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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹・Part2 その94

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 俊之が駅前広場で待っている久美子を見つけると走って来た。久美子が俊之を見ると
「遅れてすまないね。」
俊之は久美子に言った。
「私もそんなに待っていたわけではないから気にしないでください。」
久美子は言った。
「久美ちゃんが紹介してくれた平本さんが薬師寺さんと大活躍してくれて助かったよ。」
俊之は歩きながら言った。
「栄子さんは私が買い物をした時にとても親切に対応してくださった店員さんです。」
久美子は言った。
「帝王百貨店をリストラされたみたいだけれど平本さんは優秀な人材だよ。」
俊之が言うと
「平本さんがリストラされるのは理解に苦しみますね。」
久美子は言った。俊之は急に立ち止まると久美子も立ち止まった。
「そう言えばここで彼女たちがライブをしていたね?」
俊之が言うと
「来週もライブをするそうですよ。」
久美子言った。
「彼女たちの一所懸命な姿を見ると応援したくなるね。」
俊之が言うと
「まゆみさんたちは私たちで応援すればスターになれますよ。」
久美子は言った。俊之は頷きながら空を見上げた。久美子も俊之の視線を追って空を見上げると
「夏から秋の星に変わって来ているね。」
俊之は言った。
「冬なったら首都圏テレビの前で夜空を見に行きたいです。」
久美子が言うと
「僕と久美ちゃんの運命を変えたあの夜は忘れるられないよ。」
俊之は言った。
「私も一生忘れないです。」
久美子は言った。

「深刻な顔をしてどうしたの?」
みどりは言葉が少ない田崎を見て言った。
「話があるけれどいいかい?」
田崎は珈琲を飲むと勇気を持って言った。
「どんな話なの?」
みどりは言った。
「僕たちは同じ矢島建設で仕事をしていてお互いを認め合っているけれどプライベートで会うことは今夜で終わりにしたいと思う。」
田崎が言うと
「私と別れると言いたいのね。」
みどりは田崎の言葉にショックを受けたような表情で言った。
「みどりさんは優しくて頭も良くて僕にはもったいない女性だよ。」
田崎は言った。
「それならばどうして終わりになるの?」
みどりが言うと
「みどりさんは僕を同情の眼で見ているからだよ。」
田崎は言った。
「そんなことはないわ。」
みどりが言うと
「言い切れますか?」
田崎は言った。
「当たり前でしょう。」
みどりが言うと
「僕は同情ではなくきちんと理解しあえる女性と付き合いたいだけだよ。」
田崎は毅然とした態度で言った。

 夜行バスがターミナル駅に到着する時間は明け方になっていた。秋の朝は弱い寒さに朝日が眩しく輝いていて都心でも独特の光景が見られた。新幹線とは違い夜を移動するのは身体に負担がある。深澤久美子は乗客たちに混じってバスを降りて来ると荷物を肩に抱えて待合室に入って来た。少し憂いの表情がある深澤久美子は他の乗客たちとは違う雰囲気を持っていた。ベンチに座っていた敏弘が深澤久美子をを見つけるとすぐに立ち上がった。敏弘が微笑むと深澤久美子も敏弘に微笑んだ。
「時間通りに到着してよかったよ。」
敏弘が言うと
「夜に大阪を出る時には少し寂しい気持ちだったけれど東京に近づいて来ると空が白く変わってくるので楽しかったわ。」
深澤久美子は言った。
「バスの中では眠らなかったのか?」
敏弘が言うと
「時々眠ったけれどバスの中では眠れないものね。」
深澤久美子は言った。
「やはり新幹線を使った方がいいよ。」
敏弘が言うと
「夜から朝に変わるのを見ていると涙が出るくらい感動したわ。」
深澤久美子は言った。
「疲れているだろうからどこかで休もうよ。」
敏弘が言うと
「それより海でも見に行きましょう。」
深澤久美子は疲れも見せずに言った。

「お呼びですか?」
桜田は官房長室のドアを開けると言った。いつものように桜田は岸田とは親しい中にも一線をおいた距離で接していた。
「そこに座ってよ。」
岸田が言うと
「失礼します。」
桜田は座りながら言った。
「人志のことではいろいろすまなかったね。」
岸田は言った。
「ご子息さんの裁判は結審されたそうですね?」
桜田が言うと
「桜田くんは情報が早いね。」
岸田は言った。
「官房長には敵いませんが私にも情報網があります。」
桜田は静かに言った。
「桐生検事がきちんとした捜査をしてから起訴してくれたおかげで有罪の実刑判決が出たよ。」
岸田が言うと
「実刑になると官房長に影響はありませんか?」
桜田は言った。
「人志は別れた妻が親権を持っていたし今では私と全くの無関係だよ。」
岸田が言うと
「表向きはそうですね。」
桜田は言った。
「黙っていてほしい。」
岸田が言うと
「解かっています。」
桜田は言った。
「高村さんが誰かに私と人志の関係をしゃべられると困るねよ。」
岸田が言うと
「高村さんはご自分に関係がないことには一切ご発言をなされなと思います。」
桜田は言った。
「安心したよ。」
岸田が言うと
「ご心配は無用です。」
桜田は言った。
「それなら安心して増田の対策を考えておくよ。」
岸田が言うと
「増田さんは近々中近東に行かれますから大丈夫だと思います。」
桜田は言った。

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