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渡部直己コミュの村上春樹氏への「エルサレム賞」受賞ボイコット要請について

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すこし場違いなトピックかもしれませんが、村上春樹的文学風土への批判を続けてこられた渡部直己氏のコミュニティでも、話題にしていただけるかと思い、ご案内します。

作家の村上春樹氏が2月15日からイスラエルのエルサレムで開催される国際ブックフェアで「エルサレム賞」を受賞することになりました。

ご存知の通り、イスラエルは国際法や国連決議を無視して、60年に渡りパレスチナにたいして、侵略・民族浄化・軍事占領を繰り返してきた国であり、昨年末から今年にかけても3週間にわたってガザの人々を、国際社会の非難の中で公然と虐殺し続けました(非難していない、あるいは非難が弱いのは、アメリカを筆頭に、西欧諸国、そして日本)。

「停戦」と言われながら、今でも境界は封鎖され、断続的な空爆が行なわれています。そこで、多くの市民団体や個人が、イスラエルへのボイコットを開始しています。その1つとして、村上春樹氏への「エルサレム賞」受賞拒否、授賞式参加の取りやめなどを求める要望が、各方面から出されています。詳しくは以下の「公開書簡」をご覧ください。

「エルサレム国際ブックフェア参加と「エルサレム賞」受賞に関する
村上春樹氏への公開書簡」(パレスチナの平和を考える会)
http://palestine-forum.org/doc/2009/0129.html

また、国際的に名声のある作家ですので、海外でも問題にされ始めています。

"Open letter to Haruki Murakami: don't legitimize apartheid"
http://electronicintifada.net/v2/article10267.shtml(The Electronic Intifada)
http://palsolidarity.org/2009/02/4998(International Solidarity Movement)

これに関してWebでの署名活動がありますので、ご賛同いただける方はどうぞ。
http://www.petitiononline.com/harukim/petition.html

また、同じブック・フェアで『フランスーイスラエル文学賞』を受賞するコンゴ出身の仏在住小説家アラン・マバンクーは、NPO<ユーロ・パレスチナ>からの同様の呼びかけ(http://www.europalestine.com/spip.php?article3750)に対して、「受賞は拒否しないが、受賞の際に、自分がイスラエルに対して思っていることをはっきり言う」と表明したそうです。


そして、ようやく本題なのですが、日本の作家や批評家の中でこういう問題を取り上げたり、論じている方がいらっしゃるでしょうか。アラブ文学ご専門の岡真理さんが、村上春樹氏へのキャンペーンに文壇が関わらないのはおかしいのでは?とおっしゃっています。

できれば、渡部直己氏が音頭を取って、ご盟友だったり、深いお付き合いのある作家や批評家に呼びかけてほしいと、非常に手前勝手ながら思った次第です。そうでなくても、文芸誌や新聞などの媒体で、早い時期にこのことについてコメントを寄せてほしいと期待しています。

わたし自身の村上春樹への評価は、完全に渡部氏の一連の批評を下敷きにしています。ボイコット運動の中にもいろいろな人がいるので、彼への期待が甘い人が多く歯がゆいので、以下のブログに少し自分の意見を書いていますので、ご参考ください。

「イスラエルボイコットにおける村上春樹の文学的問題」
http://d.hatena.ne.jp/tmsigmund/

やや、こちらのコミュの性格とはことなる要請であるかとも思いますが、文学を愛好するご友人などと、この件について話題を共有していただければ、幸いです。

コメント(2)

その後の村上春樹の「エルサレム賞受賞問題」の動向です。

「朝日新聞」本紙10日朝刊掲載の時点でご覧になられた方も多いかもしれませんが(すいません、事情があって私は確認できていません。一つ目は東京版、二つ目が大阪版かと思います)、この問題について取り上げられました。以下のWeb版で読むことができますので、ご紹介いたします。

「エルサレム賞に村上春樹さん 「壁」の国がたたえる自由」
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200902100087.html

