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めいどのみやげ〜かなめみお味〜コミュの小説【MAIDOLL RUMOR】

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 皆様方、お初にお目にかかります。ゲンノウと申します。
 みおさんとは3、4年前にそうさく畑で初めてお会いして(それ以前にどこかのイベントでも顔を合わせたような気もしますが、その辺は記憶が定かでございません)、以来時々出かけるイベントでかなめみおを見かけては新刊を買ったり買わなかったりな繰り返しだったり…

 まあそれはともかくも、何かもうちょっとお近づきになれないかなーと下心半分でMAIDOLLのスピンオフを勝手に考えて話を作り、あろう事かご本人へ直接持って行ったと言うその当時でも自分、無茶しよんなーっと言う感じですが、前置きはこのくらいにしてとりあえず出来るだけ多くの方に見て頂きたいと思い、トピックを立てました。では……





       MAIDOLL RUMOR



  人形師紅林玄宗(くればやしげんそう)は、破損したドールの修理をしていた。
  工房の作業台にはドールの下半身が載せられていて、傍らには剥き出しの上半身が両脇からロープで吊り下げられていた。
  それは等身大の娘型のドールだった。こんな風に解体され、人形としての関節が露になっていなければ、生身の人間と見間違えるほどだった。
 「あの。お手を煩わせてしまって、本当にすみません」
  上半身だけになったドールが玄宗に申し訳なさそうに詫びる。
  それは間違いなく人形の?パーツ?であるにも関わらず、生きている人間のように動き玄宗に話し掛けている。

  希代の人形師、蘆屋世織(あしやせおり)の作るドールには?生きている人形?と呼ばれる物があると噂されていた。
  彼女の作品群は、いずれも精巧に出来ているばかりかなまめかしささえ感じられるほどの出来映えのものばかりだったが、それらとはまた一線を画するのだと言う。
  自らの意思を持ち、本当に生きている人間の様に動くのだと言われている。
  その製法は謎に包まれていて人形師達の間でも噂に上っていたが、彼女の作品として公開されている訳ではないため、噂話や都市伝説の域を出ないと片付ける者も少なくなかった。
  この目の前のドールが正にその噂の一体なのだ。
 「ふん。こうも簡単に壊れてしまうようでは、あの女の腕も底が知れるな」
 「違います、私が悪いんです。気をつけていたつもりだったのに、足を滑らせてしまって」
  軽く憎まれ口を叩いたつもりが、彼女が泣きそうになっているのを見て玄宗は取り繕うように咳払いをした。
 「………いや。まあ、あんな事がなくても動かし続ければ磨耗や破損は免れん。特にお前の様に人間と同じに動くのであれば、尚更だ」

  彼女は一月程前に突然玄宗の家にメイド服姿で送られて来て、以来彼の身の回りの世話をしていた。
  当初は彼も、世話などしていらんと突っぱねていたが、ドールがなおも甲斐々々しく働くうちに少しずつ簡単な用事などを頼むようになった。
  先刻も棚の上の資材を取ってくるよう頼んだところだった。それが、彼女が足場にした台の上でバランスを崩して床に落ちた時に片膝が呆気なく砕けてしまったのだ。
  片足が動かなくなっているところを玄宗に抱き抱えられ、そのまま作業台まで運ばれた時には彼女は思わず頬を赤らめたのだった。

 「それにしても、」
  ドールが改めて解体された自分の身体を見渡す。
 「片膝を修理するだけなのに、ずいぶん大掛かりになるんですね」
 「む。まあ、修理するだけなら簡単だが、こう片膝だけが破損するのは身体の片側に重心が傾いてしまっている可能性があるからな。どこか歪みが生じているのかも知れん。あるいは、組み上げた時には問題がなくとも動いているうちにひずみやずれが生じる事もある。それも調べておかねば、な」
 「まあ。私、そんな事思いも寄りませんでしたわ。では、すみませんがよろしくお願いしますね」
 「う、うむ」
  彼女は上半身だけで中空に固定された状態のまま、律儀に頭を下げる。玄宗はそれに少し落ち着かない様子で応じた。
  彼は半分嘘をついていた。確かに、彼女のように自分で動く人形であればそう言った調整は必要だ。しかし、彼が普段製作しているのは当然自分で動く事の無いドールだ。
  彼が彼女を解体し修理するのには別に理由があった。どうにも気恥ずかしいからだ。
  等身大の、生身の人間と見まごうドールが、まさに生きている人間のように動き喋っている。
  それをそのままで修理しようものなら、まるでいい年をした大の男が若い娘の膝元で悪戯をしているように見えてしまうだろう。
  想像するだけでも玄宗にとって堪え難い恥辱の光景だった。
  彼の工房に他の人間が立ち入る事が無いとは言え、彼自身のプライドが許さなかった。
  だからこそ人形のパーツが露になるよう衣服を取り去り(?脱がせる?などと思っただけで、これまた葛藤があった)、
  上半身と下半身とに分解してどう見ても人形にしか見えないようにする必要があった。
  ドールは玄宗のそんな心の逡巡など知る由も無く、ただただ尊敬の眼差しで見守っていた。

