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【犬】毛色☆研究会コミュの中級編(シェルティ-1)

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このトピックは、
「遺伝の法則について」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43664073&comm_id=4312220
「毛色遺伝子について」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43411868&comm_id=4312220
「入門編(ラブラドールレトリーバー)」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44162750&comment_count=0&comm_id=4312220
「中級編(キャバリア)」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=45165685&comment_count=4&comm_id=4312220

の次の段階のトピックです。
なるべく理解しやすいように書きましたが、上のトピックを読んでいただくと、より理解しやすいと思いますので、まずそちらをお読みくださいね♪

私はシェルティ飼いで、毛色遺伝子はシェルティから入ったので、これまでの初級(ラブ)、中級(キャバリア)とは多少オモムキが違うかもしれませんが、ご了承ください(シェルティには愛があるのでウインク)。

また、このトピックは、最終的にダックスやチワワといった毛色が豊富な犬種の毛色遺伝子を理解するための、ステップアップ的なものにしたつもりです。

シェルティのカラーを知らない方でも理解でし易いように、毛色別に写真を用意しました。
文章を読みながら写真を見比べていくと、ちゃんと理解できるはずですので、頑張って読んでくださいね♪


1.はじめに(シェルティの色の見分けかた、分類)

(シェルティのカラーをご存知の方には判りきった説明ですが、毛色遺伝子の説明につながるような書き方をしているので、飛ばさずに読んでくださいね)

まず、シェルティのスタンダードで認められているカラーを紹介します。
コメント欄の1〜6にアップした写真をご覧ください。

1 セーブル(ピュア(ホモ)セーブル)
2 セーブル(ヘテロセーブル)
3 トライ
4 ブルーマール
5 バイブラック
6 バイブルーマール(バイブルー)

の6種です。

トピの頭の3枚の写真と比べ、コメント欄の写真は、ラブやキャバリアのようにはっきりくっきりしているわけではないので、どこから見ていったら良いか迷うかたもおられるかもしれません。
なので、一つずつ説明していきますね。

そこで、まず見るのは顔です。
白い部分は無視をして、よく見てください。
1、2のセーブルと、3のトライとをまず見比べます。
1、2は基本的に茶色く、3は黒くて目の上にマロ眉があります。

次に、3と4とを見比べます。
4は顔がちゃんと写っているのが少ないですが(全身をメインで選んだものであせあせ)、2枚目などを見ると、グレーっぽい柄が入っている以外は同じ配色だと判ると思います。

では、5はどうかというと、1〜4までには茶色い色があったのに、まったくなく、真っ黒ですね?

そして6は、その真っ黒に4のようなグレーっぽい柄が入っています。

さて、ここで、このトピトップの3枚の写真を見てください。
それぞれコメント欄にも同じ写真を使っていますが、これはあえて取り出した3枚です。

一番左がピュア(ホモ)セーブル。全体的に茶色っぽい(セーブルはコメント欄1,2)
真ん中がトライ。全体的に黒、目の上、口周り、頬、足の途中からに茶(コメント欄3)
一番右がバイブラック。真っ黒(コメント欄5)

この3枚が、それぞれ一つのまとまりになるのが判ると思います。

では、特徴的なグレーの柄のある4と6はどうか。
4と6の違いは、茶色があるかないか、ですね。
そして4にはマロ眉がある。

意図的な写真の配置、そして説明をしているので、お判りかと思うのですが、4と6は、それぞれ3と5にグレーの模様が入ったものです。

つまりシェルティは、大きくわけて、1、3、5のような種類のカラーがあり、3と5にグレーの模様が入ったものと合わせて、計6種類のカラーがある、のですね。

ここで、2は?と思った人もおられるでしょう。
ピュアセーブルとヘテロセーブルというように、同じ「セーブル」という名がついていながら、二つに分けられている2。
顔は1と同じ茶色ですが、顔の周りの毛は少し濃い色で、しかも胴体部分は黒っぽく、一瞬、3のトライと見間違いそうなのもいます。

