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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part2 その106

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「高村さん。」
直子は俊之の姿を見つけると右手を上げて言った。
「間に合ってよかった。」
俊之は言った。
「急に呼び出してごめなさい。」
直子がは俊之に言った。俊之と直子はベンチに座った。
「直子さんも撮影で忙しいみたいだね。」
俊之は言った。
「もう少しするとこの公園で撮影がはじまるけれど私の出番までには余裕があるから大丈夫です。」
直子が言うと
「この公園は僕たちがはじめて出会った公園だね。」
俊之は言った。
「覚えていてくれましたか。」
直子は嬉しそうに言った。
「あの日も今日と同じで快晴だったね。」
俊之は言った。公園を歩く人はまばらで誰も俊之や直子に気づく様子がなかった。
「あれからちょうど1年経ちましたよ。」
直子は遠くを見るような目で言った。
「あれから1年経ったのか?」
俊之は感慨深い表情で言った。
「エキストラの仕事も楽しかったですね。」
直子が言うと
「あの時には僕たちがこんなに親しくなれるとは思っていなかったよ。」
俊之は言った。
「私も一緒に北京五輪を見に行たりゆっくりお話が出来るとは思っていませんでした。」
直子が言うと
「この1年は特にいろいろな出来事がったよ。」
俊之は言った。秋の日差しが少しだけ暖かく感じるのは俊之も直子も一緒であった。

「今日は思ったより早く裏づけが取れましたね。」
桃子は時計を見て言った。
「それでもこの時間までかかったね。」
桐生は言った。
「たまにはみんなで飲みに行きたいですね。
桃子が言うと
「しばらく飲みに行ってないね。」
桐生は言った。
「それなら早く事務処理を終えてみんなを誘いましょうよ。」
桃子は立ち止まると桐生を見て言った。東京地方検察庁の玄関は受付の横にガードマンが立っていた。この時間は出入りする人は少なかった。
「たまには次席検事がご馳走してくれないかな?」
桐生が言うと
「そんなことを言うと児玉次席検事に聞こえますよ。」
桃子は微笑みながら言った。
「ここからは児玉次席検事に聞こえないよ。」
桐生は言った。
「聞こえていますよ。」
いつの間にか桐生の傍に来た児玉信孝は言った。
「児玉次席検事。」
桃子は児玉を見て言った。
「たまには私もご一緒したいのですが皆さんで楽しんで来てください。」
児玉は言った。児玉は財布から紙幣を出して桐生に渡した。
「大丈夫ですよ。」
桐生は紙幣を受け取らずに言った。
「桐生くんの活躍には上層部も期待しています。」
児玉は言った。
「本当に大丈夫ですよ。」
桐生が言うと
「いいから受け取っておきなさい。」
児玉は言った。
「ありがとうございます。」
桃子は児玉に言った。
「私はこのあと知り合いの弁護士に会いに行くから失礼するよ。」
児玉が言うと
「はい。」
桃子は言った。児玉が歩き出すと
「ありがとうございます。」
桐生は背を向けた児玉言った。

「まだ仕事中だったでしょう?」
深澤久美子は携帯電話の向こうで言った。
「今日は珍しく定時で終わったよ。」
敏弘は言った。
「今週も私が東京に行くからね。」
深澤久美子が言うと
「今週は僕が大阪に行く番だよ。」
敏弘は言った。
「あなたが大阪に来るよりも私が東京に行ったほうがあなたに負担が少ないでしょう。」
深澤久美子が言うと
「それなら夜行バスは疲れるから新幹線でお出でよ。」
敏弘は言った。
「のぞみの指定席を取ったから大丈夫よ。」
深澤久美子は嬉しそうに言った。
「俺が東京駅まで迎えに行くよ。」
敏弘が言うと
「新横浜を過ぎたらメールを送るわ。」
深澤久美子は言った。
「楽しみにしているよ。」
敏弘は言った。敏弘は電話を切ると缶珈琲を飲み干して腕時計を見た。深澤久美子は電話を切ったあとに少しだけ考えるように黙っていた。大阪駅前も仕事帰りの人たちで混雑していた。活気に溢れた人たちのを見ながら
「最近は東京を離れる時に涙が出るのはどうしてなの?」
深澤久美子は小さい声で言った。

「こんばんは。」
天門は言った。天門は事務所の入口に立っている大輪の姿を嬉しそうに見た。
「最近はお会いする時間がなくてすみませんでした。」
大輪が言うと
「高村さんの関係で忙しいのなら良いことだよ。」
天門は言った。
「私はミスター高村を誤解していたみたいです。」
大輪が言うと
「とにかく早く中に入ってください。」
天門は言った。
「李先生がミスター高村を気にかけていらした理由も今なら理解出来るようになりました。」
大輪が言うと
「高村さんはこの1年で大きく変わったよ。」
天門は言った。
「李先生が私を日本に来させてくれて感謝しています。」
大輪が言うと
「日本も中国も同じアジアの国だから仲良くしないといけないよ。」
天門は大輪に珈琲を勧めながら言った。

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