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プロジェクトI@MAYOコミュの幻想の戯言〜

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「幻想の戯れ言」 エクレア&キリン


テレビやインターネットなどでよく怪奇事件などが話題になっているけど私、葛城あやねはそんなものは信じていない…うん、だからこの前あったあり得ない出来事も私の幻想…夢だったと信じたい。

その日私は全然現れないプロデューサーの代わりに同じ事務所でアイドル候補生の麻宵が受けるオーディションの付き人として会場の楽屋にいました。

「あ、あやねちゃん!いよいよオーディションが始まっちゃうよー私緊張して心臓が大変な事になってるよー」

そう私に言ってきた麻宵は確かに相当緊張しているらしく、さっきから立ち上がったり座ったりを繰り返していて落ち着きがない。というか少し緊張しすぎだと私は感じていた。

「少し落ち着きなさいよ麻宵。今日の日までにたくさんレッスンしてきたんだから必ず合格するわよ」

「う、うん!でも…緊張はとれないよーあやねちゃん何か良い方法ない??」

「そうねぇ…そういえば本番前に少しお酒を飲むと緊張が解れるって聞いた事があるわ。でもここにそんなの物はないし、第一私達は未成年だからお酒は飲めないわね」

私がそう言ったその時。いきなり楽屋の扉が乱暴に開かれ二人組の人……?が入ってきました。

「今この部屋の中から『お酒』っていう素敵単語が聞こえてきたぞ勇儀!」

「おう!あたいの耳にもバッチリ届いたよ!」

『だ、誰?』

「おっと!あんたら人に名前を聞くときはまずは自分達から名乗るのが礼儀ってもんだよ!」

「萃香もあたいも人ではないけどな!」

「お、確かにそうだ!」

そう言って謎の二人は大笑いをしました。とりあえず突然部屋に入ってきたこの人達に、礼儀うんぬんとかは絶対言われたくないと思いました。

「ごめんなさいです!私はE.T.Oプロの天月麻宵って言います!こっちは同じ事務所で今日付き人で来てくれている葛城あやねちゃんです!」

「麻宵とあやねだな!私の名前は伊吹萃香だい!今ちょっと暇潰しに外の世界でアイなんちゃら活動やってるよー」

「アイドル活動だろ萃香。そんなあたいは面白そうだから萃香の後を着いてきて萃香のプ…プロデューサーつーのをやってる星熊勇儀だよ!」

「ときに麻宵とあかねー!」

「…あやねです」

「ん?そうだったか?まぁいいや!それよりこの部屋に私達の活力源お酒ないのか?」

お酒ないのかって…どう見てもこの萃香って子、茅穂ぐらいの年齢にしかみえない。

「ないわよ。それにどうみてもあなた未成年でしょ。未成年はお酒は飲んじゃ駄目よ!」

「はぁん?あやねはどうやら私をそこら辺の幼女と勘違いしてるみたいだねーこうみえて私は何百年も生きてるのさ!」

「何百年!?それは凄いです!!」

麻宵は素直に驚いている。なんでこんな話を素直に信じられるのよ!