そして、7、8、9とさらにコメント欄が続いているのも気づいておられると思います。
おいおい説明していきますが、ちゃんと理由があって、こういう形に分けているのです。


2.毛色遺伝子

ラブとキャバリアの時には、こんな働きをした結果、こんなふうに毛色が変わっていく…というのを見ていただきたくて、こちらで先に関係する毛色遺伝子を紹介していましたが、今回は一つずつ見ていきたいと思います。


●写真から判ること

前述で、毛色のタイプが3つに分けられることを説明しました。
まず、その3つに共通することを探していきます。
丹念に見ていきまして、判るのは
 ・胸の毛、足先、尻尾の先が白
 ・目ふち、鼻が黒
でしょうか。

一つ目の白い色については、Sシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44021913&comm_id=4312220 )を見ていただくと、この白い色の出方には、siが合致しているのが判ると思います。
次に、目ふち、鼻が黒いこと。
黒ということは、黒の色素を発現する遺伝子を持っている、ということなので、Bシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43972354&comm_id=4312220 )が【BB】か【Bb】の状態であることがわかります。
また、黒を発現するかどうかは、Bシリーズのところにも書いてありますがEシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44000729&comm_id=4312220 )も関わっています。
特に目フチや鼻は色素ポイント( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43975289&comm_id=4312220 )と呼ばれていて、この状態だけで、Eシリーズの状態がわかることもあります。
色素ポイントの表を見ていただくと、Bシリーズが【BB】か【Bb】の時、鼻と目フチが黒くなるのは【EE】か【Ee】ですね。
また、Dシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43999447&comm_id=4312220 )も、【dd】の時に影響を与えてグレーっぽくしてしまいますから、【DD】か【Dd】です。

ここまでで、判ったことを当てはめてみます。
A(?) B(BB,Bb) C(?) D(DD,Dd) E(EE,Ee) G(?) K(?) M(?) P(?) R(?) S(sisi) T(?) V(?)

まだまだ「?」が沢山ありますね!

では次に、1と3の共通部分を探してみましょう。
 ・茶色があること
くらいでしょうか。

それはつまり、ちゃんと茶色に見える、ということですから、Cシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43973624&comm_id=4312220 )が【CC】である、ということです。
また、Dシリーズも【Dd】の時に茶色を薄めるので、【DD】だろうと思えます。
Eシリーズも【Ee】の時に色を薄めますので、【EE】と考えてよいかもしれません。
あとは、黒を発現するKシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44021200&comm_id=4312220 )。茶色には関係ないと思われるかもしれませんが、Kシリーズが【KK】もしくは【Kk】だった場合、その犬は漏れなく真っ黒になるので、【kk】ということになるのですね。
柄系(M,Rシリーズ)は、確かに3には出ていませんが、1に入っていてもちょっと判りにくいので、保留ですね。

ということは
A(?) B(BB,Bb) C(CC) D(DD) E(EE) G(?) K(kk) M(?) P(?) R(?) S(sisi) T(?) V(?)

次に、3と5の共通点です。
 ・黒い色が出ている
ということくらいでしょうか。

ということは、Gシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44020901&comm_id=4312220 )は【gg】。
白い柄系のMシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44021361&comm_id=4312220 )、Rシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44021607&comm_id=4312220 )も【mm】【rr】と見ていいかもしれません。
また、ユーメラニン(黒)を退色させる働きを持つ(といわれているが、正確な働きを、私はまだ把握していませんあせあせ(飛び散る汗))Pシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44021487&comm_id=4312220 )、Vシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44022220&comm_id=4312220 )も、それぞれ【PP】【VV】と見ていいかもしれません。
ということは、3と5の共通部分を、3色共通のものに反映させると

A(?) B(BB,Bb) C(?) D(DD,Dd) E(EE,Ee) G(gg) K(?) M(mm) P(PP) R(rr) S(sisi) T(?) V(VV)

