁徳天皇 一の二、応神天皇陵建設の悲劇 p��376-1行〜p��379-8行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��376／p��373〜p��459)
一の二、応神天皇陵建設の悲劇
(p��376／p��373〜p��390)
>p376-1行~
菟道稚郎子皇子の母は和珥臣の娘 宮主宅媛(みやぬしやかひめ)であるから天孫
系の名門の女性であることは確かである。しかし、応神天皇
皇后仲媛命は神武天皇の直系に当る第六代吉備津彦功狭別命
の娘であるから家柄血統は和珥臣よりずっと上である。それ
に功狭別命は応神天皇を立てた大恩人でもあったのであるか
ら応神天皇が皇后仲媛命の生んだ大鷦鷯皇子を無視して和珥
氏の娘 宮主宅媛(みやぬしやかひめ)の生んだ菟道稚郎子皇子を皇太子に立てるこ
とは絶対にあり得なかったのである。そして応神天皇が死去
した時に菟道稚郎子皇子は都へ住んで居らず、都から遠く
離れた菟道に住んでいたと言うことが、皇太子ではなかった
ことをはっきりと証明しているのである。
仁徳紀によれば菟道稚郎子皇子は応神天皇が死去して三年
後に大鷦鷯皇子を即位させるために自殺したことになってい
る。そしてその翌年正月に大鷦鷯皇子は即位したことになっ
ているのである。更に四年の春二月に大鷦鷯皇子即ち仁徳天
>p377
皇は高殿に登って四方の景色を眺めたところ村や町の民家か
ら煙が立っていないのを見て国民が貧しいことを知り、それ
より三年間税や労役を免除したと言う。仁徳天皇と言う諡(おくりな)は
そこから起こっていると言われているのである。しかし仁徳
天皇が即位して四年後に何故国民が貧しくなったのか、何故
三年間税や労役を免除しなければならなかったのかと言う本
当の理由を知る人はいないのである。
応神天皇の死後菟道稚郎子皇子と大鷦鷯皇子とがお互いに
皇位を譲り合ったために三年間空位が続き、菟道稚郎子皇子
が自殺したために大鷦鷯皇子が即位したと言うのは全くの大
嘘である。応神天皇が死去したのは３７１年春二月である。
そして仁徳天皇は３７２年春正月に即位したのである。その
年に百済の肖古王は仁徳天皇の即位を祝って七枝刀一口、七
子鏡一面、其他多くの重宝を献上したのである。肖古王は３
７５年に死去したのでありそれより三年前の３７２年に七枝
>p378
刀などを献上したのである。神功紀五十二年に百済の肖古王
が七枝刀其他を献上したと言うのは大嘘であり、本当は神功
天皇の治世のことではなく、仁徳天皇の即位の年だったの
である。
そして仁徳天皇の三年、３７４年に菟道稚郎子皇子が自殺
し、四年の３７５年に仁徳天皇は高殿に登って四方の景色を
眺め、民のかまどから火を焚(た)く煙が立ち登っていないのを見
て三年間税や労役を免ずると言う勅令を出したと言う。菟
道稚郎子皇子は何故自殺したのか、仁徳天皇は四年に何故三
年間税や労役を免ずる勅令を出したのか、その本当の理由が
判れば日本書紀がひたすら隠し通して来た恐るべき歴史の真
実が判るのである。
菟道稚郎子皇子は｢自分が死んだら墓を造らずに骨を山野
に蒔き散らして欲しい｣と言う意味の遺言をして死んだと言
うことが伝えられている。それは何故であろうか。応神天皇
>p379
が死去した後、天皇のために巨大な陵墓を建設しようと計画
したのは他ならね仁徳天皇であると断言出来るのである。し
かし仁徳天皇は自分が天皇であるから応神天皇陵の建設の指図や監督を自分が直接することは出来なかった訳である。そ
れで仁徳天皇は異母弟の菟道稚郎子皇子(うぢのわきいらつこのみこ)を応神天皇陵建設の
現場の総監督に任命したのだと思うのである。菟道稚郎子皇
子は性格が温厚で学者肌の貴公子と言ったタイプの皇子だっ
たのだと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-2 第二十章 仁徳天皇 一の二、応神天皇陵建設の悲劇 p��376-1行〜p��379-8行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-１-3
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��379／p��373〜p��459)
一の三、応神天皇陵建設の悲劇
(p��379／p��373〜p��390)
>p379-9行~
菟道稚郎子皇子は兄の仁徳天皇から応神天皇陵建設の現場
の総監督を命じられた時、嫌だとは思ったけれども兄の命令
を拒否することは許されなかったのだと思うのである。それ
は菟道稚郎子皇子は仁徳天皇と兄弟とは言っても同母の兄弟
ではなく異母兄弟であり、母の身分も低く言わば庶子と言う
立場にあったから、仁徳天皇の命令を拒否することは出来な
かったのだと考えられるのである。
>p380
そして仁徳天皇が設計させた陵墓は誰にも想像も出来ない
程あまりにも巨大であり過ぎたのである。そのために応神天
皇が死去した３７１年二月以降に設計施工にかゝってから陵
墓が完成する迄に満三年以上四年に近い年月を要したものと
考えられるのである。そしてそのために遠近の各地の人々が
陵墓建設のために労役に狩り出され、毎日多くの人々が重労
働に従事していたものと思われるのである。しかし労役に狩
り出された農民達は所謂「喰い出の無給」で毎日、そして長
期間働かされるのであるから自分の家の田畑を耕(たがや)すこともま
ゝならぬ狀態となり、一家の働き手を労役に狩り出された農
家では田畑は荒れ、収穫は激減し、悲惨な生活を送らねばなら
なくなったことは想像に難くないであろう。
そのために陵墓の建設工事に着手して日が経つにつれて陵
墓が次第にその巨大な姿を現わし始めると共に労役に狩り出
されて重労働に従事している農民達の疲労は激しくなり、巨
>p381
大な陵墓の建設を強行する天皇家に対する怨嗟(えんさ)の声が次第に
激しくなって行ったものと思われるのである。そして陵墓の
建設現場で働く人々の激しい怨みや不平不満の声は現場の総
監督をしている菟道稚郎子皇子の耳には痛い程強く響いて来
たであろうと思われるのである。
しかし温厚で学者肌の菟道稚郎子皇子は兄の仁徳天皇の所
へ不平不満を言いに行くことも出来ず、陵墓の建設を中止す
ることも出来ず、計画を縮小することも出来ず、工期を遅ら
せることも出来ず、建設現場で働く人々の怨みや不平不満の
声を一身に受けながら、しかも働く人々や彼らの家族達の悲
惨な生活を目の前に見て同情し、あわれに思い、一人で心を
痛めていたのだと思うのである。仁徳天皇がその様な事実を
どれ丈知っていたかどうか、それは判らないと言う他ない。
その様にして世界的にも稀な大陵墓である応神天皇陵が完成
したのである。
>p382
しかし巨大な陵墓の完成の蔭に国民の生活は破綻(はたん)し、多く
の国民が塗炭(とたん)の苦しみをなめていたのである。多くの国民が
労役に狩り出されて田畑の管理がおろそかになれば、収穫が
激減して農民自身の生活が苦しくなる丈ではないのである。
農民が租税を納めることが困難になれば国庫の収入が減少し
朝廷の財政そのものも破綻する他ないのである。仁徳天皇の
三年、３７４年に応神天皇陵が完成した時、国民の生活が破
綻していたのみならず、朝廷の財政も破綻していたのである。
だから仁徳天皇に対する国民の批判は極めて厳しいものだっ
たであろうと考えられるのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-3 第二十章 仁徳天皇 一の三、応神天皇陵建設の悲劇 p��379-9行〜p��382-10行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��379／p��373〜p��459)
一の三、応神天皇陵建設の悲劇
(p��379／p��373〜p��390)
>p379-9行~
菟道稚郎子皇子は兄の仁徳天皇から応神天皇陵建設の現場
の総監督を命じられた時、嫌だとは思ったけれども兄の命令
を拒否することは許されなかったのだと思うのである。それ
は菟道稚郎子皇子は仁徳天皇と兄弟とは言っても同母の兄弟
ではなく異母兄弟であり、母の身分も低く言わば庶子と言う
立場にあったから、仁徳天皇の命令を拒否することは出来な
かったのだと考えられるのである。
>p380
そして仁徳天皇が設計させた陵墓は誰にも想像も出来ない
程あまりにも巨大であり過ぎたのである。そのために応神天
皇が死去した３７１年二月以降に設計施工にかゝってから陵
墓が完成する迄に満三年以上四年に近い年月を要したものと
考えられるのである。そしてそのために遠近の各地の人々が
陵墓建設のために労役に狩り出され、毎日多くの人々が重労
働に従事していたものと思われるのである。しかし労役に狩
り出された農民達は所謂「喰い出の無給」で毎日、そして長
期間働かされるのであるから自分の家の田畑を耕(たがや)すこともま
ゝならぬ狀態となり、一家の働き手を労役に狩り出された農
家では田畑は荒れ、収穫は激減し、悲惨な生活を送らねばなら
なくなったことは想像に難くないであろう。
そのために陵墓の建設工事に着手して日が経つにつれて陵
墓が次第にその巨大な姿を現わし始めると共に労役に狩り出
されて重労働に従事している農民達の疲労は激しくなり、巨
>p381
大な陵墓の建設を強行する天皇家に対する怨嗟(えんさ)の声が次第に
激しくなって行ったものと思われるのである。そして陵墓の
建設現場で働く人々の激しい怨みや不平不満の声は現場の総
監督をしている菟道稚郎子皇子の耳には痛い程強く響いて来
たであろうと思われるのである。
しかし温厚で学者肌の菟道稚郎子皇子は兄の仁徳天皇の所
へ不平不満を言いに行くことも出来ず、陵墓の建設を中止す
ることも出来ず、計画を縮小することも出来ず、工期を遅ら
せることも出来ず、建設現場で働く人々の怨みや不平不満の
声を一身に受けながら、しかも働く人々や彼らの家族達の悲
惨な生活を目の前に見て同情し、あわれに思い、一人で心を
痛めていたのだと思うのである。仁徳天皇がその様な事実を
どれ丈知っていたかどうか、それは判らないと言う他ない。
その様にして世界的にも稀な大陵墓である応神天皇陵が完成
したのである。
>p382
しかし巨大な陵墓の完成の蔭に国民の生活は破綻(はたん)し、多く
の国民が塗炭(とたん)の苦しみをなめていたのである。多くの国民が
労役に狩り出されて田畑の管理がおろそかになれば、収穫が
激減して農民自身の生活が苦しくなる丈ではないのである。
農民が租税を納めることが困難になれば国庫の収入が減少し
朝廷の財政そのものも破綻する他ないのである。仁徳天皇の
三年、３７４年に応神天皇陵が完成した時、国民の生活が破
綻していたのみならず、朝廷の財政も破綻していたのである。
だから仁徳天皇に対する国民の批判は極めて厳しいものだっ
たであろうと考えられるのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-3 第二十章 仁徳天皇 一の三、応神天皇陵建設の悲劇 p��379-9行〜p��382-10行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-１-4
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��382／p��373〜p��459)
一の四、応神天皇陵建設の悲劇
(p��382／p��373〜p��390)
>p382-11行~
そこで仁徳天皇の不人気に乗じて兄の大山守命が仁徳天皇
に代わって天皇になり、国を治めようとしたものだと思われ
るのである。それで河派仲彦王の二男額田大中日子命も仁徳
天皇の行為に批判的であったから大山守命を支持したのであ
る。しかしそのことが仁徳天皇に知れたために、仁徳天皇は
>p383
またしても異母弟の菟道稚郎子皇子に大山守命を殺せと命令
したのである。仁徳天皇にとっては大山守命も異母兄である
けれども、大山守命の母吉備の兄媛と仁徳天皇の母吉備の仲
媛とは姉妹であるから、大山守命とは異母兄弟と言っても実
際には同母の兄弟と変わらない位血は濃いかったのである。
しかし菟道稚郎子皇子の母は和邇臣(わにのおみ)の娘であるから仁徳天
皇や大山守命とは血は薄かった訳である。だから仁徳天皇は
自分が大山守命を殺したくはないが、さりとて臣下の者にう
かつに大山守命を殺せと命令する訳にもゆかないから菟道稚
郎子皇子に大山守命を殺せと命令したのだと思うのである。
古事記も日本書紀も大山守命は応神天皇が菟道稚郎子皇子
を皇太子に立てたことを怨んで、菟道稚郎子皇子を殺して自分が天皇になろうとした様に書いているがそれは大嘘である。
更に大山守命が皇太子を殺して自分が天皇になろうとしてい
るのを知った仁徳天皇が菟道稚郎子皇子の所へ使者を派遣し
>p384
て警戒する様に伝えたことになっているがそれも大嘘である。
それは仁徳天皇が即位して三年目のことであり菟道稚郎子
皇子が皇太子であったなどと言うのは大嘘である。だから仁
徳天皇は大山守命が殺そうとしているから警戒する様にと言
う使者を送ったのではなく、大山守命を殺せと言う命令を伝
える使者を菟道稚郎子皇子のもとへ派遣したのである。菟道
稚郎子皇子は兄の仁徳天皇の命令を拒否することが出来ない
から仕方なく大山守命を殺す方法を考えたのである。しかし
大山守命を殺すと言っても兵を率いて攻めて行くと言う様な
ことは出来ないのである。
そこで菟道稚郎子皇子は大山守命に使者を送り、自分の領
内に猪が沢山いるから猪狩(ししがり)をしませんかと言って大山守命を
宇治の自分の領内に誘い、船に乗せて宇田川の真中へ漕(こ)ぎ出
し、大山守命が油断しているのを見すまして不意に船を傾け
て大山守命を川へ落としたものであろう。大山守命は岸へ泳
>p385
ぎ着こうと思っても岸には菟道稚郎子皇子の兵達が弓に矢を
つがえてねらっているために岸へ泳ぎつくことが出来ず、遂
に力尽きて溺(おぼ)れ死んだものであろう。
菟道稚郎子皇子には大山守命に対して何の怨みもなかった
のでありまして殺さねばならない理由などなかったのである。
だから菟道稚郎子皇子は大山守命を殺したくなかったのであ
り、大山守命が殺された後に妃や子供達がどんなに悲しむだ
ろうかと思って心を痛めたのである。それで大山守命を殺す
にも自分が刀で切り殺す様なことはしたくなかったから船に
乗せて油断させて川の中へ落として自分が直接手に掛けない
で殺したのである。
菟道稚郎子皇子が自殺したのはそれから間もなくのことで
あろうと思うのである。菟道稚郎子皇子は仁徳天皇に巧く利
用せられていたのである。応神天皇陵を建設する時には労務
者達の怨みや不平不満を一身に受け、今度はまた何の怨みも
>p386
ない大山守命を仁徳天皇の都合で殺さねばならなかったので
ある。しかし温厚で学者肌の菟道稚郎子皇子は仁徳天皇に反
抗することも出来ず、命令を拒否することも出来なかったの
である。只黙って命令に服従するしかなかったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-4 第二十章 仁徳天皇 一の四、応神天皇陵建設の悲劇 p��382-11行〜p��386-4行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��382／p��373〜p��459)
一の四、応神天皇陵建設の悲劇
(p��382／p��373〜p��390)
>p382-11行~
そこで仁徳天皇の不人気に乗じて兄の大山守命が仁徳天皇
に代わって天皇になり、国を治めようとしたものだと思われ
るのである。それで河派仲彦王の二男額田大中日子命も仁徳
天皇の行為に批判的であったから大山守命を支持したのであ
る。しかしそのことが仁徳天皇に知れたために、仁徳天皇は
>p383
またしても異母弟の菟道稚郎子皇子に大山守命を殺せと命令
したのである。仁徳天皇にとっては大山守命も異母兄である
けれども、大山守命の母吉備の兄媛と仁徳天皇の母吉備の仲
媛とは姉妹であるから、大山守命とは異母兄弟と言っても実
際には同母の兄弟と変わらない位血は濃いかったのである。
しかし菟道稚郎子皇子の母は和邇臣(わにのおみ)の娘であるから仁徳天
皇や大山守命とは血は薄かった訳である。だから仁徳天皇は
自分が大山守命を殺したくはないが、さりとて臣下の者にう
かつに大山守命を殺せと命令する訳にもゆかないから菟道稚
郎子皇子に大山守命を殺せと命令したのだと思うのである。
古事記も日本書紀も大山守命は応神天皇が菟道稚郎子皇子
を皇太子に立てたことを怨んで、菟道稚郎子皇子を殺して自分が天皇になろうとした様に書いているがそれは大嘘である。
更に大山守命が皇太子を殺して自分が天皇になろうとしてい
るのを知った仁徳天皇が菟道稚郎子皇子の所へ使者を派遣し
>p384
て警戒する様に伝えたことになっているがそれも大嘘である。
それは仁徳天皇が即位して三年目のことであり菟道稚郎子
皇子が皇太子であったなどと言うのは大嘘である。だから仁
徳天皇は大山守命が殺そうとしているから警戒する様にと言
う使者を送ったのではなく、大山守命を殺せと言う命令を伝
える使者を菟道稚郎子皇子のもとへ派遣したのである。菟道
稚郎子皇子は兄の仁徳天皇の命令を拒否することが出来ない
から仕方なく大山守命を殺す方法を考えたのである。しかし
大山守命を殺すと言っても兵を率いて攻めて行くと言う様な
ことは出来ないのである。
そこで菟道稚郎子皇子は大山守命に使者を送り、自分の領
内に猪が沢山いるから猪狩(ししがり)をしませんかと言って大山守命を
宇治の自分の領内に誘い、船に乗せて宇田川の真中へ漕(こ)ぎ出
し、大山守命が油断しているのを見すまして不意に船を傾け
て大山守命を川へ落としたものであろう。大山守命は岸へ泳
>p385
ぎ着こうと思っても岸には菟道稚郎子皇子の兵達が弓に矢を
つがえてねらっているために岸へ泳ぎつくことが出来ず、遂
に力尽きて溺(おぼ)れ死んだものであろう。
菟道稚郎子皇子には大山守命に対して何の怨みもなかった
のでありまして殺さねばならない理由などなかったのである。
だから菟道稚郎子皇子は大山守命を殺したくなかったのであ
り、大山守命が殺された後に妃や子供達がどんなに悲しむだ
ろうかと思って心を痛めたのである。それで大山守命を殺す
にも自分が刀で切り殺す様なことはしたくなかったから船に
乗せて油断させて川の中へ落として自分が直接手に掛けない
で殺したのである。
菟道稚郎子皇子が自殺したのはそれから間もなくのことで
あろうと思うのである。菟道稚郎子皇子は仁徳天皇に巧く利
用せられていたのである。応神天皇陵を建設する時には労務
者達の怨みや不平不満を一身に受け、今度はまた何の怨みも
>p386
ない大山守命を仁徳天皇の都合で殺さねばならなかったので
ある。しかし温厚で学者肌の菟道稚郎子皇子は仁徳天皇に反
抗することも出来ず、命令を拒否することも出来なかったの
である。只黙って命令に服従するしかなかったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-4 第二十章 仁徳天皇 一の四、応神天皇陵建設の悲劇 p��382-11行〜p��386-4行》
✡ 論文執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-１-5
✡ 論文執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��386／p��373〜p��459)
一の五、応神天皇陵建設の悲劇
(p��386／p��373〜p��390)
>p386-5行~
だから菟道稚郎子皇子はその様な矛盾について悩み、思い
詰めていたのだと思うのである。応神天皇陵建設についても、
巨大な陵墓を建設すると言うことは子として親に対す孝養で
あると言う考え方も社会の一部にあることは事実である。し
かし仁徳天皇の場合は自分の権力の大きさを全国に誘示しよ
うと言う気持ちが濃厚であったと思うのである。しかしその
結果は多くの国民が苦しみ、朝廷の財政すら破綻して大きな
悲劇となったのである。だから応神天皇陵の建設は全く無駄
なことであり、仁徳天皇の大きな罪であり誤りであったので
ある。しかし菟道稚郎子皇子にとってはその様なことを仁徳
天皇に言える立場ではなかったのである。
>p387
応神天皇陵の建設で多くの国民を苦しめたことを自分の罪
の様に思って心を痛め、更にまた何の怨みもない大山守命を
殺さねばならなかったことで悩み苦しんだ菟道稚郎子皇子は
遂に死を以って仁徳天皇に抗議をしたのだと思うのである。
菟道稚郎子皇子が自殺する前に「自分が死んだ後は陵墓を造
らずに骨を山野に蒔き散らして欲しい」と言う意味の遺言を
したと伝えられていることは、応神天皇陵建設で苦しんだ多
くの人々に対す罪の償いと言う意味と、抗議を許さない権力
者に対する死の抗議と言う二つの面を持っていると思うので
あり、それはまた力は弱くても善良な皇子の良心の叫びであ
ったと思うのである。そしてそれはまた仁徳天皇に対する痛
烈な批判でもあったのである。
仁徳天皇は世間(せけん)ていを気にし、善人をよそほって生きよう
とする偽善者の如き人であり、悪いことやきたないことや嫌
なことは全部他人にさせて、自分の手をよごすまいとする様
>p388
な性格の人であり、実力はあるけれども煮ても焼いても喰え
ないと言う様なタイプの人だったのである。だから後世の天
皇達は仁徳天皇をひどく嫌ったのである。そして自分達は仁徳天皇の子孫でありながら仁徳天皇を恥と思い、仁徳天皇の
血統は武烈天皇の代を以って絶えたと言う様な大嘘の歴史や
系図をでっちあげたのである。
それで日本書紀を書く時には応神天皇陵のことを全く書か
ず、仁徳天皇が応神天皇陵建設を強行して多くの国民の生活
を破綻(はたん)させ、朝廷の財政をも破綻させ、大山守命を殺し、菟
道稚郎子皇子を自殺に追いやったりした事実を消し、更に三
年づつ二回に亘って税や労役を免除しなければならなかった
理由をも消し、仁徳天皇と菟道稚郎子皇子とが位を譲り合っ
たと言う儒教道徳的な美談をでっちあげてごまかし、仁徳天
皇は三年づつ二回も税や労役を免除した情け深い天皇として
大嘘の歴史をでっちあげてごまかしたのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-5 第二十章 仁徳天皇 一の五、応神天皇陵建設の悲劇 p��386-5行〜p��388-15行》
✡ 論文執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��386／p��373〜p��459)
一の五、応神天皇陵建設の悲劇
(p��386／p��373〜p��390)
>p386-5行~
だから菟道稚郎子皇子はその様な矛盾について悩み、思い
詰めていたのだと思うのである。応神天皇陵建設についても、
巨大な陵墓を建設すると言うことは子として親に対す孝養で
あると言う考え方も社会の一部にあることは事実である。し
かし仁徳天皇の場合は自分の権力の大きさを全国に誘示しよ
うと言う気持ちが濃厚であったと思うのである。しかしその
結果は多くの国民が苦しみ、朝廷の財政すら破綻して大きな
悲劇となったのである。だから応神天皇陵の建設は全く無駄
なことであり、仁徳天皇の大きな罪であり誤りであったので
ある。しかし菟道稚郎子皇子にとってはその様なことを仁徳
天皇に言える立場ではなかったのである。
>p387
応神天皇陵の建設で多くの国民を苦しめたことを自分の罪
の様に思って心を痛め、更にまた何の怨みもない大山守命を
殺さねばならなかったことで悩み苦しんだ菟道稚郎子皇子は
遂に死を以って仁徳天皇に抗議をしたのだと思うのである。
菟道稚郎子皇子が自殺する前に「自分が死んだ後は陵墓を造
らずに骨を山野に蒔き散らして欲しい」と言う意味の遺言を
したと伝えられていることは、応神天皇陵建設で苦しんだ多
くの人々に対す罪の償いと言う意味と、抗議を許さない権力
者に対する死の抗議と言う二つの面を持っていると思うので
あり、それはまた力は弱くても善良な皇子の良心の叫びであ
ったと思うのである。そしてそれはまた仁徳天皇に対する痛
烈な批判でもあったのである。
仁徳天皇は世間(せけん)ていを気にし、善人をよそほって生きよう
とする偽善者の如き人であり、悪いことやきたないことや嫌
なことは全部他人にさせて、自分の手をよごすまいとする様
>p388
な性格の人であり、実力はあるけれども煮ても焼いても喰え
ないと言う様なタイプの人だったのである。だから後世の天
皇達は仁徳天皇をひどく嫌ったのである。そして自分達は仁徳天皇の子孫でありながら仁徳天皇を恥と思い、仁徳天皇の
血統は武烈天皇の代を以って絶えたと言う様な大嘘の歴史や
系図をでっちあげたのである。
それで日本書紀を書く時には応神天皇陵のことを全く書か
ず、仁徳天皇が応神天皇陵建設を強行して多くの国民の生活
を破綻(はたん)させ、朝廷の財政をも破綻させ、大山守命を殺し、菟
道稚郎子皇子を自殺に追いやったりした事実を消し、更に三
年づつ二回に亘って税や労役を免除しなければならなかった
理由をも消し、仁徳天皇と菟道稚郎子皇子とが位を譲り合っ
たと言う儒教道徳的な美談をでっちあげてごまかし、仁徳天
皇は三年づつ二回も税や労役を免除した情け深い天皇として
大嘘の歴史をでっちあげてごまかしたのである。
《日本の歴史と最後の審判��-１-5 第二十章 仁徳天皇 一の五、応神天皇陵建設の悲劇 p��386-5行〜p��388-15行》
✡ 論文執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-１-6(終)
✡ 論文執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��389／p��373〜p��459)
一の六、応神天皇陵建設の悲劇
(p��389／p��373〜p��390)
>p389-1行~
仁徳天皇は決して情け深い立派な天皇ではなかったのであ
る。自分の権力を誘示するために応神天皇陵と言う途方もな
い巨大な陵墓の建設を強行して国民の生活と国家財政の両方
を破綻させて朝廷の有力者からも批判され、国家からも怨ま
れ、国民から税を取り立てようにも取り立てることが出来ず、
労役に狩り出そうにも狩り出せない程悲惨な狀態を招いたの
である。それで三年間づつ二回に亘って税や労役を免除しな
ければどうにもならなくなったのである。
古事記では仁徳天皇が高い山に登って四方の国を見て国中
に烟(けむり)が立たないのを見て国民が貧しいことを知り、三年間税
や労役を免じたことになって居り、日本書紀では高殿に登っ
て四方を眺めた所国内に烟(けむり)が立たないのを見て国民が貧しい
ことを知り三年間税や労役を免じたことになっている。しか
しこの様な話は所詮でっちあげであり、実狀はそんなのんび
りしたものではなかったのである。国中からごうごうたる非
>p390
難や不平不満がわき起こってどうにも手がつけられなくなっ
たから世間に圧倒せられて仕方なく三年間税や労役を免除す
る他なくなったのである。
仁徳紀によれば元年に天皇は難波の高津宮を建てたと言う。
そして四年には宮垣がくずれ屋根がこわれ、雨風が入り、星
の光が屋根のやぶれた穴から見える程になったと言う。しか
し元年に建てた新しい宮殿の垣や屋根などが僅かに三年でそ
れ程老朽化すると考えられるであろうか。いかに掘立柱の質
