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BDについてもっと知りたい!コミュの『Valérian – agent spatio-temporel(時空警察官ヴァレリアン)』

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 Pierre Christin(ピエール・クリスタン)原作、Jean-Claude Mézières(ジャン=クロード・メジエール)作画「Valérian – agent spatio-temporel(時空警察官ヴァレリアン)」シリーズ第0巻『Les Mauvais Rêve(悪夢)』(Dargaud[ダルゴー]社、2000年刊)読了しました。フランスSF漫画の古典的シリーズです。例によって椿屋さんに貸していただきました。椿屋さん、ありがとうございます! さて、0巻というのはおかしな言い方ですが、この最初のエピソードは1967年11月9日の『Pilote(ピロット)』誌に掲載されて以来、長い間単行本化されていず、2000年になって発売された時には、第1巻『La Cité des Eaux Mouvantes(洪水の町?)』を始めとして、既に17巻まで刊行されていたので、1巻以前ということで、こういう扱いになったようです。現時点での最新刊が2004年に出た第19巻「Au Bord du Grand Rien(大いなる虚無の果て)」、BDではそれほど珍しくないのかもしれませんが、相当息の長いシリーズです。梗概は以下のとおり。

 時は2720年。人類は今は地球規模の国家どころか銀河系に広がる L’Empire galactique terrien(地球銀河帝国)を建国しており、その首都は Galaxity(ギャラクシティ)と呼ばれている。2314年に、空間、時間を問わぬ物体の瞬間移動が実現して以来、人間の生活は大きく変わり、労働を通じて日々の糧を得る必要は全くなくなった。人々は惰眠を貪り、ただ夢を見ているばかりである。唯一の例外は現行のシステムを支えている官僚科学者たちと時空警察官たちで、彼らが瞬間移動を悪用しようとする悪人たちの手から世界を守っているのだ。ある日、1艘の時空探査機(キテレツで言うところの航時機?)が、時空管理局の許可を得ることなく、過去の時間へと出発した。時を同じくして、人々の見ている夢が幸福なものから悪夢へと変わってしまう。2つの出来事の間に相関関係を見てとった時空管理局長官は、優秀な時空警察官ヴァレリアンを呼び寄せ、調査にとりかかる。調査の結果、人々の夢を管理する官僚科学者の1人 Xombul(グゾンビュル?)が何らかの目的で11世紀の中世世界へと向かったことが判明する。早速、グゾンビュルの跡を追うヴァレリアン。彼は、あらゆる時代、あらゆる場所に張り巡らされた時空移動のネットワークを辿って、グゾンビュルがやって来た都市に到着する。住民たちの話によると、グゾンビュルは魔術師 Albéric(アルベリック)の城に向かったらしい。アルベリックの城へと歩を向けるヴァレリアンだが、日も落ち、その夜は森で一夜を明かさねばならなくなる。しかし、その森は魔法の森で、翌朝彼が目を覚ますと、彼は巨大な落ち葉に身をくるまれ身動きが取れなくなってしまう… と、そこへ1人の少女が現われる。Laureline(ロルリーヌ)と名乗るその少女は、森を熟知しており、ヴァレリアンの危機を救ってくれたばかりでなく、自ら案内役を買ってでる。こうして旅の伴侶を得たヴァレリアンは、意気揚々とアルベリックの城へと向かう。はたして2人は城に辿りつき、グゾンビュルを捕えることができるのだろうか? そして、この時代を訪れたグゾンビュルの真意とは何だったのか?

 ということで、「ヴァレリアン」第0巻、紹介してみました。ここまでで全体の半分位です。1967年に描かれたものということで、古めかしさはありますが、それなりに楽しく読むことができます。ところどころコマの読み順を示す矢印がついていたりするのが時代を感じさせますね。今回登場したロルリーヌ(BDの登場人物にしては意外と魅力的です)は事件解決後、2720年の世界に同行し、今後もヴァレリアンの伴侶として活躍するようです。絵的にもストーリー的にも、これから先どんな風に発展していくのか非常に楽しみです。

コメント(2)