コメント(13)

  それにしても、と玄宗は作業しながら思った。まさか蘆屋世織の?生きている人形?を間近にこの目で見られる日が来ようとはな、と。
  はっきり言ってそれらは噂に上っているだけで、一般的にはその存在すら知られていない。
  しかし厳重に秘密にしている訳ではないらしく、わずかではあるが目撃例があるとの事で事情通の間ではしばしば噂になっていた。
  彼女も有名な人形師であり、見る人間が見ればそれらが彼女の作品だと言うのはすぐにわかる事だった。もっとも、依頼を受けてそれらを作る事は無いらしいのだが。

  噂話で、どこからかその存在を聞きつけたある金持ちが相当な金額を提示しかなり強引に譲り渡すよう迫ったらしいが、その時も彼女は頑として応じなかったと言う。
  そうした金持ちの振る舞いが彼女の怒りを買い、その時に男はこの世の物とも思えない恐ろしいものを見せられたそうだ。
  男は血相を変えて世織の屋敷を出て行き、二度と近寄らなかったと言われている。
  その後、金持ちは持っていた株が全て暴落して一遍に破産したなどとまことしやかに伝えられているが真相は定かではない。
  とにかくそう言ったいわくのある作品だけに、様々な憶測が飛び交っていた。
  その人形達には呪いが込められており下手に触れようとすると呪いが発動するのだとか、蘆屋世織は現代に生きる魔術師で魔法でもって人形を動かしているなどと、奇妙な噂まで出る始末だった。
  その件の?生きている人形?が目の前に存在していて、話したりお茶を運んだりしている。正直、玄宗にとってもこれは千載一遇のチャンスだった。
  彼とて名うての人形師と謳われ自らもその名声に恥じぬと自負しているが、それにしても世織は異彩を放ちすぎていた。何しろドールが本当に生きて動いていると言うのだ。
  からくり人形のような自動で動く人形は古くからあるが、所詮は作り手の意図した動きを再現するだけである。そこに生命や意思と言ったものは、無い。
  彼女は、それが事実ならば古来より数多の人形作りに携わる者達が求めて止まぬ夢を実現させているのだ。
  デマだ、インチキだと言われながらも人形師達の間で彼女の噂が絶える事が無いのは、ひとえに彼女のその技が彼等にとって絶大な魅力を持つからに他ならない。
  玄宗もかねてからその噂については聞き及んでいて興味は尽きなかったが、真相を確かめる事は中々出来ずにいた。
  随分前、たまたま顔を合わせた際に意を決して彼女に直接訊いた事がある。生きている人形の話を聞くが本当のところはどうなのか、と。
  あなたでもあんな噂が気になるんですかと彼女は苦笑した。それに彼は、当然だ、人形師にとってそれは見果てぬ夢だからな、とむきになって言い返した。
  我ながら子供じみていたと思う。その辺のゴシップ好きと同じに思われただろうかと、内心恥じていた。
  それに彼女は、あなたになら一体いいのを差し上げますよと笑って返すのだった。
  その時は適当にはぐらかされたものと思ってすっかり忘れていたが、まさか今になって本当に送られて来ようとは思ってもみなかったのだった。
  そうして送られて来たドールに、玄宗はその後も様々な点で面食らう事になった。
  最初はとにかく製法の手掛かりを何か掴もうとドールにそれとなく話し掛けるのだが、それに彼女はあっさりと答えてしまう。
  いわく、その辺に漂っている魂を捕まえて人形に込めてしまうのだ、と。自分もそうやって作られたのだ、とあっさり告白してしまった。
  これには彼も思い切り肩透かしを食ったように感じたが、考えてみれば世織以外には真似の出来ない方法であり、知ったからと言ってどうしようもない事を思い知るだけだった。
  それを彼女に告げると、
 「やっぱり、ご主人様は立派な方ですね」
  と彼女は言った。
  彼女にしか出来ない技ならば、それこそ彼女を抱き込み自分達のものとして独占してしまおうなどと考える者も出てくるだろうに、
 「貴方はそうなさろうとは思わないのですね」
  と言われたのだ。
  だが彼にとっては少しも嬉しくなかった。自分が人畜無害な人間でしかないと言われているようなものだからだ。
  彼は自分を聖人君子だなどとは思っていないが、只の善人に未曾有の傑作を生み出す事など出来ないとも考えている。
  一つの道を窮めるためには、それこそ生半可な人間性など捨ててしまわねばならない事もある―――そんな世界に長く身を置いているからこそ分かる事だった。
  それに、ドール作りを生業とする身としてはその肝心な事を人任せにしてしまうなど愚の骨頂としか思えなかった。
  そう言うと彼女は、
 「では、ご主人様はどうなさるのですか?」
  と訊ねた。
  世織の生きている人形は彼女にしか作れない物であるのだから、別な方法で人形に生命を宿らせようと言うのが彼の考えだった。
  今はまだ妙案がある訳ではないが、いつか自分も実現させたいと思っている。だがその答えに彼女は顔を曇らせた。
 「そのお志は立派だと思います。でも―――」
  理由を訊くと、世織は積極的にはドールに魂を宿らせたがらないと言うのだった。自ら魂を込めたドールの事をずっと見守ってやれる訳ではないから、と言うのが理由らしい。
  いずれドールの身体が朽ち果て形を維持出来なくなれば魂は離れていくのだろうが、そうなるまでには自分はもうこの世にいないかもしれない。
  自らの生み出したものに対して最後まで責任を取れない事が、彼女がそれを公にしない理由の一つだった。
  噂を噂のままで放置しているのもその方が都合がいいからだ。まともな人間なら人形製作そのものを彼女に依頼する事はあっても、奇怪な噂話には取り合おうとはしないだろう。
  事実彼女の目論見は当たっていて、ネットの掲示板や一部のサイトで「そう言えばこんな話がある」と言った感じで時々取り上げられる以外は、世間での反応は皆無に近かった。
  とは言え、それらが物珍しい存在である事には違いなく金儲けのために利用しようとする輩は少なからず出てくる筈だ。
  あるいは、件の金持ちのように興味本位からでも手に入れてみたいと思う人間が出てこないとも限らない。それに対して世織がほとんど何ら対策を執っていないように見えるのが不可解だった。
  こんな杜撰な有様ではいずれお前達の存在も明るみになり心無い扱いを受けるやも知れんぞ、と彼が脅してみるとドールは少し困った顔をして思案した後こう述べた。
 「……それでも世織さんは、私達のためにそうしてくれているんだと思います」
  何だか分かったような分からないような彼女の返答に、彼の気持ちは釈然としなかった。

