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「雨のあとに虹」 コミュニティコミュの雨のあとに虹 その82

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「育子さん。」
俊之は言った。
「新年おめでとう。」
育子は心配したような声で言った。
「連絡が遅れて申し訳なかったね。」
俊之が言うと
「それは構わないよ。」
育子は言った。
「ご心配には及ばなかったよ。」
俊之が言うと
「それなら安心だわ。」
育子は言った。
「育子さんには嘘が言えないよ。」
俊之が言うと
「私の霊感は当たるよ。」
育子は笑いながら言った。
「今度会った時にゆっくり事情を話すよ。」
俊之は言った。
「高村さんが無事ならそれでいいよ。」
育子が言うと
「近いうちに食事でもご馳走するよ。」
俊之は言った。
「別に気にしなくていいよ。」
育子が言うと
「心配してくれる人がるのはありがたいよ。」
俊之は言った。俊之は育子への感謝の気持ちを持って電話を切った。
「緊張したら疲れましたね。」
翔太は和んだ雰囲気の中で言った。
「今日は元日なのに疲れましたね。」
関口は言った。
「何かうまいものでも食べに行きませんか?」
翔太が言うと
「いいですね。」
久美子は言った。
「それではみなさん行きましょう。」
翔太が言うと
「私は怒ったらお腹が空いたみたい。」
久美子は言った
「石倉さんも一緒に行こうよ。」
俊之はひとみに言った。俊之たちは喫茶店を出て歩き出いていた。久美子は俊之の手を取り強く握り締めてきた。俊之は驚いて久美子の方を見たが久美子は前を見たまま俊之を見なかった。俊之が黙っていると
「自分ひとりで全部背負い込むのは辛い結果になりますよ。」
久美子は小さな声で俊之に言った。

「とりあえずは災難を回避出来てよかった。」
育子は一息をついてから言った。育子の霊感は良い事も悪い事もよく当たる。胸騒ぎがすればその確率は確実にまで上がってくるのだ。今日の育子は心底から俊之を心配していた。

俊之たちは元日であることを思い出したように居酒屋で和んだ雰囲気を満喫していた。
「石倉さん。」
俊之は言った。俊之はひとみにビールを注いだ。
「すみません。」
ひとみは俊之の目を見て言った。
「次は関口さん。」
俊之が言うと
「これはすみません。」
関口は恐縮して言った。俊之は他の3人にも注いで優しく声をかけていた。
「翔ちゃんにも僕が注ぐよ。」
俊之は言った。翔太が俊之を見ると俊之は微笑んでいた。
「すみません。」
翔太が言うと
「久美ちゃん。」
俊之は久美子に言った。
「はい。」
久美子は俊之を見て言った。
「久美ちゃんには嫌な思いをさせてすまなかったね。」
俊之は久美子に注ぎながら言った。自分のことで久美子に嫌な思いをさせたくなかった俊之である。
「俊さんが謝る理由はないですよ。」
久美子は言った。
「久美ちゃんの発言はとても参考になったよ。」
俊之が言うと
「私の正直な気持ちです。」
久美子は言った。
「僕が力不足だったね。」
俊之が言うと
「俊さんは自分が出来ることを一所懸命にやっただけですよ。」
久美子は言った。
「一番若い久美子さんが一番冷静ですね。」
翔太が言うと
「そうでもないですよ。」
久美子は照れながら言った。今日の久美子はこの場にいる誰よりも大人のように映っていた。
「久美ちゃんに元日から嫌な思いをさせてしまったよ。」
俊之が言うと
「それが恋人であり友達ですよ。」
久美子は俊之のコップにビールを注ぎながら言った。
「あとは僕たちで解明しますよ。」
翔太が言うと。
「それはダメですよ。」
久美子は言った。
「どうしてですか?」
翔太は驚いて久美子に言った。
「僕たちの中に私も入れてください。」
久美子は言った。
「それには危険が伴うかもしれませんよ。」
翔太が言うと
「俊さんと店長が辛い目にあったのに黙って見ていられるわけないでしょう。」
久美子は翔太に言った。それを見た俊之には久美子がこの場にいない育子の分まで存在感を発揮しているように感じた。
「あまり無茶をしてはいけないよ。」
俊之が言うと
「大丈夫ですよ。」
久美子は言った。
「危険があるかもしれない。」
俊之が言うと
「自分の彼氏が被害を受けて黙っている女はいませんよ。」
久美子は言った。久美子は榊原に対する怒りが抑えられなかった。
「堀川さんもごめんなさいね。」
ひとみは久美子に言った。
「店長は謝らなくていいですよ。」
久美子は言った。
「今日の久美ちゃんは勢いがあるね。」
俊之が言うと
「育子さんだったらもっと熱いです。」
久美子はいたずらっぽく笑いながら言った。

 お正月とは言えまだ陽があるうちにからアルコールを口にした俊之である。俊之が飲んだ分量は多くなかった。前日から寝ていないためにノンアルコールに切り替えて気分よくみんなを飲ませた俊之である。ひとみと関口たちには俊之も配慮した。関口は目の前で親しく接している俊之がかつて三友商事のエリート社員であるとは信じられなかった。それだけ俊之は気軽に誰とでも話をいた。関口はいつも高い目線で自分たちを見下しているがエリートだと思っていた。関口の目に前にいる俊之にはそれがなかった。同じ目線で話が出来てきちんと関口たちの気持ちも理解してくれた。関口は俊之のようなエリートもいたのだと気付いた。自分の家族からも偏見の目で見られる関口は俊之を尊敬していた。俊之は特別な存在かもしれないと関口は思った。俊之は表情やしぐさに言葉使いなどもにエリートの片鱗も見えていた。関口にとっては雲の上の存在の俊之である。この気さくな俊之のためにならいつでも自分は泥を被ろうと関口は思った。関口はそれだけ俊之の人柄に惹かれていた。

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