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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part3 その49

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「ここで降ります。」
俊之は田中に言った。
「かしこまりました。」
田中は言った。俊之を乗せた社用車は通りの端に止まるとすぐにドアが開いた。俊之が車外に出ると田中は俊之と視線を合わせた。
「戻るのは夕方になるからそれまでは自由に行動をしていいよ。」
俊之が言うと
「はい。」
田中は言った。俊之が歩き出すと田中は社用車を静かにスタートさせた。俊之は通りを歩いてすぐ前に建っている三友電機の本社ビルの前に来ると
「高村さん。」
若い女性は俊之を見て言った。俊之が女性を見ると目の前に吉沢はつみが立っていた。はつみは俊之が経営アカデミー学院の講師をしていた時に受付を担当していた。
「吉沢さん。」
俊之は嬉しそうに言った。
「すっかりご無沙汰しています。」
はつみがいうと
「1年以上も会っていないね。」
俊之は言った。
「いつも高村さんのご活躍を応援しています。」
はつみが言うと
「ありがとう。」
俊之は言った。

「お疲れ様でした。」
立花は言った。立花は遊園地の事務所のドアを開けると優しく微笑んでいた。
「お客さんが喜んでくれて嬉しいですね。」
久美子が言うと
「私も遊園地でのステージは楽しかったです。」
みさは言った。
「私は路上ライブをしていた頃を思い出しました。」
まゆみが言うと
「直子さんや育子さんも一緒のライブを聞いたのを思い出しました。」
久美子は言った。
「高村社長もご一緒だったと聞きましたよ。」
立花が言うと
「俊さんに誘われて私が皆さんを誘いました。」
久美子は言った。
「そうでしたか。」
立花が言うと
「高村社長にもお会いしたかったです。」
まゆみは言った。まゆみは差し出したチラシを俊之が受け取ってくれた時のことを思い出して遠くを見るような目をして言った。
「あの頃はチラシを受け取ってくれない人も多かったです。」
みさが言うと
「高村社長は優しく受け取ってくれました。」
まゆみは言った。
「俊さんらしいですね。」
久美子が言うと
「それが社長のいいところですよ。」
立花は笑顔で言った。

「今は不況だからどの会社も苦しいと思うよ。」
俊之は珈琲を飲みながら言った。
「私も受付から経理に移動しました。」
はつみは言った。ふたりは落ち着いた雰囲気の喫茶店で話をしていた。
「中小企業の経営者もセミナーに参加する余裕がないみたいだね。」
俊之が言うと
「昨年の金融危機から受講生の数が減っています。」
はつみは言った。
「早く景気が回復しないといけないね。」
俊之が言うと
「高村さんの講義を受けた社長さんたちは元気でしょうか?」
はつみは言った。
「塩野さんと坂本さんは元気だよ。」
俊之が言うと
「あの大きな声で話す塩野さんと知的な坂本さんですね。」
はつみは言った。
「そうだよ。」
俊之が言うと
「不況に負けないでほしいです。」
はつみは言った。
「ふたりの会社は総武と提携する方向で話を進めているよ。」
俊之が言うと
「それはよかったです。」
よしみは嬉しそうに言った。
「ふたりの力を総武にも貸してもらうと助かるよ。」
俊之は言った。
「自分のことのように嬉しいですね。」
はつみは笑顔で言った。
「僕も嬉しいよ。」
俊之が言うと
「私がリストラされたら塩野さんは助けてくれるでしょうか?」
はつみは言った
「吉沢さんがリストラされたら総武に来ればいいよ。」
俊之が言うと
「本当ですか?」
はつみは言った。
「僕は本気だよ。」
俊之が言うと
「その時にはよろしくお願い致します。」
はつみは明るい表情で言った。

 田中は社用車を止めて大きな川沿いにある自動車修理場を見ていた。社用車修理するのであれば総武企画の近くに修理場はたくさんあるのが処理の必要があるわけではなかった。田中はドアを開けて車外に出ると修理場の前に歩いて来た。修理場は小さな個人経営のようである。20歳くらいの若い男がひとりで懸命に修理をしているだけである。田中は男を黙って見ていたが何かを決心したように男に近づいて行った。田中が近づくと男は田中を見た。田中は笑顔で男を見たが男は無表情であった。
「元気そうだな。」
田中は言った。
「うん。」
男が言うと
「真奈美は元気でやっているか?」
田中は言った。
「父さんには関係ないだろう。」
男が言うと
「守。」
田中は言った。
「帰ってくれよ。」
田中守は田中を睨みつけるように言った。
「お前の元気な姿が見られただけでもよかったよ。」
田中が言うと
「父さんとは縁が切れたはずだよ。」
守は言った。
「そうだったな。」
田中が言うと
「2度と会いに来ないでほしい。」
守は言った。
「うん。」
田中が言うと
「それがみんなのためだよ。」
守は言った。
「真奈美と幸せに暮らせよ。」
田中が言うと
「母さんは近いうちに再婚するかもしれないよ。」
守は言った。
「それは本当なのか?」
田中は困惑して言った。

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