素な家でも僅か三年で雨が漏り風が吹き込み、部屋の中から
星空が見える程荒れるとはあまりにもひどすぎるのではなか
ろうか。だからこの話も単なる創作であるに過ぎないと思う
のである。案外に仁徳天皇は皇太子時代から高津宮に住んでい
たのではなかろうか。それで老朽化しても修理も増改築も出
来なくなったのではなかろうか。そして十年にやっと本格的
な宮殿を建てたのではなかろうか。
《日本の歴史と最後の審判��-１-6(終) 第二十章 仁徳天皇 一の六、応神天皇陵建設の悲劇 p��389-1行〜p��390-15行》
✡ 論文執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��389／p��373〜p��459)
一の六、応神天皇陵建設の悲劇
(p��389／p��373〜p��390)
>p389-1行~
仁徳天皇は決して情け深い立派な天皇ではなかったのであ
る。自分の権力を誘示するために応神天皇陵と言う途方もな
い巨大な陵墓の建設を強行して国民の生活と国家財政の両方
を破綻させて朝廷の有力者からも批判され、国家からも怨ま
れ、国民から税を取り立てようにも取り立てることが出来ず、
労役に狩り出そうにも狩り出せない程悲惨な狀態を招いたの
である。それで三年間づつ二回に亘って税や労役を免除しな
ければどうにもならなくなったのである。
古事記では仁徳天皇が高い山に登って四方の国を見て国中
に烟(けむり)が立たないのを見て国民が貧しいことを知り、三年間税
や労役を免じたことになって居り、日本書紀では高殿に登っ
て四方を眺めた所国内に烟(けむり)が立たないのを見て国民が貧しい
ことを知り三年間税や労役を免じたことになっている。しか
しこの様な話は所詮でっちあげであり、実狀はそんなのんび
りしたものではなかったのである。国中からごうごうたる非
>p390
難や不平不満がわき起こってどうにも手がつけられなくなっ
たから世間に圧倒せられて仕方なく三年間税や労役を免除す
る他なくなったのである。
仁徳紀によれば元年に天皇は難波の高津宮を建てたと言う。
そして四年には宮垣がくずれ屋根がこわれ、雨風が入り、星
の光が屋根のやぶれた穴から見える程になったと言う。しか
し元年に建てた新しい宮殿の垣や屋根などが僅かに三年でそ
れ程老朽化すると考えられるであろうか。いかに掘立柱の質
素な家でも僅か三年で雨が漏り風が吹き込み、部屋の中から
星空が見える程荒れるとはあまりにもひどすぎるのではなか
ろうか。だからこの話も単なる創作であるに過ぎないと思う
のである。案外に仁徳天皇は皇太子時代から高津宮に住んでい
たのではなかろうか。それで老朽化しても修理も増改築も出
来なくなったのではなかろうか。そして十年にやっと本格的
な宮殿を建てたのではなかろうか。
《日本の歴史と最後の審判��-１-6(終) 第二十章 仁徳天皇 一の六、応神天皇陵建設の悲劇 p��389-1行〜p��390-15行》
✡ 論文執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-２-1
✡ 論文執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��391／p��373〜p��459)
二の一、武内宿祢と子孫
(p��391／p��391〜p��407)
>p391-1行~
二、武内宿祢と子孫
仁徳紀では天皇が生まれる日に木菟(つく)即ちみみづくが産殿(うぶどの)に
飛び込んだと言う。それで応神天皇は翌日大臣(おほおみ)の武内宿祢を
呼んでその話をし、これは何かよいしるしだろうかと尋ねた
と言う。すると武内宿祢は「それはよいしるしです。私の家
でも昨日妻が子を生む時に鷦鷯(さざき)が産屋(うぶや)に飛び込みました。不
思議なことです」と言う様な返事をしたことになっているの
である。そこで応神天皇は自分の皇子と武内宿祢の子とが同
じ日に生まれ、しかも同じ様に産室に鳥が飛び込んだことは
目出度いしるしであると思って、武内宿祢の妻の産屋に飛び
込んだ鷦鷯(さざき)の名を取って皇子の名とし、皇后の産殿に飛び込
んだ木菟(つく)の名を取って武内宿祢の子の名としたので、皇子の
名を大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)と言い、武内宿祢の子を平群木菟宿祢(へぐりのつくのすくね)と呼ぶ
ことになったと言うものである。
この話自体は日本書紀を書く時に創作した大嘘であるけれ
>p392
ども、応神天皇の皇子を何故 大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)と呼ぶのかと言うこ
とは大きな謎である。そしてそれが武内宿祢の一族とかゝわ
りを持っていることも事実である。だからこの謎が解ければ
日本歴史上の或る重要な謎が解けるのである。武内宿祢は有
名な人物であるけれども、仮空の人物であると主張している
人々もある。それは武内宿祢には疑わしいことが色々とある
からである。その中でも特に武内宿祢は三百才位の高令迄生
きていたと言う話が伝わっているのである。人間がそんなに
長生きが出来るはずはないからその話は嘘に決まっているけ
れども、その様な話が伝わったことには理由がある。故に武
内宿祢が三百才位の高令であったと言う話のからくりについ
て説明しよう。
武内宿祢は景行の皇子成務と同年の生まれであると言うこ
とは事実と考えてよいのである。成務は景行の七年、２９５
年に生まれたのである。故に武内宿祢も２９５年の生まれで
>p393
ある。そして景行が死んだ３１８年に成務と武内宿祢は共に
二十四才だったのである。成務は３１９年に即位してその年
に死に、仲哀は３２０年に即位して３２２年に死に、神功天
皇が３２３年に即位したのであり、仁徳天皇が生まれたのは
神功天皇の十四年、３３６年だったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-1 第二十章 仁徳天皇 二の一、武内宿祢と子孫 p��391-1行〜p��393-5行》
✡ 論文執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��391／p��373〜p��459)
二の一、武内宿祢と子孫
(p��391／p��391〜p��407)
>p391-1行~
二、武内宿祢と子孫
仁徳紀では天皇が生まれる日に木菟(つく)即ちみみづくが産殿(うぶどの)に
飛び込んだと言う。それで応神天皇は翌日大臣(おほおみ)の武内宿祢を
呼んでその話をし、これは何かよいしるしだろうかと尋ねた
と言う。すると武内宿祢は「それはよいしるしです。私の家
でも昨日妻が子を生む時に鷦鷯(さざき)が産屋(うぶや)に飛び込みました。不
思議なことです」と言う様な返事をしたことになっているの
である。そこで応神天皇は自分の皇子と武内宿祢の子とが同
じ日に生まれ、しかも同じ様に産室に鳥が飛び込んだことは
目出度いしるしであると思って、武内宿祢の妻の産屋に飛び
込んだ鷦鷯(さざき)の名を取って皇子の名とし、皇后の産殿に飛び込
んだ木菟(つく)の名を取って武内宿祢の子の名としたので、皇子の
名を大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)と言い、武内宿祢の子を平群木菟宿祢(へぐりのつくのすくね)と呼ぶ
ことになったと言うものである。
この話自体は日本書紀を書く時に創作した大嘘であるけれ
>p392
ども、応神天皇の皇子を何故 大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)と呼ぶのかと言うこ
とは大きな謎である。そしてそれが武内宿祢の一族とかゝわ
りを持っていることも事実である。だからこの謎が解ければ
日本歴史上の或る重要な謎が解けるのである。武内宿祢は有
名な人物であるけれども、仮空の人物であると主張している
人々もある。それは武内宿祢には疑わしいことが色々とある
からである。その中でも特に武内宿祢は三百才位の高令迄生
きていたと言う話が伝わっているのである。人間がそんなに
長生きが出来るはずはないからその話は嘘に決まっているけ
れども、その様な話が伝わったことには理由がある。故に武
内宿祢が三百才位の高令であったと言う話のからくりについ
て説明しよう。
武内宿祢は景行の皇子成務と同年の生まれであると言うこ
とは事実と考えてよいのである。成務は景行の七年、２９５
年に生まれたのである。故に武内宿祢も２９５年の生まれで
>p393
ある。そして景行が死んだ３１８年に成務と武内宿祢は共に
二十四才だったのである。成務は３１９年に即位してその年
に死に、仲哀は３２０年に即位して３２２年に死に、神功天
皇が３２３年に即位したのであり、仁徳天皇が生まれたのは
神功天皇の十四年、３３６年だったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-1 第二十章 仁徳天皇 二の一、武内宿祢と子孫 p��391-1行〜p��393-5行》
✡ 論文執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-２-2
✡ 論文執筆：平成七年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��393／p��373〜p��459)
二の二、武内宿祢と子孫
(p��393／p��391〜p��407)
>p393-6行〜
応神天皇は３１２年の生まれであるから仁徳天皇が生まれ
た３３６年には二十五才だったのである。武内宿祢は２９５
年の生まれであるから３３６年には四十二才だったのである。
そして武内宿祢のことが書かれている最後は仁徳紀の五十年
である。しかし仁徳天皇の本当の治世年数は二十七年だった
のであり、３７２年に即位して３９８年に六十三才で死去し
たのである。故に仁徳天皇の五十年と言うのは存在しないの
であり、大嘘である。
仁徳紀の五十三年には新羅が朝貢しなかったので上毛野君(かみつけぬのきみ)
竹葉瀬(たけはせ)を遣わして新羅を伐ったと書いてある。この五十三年
>p394
が仁徳天皇の本当の治世二十年、３９１年であり、新羅のみ
でなく百済をも伐ったのである。高句麗の広間土王の碑に倭
の軍が百済を破ったと刻まれているのがこの年である。そし
て仁徳紀五十年に茨田堤(まむたしものつつみ)に雁(かり)が卵を生んだと言うので仁徳天
皇が武内宿祢を召して過去にそんな例があったことがあるの
かと尋ねたと言うのが３９１年の前年、３９０年、仁徳天皇
の本当の治世十九年であると私は断定するのである。故にそ
の年の武内宿祢の本当の年令は九十六才だったのであり、長
寿ではあるが、あり得ない年令ではないのである。武内宿祢
がその後いつ頃迄生きていたかと言うことは記録にないから
享年、歿年は不明である。
しかし日本書紀では景行の時代から仁徳天皇迄の治世年数
が実際よりも大巾に水増しされて引き伸(の)ばされているのであ
る。即ち景行の本当の治世年数は三十年であり、景行が死ん
だ年に成務と武内宿祢は二十四才であったにもかゝわらず、
>p395
景行の治世を六十年にしてごまかし、成務の治世は僅か一年
しかなかったものを六十年にしてごまかしたのである。それ
で成務は二十五才で死んだにもかゝわらず日本書紀は百七才
で死んだことにしているのである。故に武内宿祢の年令も成
務が死んだ年に百七才だったことにして計算して見よう。成
務の次に仲哀の治世が九年、神功天皇の治世が六十九年、応
神天皇の治世が四十一年、空位期間が二年、それに仁徳天皇
の五十年を加えると武内宿祢は仁徳紀の五十年に二百七十八
才だったことになるのである。これは景行の治世から仁徳五
十年迄の年数を実際よりも百八十九年も水増しして引き伸ば
したから本当は九十六才だった時の武内宿祢の年令が二百七
十才以上の高令と言うことになるのであり、吉備津神社の社
伝の大吉備津日子命が二百八十一才で死去したと言うのと同
じからくりなのである。
さて仁徳天皇が生まれた３３６年に武内宿祢は四十二才だ
>p396
ったのであるから子が生まれても不思議ではない年令だった
ことは確かである。それで先ず武内宿祢の系図に書かれてい
る子孫について説明したいと思うのである。武内宿祢の子は
波多八代宿祢(はたやしろのすくね)、許勢小柄宿祢(こせをがらのすくね)、蘇我石川宿祢(そがいしかはのすくね)、平群都久宿祢(へぐりつくのすくね)、
紀角宿祢(きのつぬのすくね)、久米能摩伊刀比売(くめのまいとひめ)、怒能伊呂比売(ぬのいろひめ)、葛城長江襲津(かづらきながえそつ)
彦(ひこ)、若子宿祢(わくごのすくね)の九人となっているのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-2 第二十章 仁徳天皇 二の二、武内宿祢と子孫 p��393-6行〜p��396-6行》
✡ 論文執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）證 明(しょう めい)
✡ 論文執筆：平成七年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��393／p��373〜p��459)
二の二、武内宿祢と子孫
(p��393／p��391〜p��407)
>p393-6行〜
応神天皇は３１２年の生まれであるから仁徳天皇が生まれ
た３３６年には二十五才だったのである。武内宿祢は２９５
年の生まれであるから３３６年には四十二才だったのである。
そして武内宿祢のことが書かれている最後は仁徳紀の五十年
である。しかし仁徳天皇の本当の治世年数は二十七年だった
のであり、３７２年に即位して３９８年に六十三才で死去し
たのである。故に仁徳天皇の五十年と言うのは存在しないの
であり、大嘘である。
仁徳紀の五十三年には新羅が朝貢しなかったので上毛野君(かみつけぬのきみ)
竹葉瀬(たけはせ)を遣わして新羅を伐ったと書いてある。この五十三年
>p394
が仁徳天皇の本当の治世二十年、３９１年であり、新羅のみ
でなく百済をも伐ったのである。高句麗の広間土王の碑に倭
の軍が百済を破ったと刻まれているのがこの年である。そし
て仁徳紀五十年に茨田堤(まむたしものつつみ)に雁(かり)が卵を生んだと言うので仁徳天
皇が武内宿祢を召して過去にそんな例があったことがあるの
かと尋ねたと言うのが３９１年の前年、３９０年、仁徳天皇
の本当の治世十九年であると私は断定するのである。故にそ
の年の武内宿祢の本当の年令は九十六才だったのであり、長
寿ではあるが、あり得ない年令ではないのである。武内宿祢
がその後いつ頃迄生きていたかと言うことは記録にないから
享年、歿年は不明である。
しかし日本書紀では景行の時代から仁徳天皇迄の治世年数
が実際よりも大巾に水増しされて引き伸(の)ばされているのであ
る。即ち景行の本当の治世年数は三十年であり、景行が死ん
だ年に成務と武内宿祢は二十四才であったにもかゝわらず、
>p395
景行の治世を六十年にしてごまかし、成務の治世は僅か一年
しかなかったものを六十年にしてごまかしたのである。それ
で成務は二十五才で死んだにもかゝわらず日本書紀は百七才
で死んだことにしているのである。故に武内宿祢の年令も成
務が死んだ年に百七才だったことにして計算して見よう。成
務の次に仲哀の治世が九年、神功天皇の治世が六十九年、応
神天皇の治世が四十一年、空位期間が二年、それに仁徳天皇
の五十年を加えると武内宿祢は仁徳紀の五十年に二百七十八
才だったことになるのである。これは景行の治世から仁徳五
十年迄の年数を実際よりも百八十九年も水増しして引き伸ば
したから本当は九十六才だった時の武内宿祢の年令が二百七
十才以上の高令と言うことになるのであり、吉備津神社の社
伝の大吉備津日子命が二百八十一才で死去したと言うのと同
じからくりなのである。
さて仁徳天皇が生まれた３３６年に武内宿祢は四十二才だ
>p396
ったのであるから子が生まれても不思議ではない年令だった
ことは確かである。それで先ず武内宿祢の系図に書かれてい
る子孫について説明したいと思うのである。武内宿祢の子は
波多八代宿祢(はたやしろのすくね)、許勢小柄宿祢(こせをがらのすくね)、蘇我石川宿祢(そがいしかはのすくね)、平群都久宿祢(へぐりつくのすくね)、
紀角宿祢(きのつぬのすくね)、久米能摩伊刀比売(くめのまいとひめ)、怒能伊呂比売(ぬのいろひめ)、葛城長江襲津(かづらきながえそつ)
彦(ひこ)、若子宿祢(わくごのすくね)の九人となっているのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-2 第二十章 仁徳天皇 二の二、武内宿祢と子孫 p��393-6行〜p��396-6行》
✡ 論文執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）證 明(しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-２-3
✡ 執筆：平成七年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��396／p��373〜p��459)
二の三、武内宿祢と子孫
(p��396／p��391〜p��407)
>p396-7行〜
この中で波多八代宿祢(はたやしろのすくね)は波多武日子命(はたたけひこのみこと)の孫である斯摩宿祢(しまのすくね)
の子であって武内宿祢の子ではないことはすでに述べた通り
である。また葛城長江襲津彦はまたの名を日向襲津彦王(ひむかそつひこのみこ)と言
い、神功天皇の弟息長日子王の長男であって武内宿祢の子で
はないのである。更に若子宿祢(わくごのすくね)は彦狭島命の孫である鹿我別(かがわけ)
命(のみこと)の子であって武内宿祢の子ではないのである。更に久米能
摩伊刀比売は大吉備津日子命の四男武国凝別命の子である紐(ひも)
結命(ゆいのみこと)の妃であり吉備の国の生まれの女性であって武内宿祢の
子ではないのである。もう一人怒能伊呂比売(ぬのいろひめ)は彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の
>p397
子で葛城(かづらき)の忍海部(おしぬみべ)の祖となった片岡建命(かたおかたけるのみこと)の子孫であると考え
られるのであり、功狭別命(いざさわけのみこと)の長男で角鹿国造祖(つぬがのくにのみやつこそ)となった伊伊奢(いざ)
之眞若命(のまわかのみこと)の妃であり武内宿祢の子ではないのである。
従って武内宿祢の子となっている九人の中の五人迄が吉備
氏の子孫の人々であって武内宿祢の子ではないのである。で
は残りの四人は確実に武内宿祢の子かどうかと言うことにな
る訳である。武内宿祢の長男は一体誰であろうか。武内宿祢
の子孫で一番勢力が強かったのは蘇我(そが)氏である。その点から
考えて蘇我氏が武内宿祢の子孫の宗家であり、蘇我石川宿祢(そがいしかわはのすくね)
が武内宿祢の長男であったと断定してよいであろう。次に紀(きの)
角宿祢(つぬのすくね)が二男であり、許勢小柄宿祢(こせをがらのすくね)が三男であると思うので
ある。そして紀角宿祢(きのつぬのすくね)の本拠は奈良県の平群(へぐり)地方だったので
ある。それで地名を取って平群角宿祢(へぐりのつぬのすくね)と呼ばれていたものと
思うのである。それを後世に紀角宿祢の名を少し変えて平群(へぐり)
木菟宿祢(つくのすくね)と言う仮空の人物をでっちあげたのである。だから
>p398
平群木菟宿祢の子孫となっている人々はすべて紀角宿祢(きのつぬのすくね)の子
孫なのであり、武内宿祢の子は蘇我石河宿祢(そがいしかはのすくね)と紀角宿祢(きのつぬのすくね)と許(こ)
勢小柄宿祢(せをがらのすくね)の三人丈であると断定出来るのである。
さて仁徳天皇の名である大鷦鷯(おほさざき)は仁徳天皇が巨大な陵墓即
ち大陵(おほさざき)を造ったからつけられた名であると考えている人々も
ある。仁徳天皇が日本の歴史上空前の大陵墓を建設したこと
は事実である。しかし大陵(おほさざき)を造ったから大陵命(おほさざきのみこと)と言うのであ
ればそれは死後に贈られた諡(おくりな)であって生前の本名ではないと
考えねばつじつまが合わなくなるのである。それでは仁徳天
皇の生前の本名或は幼名は何と言ったのだろうかと言う疑問
が生じて来るはずである。仁徳天皇の本名或は幼名は消され
てしまったとも考えられないこともないであろう。しかし私
は仁徳天皇の本名はやはり鷦鷯皇子(さざきのみこ)だったのだと思うので
ある。それは応神天皇がつけた名であると思うのである。で
は何故応神天皇は自分の皇子に鷦鷯(さざき)と言う名をつけたので
>p399
あろうか。
応神天皇が十一才の年に武内宿祢は仲哀に従って九州へ遠
征し、神功天皇らと戦って敗れ、仲哀が戦死した後武内宿祢
は神功天皇に降伏して臣下となった訳である。それ以来武内
宿祢は神功天皇に対して忠誠を尽くし、神功天皇の死後は
応神天皇に忠誠を尽くしたものと思う。応神天皇は少年の頃
から武内宿祢とはうまが合うと言う様なところがあったから
親しみを持ち、重く用いていたのである。恐らく神功天皇も
武内宿祢を大臣(おほおみ)として取り立てて用いていたものであろう。
《日本の歴史と最後の審判��-２-3 第二十章 仁徳天皇 二の三、武内宿祢と子孫 p��396-7行〜p��399-9行》
✡ 執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）March,福田 渕玄(✡ふくだ えんげん)
✡ 執筆：平成七年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��396／p��373〜p��459)
二の三、武内宿祢と子孫
(p��396／p��391〜p��407)
>p396-7行〜
この中で波多八代宿祢(はたやしろのすくね)は波多武日子命(はたたけひこのみこと)の孫である斯摩宿祢(しまのすくね)
の子であって武内宿祢の子ではないことはすでに述べた通り
である。また葛城長江襲津彦はまたの名を日向襲津彦王(ひむかそつひこのみこ)と言
い、神功天皇の弟息長日子王の長男であって武内宿祢の子で
はないのである。更に若子宿祢(わくごのすくね)は彦狭島命の孫である鹿我別(かがわけ)
命(のみこと)の子であって武内宿祢の子ではないのである。更に久米能
摩伊刀比売は大吉備津日子命の四男武国凝別命の子である紐(ひも)
結命(ゆいのみこと)の妃であり吉備の国の生まれの女性であって武内宿祢の
子ではないのである。もう一人怒能伊呂比売(ぬのいろひめ)は彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の
>p397
子で葛城(かづらき)の忍海部(おしぬみべ)の祖となった片岡建命(かたおかたけるのみこと)の子孫であると考え
られるのであり、功狭別命(いざさわけのみこと)の長男で角鹿国造祖(つぬがのくにのみやつこそ)となった伊伊奢(いざ)
之眞若命(のまわかのみこと)の妃であり武内宿祢の子ではないのである。
従って武内宿祢の子となっている九人の中の五人迄が吉備
氏の子孫の人々であって武内宿祢の子ではないのである。で
は残りの四人は確実に武内宿祢の子かどうかと言うことにな
る訳である。武内宿祢の長男は一体誰であろうか。武内宿祢
の子孫で一番勢力が強かったのは蘇我(そが)氏である。その点から
考えて蘇我氏が武内宿祢の子孫の宗家であり、蘇我石川宿祢(そがいしかわはのすくね)
が武内宿祢の長男であったと断定してよいであろう。次に紀(きの)
角宿祢(つぬのすくね)が二男であり、許勢小柄宿祢(こせをがらのすくね)が三男であると思うので
ある。そして紀角宿祢(きのつぬのすくね)の本拠は奈良県の平群(へぐり)地方だったので
ある。それで地名を取って平群角宿祢(へぐりのつぬのすくね)と呼ばれていたものと
思うのである。それを後世に紀角宿祢の名を少し変えて平群(へぐり)
木菟宿祢(つくのすくね)と言う仮空の人物をでっちあげたのである。だから
>p398
平群木菟宿祢の子孫となっている人々はすべて紀角宿祢(きのつぬのすくね)の子
孫なのであり、武内宿祢の子は蘇我石河宿祢(そがいしかはのすくね)と紀角宿祢(きのつぬのすくね)と許(こ)
勢小柄宿祢(せをがらのすくね)の三人丈であると断定出来るのである。
さて仁徳天皇の名である大鷦鷯(おほさざき)は仁徳天皇が巨大な陵墓即
ち大陵(おほさざき)を造ったからつけられた名であると考えている人々も
ある。仁徳天皇が日本の歴史上空前の大陵墓を建設したこと
は事実である。しかし大陵(おほさざき)を造ったから大陵命(おほさざきのみこと)と言うのであ
ればそれは死後に贈られた諡(おくりな)であって生前の本名ではないと
考えねばつじつまが合わなくなるのである。それでは仁徳天
皇の生前の本名或は幼名は何と言ったのだろうかと言う疑問
が生じて来るはずである。仁徳天皇の本名或は幼名は消され
てしまったとも考えられないこともないであろう。しかし私
は仁徳天皇の本名はやはり鷦鷯皇子(さざきのみこ)だったのだと思うので
ある。それは応神天皇がつけた名であると思うのである。で
は何故応神天皇は自分の皇子に鷦鷯(さざき)と言う名をつけたので
>p399
あろうか。
応神天皇が十一才の年に武内宿祢は仲哀に従って九州へ遠
征し、神功天皇らと戦って敗れ、仲哀が戦死した後武内宿祢
は神功天皇に降伏して臣下となった訳である。それ以来武内
宿祢は神功天皇に対して忠誠を尽くし、神功天皇の死後は
応神天皇に忠誠を尽くしたものと思う。応神天皇は少年の頃
から武内宿祢とはうまが合うと言う様なところがあったから
親しみを持ち、重く用いていたのである。恐らく神功天皇も
武内宿祢を大臣(おほおみ)として取り立てて用いていたものであろう。
《日本の歴史と最後の審判��-２-3 第二十章 仁徳天皇 二の三、武内宿祢と子孫 p��396-7行〜p��399-9行》
✡ 執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）March,福田 渕玄(✡ふくだ えんげん)
『日本の歴史と最後の審判』��-２-4
✡ 執筆：平成七年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��399／p��373〜p��459)
二の四、武内宿祢と子孫
(p��399／p��391〜p��407)
>p399-10行〜
応神天皇は北九州八幡国を建てた初代国王稻飯命の生まれ
変わりでもあり、八幡国の品陀眞若王の子として生まれたの
である。そして八幡国王家は須佐之男命の娘である海の三女
神の系統の人々とも密接な関係を持っていたのである。また
武内宿祢の祖先は大倭根子日子(おほやまとねこひこ)国玖琉命(くにくるのみこと)であり、国玖琉命(くにくるのみこと)の
祖先は紀伊国の伊太祈曽神社(いだぎそじんじゃ)の祭神五十猛命であり、五十猛
>p400
命が神武東征の時に神武天皇らに手ひどい反抗をしたために
子孫の人々は陵墓造りを業とする陵部(さざきべ)の身分に堕とされたの
である。五十猛命は出雲の八束水臣津野命(やつかみずおみづぬのみこと)の子であり、八束
水臣津野命の子孫の人々は出雲や北九州をも支配していたも