となると思います。

1と5で判ることは…1、3、5の共通部分以上のものは見つけられそうにないですね。

ところで、Bシリーズは、黒い色を表現するとして【BB】【Bb】の両方を挙げていますが、仮に、両親のBシリーズが【Bb】【Bb】で、ともに黒い色を表現していた時、生まれる子犬のカラーは【BB】【Bb】【Bb】【bb】となり、チョコ色が生まれる可能性が出てきます。でも、実際はチョコ色は生まれないわけですから、【BB】で固定と考えてもかまいません。
出ている色が優性の遺伝子の影響のものであっても、劣性の遺伝子が表現する色が出ない場合は、優性のホモ接合と考えても間違いないでしょう。

ですので、それを当てはめると
●全部の共通
A(?) B(BB) C(?) D(DD) E(EE) G(?) K(?) M(?) P(?) R(?) S(sisi) T(?) V(?)
●1と3の共通
A(?) B(BB) C(CC) D(DD) E(EE) G(?) K(kk) M(?) P(?) R(?) S(sisi) T(?) V(?)
●3と5の共通
A(?) B(BB) C(?) D(DD) E(EE) G(gg) K(?) M(mm) P(PP) R(rr) S(sisi) T(?) V(VV)
となります。

残すは、Aシリーズ、Tシリーズの2つですね。

まず、Tシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44022114&comm_id=4312220 )のティッキング。
これは、緑色の変な絵を見ていただければ判ると思いますが、白い部分に出る点々のことです。
Sシリーズが【si】か【sp】の時に、Tシリーズが【TT】もしくは【Tt】であると、発現します。
点々の色は、本来その部分にあったであろう色です。
全身真っ黒な犬なら、黒い点々。全身茶色なら茶色の点々。
トライのような足先が茶色になるような犬の場合、黒の部分では黒の点々、茶色の部分では茶色の点々です。
それを踏まえて写真を見ても、ちょっと判りにくいので答えを書いてしまいますが、シェルティはTシリーズは固定されておらず【TT,Tt,tt】と全ての組み合わせになるため、ティッキングが出たり出なかったりしています。

さて、最後にAシリーズ( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43660745&comm_id=4312220 )です。
Aシリーズは、黒と茶の配置を決める部分で、これにより多くのカラーの基本部分が決まってくるため、各対立遺伝子を別トピにしています。
また、Aシリーズはこれまでの他のシリーズと違い、一つしかない、ということはありません。最初に分類した3つのカラー、ピュアセーブル、トライ、バイブラックの3パターンあるのです。
一つずつ見ていきますと
 ピュアセーブル…ay( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43694525&comm_id=4312220
 トライ…at( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43694596&comm_id=4312220

 バイブラック…As( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43694429&comm_id=4312220
)あるいはab( http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43694881&comm_id=4312220
ではないかな、と思うはずです。
そして、シェルティの毛色を知っている人なら、【asa】と【as】にも心惹かれたはずです。
が、まずは候補が2つあるバイブラックからいきましょう。

……と、その前に、見た目だけからの推理では限界に達していると思うので、一旦シェルティのカラーの組合せ表を見てみましょう。


●カラーの組合せから考えてみる

いろんなサイトがありますし、犬種別のシェルティの本などにも掲載されていることが多い、両親犬のカラーと、その時生まれる可能性のある子犬のカラーを載せたいと思います。
長いと読みにくいのでちょっと略して記載します(とりあえずマール以外)

