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水村美苗コミュの「本格小説」が影響を受けたと思われる作品

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みなさん、こんにちは。

私は「私小説」も、「続・明暗」もすきですが、「本格小説」がとにかく大好きです。水村美苗さんの著作に触れるうちに、水村さんの愛してやまない文学を遅まきながら読むようになりその面白さに圧倒されつつあります。

ところで皆さんは、辻邦夫さんとの往復書簡「手紙、栞をそえて」や「日本語で読むということ」にとりあげられる文学作品から、水村さんの小説に色濃く影響されているシーンや類似設定などに気付くことはありませんか?
私は本格小説を読んでいて、また水村さんが好きな文学作品を読んでいて、
あ、この設定はきっとここの部分から影響を受けたんだな、という箇所を発見してはひとりでついついニンマリしてしまいます。

皆さんがお気づきのそのようなシーン、設定を教えていただければ幸いです。
そういう箇所を見つけたときのささやかな喜びを皆で共有しませんか?

パクリや盗作、というような悪意のある意味ではなくて、純粋にきっと水村さんは文学作品を身にしみこむほど読んできたんだろうな〜、と思うからです。
しかも自分の小説の中への取り入れ方が驚くほど上手なのです!


☆私が似ている!と思った箇所

■「本格小説」と谷崎潤一郎の「細雪」の類似
 本格小説の三枝家の春絵夏絵冬絵三姉妹は谷崎潤一郎の「細雪」の蒔岡姉妹の話が影響をしていると思う。
 姉妹の生活の華やかさ、上流階級なところなど。
 実際、水村さんは「細雪」が好きだということを「日本語で読むということ」の中でおっしゃっていました。
 ちなみに「細雪」は私も大好きな小説です。

■「本格小説」と「ジェーン・エア」の類似

ご存知のように「本格小説は」E・ブロンテの「嵐が丘」を換骨奪胎した話ですが、その姉C・ブロンテの「ジェーン・エア」にでてくるエピソードもおりまぜられているような気もします。
(水村さんは「日本語で読むということ」で「ジェーン・エア」を好きな海外作品ベスト10の中で2位か3位[ウロ覚えですみません;]に挙げておられました。)
以下2点


・血のつながらない人間同士(年配女性、若い女性、子供、という組合せ)が集まり仲むつまじくお茶をのむ様子

「本格小説」文庫下巻のp276行目より。
「三時になると四人の血のつながらない人間が羽を寄せ合うようにして午後の陽だまりのなかでお茶を飲んでお八つを頂きます。何か一日の中で一番平和な時でした。」

「ジェーン・エア」新潮文庫 下巻 p15 8行目より (ジェーンが伯母に会いにソーンフィールドをしばらく留守にしたのち、帰ってきたその日の夕方のシーン)
「お茶が済み、フェアファックス夫人は編み物をとりあげ、わたしは夫人のそばの低い椅子に腰をおろし、アデールは、絨毯に膝をついて私により添い、互いの愛情が黄金のような平和の輪でわたしたちをとり囲んだとき、わたしは、わたしたちがやがて遠く別れ別れになるようなことのないよう、無言の祈りを捧げ。」

・使用人という立場の女性が、(遺産)相続人(本格小説では土地贈与された)になったと告げられるシーン

「本格小説」では冬絵から冨美子に告げられるシーン
 ひどく雨が降っている夜に冬絵が冨美子のいる山荘に現れる。
 土地を贈与されたと知らされた冨美子に今1人でこの場に残されて平気か尋ねるシーン

「ジェーン・エア」ではセント・ジョンからジェーン・エアに告げられるシーン
 すさまじい吹雪の夜にセント・ジョンが、ジェーンの小屋に現れる。
 遺産相続人になったと知らせたあと、ジェーンを今1人でこの場に残すことを不安がるシーン

_____________________________________

「類似点を探そう!」と躍起になって読んだわけでなく、先に「本格小説」を読んだあと(大好きなあまり2年に1回くらいのペースで読み返しています)、
随分しばらくたって、最近「ジェーン・エア」を読んだときにハッとしたシーンです。
なので私の大いなる勘違いかもしれませんが、もしかして同じように感じられた方がいらっしゃるかと思い・・・。

マニアックなオタクみたいな質問ですみません!
全く別の小説でもかまいませんので、「本格小説」または水村美苗さんの小説のうちどれかと類似点のある作品、影響を与えたと思しき作品に心当たりのある方ありましたらご教示いただければ、と思います!
読んでなかったら読みたいですし、もし既読の作品でも見落としている箇所があるかもしれないので、純粋な好奇心から知りたいです。

「ジェーン・エア」未読の方も、とっても面白い小説ですので、是非是非!
私は夜眠るのを惜しんでページをめくっていました。

コメント(2)

ゆでざりさん、はじめまして。
ゴンガンヂンと申します。
私も『本格小説』と『細雪』が大好きです。
好きだといいながら、『手紙、栞をそえて』『日本語で読むということ』も読んでいませんし、『本格小説』はなぜか手許に上巻しか見あたらないし、『細雪』もどこかにいってしまったのでエラそうなことは言えないのですが……。

ゆでざりさんのご期待に応えられるような話はまったくできないのですが……。
『本格小説』を読んでから、「そんなにすごい話なんだ!」と『嵐が丘』を読んだものの、時代設定なんかが頭にスッと入ってこなくて……。
今考えると、フィッツジェラルドの『グレイト・ギャツビー』の方が、近いような……。
そんなことを言い出したら、恵まれない境遇に生まれた男が恵まれた家の娘への思慕からのし上がっていくけれど……なんて話は全部そうじゃないかと言われそうですが……。

どう考えてもレベルの違う、とんちんかんなことを書いていますが、今、読売新聞に連載されている『新聞小説 母の遺産』とゆでざりさんお薦めの『ジェイン・エア』をその辺を注意しながら読んでみたいと思います。
失礼いたしました<(_ _)>。
ゴンガンヂンさん、はじめまして。
コメントありがとうございます!

「グレート・ギャツビー」ですね。名前だけは知っているけれど読んだことのない名作です。ゴンガンヂンさんからコメントいただいてネットで検索してみたら、同じような感想をもたれた方がいるようなので、似ているお話なのでしょうね。是非とも読んでみます!

私もゴンガンヂンさんと同じように「本格小説」を読み終わったあとの興奮のなか、もっと「本格小説」を理解したくて「嵐が丘」を読んだのですが、ヒースクリフやキャサリン、ジョウゼフなどの登場人物の性格が激しく強烈すぎて感情移入が全然できなくてびっくりしました(笑)なんでしょうか、翻訳のせいかな・・・。でも、「ジェイン・エア」も翻訳で読みましたが、翻訳小説であることを忘れさせるくらい読ませる作品です。

「新聞小説 母の遺産」は初めの数回を図書館でまとめ読みしたきり読めていないので、単行本化、文庫本化が待ち遠しいです!いつになることやら・・・。

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