のと思われるのであり、その関係で八幡国王家と須佐之男命
の子孫の人々とは親密な関係を維持していたものと思うので
ある。
八束水臣津野命は出雲神話では国引きをした神として有名
なのである。そして須佐之男命が大和の国へ生まれ変わって大
倭根子日子国玖琉命となり、五十猛命が神武天皇に反抗した
ために子孫が陵部に堕とされて苦しんでいたのを救い、陵部
から解放せられて大和朝廷の要職に就くことの出来る道を開
いたのである。その様ないきさつがあったから武内宿祢らの
祖先は出雲や北九州とつながりがあった訳である。
更に応神天皇は神武天皇の兄稻飯命の生まれ変わりであり、
>p401
稻飯命は悪霊の世界を支配し悪の倫理道徳を説かれる日本神
道の神皇産霊神(かみむすびのかみ)、またの御名はユダヤ教のヤーベの神の霊統
の方であり、須佐之男命もまた悪の徳を持つ神でありユダヤ
教のヤーベの神の霊統の方なのである。それで応神天皇と武
内宿祢とは非常に相性がよかったのである。
武内宿祢は神功天皇に重く用いられて大臣となって活躍し
ていたのであるが、彼には大きな悩みがあったのである。そ
れは彼らの祖先がかつては陵墓造りを職業とする陵部(さざきべ)であっ
たことである。大倭根子日子 国玖琉命の時 以来 須佐之男命の
子孫 陵部の人々は陵部から解放せられて大和朝廷の要職に就
くことが出来る様になったのであり、陵部の子孫である武内
宿祢もまた大和朝廷の大臣として活躍していたのである。し
かし武内宿祢がいくら朝廷の重臣に出世しても世間の口さが
ない輩は「武内宿祢の祖先は陵部(さざきべ)だったのだ」と言ってけい
べつしていたのである。武内宿祢の前では大臣として頭を下
>p402
げても蔭では「あいつは陵部の子孫ではないか」と悪口を言
うものが多かったのである。それが武内宿祢の一番大きな悩
みであり弱みであったのである。
応神天皇は武内宿祢のそう言う悩みを知っていたから同情
もしあわれに思っていたのである。「さざき」と言う言葉は
もともと墓(はか)と言う意味であるけれども、小鳥にも鷦鷯(さざき)と言う
雀(すずめ)位の大きさの鳥がいるのである。それで世間の人々が陵部
の人々の悪口を言う時には小鳥の鷦鷯(さざき)にひっかけて「鷦鷯(さざき)、
鷦鷯」と言ってあてつけていたのである。だから陵部の人々
や陵部の子孫の人々にとっては世間の人々が小鳥の鷦鷯(さざき)の名
を口にすることは、自分達に対する当てつけであり悪口であ
ると感じられて嫌な悲しい思いをしていたのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-4 第二十章 仁徳天皇 二の四、武内宿祢と子孫 p��399-10行〜p��402-12行》
✡ 執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和五年（2023）March,苅場 扶士男(
かりば ふじお)
✡ 執筆：平成七年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��399／p��373〜p��459)
二の四、武内宿祢と子孫
(p��399／p��391〜p��407)
>p399-10行〜
応神天皇は北九州八幡国を建てた初代国王稻飯命の生まれ
変わりでもあり、八幡国の品陀眞若王の子として生まれたの
である。そして八幡国王家は須佐之男命の娘である海の三女
神の系統の人々とも密接な関係を持っていたのである。また
武内宿祢の祖先は大倭根子日子(おほやまとねこひこ)国玖琉命(くにくるのみこと)であり、国玖琉命(くにくるのみこと)の
祖先は紀伊国の伊太祈曽神社(いだぎそじんじゃ)の祭神五十猛命であり、五十猛
>p400
命が神武東征の時に神武天皇らに手ひどい反抗をしたために
子孫の人々は陵墓造りを業とする陵部(さざきべ)の身分に堕とされたの
である。五十猛命は出雲の八束水臣津野命(やつかみずおみづぬのみこと)の子であり、八束
水臣津野命の子孫の人々は出雲や北九州をも支配していたも
のと思われるのであり、その関係で八幡国王家と須佐之男命
の子孫の人々とは親密な関係を維持していたものと思うので
ある。
八束水臣津野命は出雲神話では国引きをした神として有名
なのである。そして須佐之男命が大和の国へ生まれ変わって大
倭根子日子国玖琉命となり、五十猛命が神武天皇に反抗した
ために子孫が陵部に堕とされて苦しんでいたのを救い、陵部
から解放せられて大和朝廷の要職に就くことの出来る道を開
いたのである。その様ないきさつがあったから武内宿祢らの
祖先は出雲や北九州とつながりがあった訳である。
更に応神天皇は神武天皇の兄稻飯命の生まれ変わりであり、
>p401
稻飯命は悪霊の世界を支配し悪の倫理道徳を説かれる日本神
道の神皇産霊神(かみむすびのかみ)、またの御名はユダヤ教のヤーベの神の霊統
の方であり、須佐之男命もまた悪の徳を持つ神でありユダヤ
教のヤーベの神の霊統の方なのである。それで応神天皇と武
内宿祢とは非常に相性がよかったのである。
武内宿祢は神功天皇に重く用いられて大臣となって活躍し
ていたのであるが、彼には大きな悩みがあったのである。そ
れは彼らの祖先がかつては陵墓造りを職業とする陵部(さざきべ)であっ
たことである。大倭根子日子 国玖琉命の時 以来 須佐之男命の
子孫 陵部の人々は陵部から解放せられて大和朝廷の要職に就
くことが出来る様になったのであり、陵部の子孫である武内
宿祢もまた大和朝廷の大臣として活躍していたのである。し
かし武内宿祢がいくら朝廷の重臣に出世しても世間の口さが
ない輩は「武内宿祢の祖先は陵部(さざきべ)だったのだ」と言ってけい
べつしていたのである。武内宿祢の前では大臣として頭を下
>p402
げても蔭では「あいつは陵部の子孫ではないか」と悪口を言
うものが多かったのである。それが武内宿祢の一番大きな悩
みであり弱みであったのである。
応神天皇は武内宿祢のそう言う悩みを知っていたから同情
もしあわれに思っていたのである。「さざき」と言う言葉は
もともと墓(はか)と言う意味であるけれども、小鳥にも鷦鷯(さざき)と言う
雀(すずめ)位の大きさの鳥がいるのである。それで世間の人々が陵部
の人々の悪口を言う時には小鳥の鷦鷯(さざき)にひっかけて「鷦鷯(さざき)、
鷦鷯」と言ってあてつけていたのである。だから陵部の人々
や陵部の子孫の人々にとっては世間の人々が小鳥の鷦鷯(さざき)の名
を口にすることは、自分達に対する当てつけであり悪口であ
ると感じられて嫌な悲しい思いをしていたのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-4 第二十章 仁徳天皇 二の四、武内宿祢と子孫 p��399-10行〜p��402-12行》
✡ 執筆：平成七年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和五年（2023）March,苅場 扶士男(かりば ふじお)
『日本の歴史と最後の審判』��-２-5(終)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��402／p��373〜p��459)
二の五、武内宿祢と子孫
(p��402／p��391〜p��404)
>p402-13行〜
それで応神天皇は自分の皇子にわざと鷦鷯命(さざきのみこと)と言う名をつ
けて武内宿祢らの悩みを少しでも小さくしてやろうと思った
のであり、武内宿祢らを喜ばせ、機嫌を取ってもっと忠勤を
>p403
はげまそうとしたものであろう。だから仁徳天皇の幼名は鷦(さざ)
鷯命(きのみこと)であり、大鷦鷯命(おほさざきのみこと)ではなかったと断言出来るのである。
鷦鷯と言う鳥はもともと雀位の大きさの小鳥であって大鷦鷯
と言える様なものではないのである。それで応神天皇は幼い
仁徳天皇を「さざき」とか「さざきあぎ」と呼んでいたので
ある。しかし天皇が自分の皇子に鷦鷯と言う小鳥に因んだ名
をつけると言うことはあまりにも不自然なのである。
子供が生まれた時に鳥に因んだ名をつける例はよくある。
しかしそれは鶴(つる)とか鷹(たか)とか言う様な大きくて美しい鳥、大き
くて強い鳥の名をつけるのであって雀(すずめ)などの如く小さくてど
こにでも沢山いる様なありふれた小鳥の名をつけることは先
ずないのである。まして鷦鷯と言う鳥は墓(さざき)と発音が同じであ
るからえんぎが悪いと思うはずである。だから応神天皇が皇
子に鷦鷯命(さざきのみこと)と言う名をつけると言った時には周りの人々皆が
強く反対したものと思うのである。それで応神天皇は「皇后
>p404
が皇子を生む時に産殿に鷦鷯(さざき)が飛び込んだのでこれは瑞祥(ずいしょう)だ
から皇子の名を鷦鷯命(さざきのみこと)と名付けたのだ」と言う嘘をつけて無
理矢理に周囲の人々を納得させたのだと思うのである。
しかし応神天皇がいくら皇子の名は小鳥の鷦鷯に因んでつ
けた名だと言いはって見ても、本当は陵墓(さざき)に因んだ名だった
のである。それで名(な)は体(たい)を表わすのたとえ通り、仁徳天皇は
応神天皇陵と自分自身の陵墓と二度に亘って巨大な陵墓を作
ったのである。それで死後巨大な陵墓を造った天皇と言う意
味で大陵天皇(おほさざきのすめらみこ)と言う諡を奉られたのである。だから子供にこ
の様な名をつけることは慎(つつし)まねばならないのである。そして
古事記と日本書紀を書く時にこの話の筋書(すじが)きが変えられて応
神天皇の皇子が生まれる時に産殿に木菟(つく)が入り、武内宿祢の
子が生まれる時に産殿に鷦鷯が入ったので応神天皇と武内宿
祢とが鳥の名を取り変えてそれぞれの子の名としたと言う大
嘘をでっちあげたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-5(終) 第二十章 仁徳天皇 二の五、武内宿祢と子孫 p��402-13行〜p��404-15行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）March,五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��402／p��373〜p��459)
二の五、武内宿祢と子孫
(p��402／p��391〜p��404)
>p402-13行〜
それで応神天皇は自分の皇子にわざと鷦鷯命(さざきのみこと)と言う名をつ
けて武内宿祢らの悩みを少しでも小さくしてやろうと思った
のであり、武内宿祢らを喜ばせ、機嫌を取ってもっと忠勤を
>p403
はげまそうとしたものであろう。だから仁徳天皇の幼名は鷦(さざ)
鷯命(きのみこと)であり、大鷦鷯命(おほさざきのみこと)ではなかったと断言出来るのである。
鷦鷯と言う鳥はもともと雀位の大きさの小鳥であって大鷦鷯
と言える様なものではないのである。それで応神天皇は幼い
仁徳天皇を「さざき」とか「さざきあぎ」と呼んでいたので
ある。しかし天皇が自分の皇子に鷦鷯と言う小鳥に因んだ名
をつけると言うことはあまりにも不自然なのである。
子供が生まれた時に鳥に因んだ名をつける例はよくある。
しかしそれは鶴(つる)とか鷹(たか)とか言う様な大きくて美しい鳥、大き
くて強い鳥の名をつけるのであって雀(すずめ)などの如く小さくてど
こにでも沢山いる様なありふれた小鳥の名をつけることは先
ずないのである。まして鷦鷯と言う鳥は墓(さざき)と発音が同じであ
るからえんぎが悪いと思うはずである。だから応神天皇が皇
子に鷦鷯命(さざきのみこと)と言う名をつけると言った時には周りの人々皆が
強く反対したものと思うのである。それで応神天皇は「皇后
>p404
が皇子を生む時に産殿に鷦鷯(さざき)が飛び込んだのでこれは瑞祥(ずいしょう)だ
から皇子の名を鷦鷯命(さざきのみこと)と名付けたのだ」と言う嘘をつけて無
理矢理に周囲の人々を納得させたのだと思うのである。
しかし応神天皇がいくら皇子の名は小鳥の鷦鷯に因んでつ
けた名だと言いはって見ても、本当は陵墓(さざき)に因んだ名だった
のである。それで名(な)は体(たい)を表わすのたとえ通り、仁徳天皇は
応神天皇陵と自分自身の陵墓と二度に亘って巨大な陵墓を作
ったのである。それで死後巨大な陵墓を造った天皇と言う意
味で大陵天皇(おほさざきのすめらみこ)と言う諡を奉られたのである。だから子供にこ
の様な名をつけることは慎(つつし)まねばならないのである。そして
古事記と日本書紀を書く時にこの話の筋書(すじが)きが変えられて応
神天皇の皇子が生まれる時に産殿に木菟(つく)が入り、武内宿祢の
子が生まれる時に産殿に鷦鷯が入ったので応神天皇と武内宿
祢とが鳥の名を取り変えてそれぞれの子の名としたと言う大
嘘をでっちあげたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-２-5(終) 第二十章 仁徳天皇 二の五、武内宿祢と子孫 p��402-13行〜p��404-15行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）March,五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-３
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��405／p��373〜p��459)
三、仁徳天皇と土木事業
(p��405／p��405〜p��407)
>p405-1行〜
仁徳天皇が即位して最初にやった仕事は応神天皇陵の建設
であり、それがあまりにも巨大なものであったために国民の
家計と朝廷の財政を破綻させ悲惨な結果を招いたのである。
そして治世四年から三年間税と労役を免除し、更に七年から
九年迄の三年間税と労役を免除したことによって百姓達の生活も豊かになり、貯之もかなり出来たものであろう。しかし
その反面皇居は老朽化して雨が漏り、風が吹き込み、無残な
狀態になっていたことは事実であろう。
それで即位して十年目の３８１年に国民の方から自発的に
皇居の造営を申し出て短期間に立派な宮殿が出来上がったと
言うことは大体事実であると考えてよいであろう。仁徳天皇
は応神天皇陵の建設で多くの国民に怨まれ、更に異母弟の菟
道稚郎子皇子の死の抗議にこりて反省し、今度はその逆の手
段を用いたのだと思うのである。即ち三年間税と労役を免除
>p406
した後更に三年間それを延長したことによって百姓達も豊か
になり、怨みや不平不満も消えて国民の方から皇居の造営を
申し出て来る様になったのであるから税や労役の免除は大成
功であったと言えるのである。
仁徳天皇はそれをそれを待っていたに違いないのである。そして
その余力を以って仁徳天皇は河川の改修、農業用水路の建設
新田の開発、道路の建設、橋の架設などの大土木事業を起こ
したのである。応神天皇陵の建設には労力や資材を注ぎ込む
ばかりで帰って来るものが何もなかったのである。しかし河
川の改修、農業用水路の建設、新田の開発、道路の建設、橋
の架設などは産業経済の発展のために大いに役立ったものと
考えられるのである。だからその意味では応神天皇陵の建設
は失敗であったけれどもその後の土木事業は成功であったと
言えるのであり、それは仁徳天皇の良い面であったと言えよ
う。仁徳天皇は優れた土木技術の持主だったのである。
>p407
難波に初めて都を造ったのは応神天皇であるけれども、難
波を発展させる基礎を造ったのは仁徳天皇であると言えよう。
仁徳紀十一年に難波の堀江を造り茨田の堤を築いたと言うの
は本当の十一年、３８２年のことである。十二年冬十月に大(おほ)
溝(うなで)つまり農業用水路を山背(やましろ)の栗隈県(くるくまのあがた)に掘って水田を潤(うる)ほした
と言うのは本当の十二年、３８３年のことである。次に十三
年秋九月に始めて茨田屯倉(まむたのみやけ)を立て、春米部(つきよねべ)を定め、冬十月に
和珥池(わにのいけ)を造り、更に横野堤(よこののつつみ)を築いたと言うのが本当の十三年、
３８４年のことである。
次に十四年の冬十一月に猪甘津(ゐかひのつ)に橋を架けたと言うのが本
当の十四年、３８５年のことであり、その年には都の中に大
道を建設したり、感玖(こむく)に農業用水路を建設して多くの新田を
開拓したりしたのであり、仁徳天皇による本格的な都市計画
であり国土開発計画であり、それらの計画は実現に移されて
成功したと言えるであろう。
《日本の歴史と最後の審判��-３ 第二十章 仁徳天皇 三、仁徳天皇と土木事業 p��405-1行〜p��407-15行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）March,福田 渕玄(✡ふくだ えんげん)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��405／p��373〜p��459)
三、仁徳天皇と土木事業
(p��405／p��405〜p��407)
>p405-1行〜
仁徳天皇が即位して最初にやった仕事は応神天皇陵の建設
であり、それがあまりにも巨大なものであったために国民の
家計と朝廷の財政を破綻させ悲惨な結果を招いたのである。
そして治世四年から三年間税と労役を免除し、更に七年から
九年迄の三年間税と労役を免除したことによって百姓達の生活も豊かになり、貯之もかなり出来たものであろう。しかし
その反面皇居は老朽化して雨が漏り、風が吹き込み、無残な
狀態になっていたことは事実であろう。
それで即位して十年目の３８１年に国民の方から自発的に
皇居の造営を申し出て短期間に立派な宮殿が出来上がったと
言うことは大体事実であると考えてよいであろう。仁徳天皇
は応神天皇陵の建設で多くの国民に怨まれ、更に異母弟の菟
道稚郎子皇子の死の抗議にこりて反省し、今度はその逆の手
段を用いたのだと思うのである。即ち三年間税と労役を免除
>p406
した後更に三年間それを延長したことによって百姓達も豊か
になり、怨みや不平不満も消えて国民の方から皇居の造営を
申し出て来る様になったのであるから税や労役の免除は大成
功であったと言えるのである。
仁徳天皇はそれをそれを待っていたに違いないのである。そして
その余力を以って仁徳天皇は河川の改修、農業用水路の建設
新田の開発、道路の建設、橋の架設などの大土木事業を起こ
したのである。応神天皇陵の建設には労力や資材を注ぎ込む
ばかりで帰って来るものが何もなかったのである。しかし河
川の改修、農業用水路の建設、新田の開発、道路の建設、橋
の架設などは産業経済の発展のために大いに役立ったものと
考えられるのである。だからその意味では応神天皇陵の建設
は失敗であったけれどもその後の土木事業は成功であったと
言えるのであり、それは仁徳天皇の良い面であったと言えよ
う。仁徳天皇は優れた土木技術の持主だったのである。
>p407
難波に初めて都を造ったのは応神天皇であるけれども、難
波を発展させる基礎を造ったのは仁徳天皇であると言えよう。
仁徳紀十一年に難波の堀江を造り茨田の堤を築いたと言うの
は本当の十一年、３８２年のことである。十二年冬十月に大(おほ)
溝(うなで)つまり農業用水路を山背(やましろ)の栗隈県(くるくまのあがた)に掘って水田を潤(うる)ほした
と言うのは本当の十二年、３８３年のことである。次に十三
年秋九月に始めて茨田屯倉(まむたのみやけ)を立て、春米部(つきよねべ)を定め、冬十月に
和珥池(わにのいけ)を造り、更に横野堤(よこののつつみ)を築いたと言うのが本当の十三年、
３８４年のことである。
次に十四年の冬十一月に猪甘津(ゐかひのつ)に橋を架けたと言うのが本
当の十四年、３８５年のことであり、その年には都の中に大
道を建設したり、感玖(こむく)に農業用水路を建設して多くの新田を
開拓したりしたのであり、仁徳天皇による本格的な都市計画
であり国土開発計画であり、それらの計画は実現に移されて
成功したと言えるであろう。
《日本の歴史と最後の審判��-３ 第二十章 仁徳天皇 三、仁徳天皇と土木事業 p��405-1行〜p��407-15行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）March,福田 渕玄(✡ふくだ えんげん)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-1
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��408／p��373〜p��459)
四の一、仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��408／p��408〜p��436)
>p408-1行〜
四、仁徳天皇の后妃と皇子皇女
仁徳天皇の皇后は息長日子王の長男 葛城襲津彦王(かづらきそつひこのみこ)と新羅国
王女で日本名 葛城高額媛命(かづらきのたかぬかひめのみこと)との間に生まれた磐之媛命(いはのひめのみこと)である。
故に磐之媛命は日鮮混血児だったのである。そのことは仁徳
紀をよく注意して読めば成程と納得出来ことが何度もあるの
である。しかし後世の天皇らが仁徳天皇皇后は日鮮混血児で
あったことを嫌って葛城襲津彦王を武内宿祢の子としてごま
かし、磐之媛は武内宿祢の孫で民間から立てられた皇后と言
うことにしてごまかしたのである。
新羅国王家は稻飯命の子孫であるから八幡国の品陀眞若王
の子でもある応神天皇にとっては同族だったのである。故に
新羅国王女は全く異民族の女性と言う訳ではなく、遠い親戚
に当たる家柄だったのである。しかし神武天皇の時代から三
百五十年以上の年月が経っていたために新羅王家は朝鮮民族
の人々との混血がかなり進み、血も薄くなり、風俗習慣や言
>p409
葉もかなり変わっていたことは確かであろう。しかしその当
時はまだ天皇家や八幡国王家や吉備氏の人々と新羅国王家と
の間には同族としての親しみの感情もあったのである。
南朝鮮には須佐之男命の時代以来日本から移住した人々も
かなり住んでいたのである。それらの人々の子孫は言わば日
系朝鮮人と言えるのである。その反対に新羅や任那や百済や
高句麗から日本へ移住して来た人々も多かったのであり、そ
れらの人々は言わば朝鮮系日本人と言えるのである。そして
朝鮮へ移住した日本人は長い間に朝鮮民族の中に同化され、
日本へ移住して来た朝鮮民族の人々は長い間に日本民族の中
に同化されたのであるけれども、日本民族と朝鮮民族とはも
ともと血統は濃いかったのである。
日本書紀では仁徳天皇と皇后 磐之媛命(いはのひめのみこと)との間に生まれた子
は大兄 云来穂(いざほ)別皇子、住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)、水歯別皇子(みづはわけのみこ)、雄朝津間稚子(をあさづまわくご)
宿祢皇子(のすくねのみこ)の四人となっているのである。古事記も同じである。
>p410
しかしこの系図は大嘘であり、仁徳天皇と皇后磐之媛命との
間に生まれた皇子は大兄云来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と雄朝津間稚子宿祢皇(をあさづまわくごのすくねのみ)
子(こ)の二人丈だったのであり、住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)と水歯別皇子(みづはわけのみこ)の二人
は仁徳天皇の子ではあるけれども、皇后磐之媛命の子ではな
かったのである。それについては後で詳しく説明する。
次に日本書紀では仁徳天皇と日向の諸県君牛諸井(もろがたのきみうしもろゐ)の娘 髪長(かみなが)
媛(ひめ)との間に生まれた子が大草香皇子(おほくさかのみこ)と幡梭皇女(はたびのひめみこ)の二人となっ
て居り、古事記も同じである。しかし日向髪長媛は息長日子
王の妃となった日向髪長大田根媛命(ひむかのかみながおほたねひめのみこと)と同一人物なのであって
仁徳天皇妃ではなかったのである。従って大草香皇子も幡梭
皇女も仁徳天皇の子でもなく髪長媛の子でもないのである。
大草香皇子は本当は大日下王(おほくさかのみこ)であり、武国凝別命(たけくにこりわけのみこと)の三男 紐結(ひもゆひ)
命(のみこと)の子孫であり、河内の国の草賀を本拠としていたのであり、
波多氏や息長氏の同族だったのである。また幡梭皇女(はたびのひめみこ)は本当
は杙俣長日子王(くひまたながひこのみこ)の子で多遅摩国造(たぢまのくにのみやつこ)祖となった迦多遅王(かたぢのみこ)の娘で
>p411
あり、本名を但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)と言うのである。だから大日下王(おほくさかのみこ)
と但馬橘大郎女とは兄妹ではないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-1 第二十章 仁徳天皇 四の一、仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��408-1行〜p��411-2行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）March, 
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��408／p��373〜p��459)
四の一、仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��408／p��408〜p��436)
>p408-1行〜
四、仁徳天皇の后妃と皇子皇女
仁徳天皇の皇后は息長日子王の長男 葛城襲津彦王(かづらきそつひこのみこ)と新羅国
王女で日本名 葛城高額媛命(かづらきのたかぬかひめのみこと)との間に生まれた磐之媛命(いはのひめのみこと)である。
故に磐之媛命は日鮮混血児だったのである。そのことは仁徳
紀をよく注意して読めば成程と納得出来ことが何度もあるの
である。しかし後世の天皇らが仁徳天皇皇后は日鮮混血児で
あったことを嫌って葛城襲津彦王を武内宿祢の子としてごま
かし、磐之媛は武内宿祢の孫で民間から立てられた皇后と言
うことにしてごまかしたのである。
新羅国王家は稻飯命の子孫であるから八幡国の品陀眞若王
の子でもある応神天皇にとっては同族だったのである。故に
新羅国王女は全く異民族の女性と言う訳ではなく、遠い親戚
に当たる家柄だったのである。しかし神武天皇の時代から三
百五十年以上の年月が経っていたために新羅王家は朝鮮民族
の人々との混血がかなり進み、血も薄くなり、風俗習慣や言
>p409
葉もかなり変わっていたことは確かであろう。しかしその当
時はまだ天皇家や八幡国王家や吉備氏の人々と新羅国王家と
の間には同族としての親しみの感情もあったのである。
南朝鮮には須佐之男命の時代以来日本から移住した人々も
かなり住んでいたのである。それらの人々の子孫は言わば日
系朝鮮人と言えるのである。その反対に新羅や任那や百済や
高句麗から日本へ移住して来た人々も多かったのであり、そ
れらの人々は言わば朝鮮系日本人と言えるのである。そして
朝鮮へ移住した日本人は長い間に朝鮮民族の中に同化され、
日本へ移住して来た朝鮮民族の人々は長い間に日本民族の中
に同化されたのであるけれども、日本民族と朝鮮民族とはも
ともと血統は濃いかったのである。