★ピュア×ピュア ピュア
 ピュア×ヘテロ ピュア、ヘテロ
◎ピュア×トライ ヘテロ
 ピュア×バイ  バイ持ちヘテロ
 ピュア×バイ持ちヘテロ バイ持ちヘテロ、ピュア
 ピュア×バイ持ちトライ ヘテロ、バイ持ちヘテロ
☆ヘテロ×ヘテロ ピュア、ヘテロ、トライ
 ヘテロ×トライ ヘテロ、トライ
 ヘテロ×バイ  バイ持ちトライ、バイ持ちヘテロ
 ヘテロ×バイ持ちヘテロ バイ持ちトライ、トライ、バイ持ちヘテロ、ヘテロ、ピュア
 ヘテロ×バイ持ちトライ バイ持ちトライ、トライ、バイ持ちヘテロ、ヘテロ
★トライ×トライ トライ
 トライ×バイ  バイ持ちトライ
 トライ×バイ持ちヘテロ バイ持ちトライ、バイ持ちヘテロ、ヘテロ
 トライ×バイ持ちトライ バイ持ちトライ、トライ
★バイ ×バイ  バイ
 バイ ×バイ持ちヘテロ バイ持ちヘテロ、バイ
 バイ ×バイ持ちトライ バイ持ちトライ、バイ
☆バイ持ちヘテロ×バイ持ちヘテロ バイ持ちヘテロ、ピュア、バイ
 バイ持ちヘテロ×バイ持ちトライ バイ持ちヘテロ、ヘテロ、バイ
☆バイ持ちトライ×バイ持ちトライ バイ持ちトライ、トライ、バイ

マールを除いた残りでも21パターンもありますが、
この表を見て注目すべきは、★のついた、同じもの同士を交配したときに生まれるカラーです。
★のものは、両親と同じカラーのみが生まれていますね?
対して、☆のものは、同じカラー同士を交配しているのに、生まれたカラーは1種類ではありません。

また、バイ持ちのカラー同士を交配した時は、バイブラックが生まれています。
そして、バイ持ちでないカラーとバイブラックを交配すると、必ずバイ持ちとなります。

これを踏まえ、まず、バイブラックを考えてみたいと思います。

候補に挙がったのは、【As】と【ab】です。
【As】は、Aシリーズで唯一の優性で、【As】を一つ持てば、何と組み合わせても真っ黒になります。
しかし、【Asay】という黒同士を交配したら、【AsAs】【Asay】【Asay】【ayay】の組合せとなり、黒以外も生まれます。
これでは、バイ×バイでバイしか生まれない、という法則とは合いません。
では、【ab】はどうか。
【ab】は、Aシリーズの劣性6種類の中で一番の劣性です。
劣性ということは、【abab】の時しか黒い色になりません。
つまり、黒であるということは必ず【abab】であるということです。
これなら、バイ×バイでバイしか生まれないという法則と合致します。

ということは、シェルティのバイブラックのAシリーズは【abab】だろうと思われます。
……が、一つずつ毛色遺伝子の説明をちゃんと読んできた方は、Kシリーズの存在を思い出したかもしれません。
Kシリーズは、【KK】【Kk】の時真っ黒になり、【kk】の時にAシリーズで決められたカラーになりますが、【K】と【k】の両方を持っていたら様々なカラーを出すのだから…と。
でも、Kシリーズは、Aシリーズよりも優性なのですね。
Aシリーズの優性【As】が法則に合わないのなら、それよりも優性のKシリーズは当然法則には合いません。
ですので、Kシリーズは【kk】で正しいのです。

ところで、【ab】は、当コミュでの表記です。
Aシリーズの劣性の黒(black)という意味で【ab】としました。
海外のサイトでは、単に【a】だったり、【as】(sはソリッドのsと思われます)だったりします(他にもあるかもしれません)。
【a】一つだと、二つ並べて書いた時に判りにくく、
【as】は、他にセーブルという劣性の対立遺伝子があるので紛らわしいと思い、判り易いように【ab】としました。


さて、次はピュアセーブルとトライ。

上でちらっと書いたように、ピュアセーブル×ピュアセーブルではピュアセーブルしか生まれません。
トライも同じです。
それはつまり、Aシリーズがホモでくっついている、ということです。
ピュアセーブルは【ayay】、トライは【atat】です。
【ayay】×【ayay】、【atat】×【atat】で、両親犬から一つずつ貰っても、それぞれ【ayay】、【atat】の子犬しか生まれません。
つまり、シェルティの交配の組合せのルールと、遺伝子記号の法則と合う、ということですね。

