「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Ｐａｒｔ４　その１１１

「状況はどうですか？」
桜田は珈琲を飲みながら言った。
「斉藤弘子が素直に罪を認めました。」
杉山は言った。
「それは意外ですね？」
桜田が言うと
「斉藤弘子が本当に罪を認めたのですか？」
菊池は言った。
「我々は冗談を言っている暇はないですよ。」
杉山が言うと
「それは失礼しました。」
桜田は言った。
「池上直政は脱税や粉飾決済に関しては否認しています。」
杉山は煙草に火をつけると言った。
「遊佐志郎もすぐに白状しますよ！」
菊池が言うと
「遊佐は途中の記憶がないなどと意味不明なことを言っています。」
杉山は言った。
「それではこの証拠品を活用してください。」
桜田は大きな封筒を杉山に渡しながら言った。
「これは何ですか？」
杉山が言うと
「脱税や粉飾決済だけでなくインサイダー取引に関しても動かない証拠になります。」
桜田は言った。
「証拠があったのなら教えてくださいよ。」
杉山が言うと
「泳がせないとエコアシストの全容解明が不可能だと思いました。」
桜田は言った。
「すぐに遊佐から確認をとります。」
杉山は笑顔で言った。

「よろしくお願いします。」
小路は恵子に言った。
「こちらこそよろしくお願いします。」
恵子は言った。
「意外な展開だわ。」
さやが言うと
「私のような者が総武さんの関連施設にアドバイザーとして招かれていいのでしょうか？」
小路は言った。
「高村社長が小路さんの職人気質を高く買ったのですよ。」
恵子が言うと
「ありがとうございます。」
小路は言った。入口のドアが開いて佐代子が入って来ると
「いらっしゃいませ！」
さやは笑顔で言った。
「お取り込み中ですか？」
佐代子が言うと
「大丈夫ですよ。」
さやは言った。
「その代わりにお願いがあります。」
恵子が言うと
「お願いとは何でしょう？」
小路は言った。
「接客マナーをきちんと勉強してください。」
恵子が言うと
「やはり言われると思ったわ。」
さやは言った。

「おはよう！」
ひとみは笑顔で言った。
「お疲れ様です。」
若菜は言った。
「荷物を抱えているのは戻られたばかりですね？」
園子が言うと
「少し当たっているかな？」
ひとみは言った。
「ゆっくりしてください。」
若菜が言うと
「私はホット珈琲にするわ。」
ひとみが言うと
「私もホット珈琲がいいわ。」
たき子は言った。
「かしこまりました。」
園子が言うと
「このお店に来ると心が安らぐわ。」
たき子は笑顔で言った。
「それはありがとうございます。」
若菜は言った。
「徹夜した疲れも忘れられるわ。」
たき子が言うと
「ハードな徹夜でしたね？」
ひとみは笑顔で言った。

「矢島も巻き込んでしまったね？」
俊之は携帯電話の向こう側にいる矢島に言った。
「俺とお前の間に遠慮はいらないぞ！」
矢島は言った。
「いつもすまない。」
俊之が言うと
「俺も田崎の件ではお前には協力してもらったからお互い様だ。」
矢島は言った。
「それは２年以上も前の話だよ。」
俊之が言うと
「あれから田崎が少しずつ成長したのも事実だぞ。」
矢島は言った。
「田崎さんは立花さんに負けないくらい頼もしくなったよ。」
俊之が言うと
「それは大げさな言い方だぞ。」
矢島は言った。
「僕はいつも矢島に感謝しているよ。」
俊之が言うと
「俺たちは高校の時からの腐れ縁だったな？」
矢島は笑顔で言った。

「斉藤弘子さんが逮捕されて罪を認めているらしいよ。」
天門は言った。
「そうですか？」
佐野が言うと
「よかったわね？」
咲耶は言った。
「これで佐野さんも安心出来ますね？」
鈴木が言うと
「本当にこれでよかったのでしょうか？」
佐野は言った。４人は天門の事務所で昨夜の出来事について語っていたのだ。
「犯人の斉藤弘子さんが逮捕されたのは良いことだよ。」
天門が言うと
「そうです。」
佐野は言った。
「元気がないわね？」
咲耶は佐野を見て言った。
「あそこで戦っていた人たちは何を得たのでしょうか？」
佐野が言うと
「高村さんたちのことかい？」
天門は言った。
「はい。」
佐野が言うと
「凄まじい戦いだったよ。」
天門は言った。
「ピストルで撃たれた老婆も居ました。」
佐野が言うと
「彼女が重症を負ったかも知れない。」
天門は言った。
鈴木が言うと
「はい！」
咲耶は言った。