日本書紀では仁徳天皇と皇后 磐之媛命(いはのひめのみこと)との間に生まれた子
は大兄 云来穂(いざほ)別皇子、住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)、水歯別皇子(みづはわけのみこ)、雄朝津間稚子(をあさづまわくご)
宿祢皇子(のすくねのみこ)の四人となっているのである。古事記も同じである。
>p410
しかしこの系図は大嘘であり、仁徳天皇と皇后磐之媛命との
間に生まれた皇子は大兄云来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と雄朝津間稚子宿祢皇(をあさづまわくごのすくねのみ)
子(こ)の二人丈だったのであり、住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)と水歯別皇子(みづはわけのみこ)の二人
は仁徳天皇の子ではあるけれども、皇后磐之媛命の子ではな
かったのである。それについては後で詳しく説明する。
次に日本書紀では仁徳天皇と日向の諸県君牛諸井(もろがたのきみうしもろゐ)の娘 髪長(かみなが)
媛(ひめ)との間に生まれた子が大草香皇子(おほくさかのみこ)と幡梭皇女(はたびのひめみこ)の二人となっ
て居り、古事記も同じである。しかし日向髪長媛は息長日子
王の妃となった日向髪長大田根媛命(ひむかのかみながおほたねひめのみこと)と同一人物なのであって
仁徳天皇妃ではなかったのである。従って大草香皇子も幡梭
皇女も仁徳天皇の子でもなく髪長媛の子でもないのである。
大草香皇子は本当は大日下王(おほくさかのみこ)であり、武国凝別命(たけくにこりわけのみこと)の三男 紐結(ひもゆひ)
命(のみこと)の子孫であり、河内の国の草賀を本拠としていたのであり、
波多氏や息長氏の同族だったのである。また幡梭皇女(はたびのひめみこ)は本当
は杙俣長日子王(くひまたながひこのみこ)の子で多遅摩国造(たぢまのくにのみやつこ)祖となった迦多遅王(かたぢのみこ)の娘で
>p411
あり、本名を但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)と言うのである。だから大日下王(おほくさかのみこ)
と但馬橘大郎女とは兄妹ではないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-1 第二十章 仁徳天皇 四の一、仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��408-1行〜p��411-2行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）March, 證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-2
✡ 執筆：平成７年（1995年）安原 修
第２０章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��411／p��373〜p��459)
４-2･仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��411／p��408〜p��436)
>p411-3行〜
仁徳紀には皇后磐之媛命は非常に嫉妬(しっと)深い人であり、その
ために吉備(きび)の黒媛(くろひめ)は故郷へ帰ったことになって居り、更に天
皇が八田皇女(やたのひめみこ)を妃として宮中へ入れようとして皇后に拒否さ
れたと言う様なことも書かれているのである。それにもかゝ
わらず髪長媛に対しては磐之媛が嫉妬したと言うことが全く
書かれていないのは何故であろうか。それは髪長媛は仁徳天
皇の妃ではなかったからである。しかし髪長媛を仁徳天皇の
妃とする以上、磐之媛の嫉妬のことを無視する訳にはゆかな
いのである。それが面倒なから仁徳天皇が髪長媛を妃にして
ねんごろに愛し合ったと言う様なもっともらしい大嘘を応神
紀の中で書いたのである。応神紀の中には仁徳天皇が磐之媛
や吉備の黒媛を妃にしたと言う様なことが全く書かれていな
いのはそのためである。
>p412
また日本書紀では仁徳天皇は異母妹の八田皇女を妃とし後(のち)
の皇后に立てたことになって居り、古事記では八田皇女と妹
の菟道稚郎媛皇女(うぢのわきいらつひめのひめみこ)を妃にしたけれども、二人共子はなかった
ことになっているのである。
ところで古事記には仁徳天皇妃吉備の黒媛が皇后磐之媛の
嫉妬に耐えかねて吉備の国へ帰った後、仁徳天皇が黒媛に会
うために吉備の国へ行ったことになっているにもかゝわらず
日本書紀には吉備の黒媛のことは全く書かれていないのであ
る。しかし奇怪なことに日本書紀では応神天皇妃吉備の兄媛
が吉備の国へ帰った後応神天皇が吉備の国へ行ったことが書
かれているにもかゝわらず、古事記には吉備の兄媛が帰国し
たことや応神天皇が吉備の国へ行幸したことは書いてないの
である。それで岡山県には吉備の兄媛が帰った後応神天皇が
来たと言うのが本当か、それとも吉備の黒媛が帰った後仁徳
天皇が来たと言うのとどちらが本当なのかと考えて迷ってい
>p413
る人も多く、中には吉備の兄媛と黒媛とは同一人物であろう
と考え、兄媛の陵墓であるこうもり塚古墳を黒媛塚と呼んで
いる人も多いのである。
しかし吉備の兄媛と応神天皇の吉備の国行幸と、吉備の黒
媛と仁徳天皇の吉備の国行幸とはどちらも本当なのである。
しかるに古事記と日本書紀は吉備の兄媛と吉備の黒媛のこと
を書き分けて、どっちが本当かと迷(まど)わすつもりなのである。
だから古事記と日本書紀のどちらにも騙されない様に注意し
なければならないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-2 第20章 仁徳天皇 ４-2･仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��411-3行〜p��413-9行》
✡ 執筆：平成７年（1995年）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）March, 
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平成７年（1995年）安原 修
第２０章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��411／p��373〜p��459)
４-2･仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��411／p��408〜p��436)
>p411-3行〜
仁徳紀には皇后磐之媛命は非常に嫉妬(しっと)深い人であり、その
ために吉備(きび)の黒媛(くろひめ)は故郷へ帰ったことになって居り、更に天
皇が八田皇女(やたのひめみこ)を妃として宮中へ入れようとして皇后に拒否さ
れたと言う様なことも書かれているのである。それにもかゝ
わらず髪長媛に対しては磐之媛が嫉妬したと言うことが全く
書かれていないのは何故であろうか。それは髪長媛は仁徳天
皇の妃ではなかったからである。しかし髪長媛を仁徳天皇の
妃とする以上、磐之媛の嫉妬のことを無視する訳にはゆかな
いのである。それが面倒なから仁徳天皇が髪長媛を妃にして
ねんごろに愛し合ったと言う様なもっともらしい大嘘を応神
紀の中で書いたのである。応神紀の中には仁徳天皇が磐之媛
や吉備の黒媛を妃にしたと言う様なことが全く書かれていな
いのはそのためである。
>p412
また日本書紀では仁徳天皇は異母妹の八田皇女を妃とし後(のち)
の皇后に立てたことになって居り、古事記では八田皇女と妹
の菟道稚郎媛皇女(うぢのわきいらつひめのひめみこ)を妃にしたけれども、二人共子はなかった
ことになっているのである。
ところで古事記には仁徳天皇妃吉備の黒媛が皇后磐之媛の
嫉妬に耐えかねて吉備の国へ帰った後、仁徳天皇が黒媛に会
うために吉備の国へ行ったことになっているにもかゝわらず
日本書紀には吉備の黒媛のことは全く書かれていないのであ
る。しかし奇怪なことに日本書紀では応神天皇妃吉備の兄媛
が吉備の国へ帰った後応神天皇が吉備の国へ行ったことが書
かれているにもかゝわらず、古事記には吉備の兄媛が帰国し
たことや応神天皇が吉備の国へ行幸したことは書いてないの
である。それで岡山県には吉備の兄媛が帰った後応神天皇が
来たと言うのが本当か、それとも吉備の黒媛が帰った後仁徳
天皇が来たと言うのとどちらが本当なのかと考えて迷ってい
>p413
る人も多く、中には吉備の兄媛と黒媛とは同一人物であろう
と考え、兄媛の陵墓であるこうもり塚古墳を黒媛塚と呼んで
いる人も多いのである。
しかし吉備の兄媛と応神天皇の吉備の国行幸と、吉備の黒
媛と仁徳天皇の吉備の国行幸とはどちらも本当なのである。
しかるに古事記と日本書紀は吉備の兄媛と吉備の黒媛のこと
を書き分けて、どっちが本当かと迷(まど)わすつもりなのである。
だから古事記と日本書紀のどちらにも騙されない様に注意し
なければならないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-2 第20章 仁徳天皇 ４-2･仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��411-3行〜p��413-9行》
✡ 執筆：平成７年（1995年）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）March, 五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-3
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��413／p��373〜p��459)
４-3・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��413／p��408〜p��436)
>p413-10行〜
吉備の兄媛は本名を高城媛命と言い、第六代吉備津彦功狭
別命の長女であり、吉備の国へ帰ってからは現在の吉備路風
土記の丘と呼ばれているあたりに住んでいたのであり、兄媛
の陵墓は総社市上林にある「こうもり塚」と呼ばれる全長百
米位の前方後円墳である。吉備の黒媛は彦狭島命の長男で吉
備の海部の祖となった山田日芸麿の子孫であり、父母兄弟の
>p414
名は消されてしまっているために不明である。吉備の海部は
吉井川流域を領土としていたのであり、その本拠は現在の邑
久郡邑久町山田庄にあったのである。黒媛は吉備の国へ帰っ
てからは山田庄に住んでいたのであり、黒媛の陵墓は邑久(おく)郡
長船町西須恵にある築山古墳と呼ばれる全長約九十米の前方
後円墳である。築山古墳は後円部に較べて前方部が大きく、
新しい形式の古墳であると言われているが、それは仁徳天皇
が応神天皇陵を建設した時、従来の前方後円墳よりも前方部
を大きくした新しい形式に設計して以来その形式が一般化し
たためであり、応神天皇陵以後に建設せられた古墳に新しい
形式が多いのである。
黒媛が吉備の国へ帰った後、仁徳天皇は皇后磐之媛に淡路
島を見たいと言って都を出、淡路島から吉備の国へ行って山(やま)
方(がた)の所(ところ)で黒媛のもてなしを受けたと言う。しかし山方(やまがた)と言う
所がどこであったか全く知られていないのである。山方(やまがた)と言
>p415
ふのはわざと判りにくく書いているのであり、判り易く書け
ば「山(やま)が田(た)」つまり山田(やまだ)である。だから仁徳天皇は黒媛の生
家のある吉備の海部の本拠、現在の岡山県邑久郡邑久町山田
庄を訪(たづ)ねたのである。
次に仁徳天皇は宮人 桑田玖賀媛(くはたのくがひめ)を皇后磐之媛の嫉妬が激し
いために妃として宮中へ召し入れることが出来ないと言う理
由から臣下の人々で世話をして呉れる人があれば与えようと
したところ、播磨国造の速待(はやまち)と言う人が桑田玖賀媛の世話を
引き受けると申し出たので玖賀媛を速待に与えようとしたけ
れども玖賀媛は速待の妻になることを拒否し、やがて病気に
なって死去したことになっているのである。日本書紀は玖
賀媛を宮人としているけれども、玖賀媛もまた仁徳天皇の妃の
一人だったのである。もっとも妃として正式に宮中へ召し入
れることは出来ないから、宮殿の外、判り易く言えば'妾宅の
様な屋敷に住まわせていたのである。それに較べて吉備の黒
>p416
媛は正式に妃として宮中で暮らしていたのであるが、磐之媛
が皇后に立てられて以来、嫉妬が激しくなって耐えられなく
なり、遂に黒媛は宮中を去って吉備の国へ帰ったのである。
仁徳天皇が桑田玖賀媛を臣下の人に与えようとしたのは吉
備の黒媛が郷里へ帰った時より後である。玖賀媛は黒媛より
も年は若かったのである。そして黒媛が皇后の嫉妬に耐えら
れないで郷里へ帰った位であるから仁徳天皇もそれ以上玖賀
媛の世話をすることが出来なくなったのである。玖賀媛は正
式に妃として宮中へ召し入れられていた訳ではないけれども
皇后に内緒で隠し妻の如き狀態で世話をしていた訳でもない
のである。仁徳天皇が皇居の外の玖賀媛の家へ時々通ってい
たことは磐之媛も知っていたのである。しかし磐之媛の嫉妬
が一層激しくなって仁徳天皇が玖賀媛の家へ通(かよ)うことも出来
なくなったから、仁徳天皇はまだ若い玖賀媛を一生そのまゝ
で終わらせるにしのびなくなって、臣下の誰かと結婚させた
>p417
方が玖賀媛が幸福になれると思ったのである。しかし皇妃で
あった玖賀媛はもはや臣下の者の妻にはなりたくなかったの
である。それで玖賀媛は播磨国造(はりまのくにのみやつこ)速待(はやまち)の妻になることを拒否
したのである。それは玖賀媛のプライドと言うものであろう。
《日本の歴史と最後の審判��-４-3 第二十章 仁徳天皇 ４-3・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��413-10行〜p��417-4行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）March, 苅場 扶士男(かりば ふじお)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��413／p��373〜p��459)
４-3・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��413／p��408〜p��436)
>p413-10行〜
吉備の兄媛は本名を高城媛命と言い、第六代吉備津彦功狭
別命の長女であり、吉備の国へ帰ってからは現在の吉備路風
土記の丘と呼ばれているあたりに住んでいたのであり、兄媛
の陵墓は総社市上林にある「こうもり塚」と呼ばれる全長百
米位の前方後円墳である。吉備の黒媛は彦狭島命の長男で吉
備の海部の祖となった山田日芸麿の子孫であり、父母兄弟の
>p414
名は消されてしまっているために不明である。吉備の海部は
吉井川流域を領土としていたのであり、その本拠は現在の邑
久郡邑久町山田庄にあったのである。黒媛は吉備の国へ帰っ
てからは山田庄に住んでいたのであり、黒媛の陵墓は邑久(おく)郡
長船町西須恵にある築山古墳と呼ばれる全長約九十米の前方
後円墳である。築山古墳は後円部に較べて前方部が大きく、
新しい形式の古墳であると言われているが、それは仁徳天皇
が応神天皇陵を建設した時、従来の前方後円墳よりも前方部
を大きくした新しい形式に設計して以来その形式が一般化し
たためであり、応神天皇陵以後に建設せられた古墳に新しい
形式が多いのである。
黒媛が吉備の国へ帰った後、仁徳天皇は皇后磐之媛に淡路
島を見たいと言って都を出、淡路島から吉備の国へ行って山(やま)
方(がた)の所(ところ)で黒媛のもてなしを受けたと言う。しかし山方(やまがた)と言う
所がどこであったか全く知られていないのである。山方(やまがた)と言
>p415
ふのはわざと判りにくく書いているのであり、判り易く書け
ば「山(やま)が田(た)」つまり山田(やまだ)である。だから仁徳天皇は黒媛の生
家のある吉備の海部の本拠、現在の岡山県邑久郡邑久町山田
庄を訪(たづ)ねたのである。
次に仁徳天皇は宮人 桑田玖賀媛(くはたのくがひめ)を皇后磐之媛の嫉妬が激し
いために妃として宮中へ召し入れることが出来ないと言う理
由から臣下の人々で世話をして呉れる人があれば与えようと
したところ、播磨国造の速待(はやまち)と言う人が桑田玖賀媛の世話を
引き受けると申し出たので玖賀媛を速待に与えようとしたけ
れども玖賀媛は速待の妻になることを拒否し、やがて病気に
なって死去したことになっているのである。日本書紀は玖
賀媛を宮人としているけれども、玖賀媛もまた仁徳天皇の妃の
一人だったのである。もっとも妃として正式に宮中へ召し入
れることは出来ないから、宮殿の外、判り易く言えば'妾宅の
様な屋敷に住まわせていたのである。それに較べて吉備の黒
>p416
媛は正式に妃として宮中で暮らしていたのであるが、磐之媛
が皇后に立てられて以来、嫉妬が激しくなって耐えられなく
なり、遂に黒媛は宮中を去って吉備の国へ帰ったのである。
仁徳天皇が桑田玖賀媛を臣下の人に与えようとしたのは吉
備の黒媛が郷里へ帰った時より後である。玖賀媛は黒媛より
も年は若かったのである。そして黒媛が皇后の嫉妬に耐えら
れないで郷里へ帰った位であるから仁徳天皇もそれ以上玖賀
媛の世話をすることが出来なくなったのである。玖賀媛は正
式に妃として宮中へ召し入れられていた訳ではないけれども
皇后に内緒で隠し妻の如き狀態で世話をしていた訳でもない
のである。仁徳天皇が皇居の外の玖賀媛の家へ時々通ってい
たことは磐之媛も知っていたのである。しかし磐之媛の嫉妬
が一層激しくなって仁徳天皇が玖賀媛の家へ通(かよ)うことも出来
なくなったから、仁徳天皇はまだ若い玖賀媛を一生そのまゝ
で終わらせるにしのびなくなって、臣下の誰かと結婚させた
>p417
方が玖賀媛が幸福になれると思ったのである。しかし皇妃で
あった玖賀媛はもはや臣下の者の妻にはなりたくなかったの
である。それで玖賀媛は播磨国造(はりまのくにのみやつこ)速待(はやまち)の妻になることを拒否
したのである。それは玖賀媛のプライドと言うものであろう。
《日本の歴史と最後の審判��-４-3 第二十章 仁徳天皇 ４-3・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��413-10行〜p��417-4行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）March, 苅場 扶士男(かりば ふじお)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-4
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��417／p��373〜p��459)
４-4・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��417／p��408〜p��436)
>p417-5行〜
故に仁徳天皇の皇妃は皇后磐之媛命、妃の吉備の黒媛、桑
田玖賀媛、応神天皇皇女八田皇女、八田皇女の妹 菟道稚郎媛(うぢのわきいらつひめ)
皇女(のひめみこ)の五人だったのである。桑田玖賀媛はいかなる素性の女
性であったかと言うと丹波の国桑田郡出身の女性であり、桑
田郡地方を領土としていた豪族の娘である。丹波の桑田郡を
支配していたのは大吉備津日子命の二男 彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の子孫で
あり、恐らく彦湯産隅命の長男四道將軍丹波道主王の子孫が
丹波の桑田郡を支配していたものと思うのである。従って仁
徳天皇の皇后磐之媛と妃の吉備の黒媛、桑田の玖賀媛の三人
は吉備氏の女性だった訳である。
さて仁徳天皇と皇后磐之媛命との間に生まれた皇子は大兄(おほえの)
>p418
云来穂別皇子(いざほわけのみこ)と雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)の二人丈であり、住吉(すみのえ)
仲皇子(のなかつみこ)は吉備の黒媛の子であり、瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)は桑田玖賀媛の
子だったのである。瑞歯別皇子は淡路宮(あはぢのみや)で生まれたと書いて
ある。それは桑田玖賀媛が淡路へ行って瑞歯別皇子を生んだ
と言うことではないのである。桑田玖賀媛は仁徳天皇の妃で
ありながら宮中に住むことが出来なかったのである。それで
淡路宮に住んでいたからそこで瑞歯別皇子を生んだのである。
しかし仁徳天皇の皇子は以上の四人丈ではなかったので
ある。履中天皇(りちゅうてんのう)皇子となっている磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)が仁徳天
皇と桑田玖賀媛との間に生まれた皇子だったのである。また
允恭天皇皇子となっている雄略天皇が仁徳天皇と吉備の黒媛
との間に生まれた皇子だったのである。故に仁徳天皇の皇子
は皇后磐之媛との間に生まれた大兄去来穂別皇子、雄朝津間
稚子宿祢皇子の二人と、吉備の黒媛との間に生まれた住吉仲
皇子と雄略天皇の二人と、桑田玖賀媛との間に生まれた瑞歯
>p419
別皇子と磐坂市辺押歯皇子の二人の合計六人だったのである。
しかるに何故仁徳天皇の皇子を履中天皇の皇子や允恭天皇
の皇子としてごまかしたのかと言うと、中国の晋書(しんしょ)や宋書(そうしょ)に
記録せられている倭の五王が大和朝廷のどの天皇であるか判
らなくするためである。宋書には倭の五王の親子兄弟関係、
即位の年、治世年数などが判ることが記録せられているので
ある。それで日本書紀を書く時に天皇や皇子の親子兄弟関係
や即位の年や治世年数などを書き変えてごまかし、晋書や宋
書の記録と喰い違う様にしたのである。だから後世の歴史学
者がいくら研究しても倭の五王がどの天皇であるかと言うこ
とがどうしても判らないのである。
それは古事記と日本書紀が正しいと思って信用するから騙
されて判らなくなるのである。古事記と日本書紀の系図は天
皇の親子兄弟関係を宋書と喰い違う様に書き変えてごまかし
ているのであるからその点でも絶対に宋書と一致しないので
>p420
ある。また天皇の即位の年と治世年数を宋書と喰い違う様に
変えてごまかしているのであるから即位の年と治世年数の面
でも絶対に宋書とは一致しないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-4 第二十章 仁徳天皇 ４-4・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��417-5行〜p��420-3行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）April,
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��417／p��373〜p��459)
４-4・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��417／p��408〜p��436)
>p417-5行〜
故に仁徳天皇の皇妃は皇后磐之媛命、妃の吉備の黒媛、桑
田玖賀媛、応神天皇皇女八田皇女、八田皇女の妹 菟道稚郎媛(うぢのわきいらつひめ)
皇女(のひめみこ)の五人だったのである。桑田玖賀媛はいかなる素性の女
性であったかと言うと丹波の国桑田郡出身の女性であり、桑
田郡地方を領土としていた豪族の娘である。丹波の桑田郡を
支配していたのは大吉備津日子命の二男 彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の子孫で
あり、恐らく彦湯産隅命の長男四道將軍丹波道主王の子孫が
丹波の桑田郡を支配していたものと思うのである。従って仁
徳天皇の皇后磐之媛と妃の吉備の黒媛、桑田の玖賀媛の三人
は吉備氏の女性だった訳である。
さて仁徳天皇と皇后磐之媛命との間に生まれた皇子は大兄(おほえの)
>p418
云来穂別皇子(いざほわけのみこ)と雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)の二人丈であり、住吉(すみのえ)
仲皇子(のなかつみこ)は吉備の黒媛の子であり、瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)は桑田玖賀媛の
子だったのである。瑞歯別皇子は淡路宮(あはぢのみや)で生まれたと書いて
ある。それは桑田玖賀媛が淡路へ行って瑞歯別皇子を生んだ
と言うことではないのである。桑田玖賀媛は仁徳天皇の妃で
ありながら宮中に住むことが出来なかったのである。それで
淡路宮に住んでいたからそこで瑞歯別皇子を生んだのである。
しかし仁徳天皇の皇子は以上の四人丈ではなかったので
ある。履中天皇(りちゅうてんのう)皇子となっている磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)が仁徳天
皇と桑田玖賀媛との間に生まれた皇子だったのである。また
允恭天皇皇子となっている雄略天皇が仁徳天皇と吉備の黒媛
との間に生まれた皇子だったのである。故に仁徳天皇の皇子
は皇后磐之媛との間に生まれた大兄去来穂別皇子、雄朝津間
稚子宿祢皇子の二人と、吉備の黒媛との間に生まれた住吉仲
皇子と雄略天皇の二人と、桑田玖賀媛との間に生まれた瑞歯
>p419
別皇子と磐坂市辺押歯皇子の二人の合計六人だったのである。
しかるに何故仁徳天皇の皇子を履中天皇の皇子や允恭天皇
の皇子としてごまかしたのかと言うと、中国の晋書(しんしょ)や宋書(そうしょ)に
記録せられている倭の五王が大和朝廷のどの天皇であるか判
らなくするためである。宋書には倭の五王の親子兄弟関係、
即位の年、治世年数などが判ることが記録せられているので
ある。それで日本書紀を書く時に天皇や皇子の親子兄弟関係
や即位の年や治世年数などを書き変えてごまかし、晋書や宋
書の記録と喰い違う様にしたのである。だから後世の歴史学
者がいくら研究しても倭の五王がどの天皇であるかと言うこ
とがどうしても判らないのである。
それは古事記と日本書紀が正しいと思って信用するから騙
されて判らなくなるのである。古事記と日本書紀の系図は天
皇の親子兄弟関係を宋書と喰い違う様に書き変えてごまかし
ているのであるからその点でも絶対に宋書と一致しないので
>p420
ある。また天皇の即位の年と治世年数を宋書と喰い違う様に
変えてごまかしているのであるから即位の年と治世年数の面
でも絶対に宋書とは一致しないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-4 第二十章 仁徳天皇 ４-4・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��417-5行〜p��420-3行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）April,證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-5
