オナモミ日記全集コミュの千夜一夜物語　～１話で教訓が得られる話～

教訓めいたお話は好きじゃないので１話で教訓になる話です。

まあ、普通の犬がいたんです。

普通っていうと　どれくらい普通なのか。

鼻が黒くて　たまに食ったもの吐いて　たまにいつもと違うところに小便して
１０人に３人くらいにかわいいといわれる程度の犬のことです。

で、その犬がご主人から　肉をもらいまして

池のそばで　食べていたのです。

水面にうつる　自分の姿を見て犬は　イソップの例の犬のように、

「あ・・・肉がもうひとつある。奪ってやろう。」とは思いませんでした。

「ふーん。」としか思いませんでした。

次の日、

犬の飼い主は犬と一緒に　蒔を集めに　池の近くの林にいきました。

たくさん蒔を集めて　池のそばで　休憩していると

飼い主はいいました。

「この池に　斧おとしたら・・・女神がでてくるかも。金の斧もらえるかも。」と。

犬は言いました。

「飼い主さん、おやめなさい。」

飼い主はいいました。

「なんで？」

犬はいいました。

「女神が　かならずでてくるとは限りませんよ。それにあなたはいつだって運が悪いのだし。」

「じゃあ　コインくらいおとしてみようか。ローマの池のように。」

「それもやめなさい。帰りにジュースくらいかえるじゃないですか。」

飼い主はそれもそうだ、と思い、自粛しました。

すると　水面からザバアッと池の女神がでてきていいました。

　「犬よ。お前はなんてつまらない犬だ。水面にうつる肉も欲しがらず、主人に斧も、コインだって落とさせない。」

犬はいいました。

「普通の犬なんてね、だいたいこんなもんですよ、物語より生活が大事なんです。」

池の女神は　その答えを聞いて　

「なるほどー。」と語尾をのばしていいました。

すると　馬鹿な主人は　池の女神に　「ホレた。キスして。やらせて。」ととびつきました。

女神は丁重に断り、主人をひきずりこんで　金の銅像にしました。

そして「ハァ？身の程をしれよカスが。くせぇんですけど。」と静かにいったそうです。

金の銅像になった主人を犬は　街で換金し、

その金で　肉をたらふく食ったり、

株を売買したり、たまに株が焦げ付いたりもしましたが

最終的に巨万の富を得ました。

成功の秘訣は？と後に　TIME誌で聞かれると

「よく　わかりませんが。馬鹿な主人のおかげです。」と答えました。

主人が　馬鹿なことをしなければ　金の銅像になりませんでしたし

犬も金持ちになるなんてなかったでしょうから。

たしかにそのとおりだと僕も思います。

やはり　冒険心は大事です。でも冷静な目も大事です。

まあ、その犬もうまいものを食べ過ぎて　成人病で死にましたので

なんともいえません。健康も大事です。

池の女神？

なんだかんだいって　適齢期をすぎて独身です。

多分　お見合いで　無難な人と結婚するんじゃないでしょうか。

女神だからってあんまり、高望みもいけないと思うんです。

で、こういう物語で何かを得ようと思う人もいけないと思うんです。

大抵　何も得られないので　好きな人とかに電話したりしてあげてください。

そのほうが幾分かマシかもしれません。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 05月31日 01:15

イソップの犬の話、懐かしいなぁ。
子どものころよく絵本で読みました。

けどその話、友人に話しても、

ああ例のやつね、知ってるよ

ってやついなかったのが、ちとショックだったなぁ。
あまり知られていないみたいで、
アリとキリギリスとかは皆知ってるんですけどねぇ。
イソップといえば、猫２匹が肉を取り合ってるのを、狐が仲裁に入るって話も、
なぜかよく覚えてます。別に好きな話ってわけじゃなかったんですけど。

教訓を求めちゃいけないってスタンス、なんとなくわかります。
話ってのは、皆が同じような教訓を得るんじゃなくて、それぞれ違った感想をもつものだし、まぁ別にもたなくてもいい。そこは強要しない。

でも、いい話ってのは、昼下がりの日本海のような風景と同じように、キラキラと、人の心に残り続けるってことですよね、きっと。

そんなことを考えてしまってる俺は、すでに教訓を得てしまったのかもしれませんが(笑)

なんか長々と、長文失礼しました。

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