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とにかく泣ける話。コミュの涙の披露宴(手料理3実話、続編になるのかな?)長文

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幼い頃から調理師になりたかった俺は『食』へ繋がる勉強がしたくて
『専門知識を勉強できるから』と農業系の高校へ通っていた…

農業といっても俺が通っていたクラスは畜産や園芸とは違い食品を化学的に分析したりする事を習う科だった…

その為『農家の息子』とか『○○牧場の息子』がいるわけではなく
『他の学校には合格ムリ(泣)とにかく高校ぐらいは卒業しなきゃ』的な所謂落ちこぼれ君やヤンキー達の集まりだった…

それなりに頭が良かった俺は高校受験の時
散々親や教師から『別の高校への受験』を推められたが将来の夢の為に我を貫いて進学した学校だった…

そんな学校だったからこんな俺でも成績は学年トップ…

ガキの頃からラグビーばっかりやってた筋肉マンの兄貴と毎日のように喧嘩していた為
ヤンキーに絡まれても返り討ちにしていた…


高校2年の時
俺は進路に迷っていた…

将来は調理師になって小さくても自分の店を持ちたい…
その夢に変わりはなかった…
本来なら卒業後は調理師専門学校へ通い調理師としての勉強がしたかった…
しかし裕福ではない家庭事情…俺を大学へ行かせる為に自身の大学進学を諦めて就職した兄貴…

その兄貴の想いに応えたいと思う自分もいた…


俺『どうするかなぁ…』
部屋でボーっとしながら悩んでいると玄関のインターホンがなった…

新聞の勧誘か何かだと思いインターホンに出る

俺『はい…』
M『俺…Mだけど…』

クラスメイトのMだった…
Mは金髪リーゼントに鬼ゾリのどヤンキー
入学してすぐ俺に因縁を吹っ掛けてきて大喧嘩した奴だ…
それからも事あるごとに何かと絡んでくるハッキリ言って嫌いな奴だった…

俺『はぁ?M?何の用や?』
M『実は…頼みがあって…』

俺『はぁ?頼み?散々粉かけて来たお前が?俺がお前の頼みを聞くとでも思ってんの?…帰れや気分悪い(怒)』

インターホンを切ろうとした…

M『ま…待ってくれ…今までの事は謝る…すまんかった…この通り…話だけでも…話だけでも聞いてくれ…』

切羽つまった感じのMに押され
俺『…話…聞くだけやぞ…』

と玄関を開けた…

俺『お前…何やその頭(笑)』

Mは金髪リーゼントをバッサリと切り坊主頭になっていた…

M『似合わんか?』
俺『似合うも似合わんも(笑)…ハゲやん(笑)』
M『さっき自分で切ってきた…これは決意や…』
俺『はぁ?決意?』
M『とにかく…これ見てくれ…』

Mは一本のビデオテープを持っていた…

部屋にMを招き入れビデオテープを再生する…

そこには病室と思われるベットに寝たままでビデオに語りかける男性が映されていた…



男『M…結婚おめでとう…父さんもお前の晴れ姿を見たかった…』

Mの親父さんだった…

男『だけど父さん…もう頑張れそうにありません…お前は強い子だから父さんが居なくなった後、しっかり母さんを支えてくれていると思います…』

Mの親父さんはげっそりと痩せ細り時折苦しそうな表情で語りかけていた…

男『お嫁さん…Mを見初めてくれてありがとう…君達の…君達の未来が…明るく楽しい家庭である事を天国から祈っています…』

親父さんの眼から涙がこぼれ落ちた…

男『M…父さんが居なくなって寂しい思いをさせてすまん…進学や就職で悩んだ時…相談にのってやれずにすまん…お前たちの子供を抱いてやれずにすまん…父さんも…寂しい…できる事なら…お前の大学進学を一緒に祝ってやりたかった…お前の就職を一緒に祝ってやりたかった…お前と酒を酌み交わしたかった…お前たちの子供を抱き締めてやりたかった…』

親父さんは咽びながら語り続けた…

男『ご来場の皆さん…本日は若い二人のためお集まりいただき…』

Mはそこでビデオをとめた…
下をむき泣いていた…
いつもの威圧的なMはそこには居なかった…

M『親父…親父は俺が中一の時に病気で死んだ…』
俺『そうか…』

M『俺…寂しくて…どうして良いか解らんくて…勉強もせんでフラフラして…気付いたらお袋や親父を哀しませる事ばっかりしよって…』
俺『そうか…』

M『今日…遊ぶ金ほしくてお袋の部屋探してたらビデオ見つけて…金見つからんからビデオ見て暇潰ししようと思ったらこのビデオやった…』
俺『そうか…』

M『涙がとまらんくて…俺何やってたんだろって…』
俺『そうか…』

M『頼む…親父の期待に応えたいんだ…大学行く為にどうしたら良いか教えてくれ…』
Mは涙を流しながら俺に土下座した…
俺『頼みってのはそれか…』

M『俺…馬鹿だし親父が死んでからマトモに勉強してない…行ける大学がないかも解らん…お前なら頭良いから進学の事とか知ってると思って…恥をしのんで頭を下げにきた…俺が行ける大学ってあるかな?…』