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��420／p��373〜p��459)
４-5・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��420／p��408〜p��436)
>p420-4行〜
更に宋書の倭王の名と大和朝廷の天皇の名とが一致しない
様に天皇の名を取り変えてごまかしているのである。だから
古事記と日本書紀の系図に書かれている天皇の親子兄弟関係
の嘘、天皇の即位の年と治世年数の嘘、天皇の名前の嘘の三
つの面から古事記と日本書紀の嘘を見破らなければ、倭の五
王の謎は絶対に解けないのである。今迄に多くの歴史学者が
倭の五王についてそれぞれの意見を発表して来たけれども、
諸説紛々、群盲象を撫でる様な意見ばかりでまともな研究は
一つもないのである。
それで仁徳天皇以後の歴史を述べる都合上倭の五王につい
て簡単に説明して置きたいと思うのである。日本書紀を信用
するならば４１３年に晉へ遣使した倭王は応神天皇と言うこ
>p421
とになるのである。次に４２１年、４２５年、４３０年の三
回宋へ遣使した倭王讃(さん)は当然ながら仁徳天皇と言うことにな
るのである。そして讃(さん)と言う名は大鷦鷯天皇(おほさざきのすめらみこと)を意味するもの
と考えている人が多いのである。そして倭王讃が死んで弟の
珍(ちん)が宋へ遣使したのは４３８年である。４１３年に晉へ遣使
した倭王が讃でなかったとすれば、讃の治世年数は二十三年
位となり日本書紀の仁徳天皇の治世八十七年とは大きな差が
あることになる。
次に倭王珍が４３８年に遣使した後４４３年に倭王済(さい)が遣
使したことになっているから倭王珍の治世は五年だったこと
になる。そして日本書紀の反正天皇(はんぜいてんのう)の治世は五年となって居
るから珍(ちん)の治世年数と一致する訳である。また反正天皇の名
は瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)であり、瑞歯別皇子が宋への上表文に名を珍と
署名したものであろうと考えられて居り、倭王珍は反正天
皇であると考えている人が多い訳である。しかし倭王讃を仁��
>p422
天皇と考えると仁徳天皇の次に即位したのは履中天皇である
から履中天皇を珍と考えなければ都合が悪いことになる。し
かし倭王珍は讃の弟であるのに対して履中天皇は仁徳天皇の
皇子であるから倭王珍ではないことになる訳である。それに
履中天皇の名は倭王珍とは考えられないのである。
次に反正天皇を倭王珍とし、履中天皇を倭王讃とすれば讃
の弟が珍であるから兄弟関係は一致するが履中天皇の名は倭
王讃とは考え難いのであり、治世年数も履中天皇は六年であ
るから一致しないのである。次に倭王済は４４３年と４５１
年と４６０年の三回宋へ遣使しているのであり、４６２年に
済が死んで世子輿が遣使しているのである。故に倭王済の治
世年数は４４３年から４６１年迄の十九年となるのである。
倭王済は珍の次に即位したのであるから反正天皇の次の允(いん)
恭(きょう)天皇と考えている人が多い様であるが、允恭天皇の名は済
と一致し難いのであり、允恭天皇の治世四十二年は倭王済の
>p423
治世十九年とは一致しないのである。倭王興は４６２年と４
７７年の二回遣使しているのであり、４７８年に興が死んで
弟の武が遣使しているのである。故に興の治世年数は４６２
年から４７７年迄の十六年である。そして倭王済を允恭天皇
と考える人々は倭王興を安康天皇と考えているのであるが、
倭王興と安康天皇の名も一致し難いのであり、安康天皇の治
世三年は興の治世十六年とは一致しないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-5 第二十章 仁徳天皇 ４-5・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��420-4行〜p��423-7行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）April
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��420／p��373〜p��459)
４-5・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��420／p��408〜p��436)
>p420-4行〜
更に宋書の倭王の名と大和朝廷の天皇の名とが一致しない
様に天皇の名を取り変えてごまかしているのである。だから
古事記と日本書紀の系図に書かれている天皇の親子兄弟関係
の嘘、天皇の即位の年と治世年数の嘘、天皇の名前の嘘の三
つの面から古事記と日本書紀の嘘を見破らなければ、倭の五
王の謎は絶対に解けないのである。今迄に多くの歴史学者が
倭の五王についてそれぞれの意見を発表して来たけれども、
諸説紛々、群盲象を撫でる様な意見ばかりでまともな研究は
一つもないのである。
それで仁徳天皇以後の歴史を述べる都合上倭の五王につい
て簡単に説明して置きたいと思うのである。日本書紀を信用
するならば４１３年に晉へ遣使した倭王は応神天皇と言うこ
>p421
とになるのである。次に４２１年、４２５年、４３０年の三
回宋へ遣使した倭王讃(さん)は当然ながら仁徳天皇と言うことにな
るのである。そして讃(さん)と言う名は大鷦鷯天皇(おほさざきのすめらみこと)を意味するもの
と考えている人が多いのである。そして倭王讃が死んで弟の
珍(ちん)が宋へ遣使したのは４３８年である。４１３年に晉へ遣使
した倭王が讃でなかったとすれば、讃の治世年数は二十三年
位となり日本書紀の仁徳天皇の治世八十七年とは大きな差が
あることになる。
次に倭王珍が４３８年に遣使した後４４３年に倭王済(さい)が遣
使したことになっているから倭王珍の治世は五年だったこと
になる。そして日本書紀の反正天皇(はんぜいてんのう)の治世は五年となって居
るから珍(ちん)の治世年数と一致する訳である。また反正天皇の名
は瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)であり、瑞歯別皇子が宋への上表文に名を珍と
署名したものであろうと考えられて居り、倭王珍は反正天
皇であると考えている人が多い訳である。しかし倭王讃を仁��
>p422
天皇と考えると仁徳天皇の次に即位したのは履中天皇である
から履中天皇を珍と考えなければ都合が悪いことになる。し
かし倭王珍は讃の弟であるのに対して履中天皇は仁徳天皇の
皇子であるから倭王珍ではないことになる訳である。それに
履中天皇の名は倭王珍とは考えられないのである。
次に反正天皇を倭王珍とし、履中天皇を倭王讃とすれば讃
の弟が珍であるから兄弟関係は一致するが履中天皇の名は倭
王讃とは考え難いのであり、治世年数も履中天皇は六年であ
るから一致しないのである。次に倭王済は４４３年と４５１
年と４６０年の三回宋へ遣使しているのであり、４６２年に
済が死んで世子輿が遣使しているのである。故に倭王済の治
世年数は４４３年から４６１年迄の十九年となるのである。
倭王済は珍の次に即位したのであるから反正天皇の次の允(いん)
恭(きょう)天皇と考えている人が多い様であるが、允恭天皇の名は済
と一致し難いのであり、允恭天皇の治世四十二年は倭王済の
>p423
治世十九年とは一致しないのである。倭王興は４６２年と４
７７年の二回遣使しているのであり、４７８年に興が死んで
弟の武が遣使しているのである。故に興の治世年数は４６２
年から４７７年迄の十六年である。そして倭王済を允恭天皇
と考える人々は倭王興を安康天皇と考えているのであるが、
倭王興と安康天皇の名も一致し難いのであり、安康天皇の治
世三年は興の治世十六年とは一致しないのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-5 第二十章 仁徳天皇 ４-5・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��420-4行〜p��423-7行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）April證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-6
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��423／p��373〜p��459)
４-6・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��423／p��408〜p��436)
>p423-8行〜
次に倭王武は４７８年と４７９年と５０２年の三回遣使し
ているのである。そして倭王武は雄略天皇と言うのが定説と
なっている。それは雄略天皇の名が大泊瀬幼武(おほはつせのわかたける)となっている
ことから倭王武に相違ないと考えられているのであり、もう
一つは雄略天皇は安康天皇の弟となっているからである。し
かし雄略天皇を倭王武であると考えることは甚だ大きな矛盾
であることに気付いた人はいないのである。倭王武は５０２
年、宋の武帝の天監元年に遣使して正東大將軍の称号を贈ら
>p424
れているのである。故に武の治世は４７８年から５０２年以
後迄続いていたと考えねばならないのである。
しかし倭王武を雄略天皇と考えると雄略天皇の治世は４７
８年から５０２年以後迄続いていたことになるのである。と
ころが六世紀の初期は継体天皇の治世であることはほゞ認め
られていると思うのである。継体天皇の治世は皇紀１１６７
年からとなっているのである。皇紀１１６７年から６６０年
を引いた年数が西暦５０７年である。そして継体天皇即位の
年が西暦５０７年と言うのは本当なのである。つまり皇紀二
千六百年と言うのは継体天皇が即位した５０７年を基点として
それ以前の歴代天皇の享年や治世年数を水増しして過去へ繰
り上げているのである。だから継体天皇以後の歴代天皇の治
世年代は大体本当なのである。
継体天皇の治世は５０７年が元年なのである。だから５０
６年以前は武烈天皇の治世なのである。しかるに雄略天皇を
>p425
倭王武と考えると雄略天皇の治世は４７８年から５０２年以
後迄続いていることになり、５０７年が継体天皇の元年とな
るのであるから雄略天皇から継体天皇迄の間の天皇の治世が
全くなくなってしまうのである。日本書紀によれば雄略天皇
の次は清寧(せいねい)天皇、顕宗(けんそう)天皇、仁賢(にんけん)天皇、武烈(ぶれつ)天皇と続き、そ
の次が継体(けいたい)天皇となっているのである。
日本書紀では清寧(せいねい)天皇の治世五年、顕宗(けんそう)天皇は三年、仁賢(にんけん)
天皇は十一年、武烈(ぶれつ)天皇は八年で、雄略天皇の死後から継体
天皇即位迄の期間は二十七年となっている。故に雄略天皇の
治世が５０２年以後も続き、その後清寧天皇、顕宗天皇、仁
賢天皇、武烈天皇の治世が二十七年続いたとすると継体天皇
の即位は５３０年以後となるのであり、それでは継体天皇以
後の歴史の年代が全く合わなくなってしまうのである。だか
ら雄略天皇を倭王武であると考えることは大きな誤りである
ことに気づかねばならないのである。
>p426
すでに述べた様に応神天皇の治世は３５２年から３７１年
迄の二十年であるから応神天皇は絶対に倭王讃ではないので
ある。また仁徳天皇の治世は３７２年から３９８年迄の二十
七年であるから仁徳天皇も絶対に倭王讃ではないのである。
次に允恭天皇の治世は３９９年から４０３年迄の五年である
から允恭天皇も倭王讃ではないのである。次に反正天皇の治
世は４０４年と４０５年の二年丈であり、反正天皇は絶対に
倭王珍ではないのである。次に清寧天皇の治世は４０６年か
ら４１２年迄の七年であるから清寧天皇は絶対に倭王済では
ないのである。
次に安寧天皇の治世は４１３年と４１４年の二年丈であり
４１３年に東晉へ遣使したのは安康天皇だったのである。し
かし４１３年に東晉へ遣使した倭王は讃ではなく讃の前の倭
王だったのである。そして次の武烈天皇の治世が４１５年か
ら４３７年迄の二十三年だったのである。だから４２１年と
>p427
４２５年と４３０年の三回宋へ遣使した倭王讃は武烈天皇だ
ったことになるのである。しかしここで大きな問題があるの
である。日本書紀の雄略天皇は本当の雄略天皇ではなく偽者な
のである。即ち宋へ遣使した倭王讃の日本名は小泊瀬稚鷦鷯(をはつせのわかさざき)
と言うのである。そして倭王武の本当の名を大泊瀬幼武(おほはつせのわかたける)と言
うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-6 第二十章 仁徳天皇 ４-6・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��423-8行〜p��427-6行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）April
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��423／p��373〜p��459)
４-6・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��423／p��408〜p��436)
>p423-8行〜
次に倭王武は４７８年と４７９年と５０２年の三回遣使し
ているのである。そして倭王武は雄略天皇と言うのが定説と
なっている。それは雄略天皇の名が大泊瀬幼武(おほはつせのわかたける)となっている
ことから倭王武に相違ないと考えられているのであり、もう
一つは雄略天皇は安康天皇の弟となっているからである。し
かし雄略天皇を倭王武であると考えることは甚だ大きな矛盾
であることに気付いた人はいないのである。倭王武は５０２
年、宋の武帝の天監元年に遣使して正東大將軍の称号を贈ら
>p424
れているのである。故に武の治世は４７８年から５０２年以
後迄続いていたと考えねばならないのである。
しかし倭王武を雄略天皇と考えると雄略天皇の治世は４７
８年から５０２年以後迄続いていたことになるのである。と
ころが六世紀の初期は継体天皇の治世であることはほゞ認め
られていると思うのである。継体天皇の治世は皇紀１１６７
年からとなっているのである。皇紀１１６７年から６６０年
を引いた年数が西暦５０７年である。そして継体天皇即位の
年が西暦５０７年と言うのは本当なのである。つまり皇紀二
千六百年と言うのは継体天皇が即位した５０７年を基点として
それ以前の歴代天皇の享年や治世年数を水増しして過去へ繰
り上げているのである。だから継体天皇以後の歴代天皇の治
世年代は大体本当なのである。
継体天皇の治世は５０７年が元年なのである。だから５０
６年以前は武烈天皇の治世なのである。しかるに雄略天皇を
>p425
倭王武と考えると雄略天皇の治世は４７８年から５０２年以
後迄続いていることになり、５０７年が継体天皇の元年とな
るのであるから雄略天皇から継体天皇迄の間の天皇の治世が
全くなくなってしまうのである。日本書紀によれば雄略天皇
の次は清寧(せいねい)天皇、顕宗(けんそう)天皇、仁賢(にんけん)天皇、武烈(ぶれつ)天皇と続き、そ
の次が継体(けいたい)天皇となっているのである。
日本書紀では清寧(せいねい)天皇の治世五年、顕宗(けんそう)天皇は三年、仁賢(にんけん)
天皇は十一年、武烈(ぶれつ)天皇は八年で、雄略天皇の死後から継体
天皇即位迄の期間は二十七年となっている。故に雄略天皇の
治世が５０２年以後も続き、その後清寧天皇、顕宗天皇、仁
賢天皇、武烈天皇の治世が二十七年続いたとすると継体天皇
の即位は５３０年以後となるのであり、それでは継体天皇以
後の歴史の年代が全く合わなくなってしまうのである。だか
ら雄略天皇を倭王武であると考えることは大きな誤りである
ことに気づかねばならないのである。
>p426
すでに述べた様に応神天皇の治世は３５２年から３７１年
迄の二十年であるから応神天皇は絶対に倭王讃ではないので
ある。また仁徳天皇の治世は３７２年から３９８年迄の二十
七年であるから仁徳天皇も絶対に倭王讃ではないのである。
次に允恭天皇の治世は３９９年から４０３年迄の五年である
から允恭天皇も倭王讃ではないのである。次に反正天皇の治
世は４０４年と４０５年の二年丈であり、反正天皇は絶対に
倭王珍ではないのである。次に清寧天皇の治世は４０６年か
ら４１２年迄の七年であるから清寧天皇は絶対に倭王済では
ないのである。
次に安寧天皇の治世は４１３年と４１４年の二年丈であり
４１３年に東晉へ遣使したのは安康天皇だったのである。し
かし４１３年に東晉へ遣使した倭王は讃ではなく讃の前の倭
王だったのである。そして次の武烈天皇の治世が４１５年か
ら４３７年迄の二十三年だったのである。だから４２１年と
>p427
４２５年と４３０年の三回宋へ遣使した倭王讃は武烈天皇だ
ったことになるのである。しかしここで大きな問題があるの
である。日本書紀の雄略天皇は本当の雄略天皇ではなく偽者な
のである。即ち宋へ遣使した倭王讃の日本名は小泊瀬稚鷦鷯(をはつせのわかさざき)
と言うのである。そして倭王武の本当の名を大泊瀬幼武(おほはつせのわかたける)と言
うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-6 第二十章 仁徳天皇 ４-6・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��423-8行〜p��427-6行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）April證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-7
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��427／p��373〜p��459)
４-7・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��427／p��408〜p��436)
>p427-7行〜
これはどの様な意味かと言うと倭の五王がどの天皇か判ら
なくするために天皇の名を入れ変えてごまかしたのである。
だから日本書紀の雄略天皇は本当は武烈天皇であり、日本書
紀の武烈天皇は本当は雄略天皇なのである。小泊瀬稚鷦鷯(をはつせのわかさざき)と
云うのは仁徳天皇 大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)の子で小泊瀬(をはつせ)と言う土地に住ん
でいたから小泊瀬稚鷦鷯(をはつせのわかさざき)と言うのである。大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)の子だ
から稚鷦鷯皇子(さざきのみこ)なのである。そして稚鷦鷯皇子は性格が非常
に荒々しく残忍狂暴であったから後世 武烈(ぶれつ)天皇の諡(おくりな)を奉(たてまつ)られ
たのである。だから仁徳天皇皇子の武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇
>p428
子が倭王讃だったのである。
次に倭王珍は倭王讃の弟であり、仁徳天皇皇子小泊瀬稚鷦
鷯皇子の弟即ち仁徳天皇皇子 瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)なのである。しかし
瑞歯別皇子は反正天皇ではないのである。反正天皇の本当の
名を磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)と言うのである。瑞歯別皇子に贈られ
た天皇 諡号(しごう)を履中天皇(りちゅうてんのう)と言うのである。履中天皇とは中立を
守った天皇と言う意味である。それはどの様な意味かと言う
と仁徳天皇の皇子は磐之媛(いはのひめ)の生んだ大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と雄朝(をあさ)
津間稚子宿祢皇子(づまわくごのすくねのみこ)、吉備の黒媛の生んだ住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)と小泊瀬(をはつせ)
稚鷦鷯皇子(のわかさざきのみこ)、桑田玖賀媛(くはだのくがひめ)の生んだ磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)と瑞歯別(みずはわけ)
皇子(のみこ)の六人であり、それぞれ自分が天皇になろうとして争っ
たのである。しかし瑞歯別皇子丈は争いに加わらず、誰の敵
にも味方にもならずに中立を守って生き残ったのである。そ
れで瑞歯別皇子のことを中立を守った天皇と言う意味で履中天(りちゅうてん)
皇(のう)と言うのである。
>p429
だから履中天皇の名が大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と言うのは嘘であ
る。大兄去来穂別皇子に贈られた天皇 諡号(しごう)は允恭天皇(いんぎょうてんのう)と言うの
である。允恭とは仏教の言葉で因業(いんぎょう)、因業(いんごう)と言う意味である。
大兄去来穂別皇子は神の祀りをおろそかにし、神の命令に叛
いて罰を受け早く死んだと言われているのである。それで後
世に大兄去来穂別皇子は因業(いんぎょう)な天皇だったと言う意味で字を
変えて允恭(いんぎょう)天皇の諡(おくりな)を奉られたのである。
日本書紀の雄略天皇の次は清寧天皇(せいねいてんのう)白髪武廣(しらがたけひろ)国押稚日本根(くにおしわかやまとね)
子天皇(このすめらみこと)と言うことになっている。しかし清寧天皇(せいねいてんのう)と言う諡号(しごう)
は日本書紀の允恭天皇(いんぎょうてんのう)こと雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)に奉られた諡(し)
号(ごう)なのである。雄朝津間稚子宿祢皇子は政治をほったらかし
にして妾宅へ入りびたって女色の追求にふけり、それがもと
で病気になって早く死んだ天皇である。政治をそっちのけに
し、御殿を留守にして妾宅に入りびたっている天皇であるか
ら臣下の人々も国民も皆が「どうにも仕様(しよう)のない天皇だ」と
>p430
言ってなげいたり笑ったりしていたのである。それで後世に
「仕様(しよう)ない天皇」「しょうねえ天皇」と言う意味で字を変え
て清寧天皇(しょうねいてんのう)と言う諡(おくりな)を奉られたのである。だから清寧天皇(せいねいてんのう)と
読めば何だか高尚で清々(すがすが)しい感じの天皇と思われるであろう
けれども、本当は清寧(しょねい)と読むのであり、庶民の言葉で言えば
「どうにも仕様(しよう)ねえ天皇だ」と言う意味なのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-7 第二十章 仁徳天皇 ４-7・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��427-7行〜p��430-6行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）April
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��427／p��373〜p��459)
４-7・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��427／p��408〜p��436)
>p427-7行〜
これはどの様な意味かと言うと倭の五王がどの天皇か判ら
なくするために天皇の名を入れ変えてごまかしたのである。
だから日本書紀の雄略天皇は本当は武烈天皇であり、日本書
紀の武烈天皇は本当は雄略天皇なのである。小泊瀬稚鷦鷯(をはつせのわかさざき)と
云うのは仁徳天皇 大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)の子で小泊瀬(をはつせ)と言う土地に住ん
でいたから小泊瀬稚鷦鷯(をはつせのわかさざき)と言うのである。大鷦鷯皇子(おほさざきのみこ)の子だ
から稚鷦鷯皇子(さざきのみこ)なのである。そして稚鷦鷯皇子は性格が非常
に荒々しく残忍狂暴であったから後世 武烈(ぶれつ)天皇の諡(おくりな)を奉(たてまつ)られ
たのである。だから仁徳天皇皇子の武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇
>p428
子が倭王讃だったのである。
次に倭王珍は倭王讃の弟であり、仁徳天皇皇子小泊瀬稚鷦
鷯皇子の弟即ち仁徳天皇皇子 瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)なのである。しかし
瑞歯別皇子は反正天皇ではないのである。反正天皇の本当の
名を磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)と言うのである。瑞歯別皇子に贈られ
た天皇 諡号(しごう)を履中天皇(りちゅうてんのう)と言うのである。履中天皇とは中立を
守った天皇と言う意味である。それはどの様な意味かと言う
と仁徳天皇の皇子は磐之媛(いはのひめ)の生んだ大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と雄朝(をあさ)
津間稚子宿祢皇子(づまわくごのすくねのみこ)、吉備の黒媛の生んだ住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)と小泊瀬(をはつせ)
稚鷦鷯皇子(のわかさざきのみこ)、桑田玖賀媛(くはだのくがひめ)の生んだ磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)と瑞歯別(みずはわけ)
皇子(のみこ)の六人であり、それぞれ自分が天皇になろうとして争っ
たのである。しかし瑞歯別皇子丈は争いに加わらず、誰の敵
にも味方にもならずに中立を守って生き残ったのである。そ
れで瑞歯別皇子のことを中立を守った天皇と言う意味で履中天(りちゅうてん)
皇(のう)と言うのである。
>p429
だから履中天皇の名が大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と言うのは嘘であ
る。大兄去来穂別皇子に贈られた天皇 諡号(しごう)は允恭天皇(いんぎょうてんのう)と言うの
である。允恭とは仏教の言葉で因業(いんぎょう)、因業(いんごう)と言う意味である。
大兄去来穂別皇子は神の祀りをおろそかにし、神の命令に叛
いて罰を受け早く死んだと言われているのである。それで後
世に大兄去来穂別皇子は因業(いんぎょう)な天皇だったと言う意味で字を
変えて允恭(いんぎょう)天皇の諡(おくりな)を奉られたのである。
