僕が最初にRICKYに出会ったのは、
マンハッタンの部屋に帰る途中、まだ人の住む通りにあるちょっと気の利いた粋な雰囲気の中古レコード屋だった。他の店は中古って言っても当たり前にCDばかりで、ちっともあの、レコードを上下左右に抜いては戻す作業ができなくてつまらなくなっていたのに、ここは全部レコードだからそれができるのだ。店にはちゃんとショウ・ウインドウがあって、店主のおじいちゃんの好みの洒落たミュージカル映画のサントラや、シナトラなんかのジャケットがカックヨク並べてあって、チャリンと鈴になるガラス戸を開けると中が広くて、まるでヒッチコックの『鳥』の鳥屋さんみたいな雰囲気なのだ今だに。おじさんはニコッと挨拶だけしてくれて、余計なおしゃべりはしてこないんだ他のチンケなロック中古屋のショボい自称ロック兄ちゃんみたいに。そこは同じくあまりにもマンハッタンなロック・ライフ満載の自分が間借りしてる部屋とは違って、入るだけでフワァ〜っと息が出来て落ち着ける、時々寄っちゃうお気に入り場所だった。そこで流れてるジャズやミュージカルの粋なジャケットを見るだけでも十分楽しめるんだけど、僕はいつものようにココの一番のお気に入りの『MALE VOCAL』というコーナーをしゃがんで見た。そこに、いたのだ『RICKY』が。ブルーの部屋に、ちゃんとしたリーゼントの物凄い美少年がこっちを見てて、ただ『RICKY』と書いてあるLP。僕は目が点になって、この少年から目が離せなくなった。この少年が一体誰なのか知らないけど、これはどうしても聴きたくなった。ってかこのレコードは、どうしても自分のモノにしたくなった。値段を見ると、おじさんの綺麗な手書きで『mint $5』って書いてある。これなら今日なら買える！レジに持って行くとおじさんは、「おやおや、そんな顔して、今日は何見つけたの。」と言って、僕のレコード見ると、「ああ、これは今もうなかなかないんだよ。いいの見つけたね。」と言って、いつもより嬉しそうだった。僕はなんか、取り憑かれたように嬉しくて、寄り道もせずにいつもの部屋に帰った。同居人が「また、DONNY（OSMONDO)のレコードか！」と笑ってるのを無視して、ターンテーブルに乗ってたDONNYのレコードにのいてもらって、買ってきた『RICKY』をかけた。軽いロカビリーだ。ああいい…と思ってるとこの声が。。。
この声に出会ってしまったのだ。１曲目の『Honeycomb（蜂の巣）』という歌。ロカビリーなのに、物凄く物鬱気で投げやりな、低い少年の声。。ああ…
一発で恋に落ちた。
初めてチェット・ベイカーを聴いた時みたいだ。ルックスと声の完璧な物鬱気。
チェットはどういう人なんだか、まず読んでから聴いたから、ある程度は予想できたんだけど、これは予想できなかった。もっと明るい普通のオールディーズだと想像してた。軽いのに異常にカッコヨイ音に、、物鬱気なこの声。。誰なんだろうこの子。。
『TeenageDoll』って曲、多分そんなに可愛い誰かの事歌ってるんだろうけど、まるで人をホントに人形みたいに思って遊びそうな声だこの声は。で、ついに来たのだ。
『Am I Blue?』だ。何度も誰かが歌ってるの聴いてたこの曲、リッキーくんの溜め息で…途中で僕は気が狂っていた。完全に。
そして最後のコール・ポーターが書いた『True Love』で僕はもう涙も出ない程、本気になった。
この子はなんで、こんなにも『何も思いがかなわない声』をしてるんだろう！！
それから僕はマンハッタン中の中古レコード屋や、本屋で、リッキーを探し始めた。見つかった数枚のベスト・アルバムと、数枚のシングル・レコード（凄く高かった！）と全部英語の本。それでだんだんわかってきたのが、エルヴィスの後の、最初のティーン・アイドルだったという事。『Teenage Idol』というヒットシングルもあり、あの『地球に落ちて来た男』の中でかかってた『Hello Mary Lou』も、見るたびに狂うケネス・アンガーの『スコルピオ・ライジング』でかかってた『Fool's Rush In』も、みんなリッキーだってわかった。
またこれだ！！
三島由紀夫の小説のサントラは真夏のジェネレーションXだったし、『地獄に堕ちた勇者ども』のサントラはUltravox!のha!ha!ha!だったし、Tom Of Finlandの画集のBGMは絶対ELVISだった。
でも今度は、リッキーは、リッキー自体にもう、本気になっていた。
日本に帰ってまたレコード集めをして、髪はリッキーみたいな茶色のリーゼントにして同じようなグリーンのカラーコンタクトを入れて水色のストライプの50'sシャツを着た。
ちゃんと音楽の事書こうと思ったけど、リッキーはあなりに思い入れが強すぎて、これがこうだからこういい、とか書けない。
ただ、どんなに好きだかは昔HPにも書いたから暇な人は読んでみてネ♪
http://
でも、ただそう、
涙も出ない程やるせなく恋しいのだ。。。！
それでこないだ★さんと飲んで話してて（普段そんな事しないのに、）なんかの話から★さんがELVISとかRICKY NELSONとか…とか言い出して、物凄い興奮してしまい、異常に盛り上がってしまったのだ。
でまた今リッキーばっか聴きながら、こないだ切ったばかりの髪を早く伸ばしてリーゼントにするんだ。とかばっかり考えてて。。
熱がまた…出て来たんだ。。