 Christin(クリスタン)原作、Mézières(メジエール)作画「Valérian – agent spatio-temporel(時空警察官ヴァレリアン)」、第1巻『La Cité des Eaux Mouvantes(洪水の町)』(dargaut[ダルゴー]社、1998年刊)読了しました。例によって、椿屋コレクションのお世話になりました。椿屋さん、ありがとうございます! 僕が読んだのは1998年版ですが、オリジナルは1968年に出ています。ウィキペディア・フランス語版の解説によると、この巻が出た後、1969年に第3巻として『Terre en flammes(焦土)』という巻が出版されたようですが、後にこの第3巻は十数ページの削除を経て、第2巻に組み込まれたようです。この加筆がいつなのかはわかりませんが、現行の第2巻はそういう操作を経た後の作品みたいですね。さて、梗概は以下のとおり。

 グゾンビュルの事件も解決し、久しぶりの休暇を満喫しているヴァレリアン。前回の冒険でヴァレリアンと危険を共にしたロルリーヌも今では時空警察官の一員として働いており、今回の休暇には彼女も同行している。そこへ突然、時空管理局の長官から呼び出しがかかる。早速当局へ向かうと、あのグゾンビュルが脱走したらしい。今回彼が向かったのは1986年のニューヨーク。話を聞いたヴァレリアンは驚きを隠せない。1986年と言えば、地球の暗黒時代(笑)である。それは、極地に保管されていた水素爆弾の誤爆が原因で未曾有の大災害が地球を襲った時代だった… まずはヴァレリアンが1人で20世紀末のアメリカに向かうことになる。だが、着いた早々から彼は危険に見舞われてしまう。24世紀と20世紀の中継地となっている自由の女神のトーチを抜けると、大災害が引き起こした高波にさらわれてしまったのだ。溺れかけたヴァレリアンを救ってくれたのは、船に乗った数人の武装集団だった。彼らは大災害の混乱に乗じて掠奪行為を働いている海賊らしい。目を覚ましたヴァレリアンはなんとか彼らの拘束から脱出し、荒廃したニューヨークの調査にとりかかる。グゾンビュルの居所を捜し求める彼は、かつての国連図書館がロボットたちによって厳重に警備されているのを発見する。情勢の不利を悟り一旦引き下がるヴァレリアン。彼が再び海賊船に戻ると、そこにはロルリーヌが未来から駆けつけてきていた。2人は国連図書館を詳しく調べるために海賊たちの協力を仰ぐことにする。海賊の長 Sun Rae(ソン・レ?)を説き伏せると、一行はロボットたちによって厳重に守られた国連図書館に向かう… 

 ということで、第1巻、紹介してみました。やはり前巻同様、半分位までの紹介で、これからいろんなことが起こります。地球の終末の風景を扱った作品なわけですが、タイム・トラベルというテーマは措くとして、たしか手塚や石森にもこんな作品がありましたよね? 他にもきっとたくさんあるはずなので、日仏米を問わず時系列的に並べて比較してみると面白いかもしれません。現代の目から見ると衝撃度はそれほど高くありませんが、出版された当時はかなり感動的だったんじゃないでしょうか? 前作の『Les Mauvais Rêve(悪夢)』と比べると、物語的にだいぶ面白くなってる印象がありますし、絵的にもかなりよくなってる気がします。夕焼けの空をバックに人気のない高層ビルが屹立し、海鳥が上空を飛び回るコマがあって、これなんてちょっとかっこいいです。どのBDにも言えることかもしれませんが、大きなコマはいいですね。表紙もかなりかっこいいです。基本的に僕は廃墟ものに弱いので、たまりません… あと、嵐のあと陽が差し込むコマとか… まさしくピクチャレスク‐サブライムです! テーマの問題からか、前作にはそれほどメカは登場しなかったんですが、今回はメカのオン・パレードです。人間を小さくしちゃう装置とか(当然ながらロルリーヌちゃんが小さくされちゃうわけですな… すねるロルリーヌちゃんがかわいい。『南くんの恋人』状態です)、空飛ぶ円盤とか、人間を閉じ込めるシャボン玉みたいな装置(「la bulle-prison(牢獄風船)」と名づけられてます。リモコンで動く!)とか… 最後にタイトルにちょっと触れておくと、『La Cité des Eaux Mouvantes』と銘打ってる割に、全体に水だけで統一しているという感じではありません。これは上で述べたように、本来第3巻だった『Terre en flammes(焦土)』を混ぜ合わせたせいかもしれませんが… たしかに前半だけ考えれば、海とか嵐とか水のエレメントが多いかな… ただ、この「Eaux(水)」にはそういう単純に絵的な部分だけでなく、象徴的な意味合いもあったりします。というか、むしろこの象徴的な意味合いがメインなのかもしれません。物語は1986年の地球の壊滅的な打撃から始まるわけですが、作中の登場人物たち―海賊ソン・レと、上の紹介には挙げませんでしたが、Schroeder(シュレーダー?)博士―が中心になって、その荒廃の中からギャラクシティ建国への第一歩が刻まれるという終わり方をします。つまり「水」はここで、古い文化を浄化するものとして機能してるわけですね。そんなこんなで『洪水の町』と訳してみたわけですが、うーん、いかがなものか…
 Christin(クリスタン)原作、Mézières(メジエール)作画「Valérian – agent spatio-temporel(時空警察官ヴァレリアン)」、第2巻『L’Empire des Mille Palanètes(千惑星帝国)』(dargaut[ダルゴー]社、2000年刊)読了しました。例によって、椿屋コレクションのお世話になりました。椿屋さん、ありがとうございます! オリジナルはウィキペディアの仏語版の解説によれば1970年、本のクレジットによれば1971年に出ているようですね。第3作目は地球を離れ、宇宙が舞台になります。梗概は以下のとおり。

