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真夜中、幽霊、シーツ、七階コミュの女の子はすけべなくらいがちょうどいい

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なんたって、他に配置は無かったのか。校舎のはずれ、焼却炉の横の自販機に百円入れ、ボタンを押す。がこん、と青いペプシの缶が出てくる。プルタブを捻るとぷし、と小気味良い音がした。一口のんでふう、と息をつく。炎天下。
「かえでちゃんだ。」「さえき。」
さえきは「今は」双子の妹だ。さえきが部活の練習のため、夏休み中も登校しているのは知っていた。私も補習に来ていたが、夏休みが始まって一週間、一度も会う事は無かった。
「暑いねー。ひとくち頂戴。」さえきは半ば強引に缶を奪いごくりと飲む。さえきの喉の動きを目で追う。
「かえでちゃん、最近みちちゃんと連絡取ってる?」
缶を押し戻しながらさえきは言った。みちはさえきとの共通の友人だ。みちとは連絡を取っていなかった。というより一方的に無視していた。
「みちちゃんのこと、好き?」「うん。」「友達としてじゃなく?」「…うん。」そっかあ、やっぱりねーとさえきは伸びをする。
「かえでちゃん、みちちゃんに恋しちゃったんだね。」こうもあっさり言われると何も言えない。
「まあ変性期ももうすぐだから、それが終わってからきちんとすれば良いよ。」
十歳から十八歳までに、約十六回、夏と冬に私たちには変性期というものが訪れる。そう、性別が変わる。約一ヶ月かけて女の子は徐々に胸が平らになっていき骨骨しくなり、男の子は身体がまるみを帯びたラインになり声が高くなる。詳しい事はまだ解っていないらしいが、ひとそれぞれなんの変化もない年もあれば毎回性別が変わる事もある。十八歳の冬に決まった性が一生のものとなるのだ。
多感な時期にこうコロコロ性別が変わるので、同性愛は珍しくなかった。夏まで男女だったカップルが男の子同士になっても続いていたりするし、仲が良かった女の子同士の片方が男の子に変化して交際が始まるのもザラだ。
「みちちゃんが男の子だったのって去年だよね。格好よかったもんね。」さえきはくすくす笑う。「かえでちゃんが男の子になったら幸せにしてあげればいいし、みちちゃんが男の子になったら幸せにしてもらえばいいのよ。二人とも変わったり変わらなくても…まあ美少年同士美少女同士、」目の保養じゃん。「他人事だね。」「えーかえでちゃんひどーい。」
双子の片割れを誉めるつもりはないが、さえきはまあモテる。さえきが男女どちらの時も男女どちらも寄ってくる。さえき自身も大変社交的なため、去年の体育祭(この時は私たち二人とも男の子だった)では二学年にして応援団長を任され見事やってのけた。裏でさえきの学ランブロマイドはウン百枚出たとか出てないとか。
さえきは腕時計を見てもう戻るねと走っていった。
七月がもうすぐ終わろうとしていた。八月には、変性期が待っている。

コメント(4)

現実も性別がころころ変われば両性の気持ちが理解できるのにね

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