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DRAINERコミュの11:ユウギ

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「フィーゼさ〜ん、助けにきたよー」

シルバ・サンブライトは、場違いな笑顔と声色で、フィーゼに話し掛けてきた。
命拾い。
何とか助けられた。
その安堵感よりも、にこにこと笑うその表情に、くすりと微笑む。

さて、こうしてはいられない。

「マーク!アレキスを『SUPPORT』のところまで連れていって!」

「了解」

マーク・キープスウェイは、同僚のアレキスを担いで、その場を離れた。
肩を貫通した負傷だ。幸いアレキスは日々、狙撃部隊にもかかわらず、筋トレを欠かさずに行うので、命に別状はないとは思う。

「何があった?」

マイクを通して、ルビス・ブレイナーが問い掛ける。
状況説明を求める口調だ。
任務には関係のない人間が現場に来たことを、ルビスは快く思うはずがない。

「画面上に強力な〃熱〃のエネルギー反応が出ている。何があったんだ?」

「あー…」

だんだん面倒になってきた。

「異質者の襲撃でアレキスが負傷しました。今から『SUPPORT』に連れていきます。あと、通りすがりのリリーサーとドレイナーが加勢してくれました。以上です、では!」

そう言ってフィーゼは一方的に通信を切った。




そのとき。
ゼクア・ローブレイクの身体が、微かに震えた。
寒さ、だけではない。
身体の表面を駆け上がる、恐ろしさ、おぞましさを感じる。
浮き出る冷や汗。

この感覚。
覚えている、忘れるはずがない。




―親父!

親父っっ!!

うああああああ!!!―




幼少の頃のあの悪夢がフラッシュバックする。
シルバも、すぐに寒さと、ゼクアの異変に気付いた。
寒さ?
いや、冷気―




刹那。
一瞬だった。
周りが凍り付く。
ゼクアとシルバだけを残し、フィーゼや負傷した警備兵もろとも、巨大な結晶の壁が出来た。

まるで、コロシアム。




「久しぶりだね」

冷気を放った長身の男は、ゼクアたちから5メートル程離れた場所に立っていた。
長い銀髪。
黒いファーつきのコート。
耽美な顔立ち。

「たくましく、なったね」

張り上げているわけでもないのに、よく通る声が響く。

フリジク・セーバードは、堂々とそこに立っていた。

―フリジク!!―

そう叫ぶ前に、シルバの手から帯のように炎が伸び、フリジクを目掛けて飛んでいった。

『巻火(スネーク)』

『冷出(クール)』

炎の蛇が、フリジクを襲う。
フリジクは体勢を一切変えずに、冷気の風を放った。
技と技の衝突。
蛇は冷気の風の塊にぶつかり、消滅した。
熱と冷気の衝突で、水蒸気が飛び散る。
その煙が消えるとき。
フリジクの隣に、先程はいなかったスーツの男が立っていた。




―黒いスーツに、弁護士バッジ。黒い短髪。それと―




ネオに聞いたエイシアの兄の特徴に酷似している。

「彼を倒せたら、警備兵たちは助けてあげるよ」

フリジクは微笑み、景品つきの遊戯の開始を告げた。

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