日本書紀の雄略天皇の次は清寧天皇(せいねいてんのう)白髪武廣(しらがたけひろ)国押稚日本根(くにおしわかやまとね)
子天皇(このすめらみこと)と言うことになっている。しかし清寧天皇(せいねいてんのう)と言う諡号(しごう)
は日本書紀の允恭天皇(いんぎょうてんのう)こと雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)に奉られた諡(し)
号(ごう)なのである。雄朝津間稚子宿祢皇子は政治をほったらかし
にして妾宅へ入りびたって女色の追求にふけり、それがもと
で病気になって早く死んだ天皇である。政治をそっちのけに
し、御殿を留守にして妾宅に入りびたっている天皇であるか
ら臣下の人々も国民も皆が「どうにも仕様(しよう)のない天皇だ」と
>p430
言ってなげいたり笑ったりしていたのである。それで後世に
「仕様(しよう)ない天皇」「しょうねえ天皇」と言う意味で字を変え
て清寧天皇(しょうねいてんのう)と言う諡(おくりな)を奉られたのである。だから清寧天皇(せいねいてんのう)と
読めば何だか高尚で清々(すがすが)しい感じの天皇と思われるであろう
けれども、本当は清寧(しょねい)と読むのであり、庶民の言葉で言えば
「どうにも仕様(しよう)ねえ天皇だ」と言う意味なのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-7 第二十章 仁徳天皇 ４-7・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��427-7行〜p��430-6行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）April證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-8
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��430／p��373〜p��459)
４-8・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��430／p��408〜p��436)
>p430-7行〜
また雄朝津間稚子宿祢皇子と言えば何だか非常に立派な名
の様に思えるけれども、そうではないのである。この天皇は
政治をそっちのけにし、御殿をいつも留守にして妾宅に入り
びたって若い女性と寢るばかりしていたのである。だから臣
下の人々が御殿へ訪ねて来て、天皇はおはしますかと尋ねて
も、いつも「おはさず」の返事が帰って来ていたのである。
天皇の居間はいつも空(から)で「おはさずの間(ま)」だったのであり、
妾宅で若い女性と寢るばかりしている天皇だからそれをもじ
って「おはさずの間(ま)、若女(わくご)と直寢(すぐね)の皇子(みこ)」と言うけいべつし
>p431
た名を奉られたのである。だからこの名は天皇の本名ではな
く悪口なのであり、清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)とは「ど
うにも仕様(しょう)ねえ天皇、おわさずの間(ま)、若女(わくご)と直寢(すぐね)の皇子(みこ)」と
言う甚だ不名誉な名なのである。
日本書紀の雄略天皇、本当は仁徳天皇皇子の武烈天皇小泊
瀬稚鷦鷯皇子が治世二十三年で４３７年に死去した後、異母
弟の履中天皇(りちゅうてんのう)瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)が即位したのである。
瑞歯別皇子は六十七才の高令で即位したのである。それで頭
髪が真っ白であったから白髪命(しらがのみこと)とも呼ばれていたのであり、
治世五年、七十一才で４４２年に死去したのである。瑞歯別
皇子は生涯独身であったから子がなかったのである。それで
同母兄 反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)の遺児 財皇子(たからのみこ)、またの名は
億計王(おけのみこ)を播磨の国から迎えて後継者としたのである。
財皇子(たからのみこ)は４４３年に四十二才で即位して仁賢天皇となった
のである。仁賢天皇は４４３年と４５１年と４６０年の三回
>p432
宋へ遣使したのであるが、上表文に自分の本名である財皇子(たからのみこ)
の財(さい)の字を済(さい)に書き変えて署名したのである。それで宋書に
は倭王済(さい)と記録せられているのである。仁賢天皇は治世十九
年、享年六十才で４６１年に死去したのである。それで仁賢
天皇の長子 顕宗天皇(けんそうてんのう)興計王(こおけのみこ)（弘計王）が４６２年に三十八才
で即位し、その年に宋へ遣使したのである。宋書の倭王興は
即ち顕宗天皇の本名 興計王(こおけのみこ)の興(こう)なのである。
しかるに日本書紀は宋書の倭王済と倭王興が誰であるか判
らなくするために仁賢天皇の皇子顕宗天皇を仁賢天皇の弟と
してごまかし、しかも弟の顕宗天皇の方が先に即位し、先に
死去したことにしてごまかしたのである。顕宗天皇は４６２
年と４７７年の二回遣使し、４７７年に治世十六年、享年五
十三才で死去したのである。顕宗天皇には皇子がいなかった
のである。それで顕宗天皇の死後弟の雄略天皇 大泊瀬幼武皇(おほはつせのわかたけるのみ)
子(こ)が４７８年に二十九才で即位したのである。大泊瀬幼武皇
>p433
子は仁賢天皇が履中天皇瑞歯別皇子に都へ迎えられてから後
に生まれた子であり、顕宗天皇は仁賢天皇が武烈天皇（日本
書紀の雄略天皇）に追われて播磨の国に隠れ住んでいた時に
生まれた子であるから兄弟と言っても親子程年が違っていた
のである。大泊瀬幼武皇子を雄略天皇と言うのは雄々しく智
略に富んだ英雄とか將軍と言う意味ではないのである。だか
ら雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)と読むのは正しくないのである。本当は雄略天皇(をはぶきてんのう)
と読むのが正しいのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-8 第二十章 仁徳天皇 ４-8・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��430-7行〜p��433-8行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和５年（2023）April
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��430／p��373〜p��459)
４-8・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��430／p��408〜p��436)
>p430-7行〜
また雄朝津間稚子宿祢皇子と言えば何だか非常に立派な名
の様に思えるけれども、そうではないのである。この天皇は
政治をそっちのけにし、御殿をいつも留守にして妾宅に入り
びたって若い女性と寢るばかりしていたのである。だから臣
下の人々が御殿へ訪ねて来て、天皇はおはしますかと尋ねて
も、いつも「おはさず」の返事が帰って来ていたのである。
天皇の居間はいつも空(から)で「おはさずの間(ま)」だったのであり、
妾宅で若い女性と寢るばかりしている天皇だからそれをもじ
って「おはさずの間(ま)、若女(わくご)と直寢(すぐね)の皇子(みこ)」と言うけいべつし
>p431
た名を奉られたのである。だからこの名は天皇の本名ではな
く悪口なのであり、清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)とは「ど
うにも仕様(しょう)ねえ天皇、おわさずの間(ま)、若女(わくご)と直寢(すぐね)の皇子(みこ)」と
言う甚だ不名誉な名なのである。
日本書紀の雄略天皇、本当は仁徳天皇皇子の武烈天皇小泊
瀬稚鷦鷯皇子が治世二十三年で４３７年に死去した後、異母
弟の履中天皇(りちゅうてんのう)瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)が即位したのである。
瑞歯別皇子は六十七才の高令で即位したのである。それで頭
髪が真っ白であったから白髪命(しらがのみこと)とも呼ばれていたのであり、
治世五年、七十一才で４４２年に死去したのである。瑞歯別
皇子は生涯独身であったから子がなかったのである。それで
同母兄 反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)の遺児 財皇子(たからのみこ)、またの名は
億計王(おけのみこ)を播磨の国から迎えて後継者としたのである。
財皇子(たからのみこ)は４４３年に四十二才で即位して仁賢天皇となった
のである。仁賢天皇は４４３年と４５１年と４６０年の三回
>p432
宋へ遣使したのであるが、上表文に自分の本名である財皇子(たからのみこ)
の財(さい)の字を済(さい)に書き変えて署名したのである。それで宋書に
は倭王済(さい)と記録せられているのである。仁賢天皇は治世十九
年、享年六十才で４６１年に死去したのである。それで仁賢
天皇の長子 顕宗天皇(けんそうてんのう)興計王(こおけのみこ)（弘計王）が４６２年に三十八才
で即位し、その年に宋へ遣使したのである。宋書の倭王興は
即ち顕宗天皇の本名 興計王(こおけのみこ)の興(こう)なのである。
しかるに日本書紀は宋書の倭王済と倭王興が誰であるか判
らなくするために仁賢天皇の皇子顕宗天皇を仁賢天皇の弟と
してごまかし、しかも弟の顕宗天皇の方が先に即位し、先に
死去したことにしてごまかしたのである。顕宗天皇は４６２
年と４７７年の二回遣使し、４７７年に治世十六年、享年五
十三才で死去したのである。顕宗天皇には皇子がいなかった
のである。それで顕宗天皇の死後弟の雄略天皇 大泊瀬幼武皇(おほはつせのわかたけるのみ)
子(こ)が４７８年に二十九才で即位したのである。大泊瀬幼武皇
>p433
子は仁賢天皇が履中天皇瑞歯別皇子に都へ迎えられてから後
に生まれた子であり、顕宗天皇は仁賢天皇が武烈天皇（日本
書紀の雄略天皇）に追われて播磨の国に隠れ住んでいた時に
生まれた子であるから兄弟と言っても親子程年が違っていた
のである。大泊瀬幼武皇子を雄略天皇と言うのは雄々しく智
略に富んだ英雄とか將軍と言う意味ではないのである。だか
ら雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)と読むのは正しくないのである。本当は雄略天皇(をはぶきてんのう)
と読むのが正しいのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-8 第二十章 仁徳天皇 ４-8・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��430-7行〜p��433-8行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和５年（2023）April證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-４-9(終)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��433／p��373〜p��459)
４-9(終)・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��433／p��408〜p��436)
>p433-9行〜
大泊瀬幼武皇子は仁賢天皇の双子の皇子が成長して將来皇位の継承で
争いを起こすことを心配して双子の皇子の一人を大吉備津日
子命の二男 彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の子孫に当たる越前の三国(みくに)の君(きみ)の所へ
里子に出したのである。里子に出された皇子が後年の継体天(けいたいてん)
皇(のう)なのである。雄略天皇大泊瀬幼武皇子には皇子がいなかっ
たのである。それで大泊瀬幼武皇子は三国の君の所へ里子に
>p434
出されていた継体天皇を都へ呼び戻し皇位を継がせることに
したのである。雄略(をはぶき)天皇とは即ち双子の皇子の一人を里子に
出したから男の子の一人を略(はぶ)いたと言う意味の諡(おくりな)であって、
雄々しく智略に富んだ英雄の如き天皇と言う様な意味ではな
いのである。
雄略天皇大泊瀬幼武皇子は４７８年に宋へ、４７９年に南
斉へ、５０２年に梁へそれぞれ遣使したのである。大泊瀬幼
武皇子は遣使の上表文に自分の名の幼武(わかたける)の一字を取って武と
署名したのである。それで宋や南斉や梁の歴史に倭王武と記
録せられているのである。大泊瀬幼武皇子は５０６年に治世
二十九年、享年五十七才で死去したのである。それで５０７
年に双子の兄弟の継体天皇が即位したのである。倭の五王に
ついては後の章で詳しく説明する故これで省略する。
さて仁徳天皇の皇子は以上述べた六人であり、長子が大兄(おほえの)
去来穂別皇子(いざほわけのみこ)である。大兄去来穂別皇子は応神天皇の九年、
>p435
３６０年に生まれたのである。しかし長子であるにもかゝわ
らず云来穂別(いざほわけ)と名前に別(わけ)がついていることは仁徳天皇は始め
は云来穂別皇子を皇太子にするつもりではなかったものと思
えるのである。次に云来穂別皇子の同母弟 雄朝津間稚子宿祢(をあさづまわくごのすくねの)
皇子(みこ)が生まれたのが応神天皇の十五年、３６５年である。
次に仁徳天皇と吉備の黒媛との間に住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)が生まれた
のは云来穂別皇子より一年位後の３６１年頃であろうと思う
のである。そして黒媛が日本書紀の雄略天皇、本当は武烈天(ぶれつてん)
皇(のう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)を生んだのは応神天皇の十四年、３６４年
だったのである。また安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)は住吉仲皇子の子で
３８９年に生まれたのであり、小泊瀬稚鷦鷯皇子の甥だった
のである。
次に仁徳天皇と桑田玖賀媛(くわたのくがひめ)との間に反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽(いはさかのいちべのおしば)
皇子(のみこ)が生まれたのは応神天皇の十八年、３６９年であり、反
正天皇の同母弟履中天皇 瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)が生まれたのが仁徳天皇
>p436
元年、３７２年だったのである。故に仁徳天皇の皇子を年令
順に言うと允恭天皇大兄去来穂別皇子、住吉仲皇子、武烈天
皇小泊瀬稚鷦鷯皇子、清寧天皇雄朝津間稚子宿祢皇子、反正
天皇磐坂市辺押羽皇子、履中天皇瑞歯別皇子の順になるので
ある。
仁徳天皇は兄の大山守命を殺し、弟の菟道稚郎子皇子を自
殺させて皇位を守った人であり、仁徳天皇の皇子達も兄弟同
志が皇位を求めて殺し合ったのであり、それ以後の天皇家に
は兄弟相剋(そうこく)が多かったのである。それは応神天皇は悪の倫理
道徳を説かれる神皇産霊神(かみむすびのかみ)の霊統に属する方であるからその
子孫には悪の徳を持って生まれて来る皇子が多く、また親子
兄弟でも戦はねばならないこともあると言うのが悪の倫理道
徳であるからである。八番宮を氏神とする清和源氏の一族に
兄弟相剋が多かったのも猛獣の世界には兄弟の争いや友喰い
などの習慣があるのと同じなのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-9(終) 第二十章 仁徳天皇 ４-9(終)・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��433-9行〜p��436-10行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和５年（2023）April
證 明(✡しょう めい)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��433／p��373〜p��459)
４-9(終)・仁徳天皇の后妃と皇子皇女
(p��433／p��408〜p��436)
>p433-9行〜
大泊瀬幼武皇子は仁賢天皇の双子の皇子が成長して將来皇位の継承で
争いを起こすことを心配して双子の皇子の一人を大吉備津日
子命の二男 彦湯産隅命(ひこゆむすみのみこと)の子孫に当たる越前の三国(みくに)の君(きみ)の所へ
里子に出したのである。里子に出された皇子が後年の継体天(けいたいてん)
皇(のう)なのである。雄略天皇大泊瀬幼武皇子には皇子がいなかっ
たのである。それで大泊瀬幼武皇子は三国の君の所へ里子に
>p434
出されていた継体天皇を都へ呼び戻し皇位を継がせることに
したのである。雄略(をはぶき)天皇とは即ち双子の皇子の一人を里子に
出したから男の子の一人を略(はぶ)いたと言う意味の諡(おくりな)であって、
雄々しく智略に富んだ英雄の如き天皇と言う様な意味ではな
いのである。
雄略天皇大泊瀬幼武皇子は４７８年に宋へ、４７９年に南
斉へ、５０２年に梁へそれぞれ遣使したのである。大泊瀬幼
武皇子は遣使の上表文に自分の名の幼武(わかたける)の一字を取って武と
署名したのである。それで宋や南斉や梁の歴史に倭王武と記
録せられているのである。大泊瀬幼武皇子は５０６年に治世
二十九年、享年五十七才で死去したのである。それで５０７
年に双子の兄弟の継体天皇が即位したのである。倭の五王に
ついては後の章で詳しく説明する故これで省略する。
さて仁徳天皇の皇子は以上述べた六人であり、長子が大兄(おほえの)
去来穂別皇子(いざほわけのみこ)である。大兄去来穂別皇子は応神天皇の九年、
>p435
３６０年に生まれたのである。しかし長子であるにもかゝわ
らず云来穂別(いざほわけ)と名前に別(わけ)がついていることは仁徳天皇は始め
は云来穂別皇子を皇太子にするつもりではなかったものと思
えるのである。次に云来穂別皇子の同母弟 雄朝津間稚子宿祢(をあさづまわくごのすくねの)
皇子(みこ)が生まれたのが応神天皇の十五年、３６５年である。
次に仁徳天皇と吉備の黒媛との間に住吉仲皇子(すみのえなかつみこ)が生まれた
のは云来穂別皇子より一年位後の３６１年頃であろうと思う
のである。そして黒媛が日本書紀の雄略天皇、本当は武烈天(ぶれつてん)
皇(のう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)を生んだのは応神天皇の十四年、３６４年
だったのである。また安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)は住吉仲皇子の子で
３８９年に生まれたのであり、小泊瀬稚鷦鷯皇子の甥だった
のである。
次に仁徳天皇と桑田玖賀媛(くわたのくがひめ)との間に反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽(いはさかのいちべのおしば)
皇子(のみこ)が生まれたのは応神天皇の十八年、３６９年であり、反
正天皇の同母弟履中天皇 瑞歯別皇子(みずはわけのみこ)が生まれたのが仁徳天皇
>p436
元年、３７２年だったのである。故に仁徳天皇の皇子を年令
順に言うと允恭天皇大兄去来穂別皇子、住吉仲皇子、武烈天
皇小泊瀬稚鷦鷯皇子、清寧天皇雄朝津間稚子宿祢皇子、反正
天皇磐坂市辺押羽皇子、履中天皇瑞歯別皇子の順になるので
ある。
仁徳天皇は兄の大山守命を殺し、弟の菟道稚郎子皇子を自
殺させて皇位を守った人であり、仁徳天皇の皇子達も兄弟同
志が皇位を求めて殺し合ったのであり、それ以後の天皇家に
は兄弟相剋(そうこく)が多かったのである。それは応神天皇は悪の倫理
道徳を説かれる神皇産霊神(かみむすびのかみ)の霊統に属する方であるからその
子孫には悪の徳を持って生まれて来る皇子が多く、また親子
兄弟でも戦はねばならないこともあると言うのが悪の倫理道
徳であるからである。八番宮を氏神とする清和源氏の一族に
兄弟相剋が多かったのも猛獣の世界には兄弟の争いや友喰い
などの習慣があるのと同じなのである。
《日本の歴史と最後の審判��-４-9(終) 第二十章 仁徳天皇 ４-9(終)・仁徳天皇の后妃と皇子皇女 p��433-9行〜p��436-10行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和５年（2023）April證 明(✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-1
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��437／p��373〜p��459)
５-1・仁徳天皇の治績と出来事
(p��437／p��437〜p��459)
>p437-1行〜
５・仁徳天皇の治績と出来事
仁徳天皇が即位したのは３７２年であり、その年に百済の
肖古王が即位の祝いとして七枝刀や七子鏡其他の重宝を献上
したのである。そして仁徳天皇が葛城襲津彦王(かづらきそつひこのみこ)の娘 磐之媛(いはのひめ)を
皇后に立てたのは治世二年、３７３年のことであろうかとも
思われるが確証はない。仁徳天皇はもともとは磐之媛よりも
吉備の黒媛の方を深く愛していたものと思うのであり、だか
ら本当は吉備の黒媛を皇后に立て、黒媛の子である住吉仲皇
子か小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)を皇太子に立てたかったのだと考えら
れるのである。それは皇子の名から判断出来るのである。
大兄去来穂別皇子には名に別がついている点から考えて皇
太子にするつもりではなかったと考えられるのである。それ
に対して黒媛の子である住吉仲皇子は長男ではないけれども
皇太子にしたいと思ってつけた名であろうと思う。また小泊
瀬稚鷦鷯皇子には鷦鷯(さざき)と言う自分の名を継がせている点から
>p438
考えるとこの皇子を皇太子にしたいと思っていた可能性もあ
ると思うのである。
仁徳紀では三十一年に大兄去来穂別皇子を立てて皇太子に
したことになっている。しかし仁徳天皇の治世は二十七年迄
しかないのであるから三十一年は大嘘である。仁徳紀の紀年
は大嘘であるからよく考えて見ないと本当のことは判らない
のである。十四年の冬十一月に猪甘津(ゐかいづ)に橋を架けたり都に大
道を造ったりしたと言うのが本当の十四年、３８５年のこと
である。しかしそれ以後は二十七年の治世を八十七年に引き
伸ばすために年数を大巾に飛ばしているのである。故に私は
三十一年が本当の十六年、３８７年であると思うのである。
その頃迄仁徳天皇は誰を皇太子に立てるべきか迷っていたの
ではないかと思うのである。
仁徳天皇は吉備の黒媛を皇后に立てたかったけれども事情
やむを得ず磐之媛を皇后に立てたのではないかと思う。それ
>p439
は応神天皇の王朝を立てるのに最も功献したのは神功天皇の
一族だったからであり、応神天皇は第六代吉備津彦 功狭別命(いざさわけのみこと)
の二女仲媛命を皇后に立てたのであるから、仁徳天皇の皇后
は息長氏の一族の女性を立てて貰いたいと言う要望もあり、仁徳天皇としては義理で磐之媛を皇后に立てざるを得なかっ
たのではなかろうか。だから磐之媛に対しては愛情よりも義
理と言う気持ちが強かったのだと思うのである。
磐之媛が吉備の黒媛に対して特に激しい嫉妬心と憎しみの
念を持っていた理由の大半はそこにあったと言えよう。磐之
媛には大きな弱みがあったのである。それは磐之媛の父葛城
襲津彦王は神功天皇の甥であるから当時の社会では最上流階
級に属していたのであるけれども、母が新羅国王女であった
ことから日鮮混血児としてひけ目を感じていたのだろうと思
うのである。磐之媛は仁徳天皇が義理で自分を皇后に立てて
呉れているけれども、本当の愛情は黒媛に向けられていると
>p440
思って黒媛に憎しみの心を持っていたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-1 第二十章 仁徳天皇 ５-1・仁徳天皇の治績と出来事 p��437-1行〜p��440-1行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和５年（2023）May
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��437／p��373〜p��459)
５-1・仁徳天皇の治績と出来事
(p��437／p��437〜p��459)
>p437-1行〜
５・仁徳天皇の治績と出来事
仁徳天皇が即位したのは３７２年であり、その年に百済の
肖古王が即位の祝いとして七枝刀や七子鏡其他の重宝を献上
したのである。そして仁徳天皇が葛城襲津彦王(かづらきそつひこのみこ)の娘 磐之媛(いはのひめ)を
皇后に立てたのは治世二年、３７３年のことであろうかとも
思われるが確証はない。仁徳天皇はもともとは磐之媛よりも
吉備の黒媛の方を深く愛していたものと思うのであり、だか
ら本当は吉備の黒媛を皇后に立て、黒媛の子である住吉仲皇
子か小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)を皇太子に立てたかったのだと考えら
れるのである。それは皇子の名から判断出来るのである。
大兄去来穂別皇子には名に別がついている点から考えて皇
太子にするつもりではなかったと考えられるのである。それ
に対して黒媛の子である住吉仲皇子は長男ではないけれども
皇太子にしたいと思ってつけた名であろうと思う。また小泊
瀬稚鷦鷯皇子には鷦鷯(さざき)と言う自分の名を継がせている点から
>p438
考えるとこの皇子を皇太子にしたいと思っていた可能性もあ
ると思うのである。
仁徳紀では三十一年に大兄去来穂別皇子を立てて皇太子に
したことになっている。しかし仁徳天皇の治世は二十七年迄
しかないのであるから三十一年は大嘘である。仁徳紀の紀年
は大嘘であるからよく考えて見ないと本当のことは判らない
のである。十四年の冬十一月に猪甘津(ゐかいづ)に橋を架けたり都に大
道を造ったりしたと言うのが本当の十四年、３８５年のこと
である。しかしそれ以後は二十七年の治世を八十七年に引き
伸ばすために年数を大巾に飛ばしているのである。故に私は
三十一年が本当の十六年、３８７年であると思うのである。
その頃迄仁徳天皇は誰を皇太子に立てるべきか迷っていたの
ではないかと思うのである。
仁徳天皇は吉備の黒媛を皇后に立てたかったけれども事情
やむを得ず磐之媛を皇后に立てたのではないかと思う。それ
>p439
は応神天皇の王朝を立てるのに最も功献したのは神功天皇の
一族だったからであり、応神天皇は第六代吉備津彦 功狭別命(いざさわけのみこと)
の二女仲媛命を皇后に立てたのであるから、仁徳天皇の皇后
