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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part4 その46

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「佐野さん。」
咲耶は言った。佐野は咲耶の声に振り返ると笑顔を見せた。咲耶は佐野の穏やか表情を見て少しだけ安心した。
「戸田さん。」
佐野が言うと
「良いことがあったみたいね?」
咲耶は言った。ここは周囲にお洒落な店が並ぶ繁華街である。
「僕もやっとチャンスを掴みました。」
佐野が言うと
「何をするの?」
咲耶は言った。
「近いうちにテレビデビューします。」
佐野が言うと
「本当にデビュー出来るの?」
咲耶は言った。
「大丈夫ですよ。」
佐野は冗談交じりに言った。
「うまくいくといいわね?」
咲耶が言うと
「頑張りますよ。」
佐野は言った。
「うん。」
咲耶が言うと
「すぐに天門先生を追い越してみせますよ。」
佐野は言った。
「テレビ業界も甘くないわよ。」
咲耶が言うと
「大丈夫です。」
佐野は言った。
「私は心配だわ。」
咲耶が言うと
「今から僕のサインをプレゼントしますよ。」
佐野は言った。
「ありがとう。」
咲耶は小さい声で言った。佐野は咲耶の心配など気にも止めずに大通り足早に歩いて行った。

「深水社長に会う前にひとみさんに確認しておきたいことがあります。」
俊之は言った。
「どのようなことですか?」
ひとみが言うと
「オーストラリアに進出する際に人材の支援の追加をお願いしようと思っています。」
俊之は言った。
「ワールドコミュニケーションズはオーストラリアにも優秀な人材が在籍していますよ。」
ひとみははっきりとした口調で言った。
「それなら早速深水社長と会わないといけない。」
俊之は言った。
「私が細かい交渉をします。」
恵子が言うと
「頼むよ。」
俊之は言った。
「かしこまりました。」
恵子は俊之を見て言った。
「私は高村さんから仕事の依頼をいただいて嬉しいです。」
ひとみが言うと
「それはお互い様ですよ。」
俊之は言った。陽子が珈琲を持って歩いて来ると
「よろしくお願いします。」
ひとみは丁寧な口調で言った。
「こちらこそよろしくお願いします。」
恵子が言うと
「珈琲を持ちしました。」
陽子は言った。
「今日は珈琲で乾杯だね?」
俊之が言うと
「私も嬉しいです。」
ひとみは言った。

「テレビに出るのは簡単なことではないよ。」
天門は携帯電話を耳に当てて言った。
「先生もそのように判断なされますか?」
咲耶は言った。
「エキストラとして出演するのなら簡単かも知れない。」
天門が言うと
「カリスマ占い師として出演するそうです。」
咲耶は言った。
「それは難しいよ。」
天門が言うと
「佐野さんは軽率だわ!」
咲耶は言った。
「佐野さんが正確に占えるのかな?」
天門が言うと
「四柱推命や紫微斗数を修得しないと難しいですね?」
咲耶は言った。
「心配なってきたよ。」
天門が言うと
「私も細かい部分を確認します。」
咲耶は言った。天門は通話を終えて大きく息を吐くと俊之の顔を思い浮かべていた。

「今日は夕方から時間が出来るよ。」
俊之は携帯電話の向こう側にいる久美子に言った。
「それはよかったです。」
久美子は言った。
「面白い行事があるのかい?」
俊之が言うと
「今夜は俊さんとゆっくりしたいです。」
久美子は言った。
「河村くんのレストランにでも行こうか?」
俊之が言うと
「はい。」
久美子は言った。
「僕は早めに仕事を終えるよ。」
俊之が言うと
「解りました。」
久美子は言った。俊之が通話を終えて携帯談話を机の上に置くと
「社長!」
立花ははっきりとした口調で言った。
「はい。」
俊之が言うと
「明日にはけじめをつけたいと思います。」
立花は言った。
「遊佐さんの相手をするのも終わりにしないといけないね?」
俊之が言うと
「過去に対するけじめもつけるつもりです。」
立花は言った。
「はやり岡部さんとは過去に何かあったのだね?」
俊之は立花を見て言った。
「20代の頃にプロポーズしました。」
立花が言うと
「それは余計なことを聞いてしまったね?」
俊之は言った。
「いいえ。」
立花が言うと
「元の恋人なら心が揺れるかも知れない。」
俊之は言った。
「プロポーズを断られた時点でふたりの関係は終わりましたよ。」
立花が言うと
「それでも彼女が近づいてくれば心が動くと思うよ。」
俊之は言った。
「おっしゃるとおりです。」
立花が言うと
「僕も立花さんと同じだよ。」
俊之は言った。
「お母様のことですね?」
立花は言葉を選びながら言った。
「栗山さんは母親にそっくりだよ。」
俊之が言うと
「社長のお気持ちをお察し致します。」
立花は言った。
「僕は正面から遊佐さんと勝負をするよ。」
俊之が言うと
「今日のふたりはいつにも増して素敵ですよ。」
陽子は小さい声で言った。俊之が社長室の窓から外に視線を移すと空が赤く染まっていた。

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