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吉田秀和――音楽評論とは何かコミュの吉田秀和とプルースト

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 僕の本棚のある列(幅90cm)の下から上まで、殆ど吉田秀和の本で埋まっている。一番下の2段が全集と調和の幻想・トゥールーズ・ロートレック・セザンヌ物語、その上3段に音楽関係やエッセイの単行本がぎっしり。でも、下から5番目の段の右端2冊は鈴木道彦訳の「見出された時(?・?)」が収まっている。下から6段目は、同じく鈴木道彦訳のスワンの家の方へ〜逃げ去る女の11冊が並んでいる。その前のスライド式の列には、吉田秀和の文庫本と失われた時を求めてのちくま文庫版と集英社文庫版が。
 なぜって、僕は吉田秀和を通してプルーストを知ったのだから。

 先日(12月2日))、本屋で、光文社古典新訳文庫の失われた時を求めての第1巻「スワンの家の方へ?」を見つけて手に取った。
 「スワンの家の方へ」では、少年時代過ごしたコンブレーで、物語の話者(=主人公)のいる家へ、スワンが毎日尋ねてくる。本を手に取りながら、吉田秀和が「尋ねてくるといえばスワンしかないのに、みんなで「誰だろう」などといいながら話す、その声が私にはフランス人の話し声として聞こえる」(私の記憶に頼ったテキトーな引用です)等と書いていたなと思いだしていた。
 本を購入し、持って帰って巻末の読書ガイドというページ(435p)を開いて仰天した。私が書店で思い出していた吉田秀和の文章そのものが3ページ分以上も引用されていたのだ。しかも「プルーストについて書かれたこれほど美しい文章はめったにない」などと書かれており、要するに「吉田秀和が読むように、読者が読めるような訳をなす」(直接こう書いては無いが、そう読める)ために失われた時を求めての全訳を決意したように、僕には読めてしまう。

 訳者の、高遠弘美という人は、かなりの吉田秀和好きなのだろう。436ページには「私がもっとも敬愛する文筆家のひとり」と告っている。

 件の引用の箇所は、吉田の著書「ヨーロッパの響き、ヨーロッパの姿」(1972年新潮社、88年中公文庫)、全集の第8巻、ソロモンの歌(講談社文芸文庫版のもの)に含まれています。初出は多分芸術新潮。文庫版の後書きに依れば、西ドイツの文化団体が実施したアーティスト・イン・レジデンスの対象となった吉田が67年から68年にかけて西ベルリンに住んでいた時に書いた文だそうです。

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