  人形とは言え、魂を宿した時点でそれはもはや一個の生命であると言うのが世織の考えなのだと言う。だからこそ、あえて束縛せず彼(彼女)等の望むままの行動に任せていると言うのだ。
  なるほどその言い分はもっともだと言えない事もないが、やはり無防備に衆目に晒してしまう危険性はそのままだ。その存在が公にならずとも事情を知った人間に悪用される事は充分に考えられる。
  彼女には金持ちの男を退けた時のように何やら策があって、それゆえに放任しているのかも知れないが、それにしたところであまりにも場当たり過ぎではないか。
  玄宗には彼女の無為無策ぶりが鼻についていた。
 (詰めの甘いやつめ。だから人形の出来も今一つなのだ)
  彼はその時の事を思い出し少し腹が立ったが、
 (まあ、やつのそう言ういい加減なところは今にはじまった事ではない)
  と、一先ずドールの修復に専念するよう気持ちを切り替えようとした。
  ところが修復のためにドールの体を調べていくうちに、玄宗は奇妙な事に気付く。全体的に少しずつではあるが、ドールのパーツが微妙にずれて組まれているのだ。
  更に、造形自体もわずかではあるが歪みがあちこちに見られた。これでは不安定な動きしか出来ないはずで、不審に思いドールに訊ねてみた。
 「お前は自分の体を動かしづらいと思った事はないか?」
  しかし彼女は、
 「さあどうでしょう?私もこの体は初めてなので慣れない感覚に戸惑いはしましたけれど、そうなのでしょうか?」
  と、あまり気にしている様子ではなかった。
  その様子から、彼女がこのドールの体に宿った時からその状態であるのは明らかだった。
  そもそも人間と同じように動き続けるのであれば、ドールのパーツもそれに適したように制作されるべきだが、それどころかむしろその逆に個々のパーツはきちんと仕上げられる事のないままで組み上げられている状態だった。

  彼は自分で動く人形など作った事は無いが、もしそのような人形を製作するのであれば、長期の可動に耐え得る様に設計する事は当然であった。
  それからすれば、世織のこのドールに対する処置はぞんざい極まりないものだった。
 (なぜだ?)
  手抜きと言うにはあまりにも酷すぎた。これでは壊れてくれと言っているようなものだ。今回の事が無くても、玄宗が調整してやらねば彼女の体のパーツは近いうちに破損して動かなくなっていただろう。
  日常生活において、肉体にかかる負荷と言うのは意外と大きい。だからこそ人体においても関節同士が直接接触しないよう軟骨に覆われていて、その上に潤滑剤の役割を果たす柔軟な膜を介して接合されているのだ。
  それに代わるものが一切無い状態では、わずかの衝撃でも人形のパーツに与えるダメージは大きかったはずだ。現に各関節はどれも見事なまでに擦り減り、或いは罅割れて欠けている物まであった。
  玄宗もこれには理解に苦しんだ。これではどうしても自分が処置せざるを得なくなるではないか―――しかしそう思った次の瞬間、彼ははたと気がついた。
  何故彼女が自分のドールをこんなにも粗雑な出来で放っておいたのか。

