AVE家ですよ。コミュの第四話。『AVE家のお向かいさん』

「う…うぅぅん」
もう朝かぁ…起きたくないなぁ…。
いつまでもこのまま、布団の中でまどろんでいたい。
また眠ってしまったらどうなるかな？
毎朝そう考えてしまうのは、私がナマケモノなだけなのだろうか。
布団の中の愛猫が湯たんぽ代わりで暖かい。
そんな事をグダグダと考えるうちに、時間だけがどんどん過ぎていく。
「はぁ…起きよ…」

昨日の夜、上司の誘いを断りきれず、
また朝まで飲んでしまった…。
いや、断る気なんてあったかな？
楽しかったから、まぁいいんだけど。

カーテンを開けると、向かいの家から子供達の出かける姿が見える。
AVE家の息子達、マサピ＆kimuだ。
マサピに手を引かれ学校へと走っていくkimu。
毎朝バタバタと騒がしい。
かわいいなぁ…、あんな弟がいたら毎朝ご飯を作ってあげるのに…

それにしてもAVE父さんは毎日子供達を見送って、
きっとまだかお母さんは寝てるんだろうなぁ…
…あの二人はそれでうまくいってるからいいのか。

「さてと、準備しなきゃ…」

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彼女の名前は『まみ』。
AVE家の向かいのマンションの住人だ。
毎日ベランダから見下ろすAVE家は、騒がしく、楽しそうだった。
何度か出勤する時に、マサピ達と一緒になった事がある。

「おはようございます！」
ゴミ袋を抱えてマンションから出た私に、
元気に挨拶をしてきたのはAVE家の三男マサピだった。
その日もkimuは眠そうにマサピに手を引かれていた。

「今から学校？」
そんなことは分かっていたけれど、いきなり声をかけられて、
思わず返した言葉がそんな一言だった。

「はい、いってきま～す！」
バタバタと駆けていく後姿を見ながら、フゥっとため息をついた。
若いっていいなぁ…
いやいや、何をこんなに弱気になってるんだろ。
がんばるんだ、がんばらなきゃ！

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まみの職場は駅から程近いショッピングモールにある。
女性用の服を専門に扱っているが、たまに残業することもあるくらいで、
それなりに流行っているみたいだ。

駅の近くということもあって、
近くまで来た時には友達が遊びに来てくれることもある。
AVE家のかお母さんもそのうちの一人だ。
元々はかお母さんの姉あっきがまみと友人ということもあって、
何回か一緒に買い物に来ているうちに、いつのまにか仲良くなっていた。
今では、特に買い物もしないのに、お散歩がてら遊びに来ることもある。

AVE家に遊びに行ったこともあった。
マンションの向かいの家がそうだったことも驚いたけど、
AVE家の大家族ぶりにもビックリしたなぁ…
そして、あのAVE父さんの主夫っぷり。
朝食は毎日父さんの手作りだし、休みの日にも料理をするらしい。
私が仕事も主婦も両立、って考えたらちょっと尊敬しちゃうかもしれない。

子供達も何回か会っているうちに、
「まみ姉ちゃん」とか「まみさん」て呼んでくれるようになって、
今では見かけると駆け寄ってきて、嬉しそうに話しかけてきてくれる。
私は兄弟がいなくて一人っ子だけど、
弟や妹がいたらこんなかんじなのかなぁ…

そうそう、そういえばこないだAVE父さんが一人で職場まで来て、
突然何を言い出すかと思ったら、
「昼休みに一緒にアイスでも食べませんか？」
だって。
アイスを食べたかったらかお母さんと一緒に行けばいいのに、
どういうつもりなんだかなぁ…
その時は仕事が忙しくてお断りしたけれど、
「それじゃ、また時間があるときにでも、是非」
まぁ…時間が合えば、アイスくらいはいっか。
でもそれってかお母さんには内緒なのかな？

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AVE家の人達に会ってから、
一緒に出かける事も多くなったし、
ホームパーティーに呼ばれることもある。
仕事でなかなか時間が合わないけれど、
楽しい時間が増えたような気がするなぁ…。

また明日も仕事だけど、
今度の休みはAVE家でお鍋の予定。
おみやげ、何を買っていこうかなぁ…