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ハヤカワ・ポケット・ブックSFコミュの3101〜3150

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3101 思考の網 ヘルベルト・フランケ 松谷健二訳
3102 再生の時 C・D・シマック 宇野輝雄訳
3103 宇宙の孤児 R・A・ハインライン 矢野徹訳
3104 地球の脅威 R・A・ハインライン 福島正実・他訳
3105 竜座の暗黒星 <現代ソビエトSF短編集?> ストルガツキー兄弟 西本昭治・編訳
3106 恋人たち P・J・ファーマー 伊藤典夫訳
3107 太陽系七つの秘宝 <キャプテン・フューチャー・シリーズ> エドモンド・ハミルトン 野田昌宏訳
3108 宇宙のスカイラーク <スカイラーク・シリーズ> エドワード・E・スミス 川口正吉訳
3109 火星で最後の…… 豊田有恒
3110 地球巡礼 ロバート・シェクリイ 宇野利泰訳

3111 都市と星 アーサー・C・クラーク 真木進訳
3112 さなぎ ジョン・ウィンダム 峯岸久訳
3113 タイム・パトロール ポール・アンダースン 深町真理子訳
3114 東京二〇六五 生島治郎 
3115 時間と空間の冒険No.1 R・J・ヒーリイ、J・F・マッコーマス編
3116 天翔る十字軍 ポール・アンダースン 豊田有恒訳
3117 ある生き物の記録 <ショート・ショート集> 小松左京
3118 謎の宇宙船強奪団 <キャプテン・フューチャー・シリーズ> エドモンド・ハミルトン 野田昌宏訳
3119 宇宙市民 ロバート・シェクリイ 南山宏・他訳
3120 地底世界ペルシダー <ペルシダー・シリーズ> E・R・バロウズ 佐藤高子訳

3121 海竜めざめる ジョン・ウィンダム 星新一訳
3122 宇宙零年 ジェイムズ・ブリッシュ 浅倉久志訳
3123 ラルフ一二四C 四一+ H・ガーンズバック 川村哲郎訳
3124 SFの夜 福島正実
3125 スカイラーク3 <スカイラーク・シリーズ> エドワード・E・スミス 川口正吉訳
3126 中継ステーション クリフォード・D・シマック 船戸牧子訳
3127 発狂した宇宙 フレドリック・ブラウン 稲葉明雄訳
3128 宇宙の小石 アイザック・アシモフ 三樹青生訳
3129 火星のタイム・スリップ フィリップ・K・ディック 小尾芙佐訳
3130 よろこびの機械 レイ・ブラッドベリ 吉田誠一訳

3131 モンスター <ドック・サヴェッジ・シリーズ> ケネス・ロブスン 宇野輝雄訳
3132 時のロスト・ワールド <キャプテン・フューチャー・シリーズ> エドモンド・ハミルトン 野田昌宏訳
3133 危機のペルシダー <ペルシダー・シリーズ> E・R・バロウズ 佐藤高子訳
3135 虎は目覚める 平井和正
3136 宇宙の戦士 R・A・ハインライン 矢野徹訳
3137 象牙の城 ヘルベルト・W・フランケ 松谷健二訳
3138 自由未来 R・A・ハインライン 浅倉久志訳
3139 地球の長い午後 B・W・オールディス 伊藤典夫訳
3140 宇宙播種計画 ジェイムズ・ブリッシュ 川村哲郎訳

3141 秘密国家ICE フレッド・ホイル 伊藤哲訳
3142 永遠の終り アイザック・アシモフ 深町真理子訳
3143 時の歩廊 ポール・アンダースン 浅倉久志訳
3144 ミクロ潜航作戦 (映画化名 ミクロの決死圏) アイザック・アシモフ 高橋泰邦訳
3145 ベトナム観光公社 筒井康隆
3146 標的ナンバー10 ロバート・シェクリイ 小倉多加志訳
3147 悪魔のいる天国 星新一
3148 大いなる惑星 ジャック・ヴァンス 浅倉久志訳
3149 多元宇宙の家 サム・マーウィン・ジュニア 川村哲郎訳
3150 生きている穴 小松左京

コメント(3)

3102 再生の時 C・D・シマック 

銀河系宇宙調査局員アッシャー・サットンは、二十年前に派遣された白鳥座61番星から奇跡的に帰還した。だが彼の乗っていた宇宙船はぼろぼろに破損しており、サットンが生きて戻ってこれるはずはなかった。サットンは異常に強い肉体を持ち、またテレパシー能力も身につけていたのだ。
彼の住む八十世紀の地球では、大量のアンドロイドが人間の従僕として働いていた。アンドロイドは生殖ができないという一点においてのみ、人間と異なっていた。
サットンには、人類の未来を左右する重要な使命があった。タイムマシンで未来から訪れサットンに接近した工作員によると、サットンはある著書を書きあげることになっており、それが全人類の行く末を決定付けるというのだ。それは究極的には人類が宇宙を支配するのか、アンドロイドが人類に代わって覇権を握るのかの分岐点になる。
時間旅行をするなど運命に翻弄されつつ、自分の取るべき行動は何かと自問を続けるサットン。自分は人類の味方か、あるいはアンドロイドの味方なのか。

