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複音ハーモニカコミュのハーモニカの構造と材質及びその分類

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■リードとコーム
ハーモニカのリードは金属製で、一般的には合金である真鍮を主に使われるが、それに多種の金属を混ぜた複雑な合金製の物もあり、真鍮リードと一言で言っても、国内で使用が許可された真鍮合金は11種類有る。また、最近は、真鍮ではなくスチールを用いたリードを持つハーモニカ (サイドル・ゾーン社製の物) も発売されている。これは真鍮性の物よりは丈夫であるが、せいぜい真鍮性の3倍程度の寿命が延びるもので、サイドル・ゾーン社のアナウンスほど耐久性が有るとの実証実験をされた物ではない。ただ、ハーモニカは価格に比例して音質は良くなる物で、これは各社同様である。グレードによる差別化は販売上も最も大切なことだからである。
次に、それぞれのリードよりわずかに大きい穴を開けたリード・プレートにリードが取りつけられ、「木製」あるいは、「プラスティック」、「木製の微細なチップを合成樹脂に練り込んだ特殊樹脂の新素材」、「アクリル樹脂」、また近年は「無垢のアルミ素材」や「真鍮にメッキをした金属」のボディ(これらは櫛型筐体のためコームと呼ばれる)などにリード・プレートが取りつけられる。高級品ハーモニカのコームは「木材製」にこだわる物も多くある。主に使用される木材は、国内だと楓材やローズウッド材があり、狂いも出にくく音程が安定しやすい。ドイツのホーナー社などは初期の頃はカリン材を使用していた。
そのコームにリード・プレードを取り付ける。昨今の「合成樹脂コーム」、「木材粉末入り特殊樹脂コーム」、「アクリル・コーム」、「無垢なアルミニウム素材で仕上げたコーム」そして、「真鍮素材に鍍金を施した金属製コーム」などは、先のリード・プレートをネジで締め付けて止める様に設計されている。然し、戦前からある、高級木製ハーモニカは、国内産の物は既に高級版しか残存しないため、ネジ止めとはせずに、わざわざ昔ながらの製法を尊び、リードプレートは、木製コームに釘止めされて組み上げられている。その為、分解清掃が頻繁には出来ない。ワン・オーナーへの拘りである。
また、コームにはリードの長さにあわせた溝が掘ってあり、前面の吹き口から吹き込まれた息で、それぞれのリードを振動させる仕組みとなっている。リードを取りつける向きによって、吹き吸い別々のリードを鳴らすことができる。「吹奏する楽器」であるが、いわゆる管楽器のような管体を持っていないので、管楽器という呼称はあまり用いられず、分類するなら(リードオルガン類)である。この事が口琴と言う名前の由来となっている。
一番利用率の高いコームの材質は、現在は殆どが合成樹脂製のものである。製造が安価で楽に出来る事、複雑な形の物も簡単に製作でき不良品が出にくい、また、長時間の演奏でも水分を吸収しないために、音質が安定しているなどの長所がある。リード・プレードとの接合部から息がもれるのも少ないため、その多くは音の立ち上がりが際だち、澄んだ音質に鳴りやすい。また、洗っても狂いが出ないため、衛生面でも優れており、喫煙者が使用した物でも歯ブラシで中性洗剤を付けて洗えば臭いも取れるし、完全に洗浄できるため、喫煙者も安心して使用できる。然し、樹脂製コームのハーモニカは、有る程度価格に比例して耐久性や音質が異なる。安価なハーモニカの樹脂製コームは、思った以上に吹き漏れが有ったり、樹脂製コームが脆く壊れやすい。高級品の樹脂製コームは幾分弾力性が有る物が大半で、その多くは薬品耐性と堅牢性を備えたABS樹脂やエンジニア・プラスティックなどが主流であり、均等にプレート用のネジを締めれば、息漏れも無く、音の粒立ちも良くなり音質の差も価格に比例し向上している。衛生面から熱湯消毒したいときも有ると思う、特に中古で入手した物は消毒はした方がよいが、トンボのメジャーボーイなどの高級樹脂でも75℃が限界で、90℃以上になると萎縮変形して使用不能になる。消毒用エタノールでの消毒は日常使用しているときたまにする程度で良く、それよりも丁寧に洗う方が長持ちする。エタノール系の消毒液で消毒した場合、ハーモニカクロスと化学反応を起こしてハーモニカのステンレスカバーが変色して落ちなくなったり、吹き吸いの時、肺を痛める可能性があるため、良く乾燥させてから使用することが良いと思う。