は息長氏の一族の女性を立てて貰いたいと言う要望もあり、仁徳天皇としては義理で磐之媛を皇后に立てざるを得なかっ
たのではなかろうか。だから磐之媛に対しては愛情よりも義
理と言う気持ちが強かったのだと思うのである。
磐之媛が吉備の黒媛に対して特に激しい嫉妬心と憎しみの
念を持っていた理由の大半はそこにあったと言えよう。磐之
媛には大きな弱みがあったのである。それは磐之媛の父葛城
襲津彦王は神功天皇の甥であるから当時の社会では最上流階
級に属していたのであるけれども、母が新羅国王女であった
ことから日鮮混血児としてひけ目を感じていたのだろうと思
うのである。磐之媛は仁徳天皇が義理で自分を皇后に立てて
呉れているけれども、本当の愛情は黒媛に向けられていると
>p440
思って黒媛に憎しみの心を持っていたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-1 第二十章 仁徳天皇 ５-1・仁徳天皇の治績と出来事 p��437-1行〜p��440-1行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和５年（2023）May五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-2
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��440／p��373〜p��459)
５-2・仁徳天皇の治績と出来事
(p��440／p��437〜p��459)
>p440-2行〜
仁徳紀によれば十二年の秋七月に高麗国(こまのくに)が鉄の盾(たて)と鉄の的(まと)
を献上したと言う。そして八月に高麗の客を朝廷でもてなし
たと言う。その時多くの群臣や官僚を集めて高麗の国の献上
した鉄の盾と鉄の的を射させた所、多くの人々は的を射通すこと
が出来なかったにもかゝわらず盾人宿祢(たたひとのすくね)が唯一人鉄の的を射通したので的戸田宿祢(いくはとだのすくね)の名を賜ったと言う。的戸田宿祢は葛
城襲津彦の子孫であり、武内宿祢の子孫と言われているけれ
どもそうではないのである。的戸田宿祢は斯摩宿祢(しまのすくね)の子で波多八代宿(はたやしろのすくね)の弟であるにもかゝわらず、波多八代宿を武内
宿祢の子としてごまかし、葛城襲津彦王を武内宿祢の子とし
てごまかし、的戸田宿祢を葛城襲津彦の子孫としてごまかし
たのである。
高麗国が鉄の盾と的を献上した十二年は本当の十二年であ
り３８３年のことである。そして的戸田宿祢が鉄の的(まと)を射通
>p441
した日と同じ日に小泊瀬造(をはつせのみやつこ)の祖 宿祢臣(すくねのおみ)に賢遺臣(さかのこりのおみ)の名を賜った
と言う。小泊瀬は仁徳天皇皇子 小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)とかゝわり
を持つ名である。これは本当は小泊瀬造(をはつせのみやつこ)ではなく小泊瀬部(をはつせべ)で
あろうと思うのである。仁徳天皇は七年の秋八月に大兄去来
穂別皇子のために壬生部(みぶべ)を定め、また皇后のために葛城部(かづらきべ)を
を定めたと言う。それと同じで小泊瀬稚鷦鷯皇子のために小(を)
泊瀬部(はつせべ)を造ったのだと思うのである。
その頃には小泊瀬稚鷦鷯皇子の母吉備の黒媛は皇居を去っ
て吉備の国へ帰った後だったものと考えられるのであり、仁
徳天皇は小泊瀬稚鷦鷯皇子の一生の生活を保証するために小
泊瀬部を造り、その責任者として宿祢臣を任命していたもの
と考えられるのである。宿祢臣丈では氏素姓が判らない。
小泊瀬部の責任者と言うことはつま
り小泊瀬稚鷦鷯皇子の家臣であり、皇子の生活上の一切の世
>p442
話なども引き受ける役目であり、現代的な言葉で言えば執事(ひつじ)
と言う様な立場だったのではないかと思うのである。
しかし後世に仁徳天皇皇子小泊瀬稚鷦鷯皇子を仁賢天皇皇
子武烈天皇小泊瀬稚鷦鷯皇子としてごまかし、仁賢天皇皇子
雄略天皇 大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)を允恭天皇(いんぎょうてんのう)皇子としてごまかしたか
ら小泊瀬部の存在理由がなくなってしまったのである。それ
で小泊瀬造としてごまかしたものと思うのである。しかし仁
徳紀に小泊瀬造の名があることは、仁徳天皇が皇子の小泊瀬
稚鷦鷯皇子のために小泊瀬部を造っていた証拠であると思う
のである。
次に仁徳紀では十六年の秋七月に天皇は宮人桑田玖賀媛(みやのひとくはたのくがひめ)を
近くに仕える舎人(とねり)達に見せて世話をして呉れる者はいないか
と言うことを聞いたと言う。その時仁徳天皇は「水底(みなそこ)ふ 臣(おみ)
の少女(をとめ)を誰養(たれやしな)はむ」と言ったと言う。「水底(みなそこ)ふ」とは水の底
に沈んでいて浮かび上がれるあてのない不幸な境遇と言う様
>p443
な意味であろうと思うのである。桑田玖賀媛はすでに反正天(はんぜいてん)
皇(のう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)と履中天皇瑞歯別皇子の二人の皇子を生
んだ身であったけれども磐之媛の嫉妬がますます激しくなっ
たために仁徳天皇は玖賀媛を正式の妃として宮中へ召し入れ
ることはもはや不可能とあきらめ、更に玖賀媛の家へ通うこ
とすら出来にくくなったために、まだ若い玖賀媛を不幸にし
たくないと思って臣下の誰かと再婚させようとしたものであ
ろう。だからその頃の玖賀媛は水の底に沈んでいて一生浮か
びあがることが出来そうにもない境遇だったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-2 第二十章 仁徳天皇 ５-2・仁徳天皇の治績と出来事 p��440-2行〜p��443-9行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）May
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平成７年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��440／p��373〜p��459)
５-2・仁徳天皇の治績と出来事
(p��440／p��437〜p��459)
>p440-2行〜
仁徳紀によれば十二年の秋七月に高麗国(こまのくに)が鉄の盾(たて)と鉄の的(まと)
を献上したと言う。そして八月に高麗の客を朝廷でもてなし
たと言う。その時多くの群臣や官僚を集めて高麗の国の献上
した鉄の盾と鉄の的を射させた所、多くの人々は的を射通すこと
が出来なかったにもかゝわらず盾人宿祢(たたひとのすくね)が唯一人鉄の的を射通したので的戸田宿祢(いくはとだのすくね)の名を賜ったと言う。的戸田宿祢は葛
城襲津彦の子孫であり、武内宿祢の子孫と言われているけれ
どもそうではないのである。的戸田宿祢は斯摩宿祢(しまのすくね)の子で波多八代宿(はたやしろのすくね)の弟であるにもかゝわらず、波多八代宿を武内
宿祢の子としてごまかし、葛城襲津彦王を武内宿祢の子とし
てごまかし、的戸田宿祢を葛城襲津彦の子孫としてごまかし
たのである。
高麗国が鉄の盾と的を献上した十二年は本当の十二年であ
り３８３年のことである。そして的戸田宿祢が鉄の的(まと)を射通
>p441
した日と同じ日に小泊瀬造(をはつせのみやつこ)の祖 宿祢臣(すくねのおみ)に賢遺臣(さかのこりのおみ)の名を賜った
と言う。小泊瀬は仁徳天皇皇子 小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)とかゝわり
を持つ名である。これは本当は小泊瀬造(をはつせのみやつこ)ではなく小泊瀬部(をはつせべ)で
あろうと思うのである。仁徳天皇は七年の秋八月に大兄去来
穂別皇子のために壬生部(みぶべ)を定め、また皇后のために葛城部(かづらきべ)を
を定めたと言う。それと同じで小泊瀬稚鷦鷯皇子のために小(を)
泊瀬部(はつせべ)を造ったのだと思うのである。
その頃には小泊瀬稚鷦鷯皇子の母吉備の黒媛は皇居を去っ
て吉備の国へ帰った後だったものと考えられるのであり、仁
徳天皇は小泊瀬稚鷦鷯皇子の一生の生活を保証するために小
泊瀬部を造り、その責任者として宿祢臣を任命していたもの
と考えられるのである。宿祢臣丈では氏素姓が判らない。
小泊瀬部の責任者と言うことはつま
り小泊瀬稚鷦鷯皇子の家臣であり、皇子の生活上の一切の世
>p442
話なども引き受ける役目であり、現代的な言葉で言えば執事(ひつじ)
と言う様な立場だったのではないかと思うのである。
しかし後世に仁徳天皇皇子小泊瀬稚鷦鷯皇子を仁賢天皇皇
子武烈天皇小泊瀬稚鷦鷯皇子としてごまかし、仁賢天皇皇子
雄略天皇 大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)を允恭天皇(いんぎょうてんのう)皇子としてごまかしたか
ら小泊瀬部の存在理由がなくなってしまったのである。それ
で小泊瀬造としてごまかしたものと思うのである。しかし仁
徳紀に小泊瀬造の名があることは、仁徳天皇が皇子の小泊瀬
稚鷦鷯皇子のために小泊瀬部を造っていた証拠であると思う
のである。
次に仁徳紀では十六年の秋七月に天皇は宮人桑田玖賀媛(みやのひとくはたのくがひめ)を
近くに仕える舎人(とねり)達に見せて世話をして呉れる者はいないか
と言うことを聞いたと言う。その時仁徳天皇は「水底(みなそこ)ふ 臣(おみ)
の少女(をとめ)を誰養(たれやしな)はむ」と言ったと言う。「水底(みなそこ)ふ」とは水の底
に沈んでいて浮かび上がれるあてのない不幸な境遇と言う様
>p443
な意味であろうと思うのである。桑田玖賀媛はすでに反正天(はんぜいてん)
皇(のう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)と履中天皇瑞歯別皇子の二人の皇子を生
んだ身であったけれども磐之媛の嫉妬がますます激しくなっ
たために仁徳天皇は玖賀媛を正式の妃として宮中へ召し入れ
ることはもはや不可能とあきらめ、更に玖賀媛の家へ通うこ
とすら出来にくくなったために、まだ若い玖賀媛を不幸にし
たくないと思って臣下の誰かと再婚させようとしたものであ
ろう。だからその頃の玖賀媛は水の底に沈んでいて一生浮か
びあがることが出来そうにもない境遇だったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-2 第二十章 仁徳天皇 ５-2・仁徳天皇の治績と出来事 p��440-2行〜p��443-9行》
✡ 執筆：平成７年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）May五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-3
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��443／p��373〜p��459)
５-3・仁徳天皇の治績と出来事
(p��443／p��437〜p��459)
>p443-9行〜
仁徳天皇の呼びかけに応じて播磨国造 速待(はやまち)が玖賀媛の世話
をしたいと申し出たけれども、皇妃となって二人の皇子の母
となっている玖賀媛は臣下の者との再婚を拒否し、それから
間もなく死去したものであろう。それは病死であったかも知
れず、ことによれば前途を悲観して自殺であったかも知れ
ないであろう。そしてそれは本当の仁徳十四年、３８５年の
>p444
ことであると思うのである。また吉備の黒媛が郷里へ帰った
のがそれより二年か三年前のことであろうと思うのである。
次に神功紀六十四年に百済国(くだらのくに)の貴須王(くゐすわう)が死去し、王子 枕流(とむる)
王(わう)が即位したとあるのが仁徳天皇の十三年、３８４年であり、
枕流王(とむるわう)が死去して辰斯王(しんしわう)が即位したのが仁徳天皇の十四年、
３８５年のことだったのである。
次に仁徳紀十七年に新羅が朝貢しなかったので的戸田宿祢(いくはとだのすくね)
と小泊瀬造の祖賢遺臣(さかのこりのおみ)を派遣して朝貢しない理由を問はせた
ところ新羅の人々は恐れて船八十艘の貢物を献上したと言う
のが仁徳天皇の十四年、３８５年のことである。
次に二十二年の春正月に天皇は皇后に対して八田皇女(やたのひめみこ)を妃
として宮中に召し入れたいと話して拒否されたことになって
いる。これが本当は十五年の春正月のことであり、３８６年
である。そして三十年の秋九月に皇后磐之媛は紀(き)の国の熊野
へ行って御網葉(みつなかしは)を取って帰ったと言う。その時仁徳天皇は皇
>p445
后が紀の国へ行って留守であるのを良いことにして八田皇女
を宮中に召し入れたと言う。皇后は船で難波済(なにはのわたり)迄帰って来て
天皇が八田皇女を宮中へ召し入れたと言う話を聞いて怒り、
熊野で取って来た御網葉(みつなかしは)を海へ投げ捨て、そのまゝ船で淀川
を溯り、更に支流木津川を溯って郷里の葛城の近く迄行って
郷里を眺め、更に引き返して山城に帰り、筒城岡(つつきのおか)の南に屋敷
を立てて住んだと言う。古事記では磐之媛は山城に帰って来
てしばらくは韓人(からひと)の奴理能美(ぬりのみ)と言う人の家に入ってそこに住
んだことになっているのである。
では何故仁徳天皇皇后が山城の韓人(からひと)奴理能美(ぬりのみ)の家に入った
のであろうか。それは磐之媛の生家は葛城高宮のあたりにあ
ったと思われる葛城襲津彦王の家であるが、山城の韓人(からひと)奴理(ぬり)
能美(のみ)は磐之媛の母新羅国王女、日本名 葛城高額媛(かづらきのたかぬかひめ)の血統の人で
あるか、それとも葛城高額媛に仕えて一緒に日本へ渡って来
た人であるか、いずれにしても磐之媛にとって非常に親しい
>p446
間柄にあった人に相違ないのである。しかし磐之媛が日鮮混
血児であったことが消されたから、何故 韓人(からひと)奴理能美(ぬりのみ)の家に
入ったのか理由が判らないのである。
天皇は皇居の近くにあった大津の船着場へ皇后を迎えに出
たけれども、皇后が皇居へ戻らず淀川を溯ったことを知って
舎人(とねり)の鳥山(とりやま)と言う人を迎えに行かせたけれども皇后は帰らな
かったのであり、更に皇后の住んでいる筒城(つつき)の宮へ的臣(いくはのおみ)を迎
えに行かせたけれども結局皇后は帰らなかったのである。し
かしこの出来事が三十年と言うのは大嘘である。二十二年に
天皇は八日皇女を宮中へ召し入れて妃にしたいと相談して皇
后に拒否され、それから八年も待ったと言う様な馬鹿な話は
ないのである。二十二年と言うのが本当は十五年であり、そ
の年に仁徳天皇は五十一才になっていたのである。八日皇女
が天皇より十才年下であったとしても四十才位になっていた
と考えられるのであり、二人共若くはなかったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-3 第二十章 仁徳天皇 ５-3・仁徳天皇の治績と出来事 p��443-9行〜p��446-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）May
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��443／p��373〜p��459)
５-3・仁徳天皇の治績と出来事
(p��443／p��437〜p��459)
>p443-9行〜
仁徳天皇の呼びかけに応じて播磨国造 速待(はやまち)が玖賀媛の世話
をしたいと申し出たけれども、皇妃となって二人の皇子の母
となっている玖賀媛は臣下の者との再婚を拒否し、それから
間もなく死去したものであろう。それは病死であったかも知
れず、ことによれば前途を悲観して自殺であったかも知れ
ないであろう。そしてそれは本当の仁徳十四年、３８５年の
>p444
ことであると思うのである。また吉備の黒媛が郷里へ帰った
のがそれより二年か三年前のことであろうと思うのである。
次に神功紀六十四年に百済国(くだらのくに)の貴須王(くゐすわう)が死去し、王子 枕流(とむる)
王(わう)が即位したとあるのが仁徳天皇の十三年、３８４年であり、
枕流王(とむるわう)が死去して辰斯王(しんしわう)が即位したのが仁徳天皇の十四年、
３８５年のことだったのである。
次に仁徳紀十七年に新羅が朝貢しなかったので的戸田宿祢(いくはとだのすくね)
と小泊瀬造の祖賢遺臣(さかのこりのおみ)を派遣して朝貢しない理由を問はせた
ところ新羅の人々は恐れて船八十艘の貢物を献上したと言う
のが仁徳天皇の十四年、３８５年のことである。
次に二十二年の春正月に天皇は皇后に対して八田皇女(やたのひめみこ)を妃
として宮中に召し入れたいと話して拒否されたことになって
いる。これが本当は十五年の春正月のことであり、３８６年
である。そして三十年の秋九月に皇后磐之媛は紀(き)の国の熊野
へ行って御網葉(みつなかしは)を取って帰ったと言う。その時仁徳天皇は皇
>p445
后が紀の国へ行って留守であるのを良いことにして八田皇女
を宮中に召し入れたと言う。皇后は船で難波済(なにはのわたり)迄帰って来て
天皇が八田皇女を宮中へ召し入れたと言う話を聞いて怒り、
熊野で取って来た御網葉(みつなかしは)を海へ投げ捨て、そのまゝ船で淀川
を溯り、更に支流木津川を溯って郷里の葛城の近く迄行って
郷里を眺め、更に引き返して山城に帰り、筒城岡(つつきのおか)の南に屋敷
を立てて住んだと言う。古事記では磐之媛は山城に帰って来
てしばらくは韓人(からひと)の奴理能美(ぬりのみ)と言う人の家に入ってそこに住
んだことになっているのである。
では何故仁徳天皇皇后が山城の韓人(からひと)奴理能美(ぬりのみ)の家に入った
のであろうか。それは磐之媛の生家は葛城高宮のあたりにあ
ったと思われる葛城襲津彦王の家であるが、山城の韓人(からひと)奴理(ぬり)
能美(のみ)は磐之媛の母新羅国王女、日本名 葛城高額媛(かづらきのたかぬかひめ)の血統の人で
あるか、それとも葛城高額媛に仕えて一緒に日本へ渡って来
た人であるか、いずれにしても磐之媛にとって非常に親しい
>p446
間柄にあった人に相違ないのである。しかし磐之媛が日鮮混
血児であったことが消されたから、何故 韓人(からひと)奴理能美(ぬりのみ)の家に
入ったのか理由が判らないのである。
天皇は皇居の近くにあった大津の船着場へ皇后を迎えに出
たけれども、皇后が皇居へ戻らず淀川を溯ったことを知って
舎人(とねり)の鳥山(とりやま)と言う人を迎えに行かせたけれども皇后は帰らな
かったのであり、更に皇后の住んでいる筒城(つつき)の宮へ的臣(いくはのおみ)を迎
えに行かせたけれども結局皇后は帰らなかったのである。し
かしこの出来事が三十年と言うのは大嘘である。二十二年に
天皇は八日皇女を宮中へ召し入れて妃にしたいと相談して皇
后に拒否され、それから八年も待ったと言う様な馬鹿な話は
ないのである。二十二年と言うのが本当は十五年であり、そ
の年に仁徳天皇は五十一才になっていたのである。八日皇女
が天皇より十才年下であったとしても四十才位になっていた
と考えられるのであり、二人共若くはなかったのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-3 第二十章 仁徳天皇 ５-3・仁徳天皇の治績と出来事 p��443-9行〜p��446-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）May五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-4
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��447／p��373〜p��459)
５-4・仁徳天皇の治績と出来事
(p��447／p��437〜p��459)
>p447-1行〜
だから仁徳天皇が八年間も待つはずはないのである。三十
年の秋九月と言うのは二十二年と同じ年の九月であり、本当
の十五年、３８６年のことである。そして仁徳天皇と八田皇
女は皇后の留守を幸いに激しく情熱を燃やし合ったのである。
次に三十一年春正月に大兄去来穂別皇子を皇太子に立てたこ
とになっているが、それは皇后がどうしても都へ帰らないこ
とから皇后の機嫌を取って何とか都へ帰って貰うために大兄
去来穂別皇子を正式に皇太子に立てたものであろうと思うの
である。履中紀では履中天皇は仁徳天皇の三十一年に十五才
で皇太子になったと書いてあるが、三十一年は本当の十六年、
３８７年であると私は思うのである。その年に大兄去来穂別
皇子は二十八才だったのである。また十五才だった年は３７４年、仁徳天皇の三年であり、その年に皇太子に立てられた
とは考えなれないのである。
次に三十五年夏六月に皇后磐之媛命が筒城宮(つつきののみや)で死去したと
>p448
言うのは大兄去来穂別皇子が皇太子に立てられた十六年の夏
六月のことであり、三十七年の冬十月に皇后を乃羅山(ならやま)に葬っ
たと言うのが十六年の十月である。
次に三十八年の春正月に八田皇女を立てて皇后としたと言
うのが十七年、３８８年のことである。次に四十年の二月に
雌鳥皇女(めとりのひめみこ)を召し入れて妃にしようとして隼別皇子(はやぶさわけのみこ)を遣(つかは)したと
ころ隼別皇子は雌鳥皇女を自分の妃にしてしまったと言う。
しかしこの話は全くの大嘘であると私は断定するのである。
隼別皇子(はやぶさわけのみこ)と雌鳥皇女(めとりのひめみこ)は前から夫婦だったと思うのである。も
う一人応神天皇皇子となっている根鳥皇子(ねとりのみこ)は仮空の人物であ
る。これは仁徳天皇の名である鷦鷯(さざき)は本来 陵墓(さざき)と言う意味で
あるにもかゝわらず、小鳥の鷦鷯(さざき)の名だと言ってごまかして
いる関係上、古事記や日本書紀を書く時に応神天皇の皇子皇
女には鳥に関係のある名が多いのだと思わせて鷦鷯と言う名
の本当の意味は墓と言う意味であることを判らなくしようと
>p449
してでっちあげた大嘘である。隼別皇子と雌鳥皇女は
その頃相当な年令になっているはずであり
とても二人が独身であったと言う様なことは考えなれないの
である。隼別皇子と雌鳥皇女は仁徳天皇の気に入らないこと
があったから殺されたものであろう。
次に四十一年春三月に紀角宿祢(きのつぬのすくね)を百済へ派遣して初めて国(くに)
郡(こほり)の境を分け、各地の産物などを記録させたと言うのが十八
年、３８９年のことである。次に四十三年の秋九月に依網屯(よさみのみや)
倉(け)の阿弭古(あびこ)が鷹(たか)を捕えて献上したと言うのが同じく十八年、
３８９年のことである。そして四十三年から五十年に飛んで
三月に河内の国の人が茨田堤(まむたのつつみ)に雁(かり)が卵を産んだと奏上したの
で使を遣して調べたところ事実であったので天皇は武内宿祢
を呼んでその様なことが過去にあったのかと尋ねたところ
>p450
武内宿祢は今迄そんな話は聞いたことはありませんと答えた
ことになっている。この五十年と言うのが仁徳天皇の十九年
３９０年のことであり、この年に武内宿祢は九十六才の高令
になっていたのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-4 第二十章 仁徳天皇 ５-4・仁徳天皇の治績と出来事 p��447-1行〜p��450-4行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）May
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
(p��447／p��373〜p��459)
５-4・仁徳天皇の治績と出来事
(p��447／p��437〜p��459)
>p447-1行〜
だから仁徳天皇が八年間も待つはずはないのである。三十
年の秋九月と言うのは二十二年と同じ年の九月であり、本当
の十五年、３８６年のことである。そして仁徳天皇と八田皇
女は皇后の留守を幸いに激しく情熱を燃やし合ったのである。
次に三十一年春正月に大兄去来穂別皇子を皇太子に立てたこ
とになっているが、それは皇后がどうしても都へ帰らないこ
とから皇后の機嫌を取って何とか都へ帰って貰うために大兄
去来穂別皇子を正式に皇太子に立てたものであろうと思うの
である。履中紀では履中天皇は仁徳天皇の三十一年に十五才
で皇太子になったと書いてあるが、三十一年は本当の十六年、
３８７年であると私は思うのである。その年に大兄去来穂別
皇子は二十八才だったのである。また十五才だった年は３７４年、仁徳天皇の三年であり、その年に皇太子に立てられた
とは考えなれないのである。
次に三十五年夏六月に皇后磐之媛命が筒城宮(つつきののみや)で死去したと
>p448
言うのは大兄去来穂別皇子が皇太子に立てられた十六年の夏
六月のことであり、三十七年の冬十月に皇后を乃羅山(ならやま)に葬っ
たと言うのが十六年の十月である。
次に三十八年の春正月に八田皇女を立てて皇后としたと言
うのが十七年、３８８年のことである。次に四十年の二月に
雌鳥皇女(めとりのひめみこ)を召し入れて妃にしようとして隼別皇子(はやぶさわけのみこ)を遣(つかは)したと
ころ隼別皇子は雌鳥皇女を自分の妃にしてしまったと言う。
しかしこの話は全くの大嘘であると私は断定するのである。
隼別皇子(はやぶさわけのみこ)と雌鳥皇女(めとりのひめみこ)は前から夫婦だったと思うのである。も
う一人応神天皇皇子となっている根鳥皇子(ねとりのみこ)は仮空の人物であ
る。これは仁徳天皇の名である鷦鷯(さざき)は本来 陵墓(さざき)と言う意味で
あるにもかゝわらず、小鳥の鷦鷯(さざき)の名だと言ってごまかして
いる関係上、古事記や日本書紀を書く時に応神天皇の皇子皇
女には鳥に関係のある名が多いのだと思わせて鷦鷯と言う名
の本当の意味は墓と言う意味であることを判らなくしようと
>p449
してでっちあげた大嘘である。隼別皇子と雌鳥皇女は
その頃相当な年令になっているはずであり
とても二人が独身であったと言う様なことは考えなれないの
である。隼別皇子と雌鳥皇女は仁徳天皇の気に入らないこと
があったから殺されたものであろう。
次に四十一年春三月に紀角宿祢(きのつぬのすくね)を百済へ派遣して初めて国(くに)
郡(こほり)の境を分け、各地の産物などを記録させたと言うのが十八
年、３８９年のことである。次に四十三年の秋九月に依網屯(よさみのみや)
倉(け)の阿弭古(あびこ)が鷹(たか)を捕えて献上したと言うのが同じく十八年、
３８９年のことである。そして四十三年から五十年に飛んで
三月に河内の国の人が茨田堤(まむたのつつみ)に雁(かり)が卵を産んだと奏上したの
で使を遣して調べたところ事実であったので天皇は武内宿祢
を呼んでその様なことが過去にあったのかと尋ねたところ
>p450
武内宿祢は今迄そんな話は聞いたことはありませんと答えた
ことになっている。この五十年と言うのが仁徳天皇の十九年
３９０年のことであり、この年に武内宿祢は九十六才の高令
になっていたのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-4 第二十章 仁徳天皇 ５-4・仁徳天皇の治績と出来事 p��447-1行〜p��450-4行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）May五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-5