ということは、

ピュアセーブル 【ayay】
トライ 【atat】
バイブラック 【abab】

で、問題なし、ということですね。


さて、トピトップの3つのカラーの毛色遺伝子は特定できました。
残るはへテロセーブルだけです。

まず、ヘテロ×ヘテロを見てみましょう。
ピュアセーブル、トライ、バイブラックは、同じ色同士を交配した時には、両親犬と同じカラーが生まれています。
でも、ヘテロ×ヘテロでは、トライ、ピュア、ヘテロの3種類が生まれるのです。
ということは、ヘテロセーブルは、Aシリーズがホモ接合していない、ということです。

そう。その呼び名の通り、ヘテロ接合しているのです。

では、何と何のヘテロ接合なのか、です。
この時見て欲しいのは、ヘテロセーブルしか生まれない組合せ、◎のついている、ピュアセーブル×トライです。
遺伝子記号にしてみましょう。
【ayay】×【atat】
両親から、一つずつ遺伝子を貰いますから、子犬の遺伝子の組合せは【ayat】のみ、です。
これは、確かにヘテロ接合していますね。

ちょっと確かめてみましょう。
ヘテロ【ayat】×ヘテロ【ayat】はどうか。
生まれるのは【ayay】【ayat】【ayat】【atat】となり、
ピュア、ヘテロ、トライで、法則と合っています。

ピュア【ayay】×ヘテロ【ayat】は
【ayay】【ayay】【ayat】【ayat】で、ピュアとヘテロ。
これも、法則と合っています。

ということで、後は省きますが、遺伝の法則と、シェルティの交配の法則とは合致しているようです。

では、実際の毛色はどうか。
Aシリーズの対立遺伝子の優劣は
 As > ay > as > aw > at > asa > ab
となっており、シェルティに関係あるものは
 ay > at > ab
です。

【ayat】は、優劣でいえば、【ay】のほうが【at】より優性ですから、【ay】が【at】を覆い隠し、ピュアセーブルのように明るい茶色になりそうな感じがします。
が、【ay】は、優性は優性でも、「不完全優性」といい、【ay】よりも劣性の遺伝子を完全に覆い隠すことができません。
ゆえに、【at】が透けて見えてしまうのですね。
その結果、【ayay】のレッドに、頭頂部から背骨に沿って黒い毛がシェードのように生えるという、毛色になります。

実はこれ、ダックスのシェーデッドレッドの毛色と同じなのです。
ダックスのブラック&タンとレッドを交配すると、シェーデッドレッドが生まれますが、ダックスのブラック&タンと、レッドのそれぞれのAシリーズは、シェルティのトライとピュアセーブルのAシリーズと同じです。
ブラック&タン【atat】、レッド【ayay】で、シェーデッドレッドは【ayat】なのですね。
ダックスのシェーデッドレッドと、ヘテロセーブルではちょっと雰囲気が違うように見えますが、それは毛の長さと質で違うように見えるだけなのです。

ということで、見た目でも【ayat】がヘテロセーブルとすることには問題なさそうです。

もう一つ、ピュア×バイブラック、トライ×バイブラックでも、1種類しか生まれませんね。
それぞれ、バイ持ちへテロとバイ持ちトライです。
お気づきとは思いますが、バイ持ちへテロセーブル、バイ持ちトライは、見た目は普通のヘテロセーブル、トライとあまり差はありません。
同じように、【ay】が不完全優性なので、頭頂部から背骨にそってシェードがかかったように黒い色になりますし、
【at】も不完全優性なので、目の上、頬などのタンの部分が黒っぽく見えたりしますが、そういうつもりで見なければ、どこが違うのか判りません。

