ディアナ・メルコリーニさんが持ってきてくださったのは卒業制作で作った作品とのこと。ディアナさんはバンド・デシネ・コースに在籍していて、そこでは既刊の作品を生徒が描き直すという課題が与えられるそうです。いくつか選択肢があるそうですが、SFが好きなディアナさんは Giovanni Gualdoni(ジョヴァンニ・グァルドーニ)シナリオ、Matteo Piana(マッテオ・ピアナ)作画の L’Anneau des 7 mondes, Les Humanoïdes Associés, 2003~(『7つの世界の指輪』レ・ユマノイド・アソシエ刊、2003年〜)を選んだとのこと。作品は19世紀末的なテイスト溢れる冒険譚です。ディアナさんのファイルは、同じ作品の、鉛筆描きとペン入れをしたもの、着色をしたものの3ヴァージョンとキャラクター設定を収めていたのですが、これは、将来、バンド・デシネの仕事をする場合、ペン入れやカラーリングなど、一つの作品の様々な段階に関わる可能性があり(自分で全部行う場合も、ある一部分だけ分担する場合もあります)、それぞれに対する適性を示すためということでした。非常に細密な絵でしたが、自分一人で作成し、すべて手作業で行っているそうです。