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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹 その114

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 久美子が図書室を出ると携帯電話が鳴った。久美子は図書室の中では着信音が響くためにマナーモードにしていた。久美子が設定を元に戻した時に育子からの着信が来た。
「こんにちは。」
久美子は電話の向こう側の育子に言った。
「アイディアが浮かんだから久美ちゃんに話すよ。」
育子は言った。
「是非聞かせてください。」
久美子が言うと
「久美ちゃんも覚悟しないとダメだよ。」
育子は言った。
「そんに難しいのですか?」
久美子が言うと
「みんなに協力してもらわないとうまくいかないよ。」
育子は言った。
「そんなに大変なのですか?」
久美子が言うと
「相手は高村さんだよ。」
育子は言った。
「はい。」
久美子が言うと
「単純な方法では効果がないよ。」
育子は言った。

 日が落ちて夜の気配に包まれたオフィス街を弘子が歩いていた。弘子が銀行で預金を引き出したのを翔太は確認した。弘子はガラス張りのレストランに入って行った。豪華な夕食である。世の人たちの苦労など気にしない弘子はマイペースで自由な生活をしていた。翔太は弘子の贅沢に裏があるのを感じ取っていた。翔太が弘子を見張っていても今日の成果は期待が出来ない。
「笹川さん。」
関口は翔太の傍に来ると言った。
「ご苦労さん。」
翔太は笹川に言った。40代半ばのひと目で暴力団打と解る服装の男がレストランに入って行った。ガラス張りの向こう側に移る弘子の前にその男は立った。
「あいつは裏道会の幹部ですよ。」
関口が言うと
「うまく繋がったな。」
翔太は言った。
「少しずつ解決の糸口が見えてきましたね。」
関口が言うと
「あとはマンションの踊り場で麗子さんと争った確証を手に入れれば解決だよ。」
翔太は言った。
「僕も手を尽くしています。」
関口が言うと
「詐欺罪は立件できる材料を持っているから大丈夫だよ。」
翔太は関口に言った。

「ようこそ総武へいらっしゃいました。」
立花は言った。
「よろしくお願い致します。
俊之が言うと
「こちらこそよろしくお願いします。」
立花は言った。俊之の隣には陽子が座り正面には恵子と立花が座った。その周囲に6人の管理職が座って次期社長になる俊之の歓迎会が始まった。
「みなさんが優秀なので僕も負けないようにがんばります。」
俊之が言うと
「我々もしっかりサポートさせていただきますよ。」
立花は言った
「僕が教わることも多いかもしれないね。」
俊之が言うと
「大丈夫ですよ。」
立花は言った。
「最初は薬師寺さんも誤解していたようですね。」
陽子が言うと
「誤解していました。」
恵子は言った。
「普段の薬師寺さんはもっと冷静ですよ。」
陽子は小声で俊之に言った。
「交渉部長だから冷静だと思っていたよ。」
俊之は陽子に言った。俊之と陽子を見た立花は微笑を浮かべた。恵子は気づいていない。
「そこのおふたりさん。」
立花は冗談交じりに言った。
「僕たちかい?」
俊之が言うと
「仲良しなのは構いませんが僕たちも忘れないでくださいよ。」
立花は冗談を言った。少しずつ場の雰囲気は和んできていた。

「ありがとう。」
純子は久美子のノートを見て言った。久美子はノートを純子に見せる代わりにレストランで夕食をご馳走になっていた。
「それは構わないけど大丈夫なの?」
久美子は言った。
「何が?」
純子が言うと
「勉強は進んでいるの?」
久美子は言った。
「大丈夫よ。」
純子が言うと
「しっかり勉強をしないとテストで苦労するよ。」
久美子は言った。
「そうだよね。」
純子が言うと
「ふたりで一緒に3年になろうよ。」
久美子は言った。
「しっかり進級しないといけないから明日から勉強をするかな?」
純子は明るく言った。
「3年に進級すれば就職活動も考えないといけないよ。」
久美子は言った。久美子は自分が将来について決めなくてはならない時期が来ているのを実感していた。

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