シェルティの世界では、バイブラックとなる因子のことを、バイ因子とかバイファクターとか呼ぶようですが、それは、このようにヘテロセーブルやトライと大きな差異が見られないため、隠し持っている、という印象があるからかな、と想像しています。
そう考えても法則的にもなんら問題がなかったのも、そういうふうに考えたのでしょうね。

さて。
おそらくまだ、ヘテロセーブルは【as】ではないかと思っておいでの方もおられるでしょう。
それくらい、ヘテロセーブルと色の配置が似ていますし、呼び名も「セーブル」ですものね。
でも、やはり【as】ではないのです。
何故か。
ヘテロ×ヘテロで、ヘテロ以外も生まれるからです。
それから、【sasa】の時、その犬の毛は、毛先が黒、根元が茶色になります。
ヘテロセーブルは、一見毛先が黒、根元が茶色に見えますが、実は、黒と茶のグラデーションなだけで、黒茶黒だったり、全部黒だったり、グレー茶黒だったりし、根元が茶色で毛先が黒と決まっているわけではないのです。
また、ヘテロセーブルは、黒が強く出たり、もっと茶色が出たり、その犬によって色の出方がまちまちです。
そういうふうに個体差がでるのも、ヘテロ接合だからかもしれませんね。

さて、この結果を、反映させてみましょう。
ここでいれられるのは、Aシリーズと、黒を発現させるKシリーズですね。
●全部の共通
A(ayay,ayat,ayab,atat,atab,abab) B(BB) C(?) D(DD) E(EE) G(?) K(kk) M(?) P(?) R(?) S(sisi) T(TT,Tt,tt) V(?)
●1と3の共通
A(ayay,ayat,ayab,atat,atab,abab) B(BB) C(CC) D(DD) E(EE) G(?) K(kk) M(?) P(?) R(?) S(sisi) T(TT,Tt,tt) V(?)
●3と5の共通
A(ayay,ayat,ayab,atat,atab,abab) B(BB) C(?) D(DD) E(EE) G(gg) K(kk) M(mm) P(PP) R(rr) S(sisi) T(TT,Tt,tt) V(VV)
となります。


つづきは「中級編(シェルティ-2)」トピへ
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=50494899&comm_id=4312220

コメント(10)


セーブル(ピュア(ホモ)セーブル)

血統書記号 [SBL WH][SBL&WH] など

セーブル(ヘテロセーブル)

血統書記号 [SBL WH][SBL&WH] など

トライ

血統書記号 [BLK WH TN] [TRI] [BLACK, WHITE&TAN] など

ブルーマール

血統書記号 [BM] [BM WH TN] [BL MRL WH&TN] など

バイブラック

血統書記号 [BLK &WH] [BLK&WH] など


※左の写真は毛を短くしています。

バイブルーマール(バイブルー)

血統書記号 [BM] [BM WH] など

バイファクターありのセーブル

血統書記号はセーブルと同じです



写真を入手できませんでした。

見た目は、2のヘテロセーブルと違いません。
(少なくとも、私には差異はみつけられませんでした)
黒が濃いからバイ因子あり…みたいにはいかないようです。
参考資料として、本文最後(シェルティ-2のほうです)に
写真のみられるURLを掲載してあります。

もし、バイ因子ありのヘテロセーブルの写真を提供していただける方がおられましたら、連絡をいただけると助かります。

バイファクターありのトライ

血統書記号はトライと同じです


※右の写真は毛を短くしています。

バイファクターありのブルーマール

血統書記号はブルーマールと同じです
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バイファクターありかもしれないトライ

右:片親がバイ因子持ち。
左:血統書上はトライだが、通常タンになるはずの部分はほとんど見えない。


※コメント欄8のバイファクター有りについては、両親のどちらかがバイブラックかバイブルー、あるいはバイブラックかバイブルーの子どもが生まれたということを基準に選びました。
こちらに掲載の2点は、そういう意味では確定できませんでしたが、バイ因子を持っている時の特徴を備えているということで掲載させていただきました。

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