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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part4 その57

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「理佐さんは迫真の演技だよ?」
関口は言った。泰子は黙って頷いた。関口はエコアシスト本社ビルの横に乗用車を止めていた。ふたりは乗用車の中で理佐と遊佐の会話をイヤホンで聞いていた。
「直子さんに匹敵する演技派だわ!」
泰子が言うと
「安心していると危険かな?」
関口は言った。
「遊佐を怒らせると理佐さんが危険よ。」
泰子が言うと
「油断は禁物だったよ。」
関口は言った。
「理佐さんは私より2歳年下とは思えないほど大人だわ。」
泰子が言うと
「彼女も苦労をしているから裏の仕事が上手になったのだと思うよ。」
関口は言った。
「それは私にも解るわ。」
泰子が言うと
「あとは遊佐を追い詰めるだけだよ。」
関口は言った。

「年明け早々にはシステムの以降が可能になりましたね?」
立花は大きな声で言った。
「待ち合わせることが出来そうです。」
織田和夫は言った。
「バグの修正しだいではもう少し早く納品が出来るかも知れません。」
大野かえでが言うと
「バグの確認は慎重にお願いします。」
立花は言った。
「おっしゃられなくても最終確認は慎重に行います。」
織田が言うと
「余計なことを言ってすみません。」
かえでは小さな声で言った。
「総武グループは信用を重視していますのでご理解ください。」
立花は言った。織田が窓外を見ると冬の景色が見えた。かえでも織田の視線を追って窓外を見ると
「珈琲をお持ちしました。」
陽子は会釈をして言った。
「織田さんとは今後も長いお付き合いになりそうですね?」
立花が言うと
「ありがとうございます。」
織田は言った。俊之がいない応接室は少しだけ寂しい空気が流れていた。織田が珈琲カップに口をつけると
「高村さんとゆっくり食事でもしたいですね?」
かえでは織田の心を察するように言った。

「国見さん。」
関口は言った。理佐が関口の声に振り返ると関口は右手を上げた。
「遅くなりました。」
理佐が言うと
「車で送るよ。」
関口は笑顔で言った。
「私は電車でも大丈夫ですよ。」
理佐は言った。
「ついでに今夜の段取りを決めておきたいけれどいいかい?」
関口が言うと
「それなら大丈夫ですよ。」
理佐は言った。
「油断は禁物だよ。」
関口が言うと
「私はこれを持って来ました。」
理佐は鞄から小さなビンを持つと言った。
「それは睡眠薬だね?」
関口は言った。
「隙を見て遊佐に飲ませますよ。」
理佐が言うと
「とにかく急ごう!」
関口は言った。ふたりは泰子が待つワゴン車に向かって足早に歩いて行った。

 田中が運転する社用車は幹線道路からわき道に曲がった。年末はどの道も混雑しているからわき道でも空いている保証はないのだ。
「わき道に入ったら到着が遅れるのではないですか?」
陽子は言った。
「今日は近の先で交通規制があります。」
田中が言うと
「田中さんはい情報が早いね?」
俊之は言った。
「車が多いのから幹線道路が混雑していたように思います。」
田中が言うと
「田中さんに任せると。」
俊之は言った。
「このあとは総武遊園地の工事現場を確認するだけです。」
洋子が言うと
「ゆっくり行こうよ。」
俊之は言った。田中が運転する社用車は順調に走っていた。

「休憩をとります。」
久美子は言った。
「はい。」
若菜が言うと
「お疲れ様です。」
園子は言った。
「ゆっくりして来てね。」
若菜は笑顔で言った。
「はい。」
久美子が言うと
「今は暇な時間帯だから気にしなくていいわ。」
園子は言った。久美子が鞄を持って歩き出すと携帯電話が鳴った。久美子が鞄から携帯電話を出して耳に当てると
「久美子!」
知子は大きな声で言った。
「お母さん!」
久美子が言うと
「急に電話をしたけれど大丈夫かしら?」
知子は言った。
「休憩になったばかりだから大丈夫よ。」
久美子が言うと
「お正月には俊之さんを連れて帰って来なさいよ。」
知子は言った。
「うん。」
久美子が言うと
「俊之さんの好きなものをご馳走するわ。」
知子は言った。久美子は通話を終えるとエスカレーターを降りて駅ビルの外に出た。日差しは既に弱くなっていて空が赤く染まっていた。

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