  人形師であるならば、人形に対する思い入れは人一倍深いものである。それが自分が手掛けた人形であれば尚の事で、例え他人が製作したものであれ自分が修理するなどして手を掛ければ、多少なりとも愛着が湧くものだ。
  彼女はそれを狙ったのだ。唐突に彼にドールを送り付け、早晩壊れたところで修理させれば彼女の事を無下には出来なくなると踏んだのだろう。
  そう思い至った途端に、怒りが込み上げて来るのを彼は抑えられなかった。

 「おい、荷物をまとめて今すぐ世織のところに帰れ」
  玄宗は作業を突然止め、淡々とドールを元のとおりに組み立てると立ち上がってひどく冷め切った表情で彼女を見下ろすのだった。
 「え?え?」
 「膝は応急処置してあるから歩くぐらいは出来るはずだ。後は世織にでも直してもらうのだな」
  彼女ははじめ何が起こったのか分からなかったが、静かに、だが冷たく言い放たれた玄宗の言葉にただならぬ怒りを感じ取ると急速に顔を青ざめさせた。
 「あ、あの、私にやはり至らないところがあったのなら謝ります。ですから、」
 「お前にどうこう言うつもりは無い。恨むなら世織を恨むのだな。わしを虚仮にするのもいい加減にしろと言っておけ!」
  ドールがおろおろするのも構わず、彼は工房を後にした。
 (ええい、忌忌しいっ!)
  自室に籠ってからもなお、彼の胸中は穏やかではなかった。迂闊に世織に泣きついた自身の甘さもさる事ながら、それ以上にそこに付け込んできた世織に怒りが納まらなかった。
  正直、今の状態も悪くはないと思いはじめていた矢先の事だった。
  娘を世織の元に預けていて、中々帰って来ないと思っていたら送られて来たのがこのドールだったのだ。
  もちろん娘の事は今でも気掛かりだが、ドールに対して最初はよそよそしい態度でしか接する事が出来なかったのが、だんだん打ち解けて来て玄宗にとってもまんざらではないと思いはじめていたところだった。
  そんな彼の胸の内さえも世織の策謀の内にあったのだと思うと、はらわたが煮え繰り返る思いだった。

  事の発端は彼女に一人娘の花緒(はなお)の事で相談した時だ。世織と合同展を開く事になって玄宗はいつも以上にドール作りに明け暮れていたが、その以前から彼は常に娘の事が気掛かりだった。
  彼も人の親であるならば娘に一方ならぬ愛情を持っている。だがドール作りだけが全ての彼にとって、他人と接する事は最も苦手とするところであり、それは実の娘であっても例外ではなかった。
  むしろ娘だからこそ扱いあぐねていた。人形なら分かる。扱い方も触れ方も。しかし人間に対してはそれがさっぱり分からない。娘に対しても遠巻きに見守るのが精一杯だった。
  そんな折、事件が起こった。まだ幼い娘が不審な男に襲われたと言うのだ。男は捕まり娘も事無きを得たと思われたが、彼女は奇妙な事を口走るようになった。
  自分は父様に作られた人形だ、と。どうも男に何か吹き込まれたのが原因らしく、玄宗もはじめのうちはそんな事はないと否定していた。
  だがあまりにも繰り返し彼女が口にするうちに、ふとそうであったなら我が子に接するのが随分楽だろうにと思うようになった。無論、普通の親なら一瞬でもそんな考えは起こさないだろう。
  だが、それまで人生のほとんどを人形師の仕事だけに注いできた彼にとってドールを相手にするように接するのは、むしろ好都合だった。

