とにかく泣ける話。コミュのありがとう、幸せです。

自分の話になるのですが・・・。

私が７歳の時です。
目が覚めたら病院のベッドの上でした。みんなが私を見て泣いていて、当の私は、何がどうなっているのかまったくわかりませんでした。
その後、お母さんの運転していた車で事故に遭い、私は３日間、意識不明だったことを知りました。１つ年下の妹も一緒に乗っており、大けがをしていたので一緒に１カ月入院していました。「お母さんは？」と聞くと、「別の病院に運ばれたよ。」と言われたので、私は、母は事故現場から近い別の病院に入院しているのだと思っていました。

無事に退院し、家に帰って目にしたもの―。それは、母の仏壇でした。生きていると信じていた私は泣き崩れ、隣にいた妹も一緒に泣きました。
それ以来、父と、祖母が育ててくれました。私には２つ上の兄もいます。
実家はとんでもないド田舎で、父は朝早くから山に行き、昼間は土木の仕事に出かけ、帰ってきたらまた山に行って働いていました。私たちは家のことを祖母にすべてさせるわけにはいかないので、手伝いを頑張っていました。
幼かった私と妹は、ニュースやドラマを見ていて、「お父さんは焼酎を飲むから、いつか豹変して暴力をふるったりするんじゃないか」とか、「もしお父さんが再婚したら継母にいじめられるかもしれん」と思ったりして、いつも、「おとう絶対再婚とかせんでね。」と泣きながら頼んでいました。私たちが言うことを聞かなかった時には、「施設に入れようかねぇ」と言われ、泣きながら「ごめんなさい」と謝ったこともあります。

実家のある村は、交通の便も悪く、父の車でないと遠くへ行けません。だから父は、仕事へ出て稼がないといけないのに、子ども３人の学校関係のことや持病のある祖母の通院などで、仕事に行けないことも多くありました。その苦労は相当なものだったと思います。
村には高校がなく、中学を卒業すると高校進学のために寮に入らなければいけませんでした。妹が中学を卒業すると、家には父と祖母だけになりました。子どもがいるうちはまだ良いけれど、祖母はいつも父を心配しすぎてて口やかましく、父はいつも祖母に反抗的で怒っており、祖母は「死んだほうがまし」が口癖になり、とても心配でした。そのうちに祖母は、老人ホームと病院の繰り返しの状態になり、前みたいに元気よく山を歩き回ることもできなくなりました。すると、実家も父一人です。コンビニも近くにないし、めんどくさがってご飯を作らない、そのうえ焼酎ばっかり飲んでいる…。父の食生活と体が、とても心配でたまりませんでした。学校も忙しく、遠いため、なかなか帰省することもできなかったのですが、久しぶりに会うたびに、父が小さくなっているような気がして、苦しかったです。
私は今、大学４年生、２２歳です。お母さんが亡くなってから、お母さんと過ごした日々の倍の時間、15年が過ぎました。大学を卒業したら絶対地元に帰って、ばぁちゃんやお父さんに恩返ししていこう、そう思っていた矢先、ばぁちゃんが亡くなってしまいました。夜中にかかってきた電話で「あや、ばぁちゃん、やっぱりだめじゃったわ。」と、父の元気のない声が聞こえて、涙が止まりませんでした。

私は、「お母さんがいないのによくそんなにまっすぐ育ったね」「えらいね」と言われるのが嫌いです。母がいなくてもちろん何度も寂しくなったし、つらいこともあったけど、不幸だと思ったことは一度もありません。父と祖母が一生懸命育ててくれたことを、誇りに思うからです。学校に行きたくないと思ったことも何度もありました。だけど、父や祖母に悲しい思いをさせたくない、その思いが、私を前に進ませてくれました。経済的にも絶対に苦しかったはずです。子どもは３人もいて祖母の世話もあって仕事にも行けない・・・。だけど父は、私たちが進む道を絶対に否定したことなんてないし、いつもいつも私たち優先です。

「あやのが大学出たならお父はもういつ死んでもええわ。」と、父が言いました。私は泣きそうになりました。今まで苦労させた分、今度は私が苦労して父に楽をさせてやりたいなと思います。
私が小さい時は父と一緒に寝ていました。「おとうは、あやのと寝るときが一番幸せだ」この言葉が、今もずーっと頭に残っています。

「幸せ」というのは、人によって違う。私は私の家族の中で育てたことを幸せに思います。産んでくれた母に感謝し、育ててくれた祖母と父に感謝したい。

私の夢は、自分がお母さんとできなかったことを、自分の娘と一緒にやることです。父と祖母の話もしてあげたいなと思います。


長くなりましたが、読んでくださってありがとうございました。