 地球から遠く離れた千惑星帝国、その中心で数多の惑星を束ねるのは Syrte-la-magnifique(大シルト)という名を持つ惑星である。ヴァレリアンとロルリーヌは、太陽系の人類がまだ足を踏み入れていないこの惑星の調査という密命を帯びて宇宙を旅している。探査機による調査とシルト語の記録を終えると、2人は旅行者を装って惑星シルトへと潜入する。手始めに市場へと赴く2人。彼らはそこで、地球の核爆発以前のものと思われる古めかしい懐中時計を発見する。時計を購入し、なおも散策を続けていると、市場の一画に人だかりが。どうやらシルトの高官の1人が住民たちの質問に答えるという定例会を行なっているところらしい。惑星シルト、ひいては千惑星帝国の実権を握っているのはこうした高官たちで、彼らは Connaisseurs(賢者たち?)と呼ばれていた。住人たちの質問に答えていた高官であったが、ロルリーヌが首から提げている時計に目をとめると、彼女を近くに呼び寄せ、それは何なのかと問いただす。彼女が時を刻むものだと答えると、一斉に哄笑わきあがる。どうやらシルトでは時計というものが知られていないらしい。一方で高官は気分を害した様子で、その場を退場してしまう。混乱を避け、宇宙船へと戻ろうとする2人。だが、水路を船で進んでいるところを得体の知れぬ一団によって捕えられてしまう。一団によって連れていかれた先は、惑星シルトの中心に聳える千惑星帝国の宮殿だった。そこで彼らを待ち受けていたのは、市場で彼らに話しかけた例の高官だった。2人が地球人であることを見抜いた彼は、地球人を罵り、復讐を宣告する。状況が飲み込めない2人は危うく牢獄に入れられそうになるが、辛くも逃げ出すことに成功する。シルトの実権を握る「賢者たち」とは何者なのか? かつて彼らと地球との間に何があったのか? 謎を解くべく、再び宮殿への侵入を試みる2人だが、警戒が厳しく満足に近づくことすらできない。とそこへ、Elmir(エルミール)と名乗るシルト人が近づき、彼らに協力を申し出る。宮殿への侵入を手助けする代わりに、賢者たちについて情報を提供してくれというのが彼の願いだった… ヴァレリアンたちの運命やいかに!?

 ということで第2巻紹介してみました。1作目、2作目に比べると、はるかに洗練されているような気がします。ストーリー自体、非常によくできているんじゃないでしょうか。惑星ものということもあるんでしょうか、なんか『スター・ウォーズ』に似てるなという印象を受けました。賢者たちに捕えられたヴァレリアンが変な機械で身動きを取れなくされてしまうシーンがあったりするし。影響関係とかあったりするんでしょうか? そもそも先行するSF文学、SF漫画とどう関わっているのかが気になります。「SF漫画の歴史」みたいな便利な本ってないんでしょうか(笑)?

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