■木材性コームに関する事柄
しかし、より精緻な音質や微妙な余韻にこだわる高度な演奏家向けには、いろいろな素材のコームで出来た高級ハーモニカが販売されている。一般的には木材製の物は水分を含むと膨張して音程が狂ったり、変形しやすいのだが、ホーナー社は昔はカリン材を使用していた。カリン材(Pterocarpus indicus Willd., 1802) とは、「Burmese Rosewood」などと呼ばれ、バラ科のカリン(Chaenomeles sinensis (Thouin) Koehne, 1893) とは別種の木材である。ここで述べるカリン材とは、マメ科シタン属の広葉樹であり、主にミャンマーなどが主要産出国である。材質はシタン(紫壇)に劣るが、耐朽性は大きい。但し、昨今のブルースハープ などは、カリン材ではなく、材の品種は非公開である。現在のこれは木材に粘りが無い為、歯ブラシなどで強く洗ったりすると脆く折れる事が有るので、慎重を要する。破損したときは、速やかに乾燥させ、瞬間接着剤で対応できる。
また、日本の国産高級ハーモニカには、昔ながらの楓材を使用している物もある。本来の楓材とは、ハード・メープル(Acer saccharum Marshall, 1785) と ソフト・メープル {レッド・メープル(Acer rubrum L., 1753), シルバー・メープル(Acer saccharinum L., 1753), ボックスエルダー(Acer negundo L., 1753)などの以上3種の楓材の総称。} の合計4種の木材の事を指す。これらは用途に応じて使い分けられる。(然し、ソフト・メープルとして分類される樹種のボックスエルダーは用材として現在はあまり使われない。) また、トンボ楽器製作所などは、以上の海外楓材ではなく、国産の楓に拘り、独自に開発使用しており、これはどの種(しゅ)のカエデを使用材としているかの内訳は非公開である。カエデ属の植物は964 records.もの多種が学術記載をされている為、真相は不明である。 ただ、海外素材と異なり、これの材質は緊密なので、細かな細工を施してあっても破損しずらい為、乱暴に扱わなければとても長持ちする。
最近の流れとして、より良い音質と美しさを兼ね備えた付加価値が見いだされている為、鈴木楽器製作所などでは、ローズウッドを使用している高級機種が開発されている。ローズウッドとは、花のバラとは全く関係無い樹木で、マメ科のツルサイカチ属(Dalbergia)及び、シタン属(Pterocarpus)に属する木材である。西洋で高く評価されるローズウッドは、ブラジリアン・ローズウッド(Dalbergia nigra (Vell.) Allemão ex Benth., 1860) なのだが、今ではワシントン条約 (CITES) で絶滅の危機に瀕した種に指定されており入手困難である。(ブラジリアン・ローズウッドはリオ・ローズウッド、バイア・ローズウッドとしても知られている。)この木材は強い甘い匂いがあり、この匂いは長年持続するので、「ローズウッド」という名前が付けられた。591 records もの数が学術記載をされている、ツルサイカチ属のすべての樹種がローズウッドというわけではなく、ローズウッドと呼ばれる木は、その中でもおよそ 12 種類に過ぎない。東洋で重要視される木材のシタン(紫檀)も精密加工に向いた木材として利用することのできるツルサイカチ属(Dalbergia)及び、シタン属(Pterocarpus)に属する樹木の総称であり、ローズウッド同様堅く磨きが掛けられる良質の材質が得られる木材である。

