「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・天門開運術　その７

「俊さん。」
久美子は大きな声で言った。周囲の人が乗用車を取り囲むようにして集まって来た。久美子も慌てて乗用車の近く走って来ると周囲には大勢の人が集まっていた。乗用車の運転席に老人がドアを開けると
「間一髪だったよ。」
俊之は女の子を抱えたままで言った。
「僕は間に合わないと思いました。」
翔太は佐野の肩を持ったままで言った。
「皆さんが無事でよかったです。」
久美子が言うと
「怖くなかったかい？」
俊之は優しく女の子に言った。
「はい。」
女の子は言った。
「あなたも大丈夫ですか？」
翔太が言うと
「大丈夫です。」
佐野は放心したままで言った。
「誰も怪我をしなくてよかったね。」
俊之は言った。その時に俊之の後ろから
「みちる！」
石橋節子は大きな声で言った。俊之と久美子は節子を振り返って節子を見た。翔太は佐野の表情を見たままである。
「お母さん。」
石橋みちるが言うと
「怪我はしなかった？」
節子は言った。
「大丈夫だよ。」
みちるが言うと
「それはよかった。」
節子は安心したように言った。みちるを見て安心した節子はあらためて俊之を見て笑顔を浮かべた。
「大事に至らないでよかったです。」
俊之が言うと
「ありがとうございます。」
節子は言った。
「石橋さんの娘さんでしたか？」
俊之はみちるを見て言った。
「私だけでなく娘まで高村さんに助けていただきました。」
節子は笑顔で言った。
「こちらの方は俊さんのお知り合いですか？」
久美子は言った。
「矢島建設の社員さんだよ。」
俊之が言うと
「私は経理の石橋節子です。」
節子は言った。
「私は堀川久美子と申します。」
久美子が言うと
「偶然が重なることがあるのですね？」
節子が言うと
「僕も不思議なご縁を感じました。」
俊之は言った。みちるを挟んで３人が和やかに会話をしていた。佐野は少し離れた場所に立っていた。
「あなたとも不思議なご縁がありますね。」
翔太は小さい声で言った。
「あなたはどちら様ですか？」
佐野が言うと
「いずれ解かりますよ。」
翔太は言った。
「どうして僕を助けたのですか？」
佐野が言うと
「あなたにはしなければいけないことがあるからです。」
翔太は言った。佐野が黙っていると
「その方もお怪我はありませんか？」
久美子は優しく言った。
「怪我があったら遠慮しないで言ってください。」
俊之が言うと
「僕なら大丈夫です。」
佐野は言った。
「それはよかったですね。」
節子が言うと
「笹川さんが助けてくれたのですから大丈夫ですよ。」
久美子は言った。
「さすがは翔ちゃんだね。」
俊之は笑顔で言った。表情を堅くして立っている佐野に
「高村さんと私はしなければならない義務をきちんと果たしています。」
翔太が言うと
「はい。」
佐野は言った。
「女性の久美子さんもきちんと義務を果たされる方です。」
翔太が言うと
「皆さんはとてもご立派ですよ。」
佐野は言った。
「今度はあなたがご自分の義務を果たす番です。」
翔太が言うと
「そうかも知れません。」
佐野は考えるように言った。
「天門先生が待っていますよ。」
翔太は言った。
「どうしてあなたは私のことをご存知なのですか？」
佐野が言うと
「それは企業秘密ですよ。」
翔太は言った。佐野は驚いた表情で翔太を見ていた。

「このたびはご迷惑をおかけしました。」
天門は言った。
「すみません。」
佐野が言うと
「終わったことは水に流しましょう。」
千草は笑顔で言った。
「そのようにおっしゃってくださると助かります。」
天門は言った。
「私は佐野さんにはひと言だけ言っておきたいことがあります。」
千草が言うと
「何でしょうか？」
佐野は言った。天門が佐野を見ると
「風水に限らずに勉強をなさる時には謙虚な気持ちを持つことが大切ですよ。」
千草は大きな声で言った。
「はい。」
佐野が言うと
「あなたは物事を軽く考えていらっしゃるから今回のように間違った化殺をするのですよ。」
千草は言った。
「今回は偶然にうまくいかなかっただけですよ。」
佐野が言うと
「それは違うよ。」
天門は言った。
「天門先生のご説明をよく聞いてください。」
千草が言うと
「私の説明をきちんと理解していないから化殺に失敗したのだと思うよ。」
天門は言った。
「佐野さんは正しく理解するように心がけてください。」
千草は佐野を見て言った。

「これで少し様子を見てください。」
天門は言った。
「ありがとうございます。」
千草が言うと
「白金さんがブライダルコンサルタントとして活躍するお手伝いが出来るのを光栄に思います。」
天門は言った。
「ありがとうございます。」
千草は笑顔で言った。
「これで効果が期待出来ますね？」
咲耶が言うと
「うん。」
天門は言った。
「この場所に金属を置くことで運気が上がるのですね？」
千草が言うと
「すぐに仕事運が上がってきます。」
天門は言った。
「それは嬉しいです。」
千草が言うと
「明日から奇門遁甲もやってください。」
天門は言った。
「はい。」
千草は元気よく言った。
「奇門遁甲は即効性がありますよ。」
天門が言うと
「私も奇門遁甲を勉強しようと思います。」
咲耶は笑顔で言った。