「大阪の団体、村上春樹さんに「エルサレム賞」辞退求める」
http://www.asahi.com/national/update/0210/OSK200902100080.html

共同通信から出された「村上春樹氏に文学賞辞退を要求 エルサレム賞でNGO」という記事も、以下で読むことが出来ます。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009021000114&genre=M1&area=O10

それと上記に紹介した署名サイトが、運営者の手違いで、現在エントリーがなくなってしまっているそうです(700人以上の署名が集まっていようなので、かなり残念な状況です)。


ご反応がだれからもありませんでしたので、もしかしてと思いひとこと。

文学の側から見れば、「ある賞へのボイコット」というような政治的な二者択一をせまることにたいしては、やや違和感をもたれることもあるかもしれません。また、ボイコットを呼びかける側が、言葉の上でやや安易なヒューマニズムによりかかるようなところが見受けられる、そういうこともあるかと思います。しかし、そのこともふくめた問題として、渡部直己氏トピのみなさんと考えられたらと思いました。

実は、イスラエルの「エルサレム」賞を受賞するというのは、いかにも村上春樹の文学に似つかわしい、とわたしは考えています。渡部直己氏が以前から村上に対して批評しつくしたことを念頭に置くなら!(よろしければ以下参照http://d.hatena.ne.jp/tmsigmund/20090204)。そうであるからこそ、そして、もう一つ重要なのは、そうでありながらそのこととは関係なく、わたしは村上がこの賞を受賞することに反対しています。文学的に村上を批判するけれども、しかし、政治的な側面で言うと、単にキャンペーンに利用するだけです。

一方、村上春樹ファンのほとんど大半は、パレスチナ/イスラエル問題など知りもしないで、村上の受賞をことほぐでしょう。また、ファンの一部には、受賞への批判があるのを知って、「受賞拒否というような、単純化された政治的な振る舞いを、アノ春樹さんがするはずがない!」などと言っているようです。

さて、真の文学を愛好する方々は、ここにどんなくさびを打ち込むのでしょうか? 「エルサレム賞」をともなうブックフェアは15日から行なわれる予定です。
すでに結果はご存知かと思いますが、14日のエルサレムブックフェア前夜祭の「エルサレム賞」授賞式に出席した村上春樹氏は、以下のようなスピーチを行ないました。

http://www.haaretz.com/hasen/spages/1064909.html(『ハアレッツ』)
http://anond.hatelabo.jp/20090218005155(どなたかの日本語訳)

最初は、特に届いた情報が断片的だったので、大方は「村上春樹がイスラエルを正面から批判した」という受け止め方がなされました。新聞などにも載りました。また、パレスチナ問題に取り組んでいる方々の中には、村上のスピーチを賞賛するまでの意見が、大きなうねりになってしまいました。

しかし上記のように全文がわかってくると、必ずしもそうではないのではないか。むしろ村上に特徴的な欺瞞的なレトリックが見逃せないのではないか、とわたしは考えました。それについて以下に書かせていただいていますので、興味のある方は、ご覧ください。

「村上春樹による政治的なスピーチと、湧き上がる非政治的な解釈」
http://d.hatena.ne.jp/tmsigmund/

現在も、ある人と変な議論になってしまっています(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20090221#p1)が、しかし基本的には、これで今回の「村上問題」も終了です。イスラエルによる軍事制圧と占領からパレスチナを解放するのに、村上の文学はまったく役立たないことは、もとからわかっていたことですが、文学に対する批評意識の弱さが、政治的市民運動においても、なにかドンクサイものとして現れるというのには、いささか驚きました。わたしが運動に関わるようになったのは、ごく最近なので、まあ、勉強させてもらった、という気持ちです。

結論としては、運動をする上でも、文学をちゃんと読んだり、考えたりしていないと、いけないなということです。渡部直己氏の批評活動に、これからも期待し、刺激を受けていきたいですね。


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