■言葉は感情(Langage is alive) ----------------------------------- 言葉は感情が宿る生き物です。文化的背景や使うシチュエーション、イントネーションなどによって意味やそのニュアンスが変わります(例:reallyという言葉一つ取ってもイントネーションによってhappyに聞こえたり怪訝そうに聞こえたりします)。言語はコミュニケーションのための道具なのですから、ただ機械的に覚えるだけの学習、理屈だけを身につけることはナンセンスなのです。我々はネイティブではありません。従って間接的に理屈で英語を理解していくことは英語学習の助けになります。しかし最終的には、その単語や表現の裏に隠されたニュアンスを知り、そこにどんな感情が伴っているかを知っていくことはとても重要なことなのです。
■言語習得には時間を要する ----------------------------------- 英語は数週間・数ヶ月で身につくものではありません。巷に出回る短期習得の教材に騙されないでください(私は過去ずっと騙されてきました)。私も含めて人は、なんとかして楽して身につけられないだろうかと考えますが、総合学習である言語習得に限ってそのような方法はありません。地道にやること以外に方法はないと思います。短期で身につけられないことは、自分が日本語をいかにして覚えてきたかを振り返るとよくわかると思います。小さい頃から親や友達と触れ合う中で、また色々な本やテレビなどから少しずつ吸収してきた結果、日本語を不自由なく使えるレベルまできたのですよね。数ヶ月で身につくわけがありません。There is no royal road to learning. (コメント)楽して身につけられない、短期間に身につけられないと知った時、果てしなく長い(と感じる)英語学習に絶望し諦めてしまう人も少なくないのではと思います。単に努力しないで夢ばかり見ていた人は仕方ないとしても、英語学習が単に'勉強'という捉え方ではなく、楽しむためのツールとして日々活用できている人ならこつこつと続けていけるはずだと私自身は思っています。 (コメント)遠い将来には我々はアンドロイドの機械になり、記憶力はもちろん抜群で、さらに習得したい言語用のチップを埋込むだけで話せるようになる日がくるかもしれませんね。
■継続する(keep it going) ----------------------------------- 多くの人が「英語の学習は継続してください。毎日やることが大事ですよ」と言います。しかしなぜ継続が大事なのでしょうか?これも自分の日本語を見つめてみるとよくわかります。例えばパソコンが普及した現代では、普段キーボードで打っている漢字をいざ自分の手で書こうと思っても書けないことはよくありませんか?普段書いていない(使っていない)からに他なりません。同様に友達の少ない人、普段会話をする機会や活字を読む機会の少ない人は、本人の気づかないうちに日本語が出てこなかったりどもったりするようになります(数年間海外に在住していた大学教授がそうでした)。日本語ネイティブである我々日本人でも、印象に残っている言葉やよく使う表現以外は思い出せなかったり、忘れてしまうものです。つまり、英語も同じで、使わなかったら忘れてしまうのです。何百回も聴いたり印象に残っているフレーズこそ本当に身についたんだと言えるのでしょう。そういう意味では、毎日英語に触れるクセをつける、継続することは必要なことだと思います。It's dogged as does it.