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■喫煙者と木材性コーム
また、木材製のコームは喫煙者が使用すると、たとえタバコを吸いながらではなくても、既に喫煙者の肺の内部にあるタバコの粒子が、ハーモニカのコームの木材内の導管にある微細な穴へ、臭いの元の粒子が入り込み取れないため、どんなに洗っても臭いが取れないだけでなく、長年月の後には、内部で木材を酸化させてボロボロにし、ハーモニカの寿命を縮めてしまうので注意が要る。また、非喫煙者がその喫煙者のハーモニカを使用した場合、ハーモニカの臭いが臭いだけでなく、木材の導管内の微細な穴にあるタバコの粒子が、非喫煙者の健康を阻害する懸念がある。その為、木材製のコームを使用している高級ハーモニカなどは、全て基本的にはワン・オーナーの代物である。
それらとは逆に、コームを金属で製作した物も増えてきている。アルミニウムや、真鍮にクロム鍍金をしたものなどである。金属コームのハーモニカは、音質の正確性が依り増すので、レコーディングなどに向いたプロ用の超高級ハーモニカが作れる。これも樹脂製コーム同様、完全に洗浄できるため、喫煙者も非喫煙者も安心して使用できる。

■カバー・プレートの重要性
上記のリード・プレートとコームが組み上げられた物に、さらに金属のカバー・プレートで覆いネジ止めをして組み立てが完了する。この金属性のカバー・プレートが共鳴箱の役割をしてハーモニカの音を響かせている。その為、このカバー・プレートの素材や素材の厚み、開口部の形状、カバー・プレートの金属に対するメッキの種類などを変えることで、音質もかなり大きく異なる為、金属のカバー・プレートは軽視されがちな部材であるが、この金属のカバー・プレートは実はとても大切な部材なのである。
また、ハーモニカのリードは、音を出す音域の周波数と同じ回数1秒間に振幅をし、音を発する。薄い金属片が1秒間に400回以上振える訳であり、長年月使用していたり、過度な使用をすれば必ず金属疲労を起こして、音程が狂ってくる。そして、その後はリードは折れてしまう。その為リードは消耗品である。音程が不安定になってきたときには、リードの金属疲労が懸念されるので、専門家に見て貰うか、新規に購入し直す必要がある。金属疲労を起こし始めたハーモニカを使い続けていると、吸い音の際に折れたリードが口腔内に入り事故になる事例もあるので、この危険性はきちんと認識をしておく必要がある。なお、上を向いて吹くとより一層危険である。このことは、国内メーカー、特に鈴木楽器製作所の取扱説明書には記載されている。また、口を付ける楽器の性質上、ハーモニカを常に清潔に保つために、演奏前には必ず口腔内を丁寧に濯いでハーモニカを演奏し、演奏後はハーモニカを軽く振って水分を切る事が大切である。手のひらで叩くとハーモニカのリードの種類によっては破損するので叩いてはいけない。

■ハーモニカのメンテナンス
また、長く使用しているとそのうちに、唾液が吹き口に澱の様に固着し、悪臭を放つ上不衛生である。その場合は流水で流しながら歯ブラシなどで優しく洗ってやると綺麗になるが、木製コームを使用している機種は、洗浄後、逆さにして穴からゴミなど入らないようにし、タオルの上などで陰干しを完全に行ってからケースに仕舞うことが肝心である。木製品の場合、水での洗浄はあまりやらない方がよいが仕方なく行う場合、完全に乾燥させてからケースに入れないと、カビが発生し、使用不能になる。カビ類は多種あるため、即健康を害するかは不明だが、良くないことは確かである。カビた木製ハーモニカを熱湯消毒や消毒用エタノールで処置してもカビ臭さはまず殆ど抜けない。木部の細かい導管内に菌糸が浸透して居るためで、死滅しても臭いがキツイ。日頃から清潔にそして乾かしてから仕舞う様にしておくと良い。

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