「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Ｐａｒｔ４　その６５

「ここで時間に大声を出しても無駄だよ。」
池上は言った。
「あなたたちが考えそうなことだわ！」
きみ子が言うと
「俺たちは目的のためには手段を選ばないことを知っているはずだ！」
池上は言った。
「私まで殺すつもりなの？」
弘子が言うと
「ふたりとも死なせないよ。」
俊之は言った。きみ子が驚いて振り向くと俊之が立っていた。
「お前は総武の高村だな？」
池上は俊之を見て言った。
「ミスター高村と呼んでくれないか？」
大輪は大きな声で言った。池上が見ると大輪が立っていた。大輪の横には久美子と矢島が立っていた。
「あなたたちがどうしてここにいるの？」
きみ子は言った。
「偶然に通りかかっただけですよ。」
俊之が言うと
「きみ子さんを助けてください。」
久美子は大輪に言った。
「はい。」
大輪は言った。
「僕たちもいますよ。」
関口は言った。久美子が見ると関口と泰子がゆっくりと歩いて来た。
「矢島は久美ちゃんを頼むよ。」
俊之が言うと
「任せておけ！」
矢島は大きな声で言った。

「高村からやれ！」
池上は言った。若者のひとりが俊之に殴りかかろうとすると俊之は素早く避けた。
「この野郎！」
若者が言うと
「年上の人間には敬語を使わないと失礼だよ。」
俊之は言った。若者は怒ったように俊之に向かって拳を上げると俊之は素早く回り込んで腹部に拳を当てた。
「痛てえ！」
若者が言うと
「悲鳴をあげないで先に謝るが礼儀だよ。」
俊之は言った。
「今度は俺が相手だ！」
別の若者が言うと
「お前は私が相手をしてやるよ。」
大輪は大きな声で言った。
「行くぞ！」
別の若者は言った。大輪が微笑むと別の若者は大輪の腹部に蹴ろうとしたが大輪は素早く避けると腹部に拳を当てた。
「私は悪い日本人は嫌いだ！」
大輪が言うと
「痛てえ！」
別の若者は言った。最初の若者も腹部に手を当てて蹲っていた。関口や泰子もそれぞれの若者を相手にした。泰子は剃刀を指に持って素早く振り回した。３人目の若者が見るとマフラーが切り刻まれていた。
「お前は何をした？」
３人目の若者が言うと
「マフラーを切っただけよ。」
泰子は言った。関口が４人目の若者を殴ると顔面を押さえて動きを止めた。その隙をみて５人目の若者が走り出した。

「ひとり逃げて来ました。」
久美子は言った。
「俺が始末してやる！」
矢島が言うと
「そこを退け！」
５人目の若者は言った。
「退くのはお前だよ。」
矢島が言うと
「邪魔だ！」
５人目の若者は言った。
「覚悟しろよ」
矢島は大きな声で言った。
「矢島さん。」
久美子は言った。
「どうかしたのか？」
矢島が言うと
「後ろにもうひとりいますよ。」
久美子は言った。矢島は５人目の若者とすれ違いざまに右腕を取ると軽く捻った。
「痛てえ！」
５人目の若者が言うと
「俺に逆らうのは１００年早いぞ！」
矢島は言った。

「俺は逃げてやるぞ！」
６人目の若者は言った。矢島の横を走って逃げ切るつもりだったが目の前に育子が立っていた。６人目の若者が睨むと
「あなたは逃げられないわ。」
育子ははっきりとした口調で言った。
「邪魔だから退けよ。」
６人目の若者が言うと
「その言い方は女性に失礼だよ。」
育子は言った。６人目の若者が育子に殴りかかって来ると育子は右腕を取って大きく投げ飛ばした。さらに育子が右腕の間接を締め上げると
「痛てえ！」
６人目の若者は大きな声で言った。
「情けない男ね？」
育子が言うと
「今夜はここで終わっておこうよ。」
翔太は物陰から出て来ると言った。

「情けないやつらだ！」
矢島は言った。
「皆さんは大丈夫ですか？」
久美子が言うと
「高村たちなら心配ないよ。」
矢島は言った。久美子が安心したように頷くと
「お怪我はありませんか？」
俊之は優しい口調で言った。
「あなた強いのね？」
きみ子が言うと
「僕はそれほど強くないですよ。」
俊之は言った。
「ミスター高村は我々の誰よりも強いです。」
大輪が言うと
「言われなくても解るわ。」
きみ子は微笑みながら言った。
「ご無事でよかったです。」
俊之が言うと
「ありがとう。」
きみ子は言った。
「斉藤弘子が逃げました！」
大輪が言うと
「あとは翔ちゃんに任せておこうよ。」
俊之は言った。