マンハッタンの部屋に帰る途中、まだ人の住む通りにあるちょっと気の利いた粋な雰囲気の中古レコード屋だった。他の店は中古って言っても当たり前にCDばかりで、ちっともあの、レコードを上下左右に抜いては戻す作業ができなくてつまらなくなっていたのに、ここは全部レコードだからそれができるのだ。店にはちゃんとショウ・ウインドウがあって、店主のおじいちゃんの好みの洒落たミュージカル映画のサントラや、シナトラなんかのジャケットがカックヨク並べてあって、チャリンと鈴になるガラス戸を開けると中が広くて、まるでヒッチコックの『鳥』の鳥屋さんみたいな雰囲気なのだ今だに。おじさんはニコッと挨拶だけしてくれて、余計なおしゃべりはしてこないんだ他のチンケなロック中古屋のショボい自称ロック兄ちゃんみたいに。そこは同じくあまりにもマンハッタンなロック・ライフ満載の自分が間借りしてる部屋とは違って、入るだけでフワァ〜っと息が出来て落ち着ける、時々寄っちゃうお気に入り場所だった。そこで流れてるジャズやミュージカルの粋なジャケットを見るだけでも十分楽しめるんだけど、僕はいつものようにココの一番のお気に入りの『MALE VOCAL』というコーナーをしゃがんで見た。そこに、いたのだ『RICKY』が。ブルーの部屋に、ちゃんとしたリーゼントの物凄い美少年がこっちを見てて、ただ『RICKY』と書いてあるLP。僕は目が点になって、この少年から目が離せなくなった。この少年が一体誰なのか知らないけど、これはどうしても聴きたくなった。ってかこのレコードは、どうしても自分のモノにしたくなった。値段を見ると、おじさんの綺麗な手書きで『mint $5』って書いてある。これなら今日なら買える！レジに持って行くとおじさんは、「おやおや、そんな顔して、今日は何見つけたの。」と言って、僕のレコード見ると、「ああ、これは今もうなかなかないんだよ。いいの見つけたね。」と言って、いつもより嬉しそうだった。僕はなんか、取り憑かれたように嬉しくて、寄り道もせずにいつもの部屋に帰った。同居人が「また、DONNY（OSMONDO)のレコードか！」と笑ってるのを無視して、ターンテーブルに乗ってたDONNYのレコードにのいてもらって、買ってきた『RICKY』をかけた。軽いロカビリーだ。ああいい…と思ってるとこの声が。。。
この声に出会ってしまったのだ。１曲目の『Honeycomb（蜂の巣）』という歌。ロカビリーなのに、物凄く物鬱気で投げやりな、低い少年の声。。ああ…
一発で恋に落ちた。
初めてチェット・ベイカーを聴いた時みたいだ。ルックスと声の完璧な物鬱気。
チェットはどういう人なんだか、まず読んでから聴いたから、ある程度は予想できたんだけど、これは予想できなかった。もっと明るい普通のオールディーズだと想像してた。軽いのに異常にカッコヨイ音に、、物鬱気なこの声。。誰なんだろうこの子。。
『TeenageDoll』って曲、多分そんなに可愛い誰かの事歌ってるんだろうけど、まるで人をホントに人形みたいに思って遊びそうな声だこの声は。で、ついに来たのだ。
『Am I Blue?』だ。何度も誰かが歌ってるの聴いてたこの曲、リッキーくんの溜め息で…途中で僕は気が狂っていた。完全に。
そして最後のコール・ポーターが書いた『True Love』で僕はもう涙も出ない程、本気になった。
この子はなんで、こんなにも『何も思いがかなわない声』をしてるんだろう！！
それから僕はマンハッタン中の中古レコード屋や、本屋で、リッキーを探し始めた。見つかった数枚のベスト・アルバムと、数枚のシングル・レコード（凄く高かった！）と全部英語の本。それでだんだんわかってきたのが、エルヴィスの後の、最初のティーン・アイドルだったという事。『Teenage Idol』というヒットシングルもあり、あの『地球に落ちて来た男』の中でかかってた『Hello Mary Lou』も、見るたびに狂うケネス・アンガーの『スコルピオ・ライジング』でかかってた『Fool's Rush In』も、みんなリッキーだってわかった。
またこれだ！！
三島由紀夫の小説のサントラは真夏のジェネレーションXだったし、『地獄に堕ちた勇者ども』のサントラはUltravox!のha!ha!ha!だったし、Tom Of Finlandの画集のBGMは絶対ELVISだった。
でも今度は、リッキーは、リッキー自体にもう、本気になっていた。
日本に帰ってまたレコード集めをして、髪はリッキーみたいな茶色のリーゼントにして同じようなグリーンのカラーコンタクトを入れて水色のストライプの50'sシャツを着た。
ちゃんと音楽の事書こうと思ったけど、リッキーはあなりに思い入れが強すぎて、これがこうだからこういい、とか書けない。
ただ、どんなに好きだかは昔HPにも書いたから暇な人は読んでみてネ♪
http://
でも、ただそう、
涙も出ない程やるせなく恋しいのだ。。。！
それでこないだ★さんと飲んで話してて（普段そんな事しないのに、）なんかの話から★さんがELVISとかRICKY NELSONとか…とか言い出して、物凄い興奮してしまい、異常に盛り上がってしまったのだ。
でまた今リッキーばっか聴きながら、こないだ切ったばかりの髪を早く伸ばしてリーゼントにするんだ。とかばっかり考えてて。。
熱がまた…出て来たんだ。。
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