  今から思えば魔がさしたのだろう。幼い娘のごっこ遊びにでも付き合うつもりでやり取りするのは、正直心地良かった。また彼女も非常に従順に父親の言う事を聞き、子供とは思えない程に命じられた事をてきぱきとこなしていった。
  そのせいか、彼女の生きている?人形?としての純度は増す一方だった。本当に生きているドールが存在すればこんな風であろうかと思わせる程であった。
  最初のうちは気楽に色々言い付けていた玄宗も、だんだん空恐ろしく思うようになった。
  兎に角様々な習い事をさせていたが、あまりに卒無くこなすために果ては護身術や武術など娘に必要なのかと思われるものまで習わせるようになっていた。
  それすらも難無くこなす娘の姿に玄宗の不安は日に日に増していった。
  一体、彼女はまともな人間として成長出来るのだろうか、自分は娘を本当に人形にしてしまったのではないかと気が気ではなかった。
  こんな事は他の誰にも相談できるはずも無く、ずっと思い悩んでいたところへ彼に世織との合同展の話が持ち掛けられた。
  希代の人形師二人の合同展とあって企画を持ち込んだ者は意気込んでいたが、正直彼にとってはどうでもよかった。
  だが世織との打ち合わせの中で彼女の年上の自分に対しても物怖じしないところや、ざっくばらんな性格に触れるうちに彼女になら悩みを打ち明けてもいいのではないかと思うようになった。
  彼は決心すると二人きりになる時を見計らい、思い切って彼女に娘の事を話したのだった。尤も玄宗は自分が関与した事など部分的な経緯については省いて話したのだったが。
  彼女はそれを黙って聞いていたが、彼の話が終わるとかなり辛辣な口調で切り出した。
 「あんた、そんなになるまで娘の事を放っておいたのか?」
  親子とまで行かなくてもかなり年の離れた、しかも女性にこんな不躾な口の利き方をされて普段の彼なら叱り付けていただろう。
  だが今はそう言われても
 「返す言葉も無い。だがわしは何としても娘をまともな人間に育ててやりたいのだ。頼む、力になってくれ」
  と、ひたすら懇願するばかりだった。
 「随分虫のいい話だな。今さら手に負えなくなったからって放り出してしまうのか?それも赤の他人に話すような事じゃないだろう」
 「うう……」
  世織の言葉に彼は文字通り二の句が告げなかった。しばらくの間重たい空気とともに沈黙が続いていたが、やがて彼女は溜息をつきながらも彼への非難を収めた。
 「やれやれ。天下の紅林玄宗が情けない顔をしなさんな。あんたの事はともかく、その娘さんがあまりに不憫だからね。その娘のために何とかしてみよう」
 「本当か?!」
 「ああ。ただし、私に頼む以上は言うとおりにしてもらうよ」
  そうして彼の頼みを引き受ける代わりに条件を付けてきた。彼は特に反論する事無くそれを受け入れた。
  娘のためを思っての事もあるが、他に頼れる人間がいない以上彼にはそうするより他に無かった。