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��450／p��373〜p��459)
５-5・仁徳天皇の治績と出来事
(p��450／p��437〜p��459)
>p450-5行〜
次に五十三年に新羅が朝貢しなかったので夏五月に上毛野(かみつけぬの)
君(きみ)の祖 竹葉瀬(たけはせ)を派遣し、竹葉瀬が帰国した後更に竹葉瀬の弟
田道(たみち)を派遣して新羅を撃たせたと言うのが二十年、３９１年
のことである。また応神紀の三年に百済の辰斯王(しんしわう)が天皇に対
して失礼な行為をしたので紀角宿祢(きのつぬのすくね)、羽多矢代宿祢(はたやしろのすくね)、石川宿(いしかはのすく)
祢(ね)、木菟宿祢(つくのすくね)らを派遣してその無礼なことをとがめたところ
百済の国では辰斯王を殺して謝罪したことになっている。こ
れは応神天皇の治世の出来事ではなく、仁徳天皇の二十年、
３９１年のことである。そしてその翌年の３９２年に紀角宿
祢らは阿花王(あかわう)を百済国王に立てて帰国したのである。しかし
木菟宿祢(つくのすくね)は仮空の人物であるから派遣したと言うのは嘘である。
>p451
高句麗(こうくり)の広開土王の碑文に３９１年に倭が百済と新羅を破っ
たと記録せられているのはこの時のことである。
次に五十五年に蝦夷(えみし)が叛いたので將軍 田道(たみち)を遣(つかは)して撃たせ
たが、田道は戦いに敗れて死んだと言うのが３９２年で田道
が新羅から帰国した後のことである。次に五十八年冬十月に
呉国(くれのくに)と高麗国(こまのくに)が朝貢したことになっているのはやはり３９２
年であり、高麗国(こまのくに)は倭が新羅(しらき)と百済(くだら)を撃ったことを知って朝
貢したものと思うのである。しかし呉国(くれのくに)が朝貢したと言うの
は疑はしいであろう。次に六十年の冬十月に日本武尊の白鳥
陵の陵守(さざきもり)達を労役に使おうとして奇怪な出来事が起り、陵守
を労役に使うことをやめにしたと言うのがやはり３９２年の
ことであると思うのである。
次に六十二年の夏五月に遠江国(とほつおはみのくに)の大井河に大木が流れて来
たと言う国司の報告を聞いて倭直吾子籠(やまとのあたひあざこ)を派遣して船を造ら
せたのが二十二年、３９３年であり、額田大中津彦命(ぬかたのおほなかつひこのみこと)が闘鶏稻(つけのいな)
>p452
置大山主(きおほやまぬし)が氷室(ひむろ)に蓄えていた氷を持ち帰って天皇に献上して
喜ばれたと言うのも３９３年である。
次に六十五年に飛驒国(ひだのくに)の宿儺(すくな)と言う怪人を和珥臣(わにのおみ)の祖 難波(なには)
根子武振熊(ねこたけふるくま)が退治したと言うのが二十三年、３９４年である。
次に六十七年冬十月に河内の石津原(いしつのはら)に行幸して天皇自身の陵
墓を建設する場所を決めたと言うのが二十四年、３９５年で
あり、その翌年の３９６年から百舌鳥耳原陵(もずのみみはらのみさざき)の建設が本格的
に開始されたものと思うのである。普通は陵墓と言うものは
人が死んだ後に子孫が造るものであるが、仁徳天皇は自分が
生きている間に自分の陵墓を造りたかったのである。それは
名は体を表わすのたとえ通り、仁徳天皇の名は陵皇子(さざきのみこ)であっ
たからである。仁徳天皇はかつて応神天皇陵の建設で大失敗
をしたのである。
だから今度はその様な失敗を繰り返さない様に早くから自
分の陵墓を建設するための財政的な準備もしていたものであ
>p453
ろうと思うのである。それ程迄して巨大な陵墓を造る必要が
どこにあるのかと多くの人々は思うであろうけれども仁徳天
皇はそうせずには居れなかったのである。そしてそれから三
年後の二十七年、３９８年に日本最大の大前方後円墳百舌鳥
耳原陵が完成し、それから間もなく仁徳天皇は死去し、自分が建設させた大陵墓に葬られたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-5 第二十章 仁徳天皇 ５-5・仁徳天皇の治績と出来事 p��450-5行〜p��453-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）May
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��450／p��373〜p��459)
５-5・仁徳天皇の治績と出来事
(p��450／p��437〜p��459)
>p450-5行〜
次に五十三年に新羅が朝貢しなかったので夏五月に上毛野(かみつけぬの)
君(きみ)の祖 竹葉瀬(たけはせ)を派遣し、竹葉瀬が帰国した後更に竹葉瀬の弟
田道(たみち)を派遣して新羅を撃たせたと言うのが二十年、３９１年
のことである。また応神紀の三年に百済の辰斯王(しんしわう)が天皇に対
して失礼な行為をしたので紀角宿祢(きのつぬのすくね)、羽多矢代宿祢(はたやしろのすくね)、石川宿(いしかはのすく)
祢(ね)、木菟宿祢(つくのすくね)らを派遣してその無礼なことをとがめたところ
百済の国では辰斯王を殺して謝罪したことになっている。こ
れは応神天皇の治世の出来事ではなく、仁徳天皇の二十年、
３９１年のことである。そしてその翌年の３９２年に紀角宿
祢らは阿花王(あかわう)を百済国王に立てて帰国したのである。しかし
木菟宿祢(つくのすくね)は仮空の人物であるから派遣したと言うのは嘘である。
>p451
高句麗(こうくり)の広開土王の碑文に３９１年に倭が百済と新羅を破っ
たと記録せられているのはこの時のことである。
次に五十五年に蝦夷(えみし)が叛いたので將軍 田道(たみち)を遣(つかは)して撃たせ
たが、田道は戦いに敗れて死んだと言うのが３９２年で田道
が新羅から帰国した後のことである。次に五十八年冬十月に
呉国(くれのくに)と高麗国(こまのくに)が朝貢したことになっているのはやはり３９２
年であり、高麗国(こまのくに)は倭が新羅(しらき)と百済(くだら)を撃ったことを知って朝
貢したものと思うのである。しかし呉国(くれのくに)が朝貢したと言うの
は疑はしいであろう。次に六十年の冬十月に日本武尊の白鳥
陵の陵守(さざきもり)達を労役に使おうとして奇怪な出来事が起り、陵守
を労役に使うことをやめにしたと言うのがやはり３９２年の
ことであると思うのである。
次に六十二年の夏五月に遠江国(とほつおはみのくに)の大井河に大木が流れて来
たと言う国司の報告を聞いて倭直吾子籠(やまとのあたひあざこ)を派遣して船を造ら
せたのが二十二年、３９３年であり、額田大中津彦命(ぬかたのおほなかつひこのみこと)が闘鶏稻(つけのいな)
>p452
置大山主(きおほやまぬし)が氷室(ひむろ)に蓄えていた氷を持ち帰って天皇に献上して
喜ばれたと言うのも３９３年である。
次に六十五年に飛驒国(ひだのくに)の宿儺(すくな)と言う怪人を和珥臣(わにのおみ)の祖 難波(なには)
根子武振熊(ねこたけふるくま)が退治したと言うのが二十三年、３９４年である。
次に六十七年冬十月に河内の石津原(いしつのはら)に行幸して天皇自身の陵
墓を建設する場所を決めたと言うのが二十四年、３９５年で
あり、その翌年の３９６年から百舌鳥耳原陵(もずのみみはらのみさざき)の建設が本格的
に開始されたものと思うのである。普通は陵墓と言うものは
人が死んだ後に子孫が造るものであるが、仁徳天皇は自分が
生きている間に自分の陵墓を造りたかったのである。それは
名は体を表わすのたとえ通り、仁徳天皇の名は陵皇子(さざきのみこ)であっ
たからである。仁徳天皇はかつて応神天皇陵の建設で大失敗
をしたのである。
だから今度はその様な失敗を繰り返さない様に早くから自
分の陵墓を建設するための財政的な準備もしていたものであ
>p453
ろうと思うのである。それ程迄して巨大な陵墓を造る必要が
どこにあるのかと多くの人々は思うであろうけれども仁徳天
皇はそうせずには居れなかったのである。そしてそれから三
年後の二十七年、３９８年に日本最大の大前方後円墳百舌鳥
耳原陵が完成し、それから間もなく仁徳天皇は死去し、自分が建設させた大陵墓に葬られたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-5 第二十章 仁徳天皇 ５-5・仁徳天皇の治績と出来事 p��450-5行〜p��453-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）May五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-6
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��453／p��373〜p��459)
５-6・仁徳天皇の治績と出来事
(p��453／p��437〜p��459)
>p453-7行〜
ところで仁徳天皇が河内の石津原に行幸して陵墓を建設す
る場所を決めた３９５年に吉備の国の川嶋川の川派に大蛇(みっち)が
住んでいて人々を苦しめていたと言う。そこで吉備鴨別命(きびかもわけのみこと)の
子で笠臣の祖 県守(あがたもり)が大蛇(みっち)を退治したと言う。しかし県守が大(みっ)
蛇(ち)を退治したと言う川嶋川の川派(かはまた)がどこであったかは今もっ
て判っていないのである。県守(あがたもり)は大蛇(みっち)の住む淵の側へ行って
三つの瓢箪(ひさご)を川へ投げ入れ、大蛇に向かってこの瓢箪を沈め
て見よ、沈めることが出来なければお前を殺すと言ったと言
う。大蛇は鹿に化(ば)けて瓢箪を沈めようとしたが瓢箪が沈まな
>p454
かったので県守は刀を抜いて川に入り大蛇の仲間を切り殺し
たと言う。しかしこの様な話を本当と思うのはどうかしてい
るのである。
瓢箪(ひさご)が沈まなかったと言うことは浮(う)かんだと言うことであ
り、川嶋川即ち現在の高梁川の支流 宇漢川(うかんがは)を示しているので
ある。その地方が吉備鴨別命の領土 波区芸県(はくきのあがた)だったのである。
そして県守は大蛇(みっち)を退治したのではないのである。自分の領
土である波区芸県(はくきのあがた)へ侵入して来た人々を殺して県(あがた)を守ったか
ら県守(あがたもり)と言うのである。波区芸県は中国山地の山の中である
から平地は少なく稻を作るにはあまり良い所ではなかったの
である。しかし波区芸県には砂鉄の取れる山が沢山あったの
である。そして応神天皇が吉備津彦をなくして吉備の国を分
割する前は吉備の国は一つであり、吉備氏の人々は皆が同族
として仲良く暮らしていたのである。
しかし応神天皇が吉備の国を分割して吉備氏の人々を封じ
>p455
てからは吉備氏の人々は皆が自分の領土にこだわる様になり
縄張り意識を持つ様になったものと思うのである。そして吉
備の国の南の平野部を領土に与えられた人々は多くの水田も
あり交通の便もよかったのであるが、砂鉄の産地がなかった
のだと思うのである。しかし砂鉄がなければ鉄を作ることが
出来ず鉄器を生産することが出来ないから鴨別命の子孫の領
土へ砂鉄を求めて入り込んだものと思うのである。それで県(あがた)
守(もり)は砂鉄を求めて入って来た人々を侵略者として殺したのだ
と思うのである。
かつて吉備津彦がいて吉備氏の宗家として吉備の国を治め
ていた頃には吉備の国は一つであり、同族争いはなかったの
である。しかし吉備津彦がいなくなり、吉備の国が分割され
てからは領土争いが起こり、同族争いが起こる様になったの
である。県守が川嶋川の川派で大蛇(みっち)を退治したと言うのは吉
備氏の人々の間に起こった同族争いを暗示しているのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-6 第二十章 仁徳天皇 ５-6・仁徳天皇の治績と出来事 p��453-7行〜p��455-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）May
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��453／p��373〜p��459)
５-6・仁徳天皇の治績と出来事
(p��453／p��437〜p��459)
>p453-7行〜
ところで仁徳天皇が河内の石津原に行幸して陵墓を建設す
る場所を決めた３９５年に吉備の国の川嶋川の川派に大蛇(みっち)が
住んでいて人々を苦しめていたと言う。そこで吉備鴨別命(きびかもわけのみこと)の
子で笠臣の祖 県守(あがたもり)が大蛇(みっち)を退治したと言う。しかし県守が大(みっ)
蛇(ち)を退治したと言う川嶋川の川派(かはまた)がどこであったかは今もっ
て判っていないのである。県守(あがたもり)は大蛇(みっち)の住む淵の側へ行って
三つの瓢箪(ひさご)を川へ投げ入れ、大蛇に向かってこの瓢箪を沈め
て見よ、沈めることが出来なければお前を殺すと言ったと言
う。大蛇は鹿に化(ば)けて瓢箪を沈めようとしたが瓢箪が沈まな
>p454
かったので県守は刀を抜いて川に入り大蛇の仲間を切り殺し
たと言う。しかしこの様な話を本当と思うのはどうかしてい
るのである。
瓢箪(ひさご)が沈まなかったと言うことは浮(う)かんだと言うことであ
り、川嶋川即ち現在の高梁川の支流 宇漢川(うかんがは)を示しているので
ある。その地方が吉備鴨別命の領土 波区芸県(はくきのあがた)だったのである。
そして県守は大蛇(みっち)を退治したのではないのである。自分の領
土である波区芸県(はくきのあがた)へ侵入して来た人々を殺して県(あがた)を守ったか
ら県守(あがたもり)と言うのである。波区芸県は中国山地の山の中である
から平地は少なく稻を作るにはあまり良い所ではなかったの
である。しかし波区芸県には砂鉄の取れる山が沢山あったの
である。そして応神天皇が吉備津彦をなくして吉備の国を分
割する前は吉備の国は一つであり、吉備氏の人々は皆が同族
として仲良く暮らしていたのである。
しかし応神天皇が吉備の国を分割して吉備氏の人々を封じ
>p455
てからは吉備氏の人々は皆が自分の領土にこだわる様になり
縄張り意識を持つ様になったものと思うのである。そして吉
備の国の南の平野部を領土に与えられた人々は多くの水田も
あり交通の便もよかったのであるが、砂鉄の産地がなかった
のだと思うのである。しかし砂鉄がなければ鉄を作ることが
出来ず鉄器を生産することが出来ないから鴨別命の子孫の領
土へ砂鉄を求めて入り込んだものと思うのである。それで県(あがた)
守(もり)は砂鉄を求めて入って来た人々を侵略者として殺したのだ
と思うのである。
かつて吉備津彦がいて吉備氏の宗家として吉備の国を治め
ていた頃には吉備の国は一つであり、同族争いはなかったの
である。しかし吉備津彦がいなくなり、吉備の国が分割され
てからは領土争いが起こり、同族争いが起こる様になったの
である。県守が川嶋川の川派で大蛇(みっち)を退治したと言うのは吉
備氏の人々の間に起こった同族争いを暗示しているのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-6 第二十章 仁徳天皇 ５-6・仁徳天皇の治績と出来事 p��453-7行〜p��455-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）May五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-7
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��456／p��373〜p��459)
５-7・仁徳天皇の治績と出来事
(p��456／p��437〜p��459)
>p456-1行〜
県守が退治したと言う大虬(みっち)も隠し言葉である。大虬(みっち)とは大
きな蛇のことである。蛇のことを蛇(なぎ)とも言うのである。だか
ら大虬(みっち)は大蛇(みなぎ)であり、現在の高梁川流域の美袋(みなぎ)と言う地名を
示しているのである。美袋(みなぎ)の町は高梁川流域の山間部として
は珍しく広い平野がある。美袋(みなぎ)と言う地名は昔高梁川が川嶋
川と呼ばれていた頃に山の谷間の傾斜地を激しい勢いで波を
立てて流れ下って来た川嶋川の水が、美袋(みなぎ)迄来ると水流がゆ
るやかになり、波も立たず水音も聞えなくなっていたから水
がなぐ、波がなぐと言う意味でその地を美袋(みなぎ)と呼んでいたも
のであろう。だから美袋(みなぎ)と言う地名の語源は「水(み)なぎ」「波(なみ)
なぎ」から転化したものであろうと思うのである。
しかし美袋(みなぎ)の地名の字と発音とはどうも一致しかねるので
ある。美しい袋と書いて何故 美袋(みなぎ)と読むのであろうか。私は
美袋は本当は水袋(みなぎ)と書くべきものであると思うのである。し
かし袋と言う字を普通はナギとは読まないのである。だから
>p457
美袋(みなぎ)と言う地名の発音そのものは「水(み)なぎ」「波(なみ)なぎ」で川
の波がなぐと言う意味なのであるが、美袋(みなぎ)と言う地名の文字
そのものはもっと別の意味を持っていたものと思うのである。
今の美袋の町の平野部は今から千五百年以上昔には大きな湖
水だったものと思うのである。それで川嶋川の流域が美袋(みなぎ)迄
来ると大きな湖へ流れ込むから流れがゆるくなり波が立たな
くなるので「水(み)なぎ」「波(なみ)なぎ」と言っていたものであろう。
さて昔は物を収納する場所を袋(ふくろ)と言っていたのである。現
代人は袋と言えば紙や布やビニールで作った袋を袋(ふくろ)と言うけ
れども古代人の言う袋(ふくろ)は倉庫や物置きや収納庫に近い意味を
持っていたのである。今でも家の戸を収める場所を戸袋(とぶくろ)と言
い、天井の下に作った戸棚を天袋(てんぶくろ)と言うのはその名残りであ
る。更に昔は墓のことを「から袋(ふくろ)」と言っていたのである。
人間の遺体のことを「から」とか「なきがら」と言う。つま
り死体は魂(たましい)の抜けがらと言う意味で「から」と言っていたの
>p458
である。だから「遺体(から)を収める場所」の陵墓を「から袋(ふくろ)」と
呼んでいたのである。
美袋(みなぎ)の字は水袋(みなぎ)であり、沢山の水を貯めている場所即ち湖
であったから水袋(みずぶくろ)とも言っていたものが美袋(みなぎ)の発音に統一さ
れたものであろうと思うのである。だから今の美袋(みなぎ)の町は昔
は大きな湖水であったから水袋(みずぶくろ)と呼ばれていたのであるが、
川嶋川が上流から運んで来る土砂によって長い間に水袋は埋め立てられて今の美袋の平野が出来たものと思うのである。
波区芸県主(はくきのあがたぬし)である県守(あがたもり)が沢山の大虬(みっち)を殺したと言う県守淵(あがたもりのふち)
は宇漢川(うかんがは)のほとりではなく、今の美袋の町が昔湖であった頃
の淵であろうと思うのである。県守は多分砂鉄を求めて有漢
川のあたり迄入って来た人々を追い払い、美袋のあたりで大
勢の人を殺したのだと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-7 第二十章 仁徳天皇 ５-7・仁徳天皇の治績と出来事 p��456-1行〜p��458-13行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）June
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��456／p��373〜p��459)
５-7・仁徳天皇の治績と出来事
(p��456／p��437〜p��459)
>p456-1行〜
県守が退治したと言う大虬(みっち)も隠し言葉である。大虬(みっち)とは大
きな蛇のことである。蛇のことを蛇(なぎ)とも言うのである。だか
ら大虬(みっち)は大蛇(みなぎ)であり、現在の高梁川流域の美袋(みなぎ)と言う地名を
示しているのである。美袋(みなぎ)の町は高梁川流域の山間部として
は珍しく広い平野がある。美袋(みなぎ)と言う地名は昔高梁川が川嶋
川と呼ばれていた頃に山の谷間の傾斜地を激しい勢いで波を
立てて流れ下って来た川嶋川の水が、美袋(みなぎ)迄来ると水流がゆ
るやかになり、波も立たず水音も聞えなくなっていたから水
がなぐ、波がなぐと言う意味でその地を美袋(みなぎ)と呼んでいたも
のであろう。だから美袋(みなぎ)と言う地名の語源は「水(み)なぎ」「波(なみ)
なぎ」から転化したものであろうと思うのである。
しかし美袋(みなぎ)の地名の字と発音とはどうも一致しかねるので
ある。美しい袋と書いて何故 美袋(みなぎ)と読むのであろうか。私は
美袋は本当は水袋(みなぎ)と書くべきものであると思うのである。し
かし袋と言う字を普通はナギとは読まないのである。だから
>p457
美袋(みなぎ)と言う地名の発音そのものは「水(み)なぎ」「波(なみ)なぎ」で川
の波がなぐと言う意味なのであるが、美袋(みなぎ)と言う地名の文字
そのものはもっと別の意味を持っていたものと思うのである。
今の美袋の町の平野部は今から千五百年以上昔には大きな湖
水だったものと思うのである。それで川嶋川の流域が美袋(みなぎ)迄
来ると大きな湖へ流れ込むから流れがゆるくなり波が立たな
くなるので「水(み)なぎ」「波(なみ)なぎ」と言っていたものであろう。
さて昔は物を収納する場所を袋(ふくろ)と言っていたのである。現
代人は袋と言えば紙や布やビニールで作った袋を袋(ふくろ)と言うけ
れども古代人の言う袋(ふくろ)は倉庫や物置きや収納庫に近い意味を
持っていたのである。今でも家の戸を収める場所を戸袋(とぶくろ)と言
い、天井の下に作った戸棚を天袋(てんぶくろ)と言うのはその名残りであ
る。更に昔は墓のことを「から袋(ふくろ)」と言っていたのである。
人間の遺体のことを「から」とか「なきがら」と言う。つま
り死体は魂(たましい)の抜けがらと言う意味で「から」と言っていたの
>p458
である。だから「遺体(から)を収める場所」の陵墓を「から袋(ふくろ)」と
呼んでいたのである。
美袋(みなぎ)の字は水袋(みなぎ)であり、沢山の水を貯めている場所即ち湖
であったから水袋(みずぶくろ)とも言っていたものが美袋(みなぎ)の発音に統一さ
れたものであろうと思うのである。だから今の美袋(みなぎ)の町は昔
は大きな湖水であったから水袋(みずぶくろ)と呼ばれていたのであるが、
川嶋川が上流から運んで来る土砂によって長い間に水袋は埋め立てられて今の美袋の平野が出来たものと思うのである。
波区芸県主(はくきのあがたぬし)である県守(あがたもり)が沢山の大虬(みっち)を殺したと言う県守淵(あがたもりのふち)
は宇漢川(うかんがは)のほとりではなく、今の美袋の町が昔湖であった頃
の淵であろうと思うのである。県守は多分砂鉄を求めて有漢
川のあたり迄入って来た人々を追い払い、美袋のあたりで大
勢の人を殺したのだと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-7 第二十章 仁徳天皇 ５-7・仁徳天皇の治績と出来事 p��456-1行〜p��458-13行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）June五瀬月(✡いつせのつき)
『日本の歴史と最後の審判』��-５-8(終章)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��458／p��373〜p��459)
５-8(終章)・仁徳天皇の治績と出来事
(p��458／p��437〜p��459)
>p458-14行〜
吉備鴨別命の子孫については余り知られていない。僅かに
笠臣(かさのおみ)が鴨別命の子孫として知られている程度である。波区芸(はくき)
>p459
県主(あがたぬし)の本拠は今の上房郡北房町呰部のあたりだったのである
が、後世には今の高梁市のあたりも鴨別命の子孫が多く住ん
でいたものと思う。更に笠岡市が笠臣の本拠であったことは
よく知られているところである。高梁市や笠岡市には高橋(たかはし)の
姓の家がかなりある。高橋氏は吉備鴨別命の子孫である。
戦国時代の小田原城主北條早雲は吉備鴨別命の子孫である備
中の高橋氏から出ているのであり、小田原城が落城し、北條
氏が滅びた後、北條氏の子孫でその地方に残って高橋の姓を
名乗っている人々もあり、備中へ帰って来て高橋の姓を名乗
っている家もあるのである。だから備中で高橋の姓を名乗る
家は吉備鴨別命の子孫であると考えてよいのであり、高橋と
は高梁川の高梁(たかはし)、そして高梁川語源である「たかきび」即
ち穀物の高梁(こうりゃん)ともつながりを持つ姓である。何故ならば昔の
中国山地、波区芸県(はくきのあがた)は高梁(こうりゃん)の産地でもあったと考えられるか
らである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-8(終章) 第二十章 仁徳天皇 ５-8(終章)・仁徳天皇の治績と出来事 p��458-14行〜p��459-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）June
五瀬月(✡いつせのつき)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第 二十 章 仁 徳 天 皇 (にんとくてんのう)
(p��458／p��373〜p��459)
５-8(終章)・仁徳天皇の治績と出来事
(p��458／p��437〜p��459)
>p458-14行〜
吉備鴨別命の子孫については余り知られていない。僅かに
笠臣(かさのおみ)が鴨別命の子孫として知られている程度である。波区芸(はくき)
>p459
県主(あがたぬし)の本拠は今の上房郡北房町呰部のあたりだったのである
が、後世には今の高梁市のあたりも鴨別命の子孫が多く住ん
でいたものと思う。更に笠岡市が笠臣の本拠であったことは
よく知られているところである。高梁市や笠岡市には高橋(たかはし)の
姓の家がかなりある。高橋氏は吉備鴨別命の子孫である。
戦国時代の小田原城主北條早雲は吉備鴨別命の子孫である備
中の高橋氏から出ているのであり、小田原城が落城し、北條
氏が滅びた後、北條氏の子孫でその地方に残って高橋の姓を
名乗っている人々もあり、備中へ帰って来て高橋の姓を名乗
っている家もあるのである。だから備中で高橋の姓を名乗る
家は吉備鴨別命の子孫であると考えてよいのであり、高橋と
は高梁川の高梁(たかはし)、そして高梁川語源である「たかきび」即
ち穀物の高梁(こうりゃん)ともつながりを持つ姓である。何故ならば昔の
中国山地、波区芸県(はくきのあがた)は高梁(こうりゃん)の産地でもあったと考えられるか
らである。
《日本の歴史と最後の審判��-５-8(終章) 第二十章 仁徳天皇 ５-8(終章)・仁徳天皇の治績と出来事 p��458-14行〜p��459-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）June五瀬月(✡いつせのつき)
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