もともと不定詞(動詞の原形)というのは、動詞を名詞化する用法でした。だからこそ「to(〜へ向かって)」との組み合わせで「to do」という形式が生まれたわけです。その後歴史的な変遷があり、動詞の原形そのものを名詞と感じなくなり、to do の形で名詞として、さらに形容詞や副詞としても機能するようになりました。
そういう大元の由来を踏まえると納得できることなのですが、「to do」がもともと持っている「〜することに向かって」の意味がそれなりに残っているため、to do を目的語とするパターンでは「これから何かをしようとすること」や「これからある状態になっていくこと」に対して用いられる傾向が強いといえます。
さて先にちょっとだけ不定詞の歴史的背景について触れておきます。
本来「動詞の原形」というのは「動詞を名詞扱い」するための手段の1つでした。だからこそ「to 原形」というふうに前置詞toと組み合わせて用いることができ、それによって「ある行為へ向かっていく」意味を表したものです。
そのニュアンスは現代英語でも随所に残っており、
I remember to post the letter.(これから手紙を出すことを覚えている)
I remember posting the letter.(すでに手紙を出したことを覚えている)
などの用法の区別をもたらしています。