ジブラー万歳!!!コミュのナウシカ6

第６回は｢テト｣について。

映画版のナウシカにおいてテトは最後までナウシカの肩にいるが、原作では終盤、死んでしまう。かなりショックであったが、なぜ作者はテトを殺したのだろうか…

テトはユパに命を救われている。｢大王ヤンマに運ばれているのを見て…つい銃を使ってしまった｣とユパは言っているのだが、この時点でテトとユパは運命共同体になっているのではなかろうか。そしてあのあまりにも有名な、怯えたテトがナウシカの指を噛み、しかしそれをなだめてしまうというシーンがあるが、ここでテトはユパから離れ、ナウシカのそばにいるようになる。
ここで考えられることは、ユパと運命を共にするはずだったテトが彼から離れることによって、ユパの代わりにナウシカを守る役割を担うことになったのでは、ということである。現にテトは、精神世界にいってしまったナウシカを現実世界に呼びもどしたり、何度もナウシカを助けたり導いたりする場面がある。
第２回のユパ編でも述べたが、ユパとナウシカは離れて行動することが多かった。しかしテトは常にナウシカのそばにいた。テトがユパとナウシカの架け橋になっているようにもとれる。
そしてテトとユパが運命共同体であるということを裏付けるのは、彼らがほぼ同時期に死んでしまっているということである。
ナウシカは大切なものを失ったわけであるが、彼らの死はナウシカにとって悲しくも、しかし前へ進むことのきっかけとなったことは確かであり、最後までナウシカを守っていたことは言うまでもない。