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映画ネタバレ専用【Gay Only】コミュの脳内ニューヨーク(2008)

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チャーリー・カウフマンの初監督作品ということで、カウフマン・ワールド爆裂でしたね。冒頭いきなり数ヶ月飛び石スキップ、しかも新聞の日付だけで語るという「気づかない人は放置」的な作り。
#日本公開の字幕版では日付が出てますよね、たぶん・・・。

妻の絵はどんどん小さくなって、最後は存在までも消えてしまって声(手紙)だけになるし、
愛人(サマンサ・モートン)が購入する家は最初から燃えているし。
暗喩がメインのストーリーと平行して見せられていて、自分で暗喩の解釈をストーリーに追加(補足)していかなくてはならず、かなり疲れる映画だったと思いマス。

あの「燃えている家の購入」は、人生の決断の暗喩なのだそうです。あの家には男が住んでいる。家を購入するのは高価な選択。つまり、彼女は「彼と一緒に過ごし最後は火事で死ぬ」という人生の大きな決断をした、ということを示しているのだとか。
ひとつの見方として、人生というのは「どう死ぬかを決める過程」であり、犠牲(高価な買い物)を払ってでもそれを決断する瞬間があるのだ、とカウフマンは言いたかったのかな?んー、哲学的。

「脳内ニューヨーク」という邦題がオイラは好きではありません。
原題は「Synecdoche, New York(提喩、ニューヨーク)」。提喩とは一部で全体を、または全体で一部を表すような言い換え表現のこと。たぶん、ケイデンの小さな人生と箱庭的な舞台を通して私たち全ての人生というものを語りたかったと思うのですが・・・
実はこの映画の全てが彼の脳内で起きていることだった、という解釈の逃げ場をカウフマンは与えています。それが冒頭の水道管事故。蛇口が彼の額に当たりますが、この事故自体は物語と関係ない出来事。そしてこの事故以降、物語は急速に不条理へ突入していく。
ひとつの解釈として、この事故によってケイデンは昏睡状態か何かになって社会と隔絶され、その後の物語は彼の脳内だけで考えていること、という見方ができます。カウンセラーの本(機内のこと)はアリエナイ。3人の魅力的な女性といとも簡単に関係が持てることや、いくら大賞を得たとはいえ17年以上キャストとスタッフ、舞台コストを抱えるのは現実的にムリ。
けれど、この映画のメッセージはやっぱり提喩〜人生というもの、という大きなテーマであって、「脳内」という限定された領域を暗示するのは、カウフマンの意図とある意味正反対な気がするんですよね。

最後、ケイデンの舞台はいつの間にかダイアン・ウィースト演じるミリセント(名前も示唆的…)に演出を交代され、ケイデン自身が駒になってしまい、舞台現場は戦場になる。この段で、つらつらと独りよがりに語られてきたケイデンの舞台がぶわっと膨張して現実世界の投影になる・・・「提喩」のタイトルがきらめく瞬間。

カウフマンの提示する人生の哲学的意味は、ちょっとネガティブで受動的でもあるような。けれど、たまにはそういう見方に耳を傾けて、自分の人生を考えてみるのもいいかな?っと思いました。

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