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百人一首コミュの第74番・「き」と「けり」の使い分けについて

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 助動詞「き」と「けり」の使い分けは、

「き」…自分が直接体験した過去を表す。
「けり」…他人から伝え聞いた過去を表す。

ということですが、百人一首・第74番

「憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを」

の「憂かりける」の「ける」は、自分が直接体験した過去について述べているのに、なぜ「し」ではなく「ける」を使っているのでしょうか?

 「『し』にしたら字数が合わないから」以外に何か文法的な説明がありましたら教えてください。

コメント(11)

旺文社の古語辞典によりますと、

「き」…過去にあったが現在には存在しない事実を表す。
「けり」…過去にあった事実で、それが現在にまで続いているような事を表す。

とあります。私には多分こちらの意味だと思えます。

なおトピ主さん御指摘の意味も一説として併記されています。
「き」…自分が直接体験した過去を表す。
「けり」…他人から伝え聞いた過去を表す。

また下記の説も併記されています。
「き」…過去の事実を述べる。
「けり」…事態の確認を述べる。

「き」と「けり」の差は現代から見分けるのが難しい、二つを同じ様な意味に用いた例も中世には見られるようになる、という記述もあります。
[憂し]は、必ずしも過去の心情を述べたものではないでしょう。
この場合の[けり]は、過去の意味ではないのでは。
>>[1]

 旺文社古語辞典の説は僕は知りませんでしたが、この場合はその解釈がぴったりはまりますね。
 御指摘ありがとうございます。
>>[2]

 「憂かりける」の「ける」が「過去」でないとすると、「詠嘆」ということでしょうか?
 連体修飾の「ける」が「詠嘆」を表す場合があるのでしょうか?
>>[004]
和歌における「けり」はほとんどが詠嘆であるとどこかで見ました。
文英堂 小倉百人一首によれば、形容詞「憂し」の連用形に、過去形の助動詞「けり」の連体形がついた形だそうです。


「憂し」は思うにまかせない、つらい気持ちの意味で、この場合だと恋する相手が自分になびいてくれなかったことをこのように表現したと書いてあります。


答えにならんかったらすみませんm(_ _)m
>>[5]

 僕もネットで調べていて、同じ情報を見ました。
 「けり」の場合はおそらくそうでしょう。
 「ける」でも、係り結びの場合はおそらく詠嘆なのでしょう。
 「ける」が次の文節にかかってゆく場合は果たしてどうなのか…。
>>[6]

 文英堂の小倉百人一首は僕も持っています。
 図版が多くて楽しい本ですね。
>>[4]

[けり]の連体形[ける]が詠嘆の意味になる用例としては、

弓矢とる身ほど口惜しかりけるものはなし。『平家物語』
まことにあさましく恐ろしかりける所かな、とく夜の明けよかし。『宇治拾遺物語』

いずれも、【形容詞】+【ける】+【体言】の形が共通しています。
詠嘆かどうかはともかく、過去の心情ではなく、発言時点での心境を述べています。
このような用例は少なくないようです。

前千代さんのご指摘どおり、和歌の中に出てくる「けり」で、伝聞過去のものを探すほうがむずかしいかもしれません。
百人一首の中に、助動詞[けり]が含まれている歌は18首ありました。(今、手元で数えただけなので見落としがあるかもしれません。)
うち、はっきりと伝聞過去だと判別できるものはありません。
また、「体験過去」あるいは「単純過去」と解釈できるものは、確かに[き]が使われています。

完了の[ぬ]+過去の[けり]の「にけり」については、「移りにけりな」「咲きにけり」「来にけり」「立ちにけり」などとあり、これらを過去完了で解釈しているものもありますが、完了+詠嘆で解釈することもできます。

また、助動詞には「種類」と「意味」があります。
「種類」は活用や接続の仕方などから機械的にまとめたもので、「意味」は文脈や個人によって柔軟に変化します。
活用表などを見ると、たとえば「けり」の場合、種類は「過去の助動詞」になりますが、意味は「伝聞過去・詠嘆」などと分けられます。
ですから、分類上「過去の助動詞」であっても、意味が過去とは限りません。
意味の多い助動詞に「べし」がありますが、これもひとまず「推量の助動詞」にくくられて、そのあと文脈によっていわゆる「すいかとめてよ」(推量・意志・可能・当然・命令・適当・予定or予想)があります。
教科書などにより多少の差異がありますが、センター試験などではどういう解釈であっても混乱が起きないようにうまく問題を作成しています。

以下は個人的な意見ですが、日本人は、現代語でも、「過去」と「気づき」「驚き」「確認」などは同じように表現をします。
探し物を見つけて「あった、あった」というし、ほっとすれば「よかった、よかった」と、現在の状況でも「た」を使います。
これは日本人の癖でしょう。

文法というのは癖を体系的に編集したものです。
私も文法を細かく見ていくのは大好きです。
それは、文法に厳密になりたいからではなくて、人の自然な気持ちというのは、さりげない助詞や助動詞の使い方に現れると思っているからです。とくに日本語の場合は。もちろん古文でも現代文でも。

長い書き込みで、偉そうな物言いをいたしまして恐縮ですが、私にも正しい解釈はわかりません。
ですから、先のコメントもあいまいな表現になってしまいました。
私は反射的に「歌のけりは詠嘆」ととってしまっていて、このような疑問点は面白いと思います。
というのも、たしかに過去で解釈すると、歌の意味が通るし、自然なんですよね。

いろいろな用例や他の歌や出典などを参考にしながら、表現のおもしろさを発見していくのは面白いので、つい長くなってしまいました。
時間があれば、他の歌などもみて比較されると面白いと思います。

 
「けり」を含む歌は17首ですか。また間違えてたらすみません。
>>[9]

 長文の解説、どうもありがとうございます。
 古文の「けり」にも現代文の「た」にも、多くの意味・用法があるわけですね。
 百人一首を見直していて、小野小町の第9番

「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」

には「けり」と「き」が両方とも入っていることに気付きました。
 この歌の「けり」は「詠嘆」「伝聞過去」どちらにも取れそうに思います。
 「伝聞過去」だとすると、作者は花の色の変化を直接には体験していないということになり、また少し違った味わいが出てくるように思います。

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