俺『バカヤロー(怒)行ける大学があるか?だと(怒)そんな気持ちで進学が出来るか(怒)…』

無性に腹がたち叫んだ…

俺『絶対に行くんだろ?…行きたいんだろ大学に?今のままじゃムリだ…俺が教えてやるよ…勉強…』
M『お前…すまん…ありがとう…』

Mは泣きながら何度も何度も頭を下げた…

その日から二人で受験の為に勉強した…

Mの変貌を笑う奴らも居たがそんな奴らを尻目にひたすら勉強した…


俺『違うって…何度教えりゃ解るんだよ…』
M『そんな事言われても解んね〜もんは解んね〜よ…』

俺『覚えようって気がねぇ〜だけだろうが(怒)』
M『んな事ねぇ〜わ(怒)頭良い奴って頭悪い奴の気持ち解んねぇ〜のな(怒)』

こんなやり取りの日々が続き高3になった…


進路を決めないといけなかった…

中学高校とマトモに勉強してきてなかったMが大学に進学するだけでも大変なのだが
Mの家は母子家庭…親父さんの遺産があるとはいえ私立大学に進学する余裕はなかった…

公立大一本に絞った…

M『俺が公立大とかマジで大丈夫かな?…イヤ…そりゃ絶対合格したいけどさ…』
俺『まぁ〜だそんな事を言ってんのか?(怒)』

M『イヤ(汗)だから必死で勉強するけどさ…マジ…不安しかねぇ〜よ…』
俺『…よしわかった…俺は国立大一本で行く!調理師学校は受験しない!俺のが難しいんだぞ!俺も受かるからお前も必ず受かれ!』

M『お前…調理師学校はお前の夢だろ?…そこまで俺に付き合わなくて良いよ…それに俺達の学校のレベルで国立大って…』
俺『だから言ってんだろうが(怒)俺は必ず受かるからお前も絶対受かれ!調理師学校なんざいつでも行けるわぃ(怒)』

俺は賭けをした…
Mを公立大に進学させれたら俺も大学に進学すると…
調理師の道へ遠回りになっても兄貴の気持ちに応えようと決めた…
何より頑張るMを応援したかった…


必死に勉強したかいあって何とかMの学力もあがってきた…
しかしMも俺も志望校にはギリギリだった…


合格発表の日…
朝から小雨が降っていた…
Mとお互いの発表を確認してから会う約束をして俺は自分の志望校へむかった…

自分の受験番号(10270)を見ながら合格者番号を確認する…

10266…
10268…
10269…

10270…合格していた…

ホッとして家路についた…無性にMが心配になった…

家に着くと家の前にMが居た…

Mは俺を見つけると猛ダッシュで駆け寄ってきた…

M『俺…俺…』
Mはその場に泣き崩れた…

俺『駄目だったんか?…』
M『俺…合格してた…』
俺『マジか!』
M『あ…ありがとう…ホントにありがとう…』
俺『やったなぁ!おめでとう!』
M『…お前…お前どうやった?』
俺『俺は絶対受かるって言ったろう?』
M『うぉぉぉ〜おめでとう!おめでとう!』
雨の中二人抱き合って泣いた…








俺『M…Kさん…結婚おめでとう…Mとは…高校の入学式ではじめて会って…コイツどヤンキーで…』


今日はMの結婚式…
俺はスピーチを頼まれ嫌々ながら引き受けた…

何で嫌かって?
だってどんなスピーチもこの後の新郎父の挨拶にはかなわないのだから…


俺『ある日突然…坊主頭にしたMが一本のビデオテープを持って家を訪ねてきました…』

場内にビデオテープが流された…

会場は静まりかえりあちこちで涙をすする音だけが響いた…


親父さん『ご来場の皆さん…本日は若い二人のためお集まりいただきありがとうございます…まだまだ若輩者の二人…道を踏み外す事もあると思います…どうか…どうかその時は私の分まで…ご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします…』







あれから5年…
女の子『おじちゃ〜ん♪』
俺『お!遊びに来たかぁ♪』
M『久しぶり♪』
俺『おぅ♪』


親父さん…
見てますか?
貴方の息子は頑張って父親やってますよ…

コメント(9)

軽さんの人生を1冊の本にして出版してほしぃですウッシッシ
> ズッコ・バコーンさん

コメントありがとうございますm(__)m
> withさん
コメントありがとうございますm(__)m

そんな大した人生ではありませんよ(笑)
突然の死というのは、それがどんな亡くなり方であろうと受けとめる側には辛さもあるけれど、生きているからこそ強くあらねばと思わされますね。


お二人の奮闘に拍手です。
そしてその頑張りに負けたくないですね。
バイオ科?
私が入学当初に出来た科かな…と思って読んでいました。
主と同じ年で、似たような学校出身です。

ヤンキー苦手だったけれど、もしかしたらこういう友情もあったのかな…と一歩大人の考えにさせてくれた話しでした。
>>[005]

コメントありがとうございますm(__)m


ホントそうですね
幸い俺の両親はまだ健在ですが親だけではなく人の生命は儚いものと思います…


残された人が精一杯生きるのも一つの供養になるとも考えてます
>>[006]

コメントありがとうございますm(__)m

バイオ科と言う名前ではなかったですが
応用微生物学も必修科目でしたので近いと思いますよ♪

Mと今では親友ですが
あの時、彼が尋ねて来なければ俺も一生解り合えないままだったと思います…

大人になった今だからこそ言えるのかも知れませんが
人との出会いは一期一会…関わりを大切にしなければと思います…

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