「お!麻宵は物わかりがいいな!まぁとりあえず飲みなよ!!」

そういうと萃香という女の子は持ってた瓢箪から盃に何かを注いで麻宵に渡しました。

「ちょ!?あなたそれってお酒じゃないの??」

「そうだよ!」

「そうだよってあなた…麻宵飲んじゃ駄目よ!」

しかし麻宵は既に盃に口をつけて全部飲んでしまった後でした。

「なに躊躇いもなく飲んでるのよー!」

「ぷはぁー!何か一気に飲んじゃいました〜」

「おー!中々良い飲みっぷりー!もう一杯飲みなよ!」

「そうですか?」

「ダメー!飲んじゃ駄目!」

私は全力で麻宵に渡された盃を奪いました。

「ハッハッハ!萃香の能力で萃香から盃を受けたら無意識に飲んじゃうからねー」

「そんな馬鹿な話があるわけないわよ!」

「ん?それなら試してみる?あやねもその盃で一杯やりなよ!」

「私は絶対…(ゴクッ)飲まないわよ………え!?飲んじゃったー!」

「アッハッハー!あやねも中々良い飲みっぷりだったよー!」

「そうだねー!おっと萃香、そろそろオーディションとやらが始まっちゃう時間だよ!」

「ん?もうそんな時間かい?それじゃ戻ろうかな。じゃあねー麻宵とあやねー」

「はーい。しゃようならでーす!」

楽屋のドアが閉まり突然の来訪者は嵐のように去って行きました。
「あやねちゃんあやねちゃ〜ん!あの人達もオーディションにしゅつじよーするんですかね?」

「さっきアイドルやってるって言ってたからたぶん出るんでしょ。それよりも私達…お酒飲んじゃったのよ…」

「そうだね!何か今…すごーくいい気分でまるで浮いてるみたい〜…」

麻宵は本当に気持ちよさそうに立ったまま壁に寄りかかり目をつぶりました。

「ちょっとこれからオーディションなんだから寝ちゃ駄目よ麻宵!はぁ…オーディションの前なのに完璧に酔っぱらってるじゃないのーどうするのよ…」

という私の気分も今まで感じた事のない不思議さと、その後極度眠気が私を襲いました。そしてそのまま時は過ぎオーディションは始まってしまいました。

「それではエントリーNO5番JPYプロ伊吹萃香さんよろしくお願いします!」

オーディション司会者の方が紹介するとさっき私達の楽屋に乱入した伊吹萃香と名乗ったはちゃめちゃな女の子が舞台に姿を現しました。

「あ…萃香さんだー」

「そ、そうね。JPYプロなんて聞いた事ないわ」

「みんなー!今日は私の大宴会に集まってくれてありがとう!今日飲んで歌って踊って楽しんでってねーまずは当然皆でカンパーイ!!」

するとオーディション会場は大い盛り上がり全員がいつの間にか手にもってた盃を皆が飲みほしました。

「それじゃ盛り上がったところで、皆で私の歌とダンスを聞けーー!」

そう高々に言ってアップテンポの激しい曲が流れだし彼女は軽快に歌い踊りはじめました。

「言動はともかくあの子中々やるわね麻宵………ってあれ?麻宵!?」

私の隣に座ってたはずの麻宵の姿がなくなっていました。そのすぐに視線を舞台に移すとなんと舞台の上に麻宵の姿がありました。

「萃香さん!」

「ん?お!確かおまえは麻宵!」

「そうです…萃香さんはとっても凄いです!なので私も負けてられません!!」

そう言って麻宵も曲に合わせて踊りはじめてしまいました。

「なにやってるのよ麻宵…」

「アハッ♪麻宵は面白い奴だな!私、麻宵の事気に入ったよ!友好の証に飲め飲め!」

これ以上麻宵にすすめないでー…と私は叫ぼうとしましたが、体も目蓋もずっしりと重く叫ぶ気力がまったく出ませんでした。

「いただきませう〜!」

「ワッハッハーよーしこれで私と麻宵は仲間だー!!!」

彼女がそう叫んだ後、絶対私の見間違いであるけど彼女の体が巨大化して会場の天井を突き破ったような気がしました。でも、そんな事あるわけありませんし、私自身その後意識がどこかにとんでしまったためよく覚えていません。ただ気付くと私と麻宵はオーディション会場の楽屋に寝かされていました。

「うっ…頭痛いわね…。ここは…楽屋?」

すると誰かがドアを叩いて言いました。

「E.T.Oプロさんそろそろ順番なので準備お願いしまーす」

「…あ。はいわかりました!よくわからいけどどうやら変な夢を見ていたみたいね…ほら麻宵起きなさい。出番よ!」

「うーん…あと五分待ってくださーい」

そう言いながら寝返りをした麻宵は両手で見覚えがある瓢箪を抱き抱えていました。それを見た私は正直その場から逃げたくなりました…。



おわり

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