  彼女が指示した内容とは、花緒に自分の屋敷へスパイとして潜入させると言うものだ。
  玄宗に、自分は今スランプだとか何とか理由を付けて生きている人形の製法を掴んで欲しいと言えば、娘はきっとあんたのために動いてくれるだろうと彼女は事もなげに言い放つのだった。
  何故そんな回りくどい事をしなければならないのかと玄宗は疑問に思ったが、それに世織は「わかってないなあ、あんたは」と溜息を漏らす。
  自分をまともな人間に戻すために他所に預けると言ったところで彼女が聞く筈も無いだろう、それよりは父親であるあんたが命じる形にした方が動いてくれると言うのだ。
  彼はそう言うものだろうかと思ったが他に妙案があるでもなく、よく分からないままに取り敢えず彼女の指示に従った。
  世織が想定した通り、父親自ら不調だとの嘆きを聞かされて花緒は早速女人形師の屋敷への潜入を試みる。
  折よく世織が家政婦を募集しているのを知り、(勿論これは世織があらかじめ仕組んで置いたものだった)これにうまく採用される事となる。
  早速、雇い主となる世織との初めての顔合わせで彼女の屋敷の応接間に通される。花緒はかなり緊張していた。
  今までにも父である玄宗から様々な命令を言い遣ってきたが―――もっともそれらのほとんど全てが親としての言い付けの範囲内でしかないが―――今回は次元が違う。
  他人の、言わば商売敵である人形師の家に潜入してその製法を探り出すのだ。万が一、素姓が知れたらただではすまないかも知れない。いや、恐らく簡単にばれてしまうだろう。
  この業界で紅林と言えばまず玄宗の事であり、その姓を冠する自分が家族や親類であると類推するのは難しくない。むしろ気付かない方がどうかしている。
  まだ年若い彼女に身元を偽装するなどと言った工作が出来よう筈も無く、自らの無為無策を呪いながらも全身を強張らせて身構えていた。だが部屋に入ってきた彼女の第一声に、花緒はすっかり拍子抜けした。
 「花緒ちゃんって言うの?よろしくね〜。あ〜〜こんな可愛い娘が来てくれるなんて、とっても嬉しいわ〜〜〜〜」
 「は?」
  それまでの緊張の反動もあり、彼女は腰を抜かすようにソファに深く座り込んでしまった。
  雑誌などで見る世織の姿は、知的で格好よくてまさに男装の麗人と言った感じで花緒にとって憧れだった。その当の本人が目の前でどうしようもなくにやけている。
  とても同一人物とは思えなくらいに、だ。花緒は自分が抱いていたイメージとの落差に愕然とした。
  事あるごとに自分の手を馴れ馴れしく握ってくる彼女に、一つだけ気になっている事を訊く。私の事を変に思いませんか、と。しかし彼女はそれすら全く意に介さない様子だ。
 「ああ。玄宗と何があったか知らないけど、しばらくうちでゆっくりしていけばいいわ」
 「年頃なんだし色々あるよね?」
  どうも彼女に妙な誤解をされているようだと思った。花緒は色々割り切れない思いを抱えつつも、ともかく当初の目的を果たす事に専念しようとした。
  そうして娘を世織の元に預けている時に、玄宗の元にドールが送られて来たのだ。
  最初の頃こそ訳が分からずにいたが、何の事はない、自分の弱みに付け込んで懐柔するためのものだったのだと彼は悟った。
  早速世織に電話して、とんでもない欠陥品だ送り返すからそちらで直せと怒鳴り付けた。言いたい事だけ言って電話を切る間際、彼女はそれならドールと話をさせてくれと言い出した。
 「良かろう。待っていろ」
  玄宗は一旦電話を置いて工房の扉を開けた。中ではドールがまだ肩を落としてしょぼくれていた。
 「来なさい。世織が話がしたいそうだ」
  彼女は電話口で切々と世織に事の経緯を話した。人形なので涙は出ないが、その悲しそうな口ぶりはそれこそ涙ながらにと言った感じだった。
  その姿に彼はひどく心動かされたが、それでも世織の所業を許す気にはなれなかった。
 「あの、私帰ります。今までお世話になりました」
  玄宗が物思いに耽っている間に電話が終わっていた。まだあまり元気は無いようだが彼女は丁寧にお辞儀した。
 「一人で帰るのか?」
 「ええ。世織さんは迎えに来ると言ってくれましたけど、私一人で大丈夫ですからって言っておきました」
 「ふむ」
  それを聞いて彼の口から意外な言葉が出た。
 「それならタクシーを呼ぶから待っていろ」
 「え、でも………」
 「帰る間に万が一の事があってはこちらが困るからな」
  そう言うと彼はすぐに電話をかけタクシーを呼び出した。

  タクシーが到着するまで彼女はソファに腰掛けていたが、その様子はひどく力無くうなだれていた。荷物と言っても身の回りの物などほとんど無い彼女には、傍らに大きなスーツケースが一つあるだけだった。
  それは彼女を運んで来た物だった。彼女が届けられたその日、随分驚かされた事を彼は思い出した。普段仕事で人形を見慣れていると言ってもスーツケースを開いたら等身大のドールが入っていたのだ。
  一瞬人間と見間違えても不思議はない。あれから一ヶ月が経とうとしていた。
  その間新たな驚きの連続で、随分長い間共に過ごしたような気さえする。彼の中でドールに対して娘とはまた別の感慨が湧いていた。
  何となくいたたまれなくなって彼女に話し掛けてみる。
 「……一つ、聞きたい事がある。何故わしを主人と呼ぶ?世織にそう命じられたのか?」
  その言葉に彼女は首を左右に振る。
 「いいえ。私が望んだのですわ」
  彼女は何事か意を決すると彼の方に向き直った。
 「以前に私がこのドールの体に宿った時の事をお話ししましたよね?」
 「ああ?うむ」
  彼女は自分が元は一匹の蚯蚓だった事を語り出した。幼い花緒に道端で干からびそうになっているところを助けられたのだが、その直後に彼女は男に襲われたのだ。
  蚯蚓はその事をずっと気にかけていて、年経て九十九蟲となった後に花緒のその辛い記憶を消したのだと言う。だが実際には、記憶を消した事が却って彼女の不安を増大させてしまったのだ。
  これに責任を感じた九十九蟲は世織に頼んで何とか実体を与えられ、このドールの姿になったと言う。そこまで話すと彼女は一息ついた。

  以前にも玄宗は彼女の話を聞いて、あまりの内容の突拍子の無さに戸惑ったが今度のはさらに現実離れしていた。彼女はここを出て行きたくないと思うあまり、苦し紛れにこんな事を話しているのではと疑いもした。
 「しかしその話が本当ならお前は花緒に付いててやるべきではないのか?」
 「ええ。でも私は昔の事を一通り話しただけで、花緒ちゃんは立ち直ったみたいです。きっとお父様の育て方が良かったのでしょうね」
  まともに称賛の言葉を受けて、どうにも彼は面映ゆかった。
 「だから私、世織さんにお願いしたんです。せめてもの償いに玄宗様のお世話をさせてください、って」