難解な小説。何度もどんでん返しがあるが、主人公がその時々でどういう状況に置かれているのか、なかなか把握しづらいという難点を感じる。
3101 思考の網 ヘルベルト・フランケ

512隻からなるその宇宙船団は、ある惑星で未知の知性体を発見した。五個の壜に収められたその物体は、何かの生物の脳の標本だった。人類学者たちはさっそく壜のひとつを宇宙船に持ち帰り、脳の再生実験を始めた。電子中枢を使用したその実験で、脳との意思疎通に成功したが、呼びかけに対する脳の返答は挑戦的なものだった。突如船内のロボットが勝手に動き出し、実験者たちの自由を奪ってしまった。脳が電子中枢を介してその宇宙船を支配したのだ。脳は「即刻この宇宙船から立ち去れ」と全乗組員に命令を下す。乗組員が全員退去すると、船は宇宙のかなたに飛び去っていった。

ここからエリックという青年の物語が始まる。彼は未知の惑星を仲間とともに探査していたが、危険な生物からの攻撃にあったため緊急避難し、やむをえず上官からの命令に背いて決められたコースから離脱し、逃亡する。その途上で知り合った女性と恋に落ちたり、仲間を見殺しにするなどしながら逃避行は続く……。

しかしこれは催眠状態のエリックが見せられていた幻影に過ぎなかった。彼は精神的奇形児と社会から疑われ、医師たちによって心理テストを受けていたのだった。幻影の中でエリックが取った行動を医師らは分析し、彼が社会的不適応者でありロボトミーを受けるべきだとの結論を下す。しかし医師団の一人であったジャネットは、ふだんから管理社会への不満を鬱積させており、エリックに好意を持ったことから、彼を連れ去って南極への逃亡を企てる。しかし彼女の計画は早々に露見し、やむなく下水道から地下世界に潜り込み、エリックとともに困難なサバイバル生活を始める……。

読んでいると、はじめの脳の標本の物語はどこに行ったのか皆目わからず不安になるが、最後にはその伏線がみごとに生かされ、心地よい読後感が残る。
3112 さなぎ ジョン・ウィンダム

 「トリフィドの日」で知られるウィンダムの作品。
 原水爆戦争で文明が壊滅的被害を受け、そのご長い年月がたった時代の人類の物語。舞台は北米のどこかで、人々は科学を失い原始的な農耕生活を送っていた。自動車も飛行機もなく、「むかしの人間」がそうしたものを持っていたという断片的な記憶がかろうじて言い伝えられていた。
 主人公の住む地域は、そうした中でも比較的快適な、文明化された地域だった。しかし、そこでは核戦争以後ひんぱんに見られるようになった動植物の奇形、「偏奇」を忌み嫌う傾向が極端に強かった。彼らは「人間の定義」として語り伝えられる「手が二本、足が二本、手足の先にはそれぞれ五本ずつ指があり……」という文言を非常に重んじ、それと少しでも異なる部分のある新生児は、生まれてすぐに殺されるのだった。彼らにしてみれば、「偏奇」は悪魔の人間世界への介入なのである。
 主人公は、テレパシーを持った少年だった。他にもその能力を持った少年少女が数名おり、たえずテレパシーによる交信を行っていたが、それが他人に明るみになればミュータントとみなされる危険が常にあった。テレパシー能力を持つ子供たちは、やがて大人たちに正体を見破られ、「偏奇」な動植物で満ちあふれた辺境の地「フリンジ」に逃亡を図る。そんなとき、少年たちははるかかなたのニュージーランドからテレパシーを受信する。そこでは皆がテレパシー能力を持ち、自由で豊かな生活を送っているというのだ。
 追いすがる大人たちに捕まる寸前で、そのニュージーランドから見たこともない飛行物体が飛来し、摩訶不思議な武器を駆使して少年たちを救う。
 
 人間はテレパシーのように心を通じ合わせなければ、どんな精巧な文明を築こうとも争いや殺し合いを免れぬ存在である、というニュージーランド人のメッセージは普遍的な意味を持つものだろう。文明的に退化した結果、動植物の「あるべき姿」に極端にこだわるようになった人々の姿はリアルで恐ろしい。

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