「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Ｐａｒｔ５　その６６

「おかげ様で食欲が出てきました。」
正樹は笑顔で言った。
「それはよかったです。」
太田は言った。
「顔色も良くなられましたよ。」
安代が言うと
「新ためて整体の効果が実感出来ました。」
正樹は言った。
「ここで病気に負けてしまっては損ですよ。」
太田が言うと
「おっしゃるとおりです。」
正樹は言った。
「身体の歪みをとれは病気の予防にもなりますよ。」
太田が言うと
「近いうちに春香も連れて来ないといけない。」
正樹は言った。
「いつでも気軽にいらしてください。」
安代が言うと
「高村さんのご友人なら大歓迎ですよ。」
太田は言った。
「人間は健康が第一ですね！」
正樹は大きな声で言った。安代は珈琲を置くと笑顔で勧めた。
「召し上がってください。」
太田が言うと
「この珈琲が美味しいです。」
正樹は言った。太田は嬉しそうに正樹を見ていた。

　桐生が東京国際空港の到着ロビーを歩いて来た。那覇空港からの便は混雑していてたくさんの人が歩いていた。桐生が荷物を受けとると
「お疲れ様でした。」
児玉は丁寧な口調で言った。桐生が振り返ると児玉の笑顔が見えた。
「次席検事！」
桐生は言った。
「今回は期待に応えてくれてありがとう！」
児玉が言うと
「自分の職務を遂行しただけですよ。」
桐生は言った。
「君ならきちんと捜査をやり遂げてくれると思っていたよ。」
児玉が言うと
「今回の事件はインターネット上に流れた映像を証拠として採用しました。」
桐生は言った。
「うん！」
児玉が言うと
「あとは阿部さんに期待してください。」
桐生は言った。
「今日から東京地検本部で頑張ってほしい。」
児玉は笑顔で言った。
「解りました。」
桐生が言うと
「東京は犯罪が多いからね！」
児玉は言った。
「沖縄でも同じですよ。」
桐生が言うと
「私は消えた方がいいね？」
児玉は言った。
「どうかしましたか？」
桐生が言うと
「彼女に恨まれてもいけない。」
児玉は言った。桐生が頷くと児玉は足早に歩いて行った。児玉の姿が見えなくなると
「お帰りなさい。」
桃子は大きな声で言った。桐生が振り向くと目の前に桃子の笑顔があった。

「今日は社内でやっておくことが山積みだよ。」
俊之は受話器を当てて言った。
「お前の留守中は俺も協力するよ。」
矢島は言った。
「ありがとう！」
俊之が言うと
「佐野も意識改革が出来たようだ。」
矢島は言った。
「佐野さんはかなり成長してくれたみたいだね？」
俊之が言うと
「田崎も驚いていたよ。」
矢島は言った。
「田崎さんたちにもお土産を買って来るよ。」
俊之が言うと
「気にするなよ。」
矢島は言った。

「次席検事が来てくだったの？」
桃子は言った。
「うん。」
桐生が言うと
「あなたがそれほど優秀とは思えないわ！」
桃子は言った。
「僕は次席検事に認められたみたいだよ。」
桐生が言うと
「実感がないわ！」
桃子は言った。ふたりはタクシーに乗って空港から都心部に移動中である。
「政府の圧力にも負けなかったつもりだよ。」
桐生が言うと
「圧力があったの？」
桃子は驚いたように言った。
「三国官房長官から直々に電話があったよ。」
桐生は言った。
「政府はどうして中国を庇うのかしら？」
桃子が言うと
「それは桜田さんならご存知かも知れないよ。」
桐生は言った。ふたりを乗せたタクシーから都心部の高層ビルが見えていた。

「久美子さん！」
直子は大きな声で言った。久美子が振り向くと直子が足早に駆け寄って来た。
「早いですね？」
久美子は言った。
「遅刻は嫌いなのよ。」
直子が言うと
「私も遅刻は苦手です。」
久美子は言った。平日の正午に近い時刻では自然公園の中も行き交う人は少なかった。
「バーベキューは久しぶりだわ！」
直子は嬉しそうに言った。
「私もすっかりご無沙汰ですよ。」
久美子が言うと
「楽しくなってきたわね！」
直子は笑顔で言った。
「お待たせしました。」
千賀子は言った。直子が視線を向けると千賀子が歩いて来た。
「お世話になります。」
直子が言うと
「こちらこそよろしくお願いします。」
千賀子は言った。
「こちらは友人の堀川久美子さんです。」
直子が言うと
「堀川久美子です。」
久美子は言った。
「私は見富千賀子です。」
千賀子が言うと
「ご結婚のお祝いも差し上げていなかったですね！」
直子は言った。
「小さいことはいいのよ。」
千賀子が言うと
「私がお邪魔して悪くないですか？」
久美子は言った。
「大歓迎よ。」
千賀子は言った。ふたりは千賀子の案内で自然公園の広場に向かって歩いて行った。

To be continued