 (それに、)
  彼女は喉元まで出かかっていた言葉を何とか留まらせた。世織が玄宗について話していた時の事を思い出す。
 「悔しいけどあいつの作るドールは最高さ。ま、だからって私も負けちゃいられない。どれだけ時間がかかっても追いついて、追い越したい。それが当面の目標かな」
  自分のこの体を与えた彼女がそこまで言う程の人形師ならば、是非会ってみたい。最初はそんな興味本位だけであったが、一緒にいるうちに彼女の中で玄宗に対する尊敬と敬愛の念が高まっていった。
 (ああ、やはり私がここへ来たのは間違いではなかった)
  だが彼女がその熱い思いを口にする事は叶わなかった。世織から、自分が玄宗について話した事を内緒にしてくれと強く口止めされていたからだ。
  自身の面目のためでもあるし、あえて話す事でもないと言うのが彼女の言い分だった。
  ドールにとって自分の思いのたけを伝えられないのは心苦しい事だったが、他ならぬ世織の頼みである以上反故には出来なかった。
  当然玄宗は彼女の胸中など知る由も無く、渋い顔のままだった。
 「ふん。どうだかな。その程度で花緒が立ち直ったと言うのなら、お前が何かするまでもなかったのだろう。ましてや、わしのご機嫌取りに動く必要などあるまい」
 「そんな。私はただ―――」
 「世織にとっては必要だったと言う訳だ。ま、あの女に弱みを晒すような真似をしたわしも愚かだったが」
  ドールは何も言えずに再び顔を曇らせるだけだった。
 「もうじきタクシーも着くはずだ。おしゃべりもここまでだな」
  彼はそう言い残すと部屋を後にした。
 (何かするまでもなかっただと?それはわしにも言える事ではないか!全く忌忌しいっ!!)
  彼は自分の言葉にひどく苛立っていた。その苛立ちのままにドスドスと荒々しい足音を立てて自室に向かっていた。書斎に着くと、彼は筆を取り素早く紙に何事かをしたためるのだった。
  それから一時間ほどしてドールは世織の屋敷に戻っていた。
 「大変だったみたいだね。ご苦労様」
  戻って来てからもまだ浮かない顔をしているドールを、世織は優しく慰める。
 「私、もうあのお屋敷には戻れません」
 「どうしてそう思うの?」
 「あんなにもお怒りになっているんですもの。きっと私の事も嫌っていて、もう二度と会って下さらないんだわ〜〜〜〜」
 (おやおや)
  それまで抑えていた感情が堰を切ったように溢れ、彼女は世織に泣きついた。世織はドールの取り乱し様に内心驚きつつも慰めるほか無かった。
  彼女との出会いは、九十九蟲であった時に彼女の方から話し掛けてきたのがはじまりだった。
  通常霊体だけの存在である彼らが生身の人間と話せる事など、まず無い。だが現世に心残りのあった九十九蟲はどうしても戻りたかった。
  世織は彼らを認識し、且つ新たな魂の器を与えられる希有な存在だ。頼れるのは彼女しかいなかった。
  九十九蟲は彼女との接触を幾度か繰り返した後に、ようやく今の体が与えられたのだった。
  その間多少のやり取りはあったものの、世織は彼女の事を深く知るまでには至っていない。だが今思えば元々生真面目な性格だったのだろう。
  生前の出来事をずっと気にかけていて、妖魅となった後にわざわざそれを果たしに来るぐらいなのだ。はっきり口にしてはいないが、花緒の事で相当思い悩んでいたに違いない。
  世織は優しくドールの髪を撫でてやる。
 「大丈夫。玄宗は貴女の事を嫌ってなんかいないよ」
 「………そうでしょうか?」
  涙が出ずとも泣きじゃくった跡の残る顔を上げる。
 「そうだよ。でなきゃ、わざわざ私に直してもらって来いなんて言わない。きっと貴女の事を待ってるよ」
 「でも、世織さん。私のこの体は出来損ないなのでしょうか?」
 「玄宗がそう言ったの?」
 「…あの……わざと自分に修理させて取り入らせようとしたんだとか、そんなような――」
 「そんな事言ったんだ、あの男は」
  ドールはかなり話しにくそうにしていた。世織は大袈裟に頭を振る。
 「……やれやれ、しょうがないなあ。いいかい。あの時は取り敢えず手近の人形に入ってもらった訳だけど、それでちゃんと体を動かせたんだし問題は無いと思ったんだ。その結果は貴女も知ってのとおり、あいつに散々に言われた訳で私の落ち度だよ」
  彼女は花緒の記憶を正すため屋敷にいた彼女に霊体のままで近づこうとしたのだ。その時に世織は初めて九十九蟲をドールに憑依させたのだった。
  当然それは前もって用意されていた物ではないため、そのまま長期的に使用するのには向いていない。今回の事が成り行きと偶然の結果であると世織は説いた。
 「まあ、そうこうするうちに合同展も終わって、花緒ちゃんを借りっぱなしだとさすがに玄宗がうるさいでしょう?だからしばらく貴女にあいつの相手をしてもらおうと思ってさ。確かに調整不足だったし、その状態であいつの元に送った私が迂闊だったと言うだけの事で、玄宗の勘繰り過ぎよ」
 「では、私は玄宗様のお屋敷に戻ってもいいのでしょうか?」
 「勿論。腕によりをかけて最高の仕上がりにしてあげるよ。あいつが悔しがるくらいに、ね」
  ドールの表情がぱあっと明るくなった。
 「それと、これ」
  世織が折り畳まれた紙を取り出した。それはドールが玄宗から言付かっていた物で、帰る時に手渡された世織への手紙だった。
 「読んでみて」
  彼女から手紙を受け取り目を通す。そこには、こんな未完成品をよくも送り付けてプロとして恥ずかしくないのかとか責任を持って最後まで仕上げてこそ一人前の仕事だなどと言った趣旨の事がつらつらと書かれていて、「あいつも相当イヤミだよね」と世織は苦笑していた。
  手紙の終わりの方に、あのドールに名前をつけていないようだが呼びにくくて仕方が無い、自分が考えたのであのドールが戻るつもりなら名を付けたいと書かれていた。
 「…世織さん、これって」
 「素直じゃないよね、あいつも」
  世織が軽くウインクする。その続きにはこう書かれていた。