楽しくやるアプローチとしては2つあると思います。 ☆英語を通して楽しい体験をする ほとんどの人にとって'英語ができること'が最終目標ではないはずです。興味ある分野の本/記事・映画/ドラマを楽しんだり、人と話したいから学習しているはずです。言葉はコミュニケーションのための道具です。使ってナンボなのです。使いたいから学習するのです。 易しい本でも感動する時があります(You can be moved by easy books.)。楽しい経験は思い出になります。いつしか"今、英語でこの本を読んでるんだな"という事実よりも本の内容の方に意識がいっている自分に気がつくでしょう。またそういった本の副産物として、物語やそのキャラクターとフレーズが結びつくので、「この表現はこんな場面で使われるのか、面白いなぁ」「○○ってヤツの得意な台詞だよなwこれ」などと、そのフレーズ自体にリアリティーが生まれます。単なる学習書に例文として載っているフレーズとは訳が違います。 ネイティブと話す時、簡単な一言でも伝わると嬉しくなります。1つでも伝わると「次はこんな事を言ってみようかな」と意欲がわきますし、仲良くなるにつれていろんな事をしゃべりたくなります。だんだんに複雑な文章で言いたくなります。私は事前に言いたいことなんかをまとめておいて会話していますよ。
何か1つでもいい、小さな事、簡単なことでいいから英語を通して体験し思い出ができると、英語も日本語も関係無くなってきて(これはバイリンガルと同じ境地だと思います)、不思議と英語から離れることがなくなります。私の場合は、英語で書かれたグリム童話を読んでいた時、あるワガママな妻に対して大変な憤りを感じ、お話の結末に「やっぱりこういう強欲な人間の末路はこうなるんだよな・・」と一人物思いに耽っている自分がいました。英語の文章を読んで感情が沸き上がったのはそれが初めてで、そのことにびっくりし、その時以来、私は英語も日本語も同じだな、まだ少しばかり英語の方は不自由だけど、何かをする時にどちらの言語から入っても同じなんだなと思えるようになったのです。 (コメント)憤りを覚えた本はコチラ↓ 「グリム傑作童話集」The Fisherman and His Wife(漁師とおかみさん) http://mixi.jp/view_community_item.pl?comm_id=4111232&item_id=676236
■人と比べすぎない ----------------------------------- 英語は人と競争するものでも誰に裁かれるものでもありません。受験英語の影響で、英語 = TOEICととらえる人がいます。TOEICは一つの英語学習の励みになる点については私も賛成です。同じくらいのレベルの友達とTOEICなどのテストの点数を競い合うのはモチベーションの維持にはいいと思います。ただ、あまりTOEICの点数に一喜一憂し過ぎるのは問題だと思っています。 また、自分よりも英語ができる人を前にして、自分の事を恥じたり焦ったりする必要もありません。人は人です。自分より少しだけ先に進んでいるだけのことです。そういう時は、「いいなぁ、よしいつかあの人みたいになってやるぞ!」と前向きに考え、自分のペースで気楽にマイペースに、しかし確実にやっていくのみです(力みすぎは失速します)。Take it easy! Do it at your own pace.
■間違ったっていい ----------------------------------- 日本人は間違えたり分からない所を聞き返すのが恥だ、かっこ悪いと思っている人が多いと聞きます。だから実際に会話したりチャットしたりする場面で控えめになってしまうそうです。でもこれはとても損なことです。私の場合は、とうの昔に恥ずかしさは捨てました。いつも、'間違ったってどうってことはない'、'ブロークンがなんだ!'という気持ちでいます(もちろん向上意欲は持っています)。数々の私の創作英語が、ネイティブを混乱させ、何度となく話のこしを折りましたが、今では笑い話です。逆に恥をかくから、それがきっかけとなって次は失敗しないように正しい表現を知ることになるのです。ネイティブの子供も間違いながら言語を覚えていくのです。こういう事をいうと、子供だから許されるんだよという声が聞こえてきそうです。大人になると、ヘンなプライドが邪魔をしてしまうのですが、どの世界のプロでもみんな初めは初心者だった頃があるのです。自分の体裁ばかり気にしてせっかくのチャンスを無駄にするのはもったいないです。英語のできる人から見れば、取り繕ったって英語レベルはバレバレなのですから、ヘンなことを気にせずに思い切ってぶつかってみましょう。Don't be shy! Don't be embarrassed! (コメント)SNSやオンラインゲームなどのチャット、Eメールや、カメラなしのSkypeで話すのなら顔が見えない分、入りやすいと思いますよ。思いっきり今の自分の英語をさらけ出しましょう。 (コメント)ただ、事前に防げるなら防いでおくにこしたことはないでしょう。例え悪意はなかったとしても、関係修復が不可能なぐらい失礼なことを言ってしまうのは避けるべきです。そのためにも、日本語訳にばかり頼らず、単語がもつそれ自体のニュアンスは知っておくべきだと思います。