 ?娘型のドールに九十九蟲では無粋極まりない。
  そもそも固有名ではないのだ。
  だから名を考えてみた。

  百生美(もなみ)

  九十九蟲が娘型のドールに宿り新たな生を得る。
  それにちなんだものだ。
  当人が気に入るかは分からんが、世話をしてくれた礼代わりだ。
  ドールが戻ってくるのならその名を贈ろうと思う。?


  手紙を持つドールの手が震えていた。
 「世織さん。………私、私、とっても嬉しいです」
  それこそ涙が溢れんばかりの彼女の喜びようは目の前の世織にも十分過ぎるほど伝わっていた。
 「さあ、大急ぎで貴女の体を直さなきゃ。一刻も早く戻れるようにね」
 「はい!」
  彼女はいっそう顔をぐしゃぐしゃにさせていたが、その表情は喜びに満ち溢れていた。


      エピローグ


  紅林玄宗は自室で浮かない顔をしていた。ドールが世織の元に戻ってから数週間が経っていた。修復には相応の時間がかかる。それくらいは当然の事でそれ自体は問題ではない。
  彼に渋い顔をさせている理由は別にあった。結局自分は世織の術中に落ちたのだと。彼女は自分が頼み込んで来たのを利用した訳だ。
  何のために?
  娘の花緒を今も手元に置いているのが答えの一つだろう。彼女が男と付き合っていると言う話は聞いた事が無い。
  一般人向けにドール教室などを開いているが、生徒は女性ばかりだと言う。他人の趣味をとやかく言うつもりは無いが、自分の娘が関わるのなら話は別だ。
  もっともその点に関しては今回の件で世話になっているし、娘との定期的に行われる連絡でも特に問題無いと聞いているので、今のところあまり強くは出られないのだ。
  もう一つ気になるのがドールの事だ。未調整のままであれを送り付けてきた真意は、それこそ自分の技術を盗むつもりだったのだろう。
  生きている人形達などと世間では持て囃されているが、まだまだ粗削りな部分は多い。
  生きている人形には興味が尽きないが、彼女の人形作りの技術そのものには彼としては見るべきところは無い。その点に関しては彼女の方こそ興味があるだろう。
  彼女の屋敷なら彼女のドールなど至る所にあるだろうし、またそうであったとしても何ら不自然ではない。
  そうして当の世織によって人形に魂を込めるタイミングはおろか、どの人形にするかも自由なのだ。彼女にとって必然を偶然とさせるのは実に簡単な事だった。
  だがそれにしても彼は深く追求するつもりは無かった。あのドールも彼女に疑いを抱きはしないだろう。ただ、彼にとっては世織の掌の上で躍らされているのが癪なのだ。
 (結局わしは根っからの人形師だと言う事か)
  玄関でチャイムの鳴る音がした。他に人がいない以上、彼が出るしかない。だが彼はどう恰好をつけたものか考えあぐねていて、決断するのに今少し時間がかかりそうだった。
  それでも彼は意を決すると重い腰を上げ、玄関へと歩き出した。


 (了)
 長々と失礼しました。
 やっつけで貼りましたので、お見苦しい点は容赦ください。

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